著者
劉 文兵
出版者
東京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

戦後の日中映画交流に携わった、日中の映画人へのインタヴューに基づいた実証的な作業を行いつつ、日本映画が中国映画に与えた影響や、中国映画に現れた日本人のイメージなどについて考察してきた。本研究の研究成果を、著書の出版や、学術論文の執筆、学会発表をつうじて社会・国民に広く発信することができた。
著者
大村 華子
出版者
京都大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究では、どういった国内外の要因が、国家の限りある予算を安全保障と社会保 障する際に影響を与えているのかを明らかにすることを目的に進められた。分析の結果、議会で左派が多く、選挙制度が比例代表制であるほど社会保障費の割合は高まり、そうではない場合に、安全保障費の割合が高まることが明らかになった。研究の成果は、2012 年3 月には海外査読誌への投稿し、査読を受けているところである。
著者
大澤 舞
出版者
東邦大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究課題では、研究代表者が博士論文(Osawa (2009))で提案した、単独では非文(あるいは容認されにくい)と判断されるにもかかわらず、適切な(条件の整った)文脈に生じれば容認されるという振る舞いを示す「語用論的動機付けを必要とする構文」に関する一般化の妥当性を高めるため、不定名詞句主語を伴うcause使役受身文と、cause使役受身に共起するby句の分析を行った
著者
服部 寛
出版者
松山大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

日本とドイツの法律学方法論の第二次大戦後における出発点について、奇しくも1953年11月に行われた報告・講演が双方の起点となっていることを指摘し、各起点の具体的内容とその背景について、先行研究では十分に解明されていない部分にも注目しながら、戦後初期における方法論を考察するための視座と課題を提示した。その視座を元に、戦前~戦時期の理論・議論および今日的動向にも目をやり、検討を深めていった。
著者
許 秀美
出版者
大谷大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究は、日本国立国会図書館に所蔵されている「朝鮮筆記」という写本に収録された、かな書き朝鮮語語彙に着目し、同時期に編纂されたその他のかな書き朝鮮語語彙集と比較しつつ、ハングル表記の復元および音韻論的検討をおこなったものである。さらに「朝鮮筆記」が合綴されている「加模西葛杜加国風説考」をはじめとする10種類の資料について文献学的検討をおこない、それぞれの底本を明かにした。
著者
小関 祥康
出版者
京都大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

特殊な性質を持つアーベル多様体の個数の有限性に関する予想の一つである『Rasmussen-Tamagawa』予想を研究し、特別な場合に進展を与えた。より正確には、ガロア表現の法 l 表現から元の表現の情報がどの程度復元できるかを研究し、一定の成果を挙げた。これにより、特別な場合の予想のある種の一般化が正しいことが従う。一方で、ガロア表現を分類する Liu 加群を研究し、その基本的な線形代数的性質を研究した。また、ねじれクリスタリン表現に関する「充満忠実性定理」を証明した。これは Kisin により 2006 年に示された Breuil 予想と呼ばれるもののねじれ表現類似である。
著者
難波 秀行
出版者
福岡大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

2種類の携帯電話を用いた身体活動量測定システムを開発して,その妥当性を日常生活の身体活動量を最も正確に測定できる二重標識水法(以下DLW法)を用いて検討した.対象者は一般健常な男女20名(25~61歳)で,それぞれの方法で7日毎に計14日間の測定を行った.本研究で開発したシステムによって,総エネルギー消費量を精度よく推定することが示された.本システムの特徴は短時間,低コストで利用できることから,多人数の生活習慣病の予防等に利用できる可能性がある.
著者
大村 邦年
出版者
阪南大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究ではアパレル企業の新たなビジネスモデルの生成過程に着目し、その大きな要因が急速なグローバル化の進展と複雑で多様化する消費者ニーズへ適合することから生まれた、「進化型ビジネスモデル」であることに注目している。ファッション市場において競争優位を有するSPA型とFF型企業へのフィールドワークを中心とした実践的アプローチとともに環境適合による組織進化という観点による理論的アプローチをおこない、その成功要因を明らかし、企業変革に関する導出を試みた。
著者
岩井 紀子
出版者
東京農工大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

奄美大島における森林性カエルの保全につなげるため、林道敷設や伐採がカエル成体の餌資源量や幼生の生存に与える影響を評価した。カエルが一晩に動く範囲内における林道、林内間で餌資源である地上徘徊性昆虫のバイオマスに相違は見られないこと、また、林齢によっても影響を受けているとは言えないことが明らかとなった。林道や伐採が複合的にカエルに与える影響について、今後の解析に不可欠な多くのデータを得ることができた。
著者
鷲見 裕史
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究では、BaO-ZnO-P_2O_5 ガラスにおいて、添加元素や合成温度がリン酸構造やプロトン伝導性に及ぼす影響について詳しく調べた。Ba を Zn で置換するとリン酸分岐構造から直鎖構造に変化し、プロトン移動度が向上した。また、合成温度の低下に伴ってプロトン濃度が上昇した。800℃で合成した 30 mol%ZnO-70 mol%P_2O_5 ガラス電解質を用いて燃料電池を試作したところ、 250℃で 1×10^<-3>S/cm の導電率および 0.4 mW/cm^2の出力が得られた。ガラス構造は、プロトン伝導性に強く影響を及ぼすことが明らかになった。
著者
来海 慶一郎
出版者
福岡歯科大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

窒素含有ビスホスホネート製剤(NBP)関連顎骨壊死(BRONJ)の発症にNBPよる破骨細胞分化や生存の抑制作用が一要因になっているのではないかと推測し、マウス破骨細胞分化過程に対するゾレドロン酸とプレニル化促進物質GGOHの効果を検討した。ゾレドロン酸は分化関連分子TRAP、細胞融合分子DC-STAMP及びOC-STAMPの発現を抑制し、破骨細胞分化を阻害し、この作用はGGOHの存在下で回復した。以上より、NBPは破骨細胞の融合・形成を抑制し、プレニル化促進物質はNBPによる分化阻害を部分的に回復させると考えられた。
著者
奥田 賢治
出版者
中央大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

植物オルガネラにおいて、RNA編集は転写産物中の特定のC塩基をUへと変換する。これまでに同定されたRNA編集の部位特異的因子はすべてpentathco-peptide repeat(PPR)蛋白質である。特定のPPR蛋白質機能の欠損はしばしば複数のサイトの欠損を生じる。多くの場合、これら編集サイトのシス配列は一次配列の保存性が低い。一つのPPR蛋白質が複数の編集サイトに共有される分子機構はまだよくわかっていない。我々は、互いに部分的に保存、または保存されていない標的配列を認識することが予測されるPPR蛋白質OTP82とCRR22に着目した。大腸菌発現系を用いて組み換えOTP82とCRR22を発現、精製した。組み換えOTP82は標的サイトの-15~0領域に特異的に結合した。組み換えCRR22はndhB7およびndhD5サイトの-20~0領域、およびrpoB3サイトの-17~0領域に特異的に結合した。遺伝学的データとあわせて、我々はOTP82とCRR22が葉緑体における複数の編集サイトの部位特異的因子として働くことを結論した。加えて、配列相同性を示さないシス配列へのCRR22の高親和性結合は、シス配列中におけるある特定のヌクレオチドのみがPPR蛋白質の高親和性結合に十分であることを示唆した。それゆえ、シス配列は一次配列上保存性が低くても一つのPPR蛋白質によって認識されることができると考察した。
著者
付 月
出版者
筑波大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は、日本における退去強制手続きの対象者である非正規滞在者の人権保障問題について、国際人権法の観点および比較法的観点から検討することである。そのために、まず、日本における非正規滞在者の実態を把握するとともに、彼らの退去強制に際する人権保障問題について、日本国内における関連する国際人権諸条約の条文解釈および条約履行の現状を把握することに努めた。次に、ヨーロッパ人権裁判所の関連判決の分析を行った。そして、比較法的な視点から得た示唆を踏まえて、日本における非正規滞在者およびその家族の退去強制にかかる人権保障問題の所在を明らかにし、具体的な法的解決策について検討している。
著者
大島 幸代
出版者
早稲田大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

中国仏教美術にみられる護法神像の中から、特に金剛力士像と天王像が造形の上で明確に差別化される時期や事情を探るために、関係する造形作品や史資料の収集、整理という研究基盤の整備を行った。旧東魏・北斉地域の山西・河南・山東省を主たる調査地とし、作品情報を収集した結果、今後検討対象とすべき重要作品を抽出することができた。また、護法神像の造立記録が残る高僧について、関連史資料の収集と検証も行った。
著者
井上 智洋
出版者
早稲田大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

「技術進歩による生産性の上昇」と「産出ギャップ(需要不足)を解消しようとする市場調整」とが同時継続的に起こる経済をモデル化した。そのような経済では貨幣成長率を技術進歩率に等しくするような金融政策を維持しなければ、長期的な産出ギャップとデフレーションが発生する。すなわち、長期的なデフレ不況に陥るのである。
著者
間藤 茂子
出版者
早稲田大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

日系ペルー人のアイデンティティに関する論文を国際スペイン語文学学会(クスコ、ペルー)にて発表した。また、もう一本の論文を学術誌で発表した。さらに、2012年5月にラテンアメリカンスタディーズ国際学会で別の論文を発表する(選考率33%)予定である。他の論文はまだ発表するに至っていないが、この研究に関するものは合計で上記以外に二本書きあげ、校正中である。さらに日系詩人に関する新たな論文に取り組んでいる。最後に、ペルー、アメリカで実のある資料集め、ペルーでは、日系ペルー人作家との会合、インタビューができた。
著者
國井 勝
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

アンサンブルデータ同化手法に基づく観測データインパクト評価手法を用いて過去の台風事例でデータ同化に利用された観測データのインパクトを定量的に評価し,台風予測精度向上に効果のあった観測データを抽出することで,統計的に台風予測精度向上に最適な観測手法を推定した.結果として,大気中下層の観測データが台風予測精度向上により大きく寄与することが分かった.
著者
佐藤 みほ
出版者
東北大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、思春期の子どもたちの幼少期における家族の習慣と現在の家族機能、学校帰属感覚、学校充実度及び精神健康との関連を検討することである。山形県立X高等学校、福島県立Y高等学校、上山市立Z中学校に在籍する2010年度入学生を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した。調査の結果、Z中学校の男子を除いた対象者に対して、幼少期の家族の習慣の形成度は現在の学校帰属感覚に有意に関連することが認められた。
著者
伊藤 美千代
出版者
順天堂大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

本研究では、全国規模の無記名自記式質問紙調査により、炎症性腸疾患患者の職業発達の実態を明らかにした。難病をもちながら働くための職業発達は「無理なく働ける仕事内容、職場の選択」「症状や障害による仕事遂行への影響」「職場における困難への対処法の存在」など12項目の因子から構成され、それぞれの因子が地域における就労支援や家族支援、頼りに出来る人の存在などの環境要因と関連を有していた。
著者
角谷 賢一朗
出版者
神戸大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

iPS細胞から椎間板髄核細胞、線維輪細胞を分化誘導することを試みた。現在のところ幹細胞から椎間板細胞を効率的に分化させる方法は確立されていない。したがって、我々は互いを共培養させる方法を採用した。まず、iPS細胞と椎間板細胞を共培養することで分化誘導を試みたが、iPS細胞は線維細胞様の細胞に分化し椎間板髄核細胞の特徴は有していなかった。そこで、iPS細胞から胚様体を作成、この胚様体ヘレチノイン酸を負荷することで間葉系幹細胞を分化誘導し、この間葉系幹細胞と椎間板髄核細胞、線維輪細胞を共培養する手法を選択した。iPS細胞は浮遊培養することで約7日間後に胚様体の形成をみた。さらにこの胚様体細胞ヘレチノイン酸を負荷することで間葉系幹細胞様の細胞が誘導された。この間葉系幹細胞の性格を検討するために、骨分化誘導を行いアリザリン染色にてCa沈着を証明し骨分化誘導能を確認した。今後、このiPS細胞誘導間葉系幹細胞から椎間板細胞の分化誘導を図る予定である。