著者
竹内 恒理
出版者
つくば国際大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13412078)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.83-96, 2004

Argentine national economy has faced the most difficult situation in her history because of running away huge foreign capital flow outward the country. This article puts forward two main arguments. First, to examine how FDI towards Argentina increased so rapidly through 1990's under the new conditions appeared in Argentine. Second, to analyze the "foreignization" process which was observed in the Argentine corporate community after flowing huge FDI under the strategy made by multinational big companies.
著者
岩淵 剛
出版者
岡崎女子大学・岡崎女子短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:09168400)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.77-87, 2004-03-25

This essay is the supplement to my former one written on "Bulletin of Okazaki Women's Junior College" Vol. XXXVI, March 2003. Through discussion with Zimbabwean interviewers and Academicians about Research Data as well as some reference Books, I could have much clearer and fruitful definitions of concepts of "Peasant Farmer", "Small Scale Farmer" and "Farm Laborer". This information will assist us to make effective policy for poverty alleviation of Sub-Saharan Rural African.
著者
柴田 益江
出版者
名古屋柳城短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13427997)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.63-71, 2008-12-20

民生委員は最も地域に根ざした福祉の担い手である。この民生委員に対する高齢者虐待の意識調査をおこなった。アンケート調査の対象は、I市の民生委員定数195人で、回答者は173人であった。(回答率88.7%)。性別は男性83人、女性82人で男女の差はなかった。年齢層は、60歳代が最も多く、51.4%、70歳代は20.2%であり、40歳代5.8%と最も少なかった。民生委員の在任期間は、3年が51人(29.5%)で最も多く、次いで6年が37人(21.4%)であり、全体の50.9%を占めている。9年以上の在任期間を有する者は全体の27.9%であった。民生委員の職業は、特徴的な傾向はないが、主婦が最も多く63人(38.4%)であった。僧侶が6人(3.5%)が目立つ程度である。民生委員の高齢者虐待の体験では、10.4%の人が虐待を発見している。高齢者虐待は増加していると考える人が63.0%であった。民生委員の今後の活動では、虐待の研修や普及活動が必要であると答えた人が、それぞれ、68.2%、66.5%であり、民生委員として高齢者虐待防止の活動に対する積極性がうかがえた。虐待の通報先では、市町村や地域包括センターなど公的機関と答えた人が64.5%であった。虐待のイメージに関しては身体的暴力が83.4%の人が虐待と感じており、暴言は78.6%、無視、世話放棄は、約70%の人が虐待と認知していた。高齢者虐待の要因は介護負担、家族関係によるものが約80%であった。民生委員法の改正に伴う民生委員の「名士」的な役割から抜け出し、住民との対等な立場で地域の福祉に積極的に関わる民生委員の活動について言及している。今後の民生委員の積極的な関わりが期待できるアンケート結果であった。
著者
森 桂一
出版者
千葉大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:05776856)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.89-99, 1958

1 Characteristics of adolescence 思春期の特色 われわれが思春期とよぶ子供から成人への移行期は,批判的な時期であると同時に情緒的緊張の時でもあることを忘れてはならない。従って新鮮で生き生きとした創造的表現に導くのにむしろ好適の時期であることを考えねばならない。若いものたちが自分自身の潜在力や周囲の世界というものに気づく始めての時であり,それに対して彼等は青年独特の熱情をこめて反応を示し始めるのである。2 The First duty of education of adolescents 思春期教育の第一任務充分な精神的成熟というものは必ずしも生理的成長に伴わない。しばしばこの時期の複雑な問題の故に人間の身体だけが成長し心は未熟といぅことにもなりがちである。だから教育者の最初のつとめは彼等の生得的な創造能力を逃さないよう均衡のとれた思春期たらしむべく助力を送ることである,この心やりはacademicな適合,技術的訓練に先行すべきものである。3 The Full scope of art in education 教育に於ける芸術の広領域,芸術といぅものは人生経験の諸反応を形に現わすことだと理解された。又すべての個人の精神的肉体的潜在力の具現,成就の可能性を暗示するものである。従ってすべての芸術,音楽,劇,物真似等も絵画,彫刻,建築等と同様に考慮の中に入れるべきである。これについては多数の支持者があって次期総会のテーマに, artからartsへの問題としてとりあげられることになった。4 The Furtherance of moral education by art 芸術による道徳教育の助長,道徳的,倫理的教育は円満な人格発展の中核であることに間違いない。勿論芸術それ自身が道徳を創造するわけでぱない。然し少くとも人生に対してこれから遠ざけたり,又これを破壊したりするものではなく,芸術による教育は道徳の構成的要因を数多用意しているものであることは事実である。本来芸術的達成には心と身体の同時的訓練が要請されている。従て表現の可能性の為道具や材料の統御ということも必要になってくる。尚芸術は社会の道徳的思想を人間の心の中へ伝達したり保持したりするに有効な手段であることも銘記しなければならない。5 The practical element in art appreciation 芸術鑑賞の実利的要素,人類的教養の立場からも,個人の住む特別社会の立場からも鑑賞指導は教育に磨きをかける意味で基本的要素である。かって〓々我々は諸種の芸術を組合せる形でこの目的達成を実証して来た。諸種の芸術を組織的に結合して刺戟暗示を与えるのにも思春期は最適の時機であろう。然し純粋な理論的指導では鑑賞の目的はとげられない。充全な鑑賞に先立って材料や道具に関する初歩的な理解をさせたり又制作意慾に捲込むことも大切である。創造的活動によって青少年が一つのものをしあげたという達成感,満足感は他の抽象的指導では到底望み得ないことであろう。6 Art as a corrective to the lack of balance in contemporary education 同時代の教育の均衡欠如を是正する為の美術,ある傾向として特に目立つ西欧教育の中で一方純粋知識の達成を目指すものや,又一方技術訓練の熟達に傾くものがあるが,普通教育としての均衡を正しく保つためにも芸術の必要を強調せねばならぬ。芸術を通しての教育という概念は教育に全体として働くカリキュラムの統一完化という解釈に於て成立する。7 The unifying function of art in education 芸術教育の統一的機能芸術は従来の盛沢山のカリキュラムと張合って別な分科と解するのでなく,思春期教育に対して他と同格の基礎的要素であると解すべきである。芸術部門の中でも他の色々な学習と同じ創造過程へ,融合させてゆくのが本来ですべて只指導上の便宜でそれらが分けられていると解したい。8 The place of art in the curriculum 教科中芸術の位置 青少年の教育でアートの重要な理由として学校時代全体を通じてこれがカリキュラムや,学校の空間,建物又その育てる人々の内で最も好適な時機に与えられるということが根本問題である。尚この分野の才能が深く身についていなければならぬという認識をもたせなければならない。すべての生徒は更に芸術的諸学習が効果的に受けられるよう,設備材料等その選択範囲を広く用意されなければならない。9 Conclusion 総括 美術は一般教育に於て青少年の成熟助成の為最も効果的な手段である。
著者
濱谷 亮子 大津 美紀
出版者
国際学院埼玉短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02896850)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.57-61, 2007-03

腎臓疾患における栄養食事療法は薬物療法とともに治療方法として確立されており,保存期慢性腎不全成人期症例においてはたんぱく質制限食による腎機能低下抑制効果が報告されている。乳幼児,小児保存期慢性腎不全においては,成長発育段階にあることを考慮し,腎機能低下の抑制,かつ成長発育を促す栄養管理が必須であると考えられる。本研究では保存期慢性腎不全離乳期症例の栄養管理を行い,エネルギー,たんぱく質摂取量ならびにエネルギー・たんぱく質摂取比率と腎機能の推移を検討した。BUNの年間推移より指示栄養量に相応するエネルギー摂取量の確保ならびに適正なエネルギー.たんぱく質摂取比率の維持が腎機能低下抑制に対して有効であると認めた。
著者
国枝 幸子
出版者
聖園学園短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:03894231)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.39-50, 2005-03

私は本学、保育科短大生に授業の中で折々に詩を書くことを求めているが、それらの表現はつたないものであっても、学生達の素直なありのままの姿を映し出している。詩を通して彼らは自らの喜び、感動、困難、悲しみ、寂しさなどを率直、端的に表現する。家族、一人暮らし、友情、勉学、行事、また実習などがテーマとなっているが、それらを通して、彼らが感じていることのすばらしさを読む人々に伝えてくれる。大学に入り、同じ夢を持つ仲間として、同じ目的に向かって励まし合う新たな友との出会いがあり、実習を通しての子どもたちとの出会いもある。幼児たちの「先生!」と、慕う愛情、驚きに満ちた新鮮な心、ごまかしのない励ましの言葉などから、学生たちは多くの力を得、未来への期待を大きくすることが出来る。また、短期大学であるが故に2年間の学生生活は短く、1年目の何も分からない中での学園生活、行事などを体験し、2年目には自分たちが先に立って後輩をリードしなければならない。その中で多くの、苦しみ、困難にぶつかるが、また、彼らが体験する、達成感や感動も大きい。1年1年がかけがえなく、たちまちにして卒業の時期を迎える。その時、2年間の困難や、喜びを共にした友との別れが非常に大きく感じられ、楽しかった学園生活を顧み、苦しみを通してその時に至った達成感は共通の大きな喜びとなり、支えてくれた人たちへの感謝がおのずと、溢れ出るのである。
著者
中村 俊也
出版者
つくば国際大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13412078)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.109-123, 2008

ロシアの研究書、中国の近人、梁啓超を対象とした内容につき論述する。著者は資料として『専集』、とりわけ、そのうちの『新民書』などを選び、中国近時の1898〜1908年という時期に彼の国の政治が、君主政から共和政、そしてやがて社会主義に臨むという変動の際、中国の典型的知識人が、理想の政治形態は何で、それを荷なう人民はどのようであれば、国民国家としての責任を果し得るのか、という問題を扱う。結論としては徳性の有る、自覚の有る人民に期待するのが、当時も、今日も望まれる、という。著者も2001年という激動の時期に本書を著わしたわけで、つまりは、ロシアの社会主義から資本主義へのシステム交替の時に自からの身をそこに置いており、そのことは、行文の間に表出し、一層のリアリテイ、現代性を与えている。これを、心理-社会をとらえるメソドロジイーとして、当面6つの角度から考察し、著者の見解が当時の単なる掘り返しに止まらず、目下の社会の生動の行方を見定めており、解釈学的立場に立っていることが、確認できた。
著者
正木 宏幸
出版者
国際学院埼玉短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02896850)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.109-113, 2008-03

近年,食中毒は多くの特徴がみられる。この特徴を究明する目的で,埼玉県と全国で発生した食中毒の推移を比較した。昭和51年から平成17年までの30年間について,その流れを迫った結果,埼玉県での食中毒発生件数は年間8〜34件であり,患者数は年間147〜3924人であった。全国での食中毒発生件数は年間550〜3010件であり,患者数は年間20933〜46327人であった。また,埼玉県では,1事件当たりの患者数平均が50人以上となる年は30年間に10回あった。埼玉県における主な食中毒関連事例の変遷は,昭和54年,浦和市中・中学校発生のサルモネラ下痢症に始まり,平成13年,食品関連および集団胃腸炎からのSRSV(平成15年からノロウイルス)多発と,10事例が多様化して発生している。
著者
井村 洋一
出版者
大分県立芸術文化短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02869756)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-7, 1979-03-31

本紀要:第5巻に記載したように、試験管中に長期間培養されたゾーリムシに対し、100KHz程度の脈流はその分裂能力を顕著に促進することが認められた。この現象は空気以外は閉塞された試験官中の単細胞生物に関するものではあるが,一般に多細胞生物の加齢はその細胞の分裂能力と相関するといわれるので,本報文は以上の細胞レベルにおける電気的効果は,これを酵素による分子レベルで意味づけようとするならばどのような現象が想定されるであろうかということを,枯草菌α-アミラーゼを用いて実験的に推理したものである。結果として,細胞内に対イオンとして最も多量に存在するK^+はNa^+に比較してα-アミラーゼに不可逆的に結合し,その活性を阻害する性質が強いこと、さらにこの阻害はパルス電場によって復活させうることが認められた。
著者
竹井 成美
出版者
大分県立芸術文化短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02869756)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.31-42, 1982-03-31

Boethius is one of the important theorists who transmitted the musical thought in Ancient Greece to the Middle Ages's. In the Chap. 2 of Vol.1 "Tres esse musicas; in quo de vi musicae (three classifications of music)" of his work「De institutione musica (theory of music)」, he classified music into musica mundana (harmony in the macrocosmos), musica humana (harmony in the microcosmos, i. e. man), and musica instrumentalis (practical music). Not only had this classification of music been quoted heavily by later (A. C. 9-15) theorists of music, but also it had had much effects on the musical thoughts until the time of Renaissance. But, it seems that these problems have been scarcely discussed in the musical fields of Japan. This study deals mainly with Boethius's classification of music in his work「De institutione musica」and takes its contents and its effects on later musical thought in research. Especially the modern musical thoughts are very complicated. Therefore, it is very valuable in the musical studies that we try to research into the Medieval musical thoughts by Boethius's classification of music, and it can be to lead to define the music from more theoretical and systematical point of views.
著者
長根 利紀代
出版者
名古屋柳城短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13427997)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.13-29, 2007-12-20
被引用文献数
1

近年では、子どものみならず、学生たちも合理的でスピーディーさを求める時代背景の中で、現実味の無いバーチャルの世界に浸っている。しかし、こうした時代の保育においては、むしろ「面倒」な人の手のかかる関わりこそが必要である。その中でも、子どもの発達には豊かな物語の世界を広げることは重要であり、保育のねらいに見合った教材の選択が問われる。教材には、最も身近で豊富に整えられた絵本に対して、絵本より演じる技術や準備を必要とする紙芝居は、感情豊かに表現し物語を感覚的にも広げられる。さらに、取り上げられることが減少傾向にある「素話」には、絵本や紙芝居では伝えきれない直接的な人と人との人間味を感じ合いつつ、個々の体験から自分独自の世界を作り上げる楽しみがある。学生は、授業により1つの教材を紙芝居と素話として体験し、そこから両者を比較することでその教育効果を実感した。そこで、自らの体験を通してそれぞれのもつ教材の特徴を把握した上で、保育のねらいに即した効果的な活用法と技術向上の必要性を実感し積極的な学習態度を引き出せた。本研究から把握した学生の現状を考慮し、学生の意欲や求める能力が身に付けられるようにさらなる授業の充実に努めたい。
著者
濱田 貴宏 徳田 いずみ
出版者
金沢大学
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.51, pp.67-83, 2005-10-14

S児は2年保育として昨年4月に入園した当初、着替えを嫌がったり、牛乳タイムの時に自分の座席に座っていられず教師の側にいたりした幼児である。秋の遠足では年長児と手をつなぐのを嫌がってずっと泣いて歩いたり、仲良しランチの際には、グループのシートの中に入るのを頑なに拒んで泣き通したりした。ただ、教師が一緒に手をつなぐと安心するのか、もう片方の手を年長児とつなぎながら、園外保育に出かけられたこともあった。2月、クラス活動として「しっぽとり(鬼ごっこ)」をした時は、自分が鬼になって追いかけることはするものの、追いかけられる場面では、一切動こうとしなかった。そこで、自分をもっと解放するような経験を積んでいくことがS児にとって重要なのではないかと思い、援助してきた。