著者
鈴木 達治郎 武井 摂夫 城山 英明
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
no.2, pp.275-284, 2004
被引用文献数
1 1

昨今の原子力に係る不適切な取扱い等に鑑み、国内の原子力安全規制においては電気事業法の改正、国の業務の一部を担う機関である「独立行政法人原子力安全基盤機構」の発足など、新しい規制制度が運用され始め、施設の検査等において民間の第三者機関による規格設定制度や認証・認定制度が着目されている。米国、仏国等においては既に原子炉の供用期間中検査や溶接検査等において当該制度の導入が異なった方式で図られており、一定の実績を上げている。本研究においては、原子力関連施設の安全規制における第三者機関の役割に関して日仏米の比較分析を行い、日本における今後の制度設計に関する示唆を得る。
著者
西郷 貴洋 小松崎 俊作 堀井 秀之
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.87-98, 2010 (Released:2011-09-14)
参考文献数
27
被引用文献数
1 2

2006年から2007年にかけて高知県東洋町で発生した高レベル放射性廃棄物(HLW)処分地候補の文献調査への応募を巡る紛争においては,住民間で激しい対立が起きて冷静な議論ができず,町内に禍根を残した.本研究では今後の処分地選定においても懸念される対立の緩和に資する教訓を得るため,東洋町での紛争の政治過程分析・対立要因の抽出・解決策の導出・解決策のシナリオ分析を行った.その結果,公募に基づく当時のHLW処分地選定制度に起因し,住民の対立感情や住民間の禍根といった問題の解決を困難にしている要因の一つとして,「自ら応募し,交付金を受け取るという構図」の存在により,金目当ての応募であるという批判に反論できないという要因を抽出した.
著者
中島 貴子
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.321-330, 2004-10-29 (Released:2007-12-21)
参考文献数
52
被引用文献数
2

2003年7月1日, 内閣府食品安全委員会が発足し, 食品安全のリスクコミュニケーションを推進する活動が活発に展開され始めた. 本稿では, 食品安全委員会のリスクコミュニケーション活動には, 消費者と行政や専門家の間に様々のディスコミュニケーションが存在していることを指摘する. また, リスクコミュニケーション活動の重点が行政の信頼回復よりも消費者への啓蒙活動に重点が置かれていることや, 消費者の行政不信が歴史的に蓄積されていることが, 潜在的ディスコミュニケーションの要因となっていることを指摘する. 積年のディスコミュニケーションを解消し, より健全な食品安全行政を創出するためには、戦後の食品安全行政史を食品安全委員会が主導して取りまとめる必要がある.
著者
安藤 二香
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-10, 2013 (Released:2013-06-18)
参考文献数
23
被引用文献数
2 2

研究開発成果を社会問題の解決に結び付けることが求められる昨今,プログラム設計やマネジメントの具体的な改善が必要である.本論文では,科学・技術の需要側からのアプローチを基本方針としたJST社会技術研究開発センターの公募型研究開発プログラム「犯罪からの子どもの安全」におけるプロジェクトへのマネジメント事例を分析した.その結果,需要側の適切なアクターが研究開発の早期の段階から参画し,供給側と協働するよう促す仕掛けやマネジメントが重要であることを確認した.また,研究開発の段階よってプロジェクトに求められる機能と,それを担うアクター・ネットワークの状況を観察・評価できるマネジメントが必要であると思われた.
著者
加藤 浩徳 志摩 憲寿 中西 航
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.11-28, 2011 (Released:2011-11-04)
参考文献数
48
被引用文献数
1

本論文は,山梨県を事例に交通システム成立の経緯を整理するとともに,その経緯と社会的要因との関係を分析するものである.同県の広域交通ネットワークの発展経緯を,近世以前,明治~戦前,戦後の3つの時代区分にしたがって整理した.山梨は,元来,山々に囲まれた地域であるため,近隣地域とのアクセスが不便であった.しかし,古来より道路網が整備されており,一時は,富士川を通じた舟運も栄えた.明治時代に入り,近代化が進められると,鉄道が整備され,舟運は衰退した.戦後は,観光農業と製造業が盛んとなり,東京という巨大市場へのアクセス向上のため新笹子トンネルや中央高速道路が開通された.これらの経緯を踏まえつつ,交通に関連する社会的要因を,国内動向,政治・政策,産業・宗教に分類し,これらと交通システムとの相互関係を時代別に分析した.
著者
白井 清兼 西村 崇 山本 淳子 伊藤 興一 加藤 浩徳 城山 英明
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.93-106, 2009 (Released:2010-05-14)
参考文献数
30
被引用文献数
3

本論文は,地域のアイデンティティ確立を目指すまちづくりに成功した事例として,千葉県香取市(旧佐原市) の先進的な取組を取り上げ,過去の取組経緯をインタビューによって丹念に調査するとともに,関係主体の問題構造認識を分析することによって,成功の要因を抽出することを目的とする.情報収集のため,佐原の観光政策に関係する主要主体に対するインタビュー調査を実施し,また,分析に当たっては,問題構造化手法を適用した.分析の結果,「町並み保存関係者」と「佐原の大祭関係者」による独自活動がもたらした意図せざる相乗効果,市民団体による巧みな行政の活用および行政の巧妙な戦略的なプロセスマネジメントが,佐原の持続的な観光政策ならびにまちづくり型観光地形成を成立させるための成功要因であったことを明らかにした.
著者
大野 晋 城山 英明
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.317-326, 2003
被引用文献数
1

日本の化学プロセス安全規制には3つの問題がある。第1は、主務官庁の縦割り構造である。化学プロセスは技術的には1つのシステムで管理されるが、適用される法規制は、複数の省庁の法令で規制されている。第2は、技術基準の品質管理である。法令が詳細を規定しているため、改定は遅れぎみであり、技術の進歩の妨げなっている。第3は、民間第三者機関の役割が不十分である一方国家の役割も制限的であることによる不十分な規制実施体制である。以上の分析を基礎に、技術的知見を速やかに基準に反映し、また、基準の妥当性を評価する第三者民間監査機関の役割の拡充強化を提案する。
著者
茅 明子 奥和田 久美
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.12-22, 2015 (Released:2015-11-20)
参考文献数
24
被引用文献数
2 6

科学技術政策が科学技術イノベーション政策に転換して以来,研究開発プロジェクトに対して「社会実装」が求められる機会は増加しているものの,実際の現場においてどの程度社会実装が進んでいるのかはきちんと把握されていないのが現状である.それゆえ本研究では,新たに設定した指標を用いて社会実装を推奨する研究開発領域の成果の類型化を実施し,成果の進捗を把握した.その結果,約4割のプロジェクトが社会実装フェーズに到達しており,想定以上に概念が浸透していることが判明した.あわせて、社会実装と研究開発手法の新規性や成果の汎用性についての相関関係も考察した.
著者
太田 響子 林 裕子 松浦 正浩 城山 英明
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.24-39, 2008
被引用文献数
1 1

本稿は,新奇性の高い環境技術を社会に導入する政策プロセスにおいて,分野横断的ネットワークと民間主体の公共的企業家機能の果たす役割とその特性を検証する.具体事例として,温暖化対策が比較的遅れている住宅部門における面的なCO?排出削減の取り組みである,太陽熱セントラルヒーティングシステムを採用した集合住宅建設のプロセスを扱う.分析からは,新技術を社会に導入するプロセスにおいて,多様なステークホルダーが,(1)分野横断的(マルチセクター)なネットワークを構築することが必要であり,その際,(2)特に民間主体が公共的企業家精神(アントレプレナーシップ)を備えている場合があること,これらの要因の戦略的なマネジメントが社会導入の鍵であることが明らかになった.
著者
村山 明生 古場 裕司 舟木 貴久 城山 英明 畑中 綾子 阿部 雅人 堀井 秀之
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.338-351, 2003
被引用文献数
5 4

耐震性に関する既存不適格住宅について,その耐震診断,耐震補強の実施を促進させるための新たな制度的対策の研究を行った.新たな制度的対策として,中古住宅売買/賃貸時説明責任制度,沿道既存不適格建築物耐震改修補助制度,生命/損害保険耐震性割引制度,中古住宅耐震性価格査定制度,減災耐震改修促進制度,地震倒壊危険建築物利用制限制度の6つを抽出した.研究方法として,原因仮説体系の設定,ユーザー意識インターネットアンケート調査による原因考察,対策現状を踏まえた新たな制度的対策の考案,ユーザー意識インターネットアンケート調査による効果考察,法的観点からの妥当性評価を行った.
著者
松本 修一 平島 浩一郎 國府方 久史 川嶋 弘尚
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.131-138, 2010

積載量制約のある複数車両による辺巡回配送計画問題は,容量制約つき枝巡回問題とも呼ばれ,節と辺によるネットワーク上で,辺にデマンドがある場合において,配送拠点から容量制約つきの車両がデマンドのあるすべての辺を巡回し配送拠点へ戻るときの巡回総コストが最小となるルートを求める問題である.配車配送計画の効率化には,ネットワークの節にデマンド指定がある車両巡回問題が用いられる例が多い.しかし,郵便配達のようなデマンドが密集した場合や,道路清掃など道路区間そのものにサービスを行う場合には,辺にデマンド指定があるCARPのアプローチの方が適している.本研究では模擬焼きなまし法を用いたCARPの近似解法を提案した.
著者
加藤 浩徳 城山 英明 深山 剛
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.147-158, 2009
被引用文献数
2

本研究は,LRTの導入を10年近くの期間にわたって検討してきている,宇都宮市を事例として取り上げ,LRT導入に関わる問題の構造を,関係者へのインタビュー調査によって分析し,今後の導入に向けた検討に資することを目的とする.具体的には,まず,導入を巡る議論の経緯を整理し,関係主体に対するインタビュー調査を実施した.次に,インタビュー調査の結果から,関係主体の問題構造認識を分析し,各主体の関心の違いや問題の認識の違いを比較した.インタビュー結果から,導入に関わるファクターとドライバーを抽出し,LRT導入にかかわるイシューの整理を行った.さらに,関係主体間の相互期待表を整理することを通じて,LRT導入に向けた関係主体間の連携の可能性を検討した.
著者
川又 孝太郎 堀田 昌英
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.41-49, 2012 (Released:2012-10-03)
参考文献数
26
被引用文献数
1

本研究では,Barrettらのゲーム理論のモデルと気候変動の国際交渉の実態を比較し,モデルが交渉の理解に役立つものの,EUのリーダーシップの存在,各国の交渉ポジションに対する国内制約,先進国と途上国間の衡平性の考慮といった点で現実の交渉を反映していないこと,大幅削減合意に導くためには各国の温室効果ガス削減対策の便益の認識が重要であることを明らかにした.また,上記の問題点を克服し,大幅削減合意に導く可能性のある数理モデルとして,豪州の条件付目標に類似するマッチングメカニズムを提案する.
著者
内丸 幸喜 五月女 悦久 大伴 康志
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.viii-xiii, 2004

文部科学省「安全・安心な社会の構築に資する科学技術政策に関する懇談会」で行われた安全・安心な社会の構築に資する科学技術政策上の重点課題の検討内容およびその結果を紹介する。重点課題を抽出するため、安全・安心を脅かす要因を網羅的に把握して整理し、その中から、犯罪・テロ、災害、感染症など17項目を検討対象として設定した。設定した検討対象から、重点課題抽出のための評価軸を踏まえて、重点的に取り組むべき課題の検討を行い、危険物・有害物質検出技術や減災対策技術、感染症対策技術を始めとする35の重点課題および被害予測シミュレーション技術やセンシング技術など8つの共通基盤として取り組むべき重点課題を抽出した。
著者
ジヴァノヴィッチ サシャ 堀田 昌英 長山 大介
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.120-130, 2010

This paper explores the Kosovo Conflict through the use of the Cognitive Conflict Evolution Model and the Integrative Explanatory Model. The paper discusses the perceptions of two conflicting sides, the Kosovo Serbs and the "West" represented by the United Nations Missions in Kosovo (UNMIK), investigating how from a perspective different from the common branding of the Serbs as the perpetrators and the Albanians as the victims, the West can be perceived as contributing to an exacerbation of the situation by the "rational loop" which leads to an aggravation of the human rights situation and the "cognitive loop" which leads to a support of independence under unsatisfactory human rights situations. The Integrative Explanatory Model provides a holistic representation of the main factors of the conflict, supplementing the mechanism unraveled by the Cognitive Conflict Evolution Model.
著者
土田 辰郎 木村 浩
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.30-40, 2012
被引用文献数
1 1

原子力事業者の広報担当はマスメディアとの接点となり,記者へ原子力に関わる様々な情報を伝えている.広報担当とマスメディアとの日常的なコミュニケーションを中心とする平常時広報に注目し,広報担当の認知を23名へインタビューすることにより明らかにした.その結果を既に調査報告のあるマスメディアの原子力や原子力事業者に対する認知と比較した.広報担当者はプレス発表の機会も含め記者と継続的にコンタクトを図ることで記者の意識を理解するようになり,マスメディアへの情報伝達は改善がみられてきたことが分かった.平時におけるリスク認知の観点から,事業者がマスメディアに対して行う平常時広報での活動成果や課題の提示は,他の産業へも展開できる知見となろう.
著者
松八重 一代 久保 裕也 大竹 久夫 長坂 徹也
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.106-113, 2008
被引用文献数
6 4

現在工業的に利用されている高品質のリン鉱石は、現在のペースで消費が進むと100 年以内に枯渇することが懸念されており、新たなリン資源の開発が強く望まれている。本研究では、詳細なリンの国内マテリアルフロー分析を行い、製鋼スラグと下水汚泥に濃縮されるリンは、質および量において輸入リン鉱石とほぼ同等であり、人工リン資源として極めて高いポテンシャルを有することを示した。また、これら廃棄物からのリン回収技術開発を行った。廃棄物産業連関モデルを用いて、これらの新技術が与える環境負荷および経済影響を定量的に示した。
著者
藤生 慎 沼田 宗純 大原 美保 目黒 公郎
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.96-105, 2013 (Released:2013-06-18)
参考文献数
11
被引用文献数
2

本稿は東北地方太平洋沖地震で被災した住家に対して実施された建物被害認定調査の実施状況をアンケート調査を通じてまとめたものである.アンケート調査では,調査期間,実施体制,支援体制,トレーニング体制などを明らかにした.分析の結果,各自治体とも発災後1か月以内に調査を開始しているが,1ヶ月以降に調査方針の変更などがあり,現場に混乱が生じたことが明らかとなった.また,過去の地震災害で実施された建物被害認定調査で指摘されている問題が解決されることなく今回の調査でも生じていた.特に判定要員のトレーニングは,調査実施前に短時間で実施されており,調査結果に対する影響が少なからず生じている可能性が考えられることも明らかとなった.
著者
渡部 生聖 林 同文 今井 靖 光山 訓 瀬戸 久美子 新谷 隆彦 橋口 猛志 野口 清輝 真鍋 一郎 戸辺 一之 山崎 力 永井 良三
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.383-390, 2003 (Released:2009-08-19)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

ミッションプログラム医療安全研究グループにおいては, 日々の診療で膨大に発生する各種の診療情報から, 情報処理技術の適用により医学的知見を抽出し, その知識を国内で共有化する為の汎用的な手法について研究を行っている. 研究にあたっては, 倫理面に配慮された適切な情報収集・管理手法によって得られた実際の診療情報を, 医学と工学, それぞれの専門家が共同で体系化することにより, 臨床的に有用な知見を得るにいたっている. これらの医学的成果及びその普及手段としての技術的成果を併せて報告する.
著者
王 晋民 宮本 聡介 今野 裕之 岡本 浩一
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.268-277, 2003 (Released:2009-08-19)
参考文献数
23
被引用文献数
4 5

内部告発は組織における不正行為を暴露して制止させるだけではなく,新たな不正行為を抑止する効果がある.内部告発は内部告発者本人の動機付けと第3者の内部告発に対する許容度の2つ側面がある.前者は潜在的な告発者の告発行動を起こす意向で,後者は,社会や組織構成員の内部告発・内部告発者に対する態度からの影響である.適切な内部告発を推進する環境や内部告発に関する効果的な教育プログラムを作るために,本研究は内部告発行動や内部告発及び告発者に対する態度に対する個人特性・組織特性の影響について社会調査で調べ,その結果に基づいて社会心理学の視点から内部告発に関する制度や教育プログラムに対する提案を試み,内部告発に関する社会心理学研究の役割と方向について検討した.