- 著者
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平野 亮
- 出版者
- 兵庫教育大学
- 雑誌
- 若手研究
- 巻号頁・発行日
- 2019-04-01
骨相学は,19世紀前半の西洋世界を席巻した「脳科学」であり,その社会的・文化的影響については欧米を中心につとに研究の蓄積をみる。しかし,開化期以降の日本にも教育分野を含めた様々な領域でその流入が認められるにも拘わらず,これまでまとまった検討はなされてこなかった。そこで本研究では,①骨相学の流入・受容・展開についての広く文化的な概説史,②その理論が骨相学と知りながら受容した教育分野の歴史,③そうとは知らずに影響を被っていた教育分野の歴史,の3つのアプローチでこの主題に取り組む。近代以降の日本の教育学・思想の源流を探ると同時に,「啓蒙」時代の日本の一つの文化史を描き出すことを目指す。