著者
濱田 陽
出版者
秋田大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

2年間の研究を通し、最終的に英語学習動機減退防止基本方針として、以下の6点があげられた。(1)学習者中心(2)情熱を持つ(3)教師主導(4)言語自体以上の事項提供(5)個に応じた教育(6)将来的使用。(1)と(3)は一見矛盾しているように思えるが、教師が主導した上で学習者中心の授業を行うということであり、(4)(5)は学習指導要領においても強調されている点であり、指導要領に沿った指導を行う事によって、動機減退が防止できる事も示唆している。
著者
西手 芳明
出版者
近畿大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

人工透析シミュレータシステムは、透析治療中に発生する警報の6パターンを再現することができた。動脈圧低下警報や動脈圧上昇警報では、脱血針をはじめダイアライザ入口までの動脈側のトラブルを再現することができた。静脈圧低下警報や静脈圧上昇警報では、ダイアライザ出口より送血針までの静脈側のトラブルを再現することができた。気泡警報では、血液回路にある複数のセンサに関連したトラブルを再現することができた。漏血警報では、ダイアライザに関連したトラブルを再現することができた。
著者
中川 亜紀治 倉山 智春
出版者
鹿児島大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

VERA電波望遠鏡を用いて高精度位置天文VLBI観測を行ってきた。本申請課題の期間に2件の論文が日本天文学会の査読付き雑誌に掲載された。AGB星の星周現象や銀河系内での運動などが明らかになった。年周視差が計測された天体数は6天体に増え、周期光度関係確立のためのデータが揃いつつある。HIPPARCOS衛星のデータをもとにして、視線速度、距離などのデータベースを整理し、およそ300天体の銀河系内ミラ型変光星について6次元動力学情報が整理された。
著者
小塚 裕介
出版者
東京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は電気抵抗を測定することで、酸化亜鉛における二次元電子の金属状態から絶縁体状態への転移を観測することである。極低温中において酸化亜鉛二次元電子に強磁場を印加することで、電気抵抗が急激に増大し、金属絶縁体転移が観測された。しかしながら、この抵抗増大の前後でキャリア濃度を反映するホール抵抗に異常は見られず、量子ホール絶縁体と呼ばれる、高移動度の低キャリア濃度系に特徴的な状態が実現されていることが明らかとなった
著者
清水 洋平 舟橋 智哉
出版者
大谷大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

今まで調査が手薄であったタイ国中部地域の王室寺院が所蔵する貝葉写本について、従前の科研プロジェクトから継続的に調査を行い、第一級王室寺院をはじめとする5ヶ寺の所蔵貝葉写本集成を軸とした約1, 700套(一套の中に複数の文献が所収されることが多い)を超える写本文献の情報を取りまとめ、所在目録を作成した。加えて、まだ貝葉や折本紙写本でしか存在しない東南アジア撰述の仏教説話文献に関わるテクストの多くを、デジタル画像資料として入手することに成功した。これにより、現在まで殆ど実態が不明であったタイ国中部地域の王室寺院が所蔵する収蔵文献について、その特徴を明らかにした。
著者
堀 まどか
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

20世紀初頭の欧米における芸術の転換期において、日本の芸術芸能はいかに発信され、いかに受容されたのか。本研究の目的は、野口米次郎とその周辺の文化ネットワークの実証的な検証を通して、その一端を明らかにすることであった。日本の芸術芸能への関心は、20世紀転換期の「象徴主義」「神秘思想」「東洋」といった欧米知識人たちの関心空間の中にまさに胚胎し、ギリシアや古典、伝統回帰と表裏一体で形成されていくモダニズム芸術運動と連動した。本研究では、野口を軸に、ここに介在した日本文化人と英語圏文学者との間の交流、その結果生まれた芸術芸能の相互作用の実態と内実を解明し、この時期における日本と海外の芸術交流史に新たな視点を切り開いた。
著者
田中 玲奈
出版者
昭和大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は,エナメル質初期脱灰病変に対して人工材料のみを添加するのではなく,潜在的な石灰化能を向上させることにより本来の歯質を回復することである.石灰化処理を行ったエナメル質は,その耐酸性と物理的強度が重要である.齲蝕や欠損のない健全な天然歯エナメル質試料に35%過酸化水素とハロゲンランプ照射によるIn-office Power Bleachを行い,人工唾液を作用させた後,脱灰液に2週間浸漬し,エナメル質の溶解性を評価した.溶解性は,デスクトップ型のマイクロCTを利用した非破壊検査により,1つの抜去歯から任意のボリュームで複数の仮想サンプルを抜き出すことができるため,エナメル質に物理化学的な変化を加えずに,ミネラル体積の変化や結晶度を経時的に測定することができる.また仮想サンプルは数値上全く同一形状であり,機械的に作成したものよりも精度が高く,データの信頼性や再現性も確保することができる.未処理のエナメル質(Control),人工唾液を作用させながらHome Bleach(HB)した後脱灰したエナメル質,In-Office Power Bleach(OB)した後脱灰したエナメル質をマイクロCTによって分析し,病変部のミネラル分布の変化を測定し比較した.HB試料とControlにおいて脱灰によるミネラル体積の減少が顕著であったのに対し,OB試料では脱灰後のミネラル体積が増加した.エナメル質の密度は,表面からエナメル象牙境に向かって傾斜的に低下する.高濃度の過酸化水素は硬組織に対しての浸透性が高く,エナメル深部の低密度層で相対的に濃度が上昇する.深部に貯留した過酸化水素はハロゲンランプ照射によりラジカルを発生し,深部から表層にかけて電気勾配が発生すると考えられる.低密度層で電荷が生じることにより,人工唾液中でエナメル深部の選択的石灰化が,はじめて可能になった.さらに本研究から,石灰化処理を行ったエナメル質の耐酸性が明らかになった.
著者
孫 晶
出版者
名古屋工業大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

はじめに,サプライヤーリスクマネジメント諸問題を対象とした国内外の文献・実態調査により,サプライチェーリスクを明確化し,問題の体系化を行った.次に,サプライチェーンビジネスの戦略決定に不可欠な,品質・コスト・納期・環境・安全における効率的な評価基準算出方法を提案し,サプライヤー最適経営評価法則及び新たな統括理論を検討した.また,環境負荷軽減を目指し, Win-Winの視点からリュース部品のサプライヤーの最適な物流構築モデルを提案し, LP(LinearProgramming)手法を使って,サプライヤー業者全体の利益を最大にする物流構造の最適解空間とその条件を導くことができ,さらに,提案したモデルを使って,自動車業界のリバースチェーンにおける需要変動に対する最適物流構造の変更方策を考察した
著者
長友 克広
出版者
弘前大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

中脳黒質網様部GABAニューロンは、高頻度に自発発火をしている細胞の1つであるが、その持続的な自発発火を支える制御機構は明らかではない。本研究では、「代謝」という観点から、急性単離ニューロンを用いて、細胞外グルコース濃度および温度を変化させた時、自発発火頻度がどのように変動するのか解析した。以前報告した脳スライスの結果と異なる結果などが得られ、ニューロンの自発発火はニューロン周辺環境の何らかの因子によって調節されていると示唆された。
著者
渡邊 理恵
出版者
山口大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

本研究では、M1が粒子内へ大量に存在する仕組みが、粒子形成前のM1多量体形成にあると仮定し、免疫沈降法を用いて細胞内で形成されるM1-M1複合体を検出した。FlagタグあるいはHAタグを付加した2種類のM1を細胞内で発現させ、抗Flag抗体で免疫沈降後、抗HA抗体を用いて検出した。免疫沈降サンプル調整時のpHを変化させたところ、長い紐状粒子を作りやすいインフルエンザウイルスUdorn株(H3N2)のM1では、細胞溶解液のpHに関わらずHAタグを持つM1が沈降した。一方、球状粒子を作るWSN株(H1N1) M1では、pHが変化すると、沈降するHA-M1の量が変化した。
著者
角田 衣理加
出版者
鶴見大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

デキストラナーゼとフルクタナーゼのキメラ酵素の開発は、う蝕予防に貢献できる可能性がある。S. mutans UA159株からデキストラナーゼA(dex A)遺伝子とフルクタナーゼ(fru A, fru B)遺伝子をそれぞれクローニングし、得られた酵素をデキストランおよびフルクタンと反応させ、それぞれの基質が分解したことをSomogyi-Nelson法により確認した。本研究により開発した酵素を用いて、バイオフィルムを分解できる可能性が示唆された。
著者
福田 友子
出版者
千葉大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

本研究は、トランスナショナルな移住形態が顕著に、かつ継続的に見られる、在日/元在日パキスタン人移民とその家族を調査対象者として取り上げ、日本社会に一旦適応したはずのパキスタン人移民が日本社会を離れることを決断し、「第三国」や「最終目的国」に再移住して活動拠点を形成する過程を分析し、その背景にどのような要因があるのかを考察した。そして「間接移民システム」モデルとトランスナショナリズム論を組み合わせながら、独自の説明図式を提示した。
著者
綱島 亮
出版者
山口大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

ポリ酸と呼ばれる分子性金属酸化物について、簡便に行えるクロマトグラフィー的分析手法の開拓を目指し、電気泳動に注目した。個々のポリ酸は、サイズと電荷に依存した移動度を有することを明らかにした。これにより、様々なポリ酸が混在する溶液中であっても、任意の成分を分離することが可能になり、合成収率の向上や形成機構解明に向けた反応系のクロマトグラフィー分析が合成実験の範疇で行えるようになった。
著者
柴田 早苗
出版者
岐阜大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

イヌのアトピー性皮膚炎の免疫病態には、ケモカインであるCCL17/TARCが重要な役割を果たしていると考えられている。イヌケラチノサイトにおいて、CCL17 mRNA転写は主にTNF-αによって誘導されることが明らかになっている。しかしながら,その制御メカニズムは明らかにされていなかった。そこで、イヌADに対するケモカインを標的とした治療法の開発に向けて、ケラチノサイトにおけるTNF-α誘導性CCL17mRNA転写の制御メカニズムを明らかにすることを目的に研究をおこなってきた。その結果、イヌケラチノサイト細胞株であるCPEKにおけるTNF-α誘導性CCL17 mRNA転写は、p38によって正に、ERKによって負に調節されていることが示唆された。このことから、研究代表者はERKがイヌAD治療の標的分子として有用となりうると考えた。そこで、本研究では、ADにおいて特異的に発現増加あるいは低下しているERK関連分子をAD新規治療法の候補分子とするために、ADと診断されたイヌの皮膚病変部・非病変部および健常皮膚におけるp38、ERKの活性化およびERKの活性化に関与する分子群の発現を比較検討することとした。当該年度においては、EGFファミリーおよびEGFR mRNA転写量について、リアルタイムRT-PCRを用いて検証するために、EGFファミリーおよびEGFRに対する特異的プライマーを設計した。これら特異的プライマーを用いて、各分子のmRNAを定量することに成功した。また、EGFRに対する特異的抗体を用いたウエスタンブロッティングにも成功した。これらにより、今後はアトピー性皮膚炎病変皮膚を用いた解析が可能となった。
著者
伊藤 ゆり 杉本 知之 中山 富雄 中村 隆 ベルナルド ラシェ ミシェル コールマン
出版者
地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所)
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

地域がん登録資料を用いて、がん患者の治癒割合および非治癒患者の生存時間の中央値を推定し、その時代変化を検討することによりがん医療の評価を行った。1975~2000年において、食道、胆嚢・胆管、肺がんは全期間を通じて治癒割合、生存時間ともに向上し、診断・治療技術の向上が示唆された。一方、肝がんでは治癒割合は向上せず生存時間だけが延長した。また、前立腺がんでは生存時間の延長がなく、治癒割合だけが向上し、過剰診断の可能性が示唆された。
著者
山本 景子
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

空間芸術の創作活動における非言語情報を伝達するインタフェースの実現を目的として,ドローイング時の動作情報からユーザ状態を推定するシステムと,ミラーインタフェースを応用した熟練者動作中の非言語情報を提示するシステムをそれぞれ実装した.その結果,前者のシステムでは,机上振動音よりユーザの心理的難易度および心理的負担が推定できることが確認されたが,後者のシステムの有効性は再実験にて評価する必要があることが確認された.
著者
酒井 麻衣
出版者
東京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2008

小型ハクジラ亜目は、接触や同調を用いてコミュニケーションを行う。本研究では、その詳細や発達・進化を明らかにすることを目的とし、野生個体の水中観察、飼育個体の観察、バイオロギングの3つの手法を用いて研究を行った。その結果、ミナミハンドウイルカの呼吸同調が親和的社会行動の一部であることを示した。また、マイルカ科とネズミイルカ科では胸ビレを用いる社会行動に相違がみられることや、社会性が乏しいとされてきたスナメリが他個体と社会関係を築く可能性を示した。
著者
許斐 亜紀 横井 克彦
出版者
愛知学泉大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

造血機構における亜鉛の作用メカニズムは不明である。そこで、亜鉛欠乏が腎臓中エリスロポエチン(EPO)濃度に与える影響について検討した。Sprague-Dawley系3週齢雄ラットを対照群(CON)、亜鉛欠乏群(ZD)、Pair-Fed群(PF)の3群に振り分け4週間飼育した。データはFisherのPLSDで統計処理を行い、有意水準は5%とした。血中EPO濃度はCONに比べZDが有意に低値を示し、PFが低い傾向を示した。腎臓皮質中EPO濃度はZDがPFに比べ低値を示し、有意差は見られなかった。PFはCONに比べ高い値を示した。腎臓髄質中EPO濃度には差は見られなかった。
著者
高尾 将幸
出版者
東洋大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

本研究は第5回国民大会(愛知国体)を事例に、スポーツが荒廃した都市空間にどのような影響を与え、同時にその関係がその後のスポーツのあり方にどのようなインパクトを与えたのか、その一端を解明する作業に取り組んだ。
著者
亀田 純
出版者
東京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

浅部化石付加体である三浦-房総付加体に発達する沈み込み帯前縁断層(白子断層、浅間断層)を対象として粘土鉱物分析を行った。その結果、いずれの断層においても断層内部(断層ガウジ)における局所的なスメクタイト-イライト相転移反応の進行が見られた。この反応はおそらく断層運動時の摩擦発熱によるものと考えられ、地震性の高速すべりが付加体先端部まで到達していたことの物的証拠と考えられる。