著者
戸田 智基 河井 恒 津崎 実 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.603, pp.45-52, 2002-01-17
被引用文献数
2

本稿では, 日本語テキスト音声合成(TTS : Text-to-Speech)における新たな単位選択法を提案する.日本語では, 母音の無声化を除くとCV(C : 子音, V : 母音)とVから音節が構成されるため, 合成単位としてCV単位がよく用いられる.しかし, 波形接続型のTTSにおいてCV単位を用いて音声を合成すると, VからVへの接続によりしばしば不連続感が生じる.V-V接続を防ぐためにより長い単位(CV^*単位や可変長単位)がこれまでに提案されているが, V-V接続の問題はまだ解決されていない.そこで, V-V接続により生じる不連続感を低減する手法として, 音素単位とダイフォン単位に基づいた新たな単位選択法を提案する.提案法では, 音素境界における接続だけでなく, 母音中心における接続も考慮して単位選択が行われる.評価実験結果から, 提案法は音素単位に基づいた従来法と比較し, よりよい性能をもっことが明らかになった.
著者
徳田 清仁 中林 昭一 菊池 典恭 畑本 浩伸 浅野 欽也 金子 富 阿部 智
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.440, pp.83-88, 2010-02-24
被引用文献数
1

高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems: ITS)の開発目標の一つに先進安全自動車(Advanced Safety Vehicle: ASV)がある.本論文では,車群通信技術をベースにITS用に割り当てられた複数の無線周波数の有効利用を図るマルチバンド車々間通信(Multi-Band Inter Group & Inter Vehicle Communications: MBIG-IVC)システムの可能性検討結果について述べる.MBIG-IVCシステムは,出会い頭衝突防止を中心としたASVで検討中の安全運転支援アプリケーションに対して,サービスエリア拡張とシステム容量増大に有効であることが明らかになった.
著者
飯塚 重善 小川 克彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.319, pp.31-36, 2005-09-30

コンピュータの普及やインターネットの発展により, さまざまな情報が場所や時間を問わず扱われるようになってきている.その結果, 高い機密性が求められる情報でさえも, いつでもどこでも扱われるようになってきた.しかしこれは, 利用者が, 個人情報の漏洩や流出といった危険性にもさらされることにもなりうる.このようなサービスは, 頑強なセキュリティ技術とともに提供されているため, システム機能上ではセキュアなサービスとして利用することができるが, 実際, 情報セキュリティ対策を十分に行ったシステムであっても, その利用場所によって利用者の安心感に大きな差が生じることが確認されており, 不特定多数の人間が利用できる公共の作業環境(パブリックスペース)において, 利用者は, 機密性の高い情報を必ずしも安心して扱うことができているとはいえない.そこで筆者らは, 公共空間で, 利用者が安心して利用できる作業環境を構築するための研究を行っている.本稿では, インターネットユーザを対象に, 個人情報毎に, それらを扱うことへの意識をたずねることで, 一般の人の, 個人情報取り扱い時の意識レベルを調査した結果を示した.さらに, 大学キャンパス内およびレンタルオフィスといった, 実際の公共空間での情報取り扱い実験を行い, その状況での個人情報取り扱いに対する意識調査も行った.それらから, 実際の公共空間での情報の取り扱い場面も含む, 汎用的な個人情報のセンシティブ度を得たといえる.
著者
藤田 堅太郎 Ahmed Tarek Gamage Laknath 平木 英治 中岡 睦雄 木船 弘康 畑中 義博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.38, pp.67-72, 2003-05-02

本論文では位相シフトPWM制御方式を用いたロスレスキャパシタスナバ支援フルブリッジ高周波直列負荷共振インバータを取り上げ,その軽負荷域でのゼロ電圧ソフト補助共振ACリンクスナバスイッチング特性を改善した高周波ソフトスイッチング直列共振インバータを提示し新方式デュアルモード制御高周波インバータに対しシミュレーションと試作実験による性能評価を図説・検討している。さらに,新方式インバータを用いたデュアルパックスIHヒータ形流体加熱システムについて性能評価検討をしている。
著者
土井 将登 阿多 信吾 岡 育生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.463, pp.139-144, 2010-03-04

P2Pファイル共有システムにおいてコンテンツへの要求の時間的傾向(検索トレンドパターン)が,将来のコンテンツに対する要求を予測するために重要となっている.コンテンツに対する将来の要求を予測することは効率的なキャッシュの利用などにとって重要であるが,検索クエリに使用されるキーワードの性質によって検索トレンドパターンは大きく異なってくるため,検索トレンドパターンの正確な予測は難しい.そこで検索トレンドパターンを分類し,キーワードがどの検索トレンドパターンに属するか識別することがトレンドパターンの予測に有効である.我々は以前の研究で離散フーリエ変換及びWard法による検索トレンドパターンの分類方法を提案した.本稿では,その分類結果に基づき計測された検索トレンドパターンの統計的特徴から自動的に検索トレンドパターンを識別する方法を提案する.その結果,88.3%という高い確率での識別が可能であることを示す.
著者
川西 哲也 佐々木 雅英 及川 哲 井筒 雅之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.639, pp.7-12, 2001-02-16

往復動作逓倍変調の原理確認と、光周波数変換への応用を目指して、往復動作逓倍変調による光周波数変換を提案し、光変調器に供給する電気信号の周波数の6倍分の光周波数シフトの実験結果を報告する。周波数30GHzの高周波電気信号による180GHzの光周波数シフトの場合で、従来の光変調器の非線形性による高調波発生に比べ、約250倍の強度の光出力が得られた。
著者
藤川 知樹 甲藤 二郎 泉川 晴紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.525, pp.241-246, 2008-02-28
被引用文献数
1

近年リアルタイム系サービスの普及に伴い,TFRCやVTPといった,リアルタイム性を必要とするIP通信の輻輳制御手法が新たに提案されている.それらの輻輳制御方式は,TCP-RenoのAIMDアルゴリズムや平衡状態のレート式に基づいて設計されている.しかしRenoでは,単位時間あたりの輻輳ウィンドウの増加量がRTTによって異なるので,RTTの異なるフローが競合する場合,帯域が不公平に分配されてしまうという問題がある.コンピュータシミュレーションの結果,Renoを元にしたこれらの方式でも同様の問題を抱えていることが分かった.そこで本稿では,特にVTPに着目し,増加係数をRTTに比例するパラメータに設定することで,RTTの異なるフロー間での公平性を実現する輻輳制御方式を提案する.また,コンピュータシミュレーションによって評価を行い,提案手法の有効性を示す.
著者
倉島 健 岩田 具治 入江 豪 藤村 考
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.450, pp.55-60, 2010-02-25
被引用文献数
4

写真共有サイトのジオタグ情報を人々の旅行履歴として利用したトラベルルート推薦手法を提案する.提案法においては,現在地からアクセスしやすい場所と自分の興味に合致した場所に旅行者は移動しやすいと仮定し,写真共有サイトのジオタグ情報からフォトグラファーの行動モデルを生成する.この行動モデルを用いて,現在地,空き時間,個人の興味に合うトラベルルート推薦を実現する.写真共有サイトFlickrの71,718人に関するジオタグ情報に基づく実験により,行動予測における提案法の有効性を示す.
著者
小村 政則 樋口 正嗣 程 イ涛 大嶋 一郎 寺本 章伸 平山 昌樹 須川 成人 大見 忠弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.373, pp.39-41, 2003-10-13

マイクロ波励起高密度プラズマで形成した100nm世代以下向けの直接シリコン窒化ゲート絶縁談の電気的特性を示す。プラズマ中の電子温度を低く抑え、プラズマダメージを極小にすることにより、TDDB特性がドライ酸化膜と比較して30000倍向上した。また400Kの温皮下において、C-V特性においてヒステリシスは観測されない。
著者
久万 善広 梅比良 正弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.518, pp.239-244, 2008-02-27
被引用文献数
4

周波数領域等化を用いるシングルキャリア伝送(SC-FDE)方式はOFDMに比べてPAPRが小さく、周波数選択性フェージング下においてOFDMと同等の特性が得られるが、サイクリックプレフィックス(CP)の挿入が必要であり、周波数利用効率が低下するという問題がある。本文では、オーバーラップFDEを用いたゼロCPシングルキャリア方式(ZCP-SCFDE)を提案し、計算機シミュレーションにより特性評価を行ったので報告する。
著者
瀬之口 敦 福田 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.169, pp.19-22, 2008-07-18

コンフリクト警報は,管制間隔未満となる航空機の接近に対し,航空管制官へ注意喚起を促すものである。近年,航空機の動態情報を地上側で利用するデータリンク環境が検討されており,不要なコンフリクト警報の低減等が期待されている。この効果を示すためには,コンフリクト警報を必要と不要とに分類することが欠かせない。電子航法研究所では,コンフリクト警報を分類することが容易となる解析ツールを開発した。本ツールは,現状を模擬した航空交通シナリオによるコンフリクト警報の表示記録等を入力として,警報表示記録の集約,個々の警報発生状況の詳細表示,それらの動画再生が実行可能である。
著者
王 旗 仲谷 美江 西田 正吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.29, pp.25-32, 2002-04-12

CGの適用によりアニメーションの動画作成コストは省力化されるが、振り付けば人間が考えなければならない。すでに単体ダンサーを音楽に合わせて動かす研究が始まっているが、グループダンスの振り付けを生成する研究はまだ見られない。本稿では、音楽の感情に合わせて複数オブジェクトの動きを生成する。音楽からの感情の抽出は、まず標準MIDIファイルで入力した曲を1拍ごとに分割して楽曲構造要素を抽出し、8つの感情語群についてそれぞれ感情価を測定する。動作で感情を表すには、数秒から数十秒を要するため、感情のまとまりができるように、分割した区間を再統合する。各区間の感情値に合わせてオブジェクト全体の形とその変化形を決め、個々のオブジェクトの移動動作を生成する。今回はオブジェクトの動線に焦点をあてた。今後は、個々のオブジェクトの動作に芸術性を高めることが課題である。
著者
河村 真吾 竹内 勇剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.59, pp.95-100, 2007-05-17

This study inspects the influence of visual effect of non-symbolic expression upon human selective decision. In this experiment, we showed subjects an arrow with two typed of non-symbolic expression. One type is to remind subjects of the same meaning of a direction of the arrow, another is to remind them of the opposite meaning. Then, we inspected the influence of non-symbolic expression upon subjects selective decision. The experimental results indicate when the arrow with non-symbolic expression that to be reminded of the opposite meaning of the arrow is shown, necessary time to select a direction became longer and a probability of the correct selection came down.
著者
山崎 俊太郎 持丸 正明 金出 武雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.27, pp.73-78, 2010-05-06
被引用文献数
3

一人称ビジョンシステムの一つである,頭部装着型の単眼カメラを用いて,画像から自己位置を推定する方法を提案する.本報告では,移動環境が既知であると仮定し,オフライン処理で環境地図を作成し,地図中での位置の推定をオンラインで行う,2ステップの手法について述べる.地図作成ステップでは,未校正の画像集合から,Structure-from-Motion法を用いてカメラ位置を復元する.続いて,多視点ステレオ法を用いて密な3次元点集合を生成する.復元した3次元点の座標,対応する画像特徴,その観測方向の3つ組からなる画像特徴データベースを作成し,画像特徴をキーとして検索可能な木構造に格納する.位置推定ステップでは,単眼カメラの計測画像から抽出した画像特徴を利用して木構造を探索し,環境中の3次元点との対応を取得する.得られた対応点を元に,ロバスト推定によってカメラの姿勢を復元する.実験では,500以上の画像から大規模な環境地図を生成さし,頭部に装着したカメラの位置をオンラインで,cm精度で求められることを示す.本手法を用いることにより,利用者に負担を与えない単純な計測装置で,人間の日常生活行動を長期間にわたり観測することが可能になる.
著者
原田 勇治 西尾 正則 坂本 祐二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.256, pp.131-134, 2010-10-21
参考文献数
3

ハヤト(KSAT)は2010年5月21日に、HIIA17号機の相乗り衛星として打ち上げられ、高度300kmの円軌道に投入された。衛星は1辺10cmの立方体の形状で、重量は1.43kgである。軌道投入当初、衛星からの信号を捉えることができなかったが、6月1日より6月7日までの7日間、信号受信に成功した。その後、再び信号を捕らえることが困難となり、7月14日に大気圏に突入・消滅したと思われる。衛星の地上管制システムの概要と追跡方法および追跡結果について報告する。また、受信結果から想定される衛星の動作状態の解析結果についても報告する。
著者
松田 耕史 山本 悠二 酒井 浩之 増山 繁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.595, pp.13-18, 2006-01-27

Web上の情報量の増加とWeblogなどの簡易な情報発信手段の普及によって、Web上のリンクを単に「リンク先ページへの信頼」と解釈することはできなくなってきた。Web上のリンクに込められた感情を知ることによって、より密に連携したWebコミュニティを発見することが可能になると考えられる。そこで本研究では、Weblog内のリンクに対して、教師付き学習によって感情スコアを推定することを試みた。肯定的文書、否定的文書間の表現の偏りや、Weblog特有の文書構造を考慮した結果、ピアソンの相関係数で0.45程度と、かなりの相関をもって推測可能であることがわかった。
著者
高木 相
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.193, pp.45-50, 2006-07-21

平成18年(2006)6月6日(火)から9日(金)まで、仙台国際センターにおいて第23回電気接点国際会議(略称ICEC2006/Sendai)が開催された。本報告はその会議報告である。
著者
堀田 浩平 坂本 眞一 塚本 大地 渡辺 好章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.411, pp.85-90, 2009-01-22

本研究では,熱音響冷却システムの小型化について検討を行った.熱音響冷却システムの一つであるループ管では,管内に発生する音波の周波数が全長と逆比例の関係を成すため,小型化すると周波数が高くなる.周波数が高くなると,ヒートポンプで効率良く冷却を行うための最適条件が変わる.本研究では,ヒートポンプの冷却効率に関係するパラメータであるωτと設置位置に着目し,これらのパラメータに関する冷却温度特性の測定を行った.実験結果から,ヒートポンプスタックのωτや設置位置を調整することで,100mm程度まで小型化したとき,わずかではあるが温度低下が確認された.また,スタックのωτによって,冷却温度が最大となる設置位置が異なる結果が得られた.この結果から,ωτや管内の音場は,ヒートポンプの設計指針として適用できると考えられる.
著者
中澤 勇夫 雨宮 将稔 清水 裕之 秦 正治 広瀬 敏之 佐藤 英昭 木村 滋 小寺 隆三 阿部 宗男 杉田 邦博 水谷 太蔵 光武 雄一郎 工藤 栄亮 野原 学 吉川 憲昭 鈴木 文雄 関 和彦 小川 博世
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.568, pp.141-148, 2000-01-20
被引用文献数
1

第三世代移動通信システム(IMT-2000)は、世界各国で使用可能なグローバルサービスを目指す位置づけから1992年ITUにおいて世界共通の周波数(2GHz帯)の割当が行われた。国内のIMT-2000の2GHz帯導入に際しては、既存システムとの干渉特性を明らかにする必要がある。このため、(社)電波産業会(以後ARIB)では平成8年度より調査検討会を設置し、導入が期待されているCDMA方式による移動無線と、IMT-2000に割り当てられた周波数帯を用いている既存の固定無線との周波数共用の可否、及び周波数共用を可能とする条件を明らかにするために、計算機シミュレーションおよびフィールド実証試験について調査及び試験分析を行ってきた。本報告はこの内、フィールド実証試験についての調査及び試験結果の報告であり、相互干渉モデル、試験システム、広帯域伝搬路特性、電界強度特性等について述べる。
著者
大野木 碧 斎藤 英雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.536, pp.83-88, 2006-01-13

集合写真を撮影する際, 2つの困難な点がある.1つは, 撮影対象となる人数が多いため1枚の写真にすべての人を収めるのが難しいという点である.2つめは, それぞれのタイミングで表情が変化するため, すべての人が同じ瞬間にベストショットの表情をすることが難しい点である.そこで本論文ではビデオカメラにより対象を撮影し, イメージモザイキングを用いて集合写真を合成する.そして, 提示された集合写真からユーザがインタラクティブに指定した人物の顔領域を交換できるシステムを提案する.本手法では, まず, KLT Feature Trackerによりフレーム間の対応点を抽出し, 画像間のホモグラフィを算出する.算出されたホモグラフィにを用いて, 画像をつなぎ合わせることによってシステム側がデフォルトの広角集合写真を提示する.ユーザは提示された集合写真に対して, 顔領域を交換したいと思った人物を指定し, それに対してシステムがホモグラフィを用いて入力動画像列から同一人物の顔領域を自動的に抽出する.そして, 抽出された交換顔領域の候補からユーザが交換する顔を指定することによって, インタラクティブな顔領域の交換を可能とした.