著者
高橋 善彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.360-365, 1994-04-25
参考文献数
5
被引用文献数
2

当社のネットワークの変遷について簡単に触れる.その中にはどのような課題が与えられてきたのかを整理する.そして,将来の企業ネットワークに与えられている課題が,ネットワークのフレキシビリティという観点から,どのような要因によって解決されるのかを検討し,フレキシブルなネットワークに期待するところを整理する.
著者
鬼頭 達男 鳥居 秀行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.636-642, 1994-06-25
被引用文献数
8

盗聴の心配のいらないパーソナルハンディホン
著者
細野 敏夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.168-175, 1993-02-25
被引用文献数
4

電磁気学を難しくしている本質的事情として,(1)電磁気学は現在も進化の途上にある学問であること,(2)電磁現象を弾性現象との類推で理解するといるMaxwell以来の理解法,(3)電磁現象は本質的に相対論的であること,(4)磁荷とか磁流という概念は数学的に余りに便利であるため,物理的と誤解されやすく数学と物理をごちゃ混ぜが起りやすいこと,(5)電磁方程式の表現が代表的なものに限ってもEB,DH,EHの3種類あること,等を指摘した.細野のパラドクスより,静電磁界のPoyntingベクトルの実在性を論じた.
著者
宮内 宏 尾花 賢 森 健吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.86, no.5, pp.331-336, 2003-05-01
参考文献数
6
被引用文献数
2

2002年に電子投票法が施行になり,地方自治体の選挙の電子化が可能になった.電子投票の進展については,第一段階(指定された投票所にて電子投票機での投票),第二段階(任意の投票所での投票),第三段階(自宅等のコンピュータからの投票)が考えられている.電子投票では,有権者認証,無記名性確保,正当性検証の3要件を満たす必要がある.これらの要件を満たすための実現方法や情報セキュリティ技術を上記3段階に対応して述べる.特に第二,第三段階を実現するミックスネット方式について詳しく説明する.
著者
中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.84, no.9, pp.643-648, 2001-09-01
被引用文献数
25 3

近年の移動通信の進歩はすさまじいものがある.その中で第3世代以降の変調方式がどのようなものになるのか注目されている.高速, 広帯域な伝送が可能で, かつ周波数効率の高いものが望まれる.本稿ではそうした中で何かと議論の多いOFDMとCDMAの融合方式を分かりやすく解説する.まず, OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)とCDMA(Code Division Multiple Access)の両変調方式に関して別々に取り上げ, 最後にそれらが融合した方式について解説する.
著者
吉田 典彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.86, no.5, pp.319-323, 2003-05-01
被引用文献数
4

ホームセキュリテイシステムは,最近の犯罪件数の増加と凶悪化,核家族化や都市化,高齢化の影響により,ここ数年は前年対比20%増で実施件数が増えている.新築やリフォームをきっかけに導入されるなど,「安全を買う」という意識も広がり,今やホームセキュリティは本格的な普及期を迎えたといえる.ここでは,日本のセキュリティの歩みとホームセキュリティ開発の背景,その仕組みと普及の要因,更には企業・家庭から,個人にまでその領域を広げたセキュリティの現状と今後について紹介する.
著者
伊福部 達
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.84, no.5, pp.325-328, 2001-05-13
参考文献数
5
被引用文献数
2

21世紀に到来する超高齢社会と高度情報社会においては高齢難聴者が急増することは必死であり,それをどう解決するかが社会的にも大きな問題になっている.特に老人性難聴と呼ばれる高齢難聴者は言葉は聞こえても,その意味が理解しにくくなるという文章理解能力に支障を来す.その原因として言葉を処理する速度が低下したり,イントネーションやアクセントなどの韻律を処理する能力が低下するという仮説がある.ここでは,老人性難聴者の補聴手段として注目されている音声変換方式を例に取り,その効果や将来の課題について述べる.
著者
藤本 雅清
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.95, no.8, pp.754-758, 2012-08-01

音声区間検出(VAD:Voice Activity Detection)は,音声信号と音声以外の信号(非音声信号)が含まれる観測信号から音声信号が存在する時間区間を検出する技術である.VADは,様々な音声情報処理技術の入り口に位置することから,それらの性能を大きく左右する極めて重要な技術である.本稿では,VADの基本構成と評価方法,応用先について説明し,音声情報処理技術におけるVADの位置付けを明確にする.また,様々なVAD手法を紹介しつつ,過去10年間の世界的な研究動向を振り返り,今後の研究のあり方について述べる.
著者
木下 康昭 阪本 泰男 佐藤 千明 青木 敏 野本 真一 篠原 弘道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.204-213, 2002-03-01
被引用文献数
5

ダイヤルアップ時代から常時接続の時代に向け,ラストワンマイルのブロードバンド化がインターネット通信で最大の課題となっている.加入者から集配局に至るアクセス系の伝送媒体と網トポロジーを,電話用対ケーブルを用いるADSL,CATV同軸ケーブル網の利用,アンテナ系を用いる無線アクセス,光ファイバを用いる光アクセスの4種類に分類し,そのブロードバンド化の内外動向と技術課題を横断的に論じた.IT国家基本戦略は,今後の政策課題の実行で十分に達成の見込みである.
著者
田中 圭介 岡本 龍明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.85, no.8, pp.613-617, 2002-08-01
参考文献数
9

量子計算機が実現された場合においても安全な公開鍵暗号(秘匿,ディジタル署名)を構築するために,暗号の新しいパラダイムである量子公開鍵暗号を提案する.このパラダイムにおいては,通信者は多項式時間量子チューリング機械であるとし,通信路は古典的であるとする.また,部分和問題(ナップサック問題)を基礎とした公開鍵暗号(秘匿)の具体的な実現方式を示す.更に,量子公開鍵暗号のパラダイムを一般化することにより,量子計算暗号という新しいパラダイムが構築されることを示す.
著者
森田 清三 菅原 康弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.85, no.11, pp.858-865, 2002-11-01

半導体デバイスの評価装置には加工寸法の100分の1の空間分解能が要求され,2014年ごろには原子分解能が要求される.2020年ごろには,加工寸法は原子サイズに到達して,原子や分子から新ナノ物質や新ナノデバイスを組み立てる微細組立の時代に突入する.ここでは,21世紀前半に到来するミクロ極限の原子・分子時代に要求される原子分解能評価装置として,また,原子や分子から新ナノ物質や新ナノデバイスを組み立てる微細組立装置として,非接触AFMの空間分解能や様々な機能など,何がどこまでできるようになりつつあるかを紹介した.
著者
坂本 比呂志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.96, no.7, pp.501-506, 2013-07-01

データをどれだけ小さくできるかという根源的な問いは,現在もデータ圧縮の主要テーマであり統けている.一方で,データ圧縮は時代とともに新しい価値を獲得してきた.例えば,文字列データを圧縮することで高速検索する理論が1990年代に提案され,様々な分野で活用されている.そして現代は,圧縮しなければならない巨大なデータ,圧縮データに高速アクセスするための理論,それを実現するハードウェアの全てがそろっている.そこで,文字列圧縮について解説し,初学者の道標としたい.
著者
Yang Hong 前田 惟裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 = THE JOURNAL OF THE INSTITUTE OF ELECTRONICS, INFOMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.407-410, 2005-06-01
被引用文献数
1

2003年10月15日, 中国は初の有人宇宙船神舟5号を打ち上げ, 10月16日内モンゴル自治区に着陸し, YANG Liwei宇宙飛行士が無事帰還した.これでロシア, 米国に次ぐ3番目の有人宇宙機を成功させた国となった.これまで1999年11月20日打上げの神舟1号, 2001年1月10日打上げの神舟2号, 2002年3月25日打上げの神舟3号, 2002年12月30日打上げの神舟4号の成果を引き継ぎ, 今回の有人飛行の成功につながった.神舟5号は, 総全長約9m, 最大直径2.8m, 総重量7.8t以下であり, 軌道モジュール, 帰還モジュール, 推進モジュールの三つのモジュールから構成されている.宇宙飛行士は, 宇宙滞在中には軌道モジュールにおり, 帰還モジュールで帰還するように設計されている.また, 中国の有人宇宙技術の3段階の開発ステップにおいて, 第2段階は, 宇宙実験室, 第3段階は宇宙ステーションである.
著者
高畑 文雄 小野里 好邦 嶋本 薫 初田 健 三橋 龍一 青木 由直 棚橋 真 村井 純 佐藤 亨 木村 磐根 藤崎 清孝 大迫 陽二 立居場 光生 都築 伸二 田崎 三郎 岡 育生 藤原 値賀人 越後 宏 康 健 大沼 孝一 佐藤 利三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.435-456, 1997-05-25
被引用文献数
28

衛星の高機能化,無線周波数帯Kuバンドの使用,地球局設備の小型化・低廉化,電気通信事業法の改正に伴う民間企業の衛星通信ビジネスの参入などによって, 衛星通信に関する大学独自の実験・研究が可能になったことをふまえ, 大学を中心とした多数の教育機関と電気通信事業者からなる組織化された研究・実験機関である「ディジタル衛星通信の大学間高度共同利用研究協議会」を設立した. 本報告では, 上記協議会について概説した後, 協議会のもとで衛星を介して実施されている主要な実験・研究として, マルチメディア衛星通信, 北海道統合通信網, 知的通信による手話画像伝送, インターネットアーキテクチャにおける衛星通信の利用などを取り上げて, その内容を紹介する.
著者
前川 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.83, no.2, pp.96-100, 2000-02-25
被引用文献数
7

米国は国家安全保障のために高度な暗号技術の輸出を厳しく規制してきた.しかし1995年以降, 輸出規制は徐々に緩和され, 1999年9月に米国政府は大幅な規制緩和を行うと発表した.これはかつて国防上や外交上の機密を守るために使われてきた暗号技術が, 急速に発展する電子商取引に必要不可欠な技術であることを米国政府が認識したからだと考えられる.暗号技術は, ネットワーク上を流れる商取引情報を盗聴や改ざんから守り, 取引相手の確認(認証)を可能にし, ディジタルコンテンツの不正コピーを防ぐなどの重要な役割を果たしている.
著者
山村 清隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.88, no.12, pp.981-988, 2005-12-01
被引用文献数
7

SPICE指向型数値解析法は「式を回路で記述する」という逆転的発想に基づく方法論である.すなわち, 一般に非線形システムの数値解析ではシステム(例えば回路)を方程式で記述し, それに数値解法を適用するが, この方法では数値解法の式を回路で記述し, それに回路シミュレータSPICEを適用する.本稿では, 非線形方程式の数値解法であるホモトピー法をSPICE上で実現する方法とその応用例を中心に, SPICE指向型数値解析法に関する最近の研究動向とその可能性について解説する.SPICEは様々な機能や効率化手法が集積されている非常に優れたソフトウェアであるため, この方法により「かなり高度なホモトピー法を」, 「ホモトピー法のことをよく知らなくても」, 「複雑なプログラミングを行うことなく」, 「手軽に」, 「無料で」, 「広範囲の問題に」適用することができる.
著者
前田 惟裕 佐藤 直樹 長谷川 義幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.93, no.12, pp.1020-1026, 2010-12-01
参考文献数
18

国際宇宙ステーション(ISS)への有人輸送に関しては,米国ではスペースシャトル,ロシアではソユーズが使用され,中国では独自の神舟シリーズを成功させている.米国ではISSの運用延長とスペースシャトルの2010年の退役が決定された.日本では有人関連技術を習得するため,ISSに結合する有人宇宙実験施設JEM,宇宙ステーション補給機HTVの開発・運用が成功裏に行われ,各分野で大きな成果が得られている.米国では2010年4月にオバマ大統領から小惑星・火星への有人探査についての声明が発表された.宇宙用周波数調整会議(SFCG),国際電気通信連合無線通信部門(ITU-R)での検討に加え,我が国は将来有人技術の発展が必要と考えられるので関連事項について解説する.