著者
須田 和裕
出版者
駒沢女子大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02884844)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.1-5, 1991-03-31

インスリンの脂肪分解抑制作用に対するトレーニング効果およびそのアデノシンとの関係をラット脂肪細胞を用いて検討した。その結果は次のようであった。1. ノルアドレナリンに対する脂肪分解反応はトレーニング群で有意に増強した。2. ノルアドレナリンの最大刺激に対するインスリンの脂肪分解抑制ではトレーリング群でインスリンに対する感受性が高まった。3. アデノシンをアデノシンディアミナーゼで除去すると, 90%のノルアドレナリン刺激に対するインスリンの抑制はトレーニング群でみられたものの, コントロール群ではみられなかった。4. さらにアデノシン非存在下で最大刺激のノルアドレナリンに対するインスリンの抑制は両群ともにみられなかった。これらのことからアデノシン存在下ではトレーニングによってインスリンに対する感受性は高まると考えられるものの, アデノシン非存在下ではトレーニング効果を認めるに足る明白な証拠は得られなかったと考えられた。
著者
デル ペッシェ ラウラ
出版者
京都大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:03897508)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.123-159, 1997-03-31
著者
Menzel Barbara
出版者
佐賀大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02867567)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.131-141, 1996-09
著者
蔀 花雄 尾形 ひろ美
出版者
聖徳大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02892677)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.265-280, 1983-12-10
著者
伊藤 幸子
出版者
奈良佐保短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13485911)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.37-43, 2005

介護保険制度が導入され5年が経過した.本稿では介護保険制度の中でケアマネージャーとしての役割を果たす介護支援専門員が,保険の給付管理業務や煩雑な事務作業に追われてケアマネジメント本来の業務である利用者の支援が充分には行えていないという現状について,文献をもとに考察を行った.とりわけ,介護支援専門員の業務内容については利用者宅訪問や利用者との関わりなどの現状を具体的に示した.さらに,2003年度の介護報酬の見直しおよび2005年に可決された介護保険制度改正案を軸に,それらの問題点および課題について考察した.
著者
鬢櫛 久美子 種市 淳子
出版者
名古屋柳城短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13427997)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.95-105, 2006-12-20

保育界では、現在のスタイルの紙芝居が成立した昭和初期から、紙芝居が保育に取り入れられていた。戦後は、紙芝居が学校教育から締め出されたことと対照的に、保育教材・教具として制度上に位置づけられ、現在に至っている。本論では、大道芸にはじまった紙芝居が、保育界に定着した背景に倉橋惣三の影響力があったと推測し、倉橋と「紙芝居」の関わりを検討した。その結果、倉橋が日本教育紙芝居協会の理事であった歴史的事実のほか、倉橋の紙芝居観3点が示された。1)倉橋は紙芝居に「少國民文化」が持つ普遍性をみていた。2)「軍事保護教育紙芝居懸賞募集」という形で戦争協力を行っていたが、そこで、子どもの内面表出手段としての紙芝居の有効性を評価していた。3)教具としての紙芝居の有効性を認め、学校教育に紙芝居を導入する上で、制度的位置づけの必要性を戦中から主張していた。また戦後、その実現に寄与していたことが確認された。
著者
三木 大史
出版者
賢明女子学院短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02881187)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.21-25, 1994-03-10

賢明女子学院短期大学英語科の情報処理演習室では,固定ディスクを接続したスタンドアローンのMS-DOSパソコン1セットを,複数の学生が次々と占有して演習している.このような状況において、全くの初心者でも簡単に間違いなく操作できるようなパソコンの利用システムを,MS-DOSのバッチファイル(シェルプログラム)を作ることによって構築している(^*1).本稿では,学生各人が作成したデータファイルをどのように扱うかについて具体的にバッチファイルを例示して概説する.
著者
濱谷 亮子
出版者
国際学院埼玉短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02896850)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.97-100, 2008-03

国民が主体的に取り組む健康づくり運動として2010年までの重点的な目標を示した「健康日本21」が推進されているが,中間年にあたる2005年の実績値によると策定時よりも悪化した項目も少なくないのが現状であり,市町村,地域レベルでの具体的支援が求められる。本調査では「さいたまヘルスプラン21」に関するアンケートを実施し,女子短期大学生の現状把握と2010年目標値に対する達成度の評価,問題点の検討を行った。栄養・食生活に関する項目は調査時に2010年目標値に達成していたが,休養・こころの健康づくり,健康管理に関する項目は目標値に達しておらず,さらには睡眠による休息の充足状況は健康感に関連する一要因であると示唆された。対象者の実態把握を十分に行い,国及び地方公共団体等の行政にとどまらず職場,学校,地域,家庭等で具体的な支援策を検討することが,今後の健康づくりを推進する上で不可欠といえる。
著者
西山 一朗 大田 忠親 東京農業大学アイソトープセンター
出版者
駒沢女子大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02884844)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.19-25, 2003-03-03
被引用文献数
1

食肉をパパイン溶液に浸漬したときのパパインの浸透性と食肉組織変化について、抗パパイン抗体および抗I型コラーゲン抗体を用いた免疫組織化学的検討を試みた。豚肉片を1%パパイン溶液中に2時間浸漬したとき、パパインは食肉表面から0.3mm程度しか浸透しなかったが、表層部ではすでに食肉組織の変化が認められた。処理時間4時間では、パパインの浸透がわずかに進行したものの、表層部においては、食肉タンパク質の過度の加水分解による顕著な組織破壊が観察された。すなわち、パパインが豚肉内に浸透するためには長時間を要すること、ならびに、パパインに長時間暴露すると、食肉表層部において望ましくない過度のタンパク質分解を引き起こすことが示された。この結果は、食肉をプロテアーゼ溶液やプロテアーゼを含む果汁などに浸漬するだけで食肉軟化効果を生じるとする、これまでの報告や概念に疑問を投げかけるものである。パパイン等のプロテアーゼを食肉軟化剤として用いるためには、使用条件を再検討する必要があるものと考えられる。
著者
安藤 節子
出版者
聖園学園短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:03894231)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.25-37, 2007-03

平成18年8月、10間の日程でフィンランドの首都ヘルシンキに滞在し、保育園と小学校を見学する機会を得た。さらにヘルシンキ在住の日本人留学生や社会人等の協力により得ることのできた、情報や資料をもとに、北欧型福祉国家「フィンランドにおける保育と子育て支援について」まとめることとした。特に、フィンランドの家族政策、健康相談所、保育施設の制度と内容、事前教育などを中心に日本の状況と比べながら考察した。特に妊娠から就学前まで、母子の心身の管理と指導は健康相談所「ネウボラ」で一括してサポートされており、子育て支援のあり方として日本が学ぶべきものがあると思われた。また、保育施設は小規模型であり、かつ小グループでの活動を基本として、ゆったりと落ち着きがあり自然の中での遊びを大切にしていた。保育と子育て支援について一言で表すとすれば「フィンランドの国としての子育てに対する思想が、制度や法律としてしっかりと実現されている」ということになる。