- 著者
-
高田 佳輔
- 出版者
- 中京大学
- 雑誌
- 若手研究
- 巻号頁・発行日
- 2018-04-01
本研究の目的は,集団形態が複雑で流動的であり,かつ,課題の難易度が高いオンラインゲームのプレイヤーの,集団を維持する「チームワーク」や目標達成のための「合理的問題解決」といった能力を,ゲーム場面ならびに現実場面において縦断的に調査し,得られたデータを潜在方程式モデルによって分析することを通じて,ゲーム世界において獲得したソーシャルスキルが現実世界の対人関係スキルに及ぼす因果的影響を明らかにすることである。以上の目的を遂行するべく,平成30年度に実施した研究の成果は次の通りである。第1に,継続して行なっていたパネル調査に関して3時点目の調査を実施した。第2に,2時点目までのパネルデータを用いて,1時点目の仮想世界における「合理的問題解決能力」が2時点目の現実世界における「合理的問題解決能力」に及ぼす影響について明らかにするために,交差遅れ効果モデルを用いた分析を行なった。第3に,パネル調査において新たに作成したオンラインゲームプレイ動機尺度に関して,その因子構造の妥当性について検証を行なうため,インタビュー調査によって資料を収集した。具体的には,大規模多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)をプレイする動機の時期による遷移について検討を行なった。上記の研究成果は,学会報告および学術講演という形態でまとめることができた(研究発表欄参照)。