著者
上野 歩美 岡田 航生 梅田 耕佑 中島 雄平 山川 仁子 苣木 禎史 宇佐川 毅
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.534, pp.109-114, 2004-12-11
参考文献数
9
被引用文献数
7

現在,さまざまな日本語学習用のCALLシステムが開発されているが,学習者からの発話を音声認識し,評価のフィードバックを与えるシステムは少ない。本研究では外国人日本語学習者に向けた遠隔日本語発話訓練システムの開発を行っている。学習者は日本語を学習中であり,授業に対する補習や支援として利用することを想定している。本システムを学習者に実際に使用してもらう前に,構築したプロトタイプのGUIやユーザビリティが日本語学習に適しているかの評価を行う必要がある。本報告では,日本語教師によるヒューリスティック評価を行った。その結果をもとに,本システムのユーザインタフェースやユーザビリティ,教材について検討した結果を報告する。
著者
菅田 徹 伴 浩美 沢野 伸浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.124, pp.19-22, 2005-06-11
参考文献数
4
被引用文献数
1

基礎学力の向上を目指したe-Learningを開発し、試行した。本教材・システムの特性は汎用性の高いエクセルのマクロを使うことで、問題提示、メールによる解答回収・解答の採点・評価、評価の蓄積を一元的に運用することができる。その結果、教材の開発から評価に至る教員の負担を大幅に減少させることができた。また、「訓練」を重視することが、より高い学習効果を期待できると判断し、教材開発にあたっては行動科学の成果を最大限取り入れた。
著者
土橋 喜
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.85, pp.7-12, 2011-06-10
参考文献数
3

学習管理システムのMoodleは履修者の教材へのアクセスログや小テストの実施記録などを蓄積しており,担当教員は常時閲覧できる.フルテキストの教材と小テストをMoodle上に作成し,授業改善を目的に履修者の学習データを収集し分析を行った.その結果教材へのアクセス数と小テストの得点にはかなり強い相関関係が認められ,履修者の学習に対して良い効果をもたらしていることが明らかになった.また作成した小テストの妥当性を検討し,小テストの実施が教材を読ませる効果があることを明らかにした.
著者
柏原 昭博 齊藤 圭祐 長谷川 忍
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.141, pp.23-28, 2011-07-09
参考文献数
11
被引用文献数
2

プレゼンテーションドキュメントの作成では,伝えたい内容に関して「何を・どのような順序で」提示するかを表すドキュメントの意味的構造を構成することが重要である.本稿では,大学などの研究グループにおける研究プレゼンテーションを対象として,グループ内に蓄積されたドキュメント群に共通する典型的な意味的構造(プレゼンテーションスキーマ)を手本に,ドキュメントを『書く』・『読む』・『聴く』という文脈で意味的構造を作らせ,ドキュメント作成スキルの向上を図る枠組みについて述べる.本枠組みの特徴は,認知的徒弟制の考え方に基づいてシステマティックなスキルアップを図る点にある.
著者
牛田 貴之 折田 憲治 松本 達也 緒方 広明 矢野 米雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.697, pp.43-48, 2003-02-28
被引用文献数
1 3

近年の携帯端末の普及・発展により,それらは我々にとって身近になった.それにともない学習者はいつでもどこでもインターネットにアクセスできるようになり,インターネットと携帯端末による,新たな学習の形態も現れはじめている.しかし,現状は個人学習に携帯端末を用いることにしか使われておらず,他の学習者と協調的に学習を進める,という形態は取られていない.そこで我々は,他の学習者と協力して学習を進めるためのワイヤレス・モバイル端末を用いたユビキタス協調学習環境を提案する.
著者
樋川 和伸 中西 一夫 岡田 政則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.364, pp.73-78, 2006-11-11
参考文献数
8

過去2年半,我々が開発した携帯授業管理システムで,携帯電話を利用した授業の出欠管理を行ってきた.その方法は,学生は携帯電話からWeb出席届けページを閲覧して教員が指示した1個のキーワードを入力して出席届けを行うという単純キーワード入力方式であった.実践上はその方法でも,相当程度の信頼性はあったが,授業に出席していない学生が出席している他の学生からキーワードを聞いて出席届けをすることもできるので,厳密な出席管理には欠けることがあった.そこで,新たに,複数のキーワードを個別に入力可能時間帯を設けて連続的に入力させる多重時間差キーワード入力方式を導入しその効果を測定することにした.今回の発表では,その仕組みと中間結果を報告する.
著者
瀬下 仁志 野田 隆広 丸山 美奈 田中 明通 高橋 時市郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.388, pp.7-12, 2002-10-11
被引用文献数
3

World-Wide Web(WWW)上の豊富な情報は、調べ学習における調査・探索の対象として有用である。その一方で、情報の膨大さやHypertextに特有なナビゲーションの困難さなどから、何の支援もなくそのまま授業に導入することは難しかった。そこで我々は、WWWを活用した調べ学習を支援するための仕組みとして、高機能なProxyサーバとして構成される学習支援システム「WebAngel」を開発した。「WebAngel」は、インターネット上に散在する既存のWebリソースを選択的に組み合わせ、教師の授業意図、学習スタイルに沿ったかたちに教材化して利用することを可能にする。本稿では、「WebAngel」の概要とその学習事例などについて述べる。
著者
大野 泰雅 大沼 宏行 渡邉 豊英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.76, pp.55-62, 1998-05-23
参考文献数
6

知的教授システム(ITS)の分野では、プログラム言語を対象とした教授システムについての研究が多くなされてきた。教授システムにおいては、学習者の理解状態を知るための問題演習が欠かせない。問題演習では、学習者の記述したプログラムから誤りを適切に検出する機構が必要である。従来のインタプリタなどでも誤りを検出可能ではあるが、誤りに対する指導を目的とした場合、十分に誤りを識別しているとはいえない。我々は、学習者に容易なスペルミスの訂正を提供でき、さらに誤りパターンを用いて適切に誤りの識別を行なう誤り検出の手法を提案し、実装例を紹介する。
著者
石田 知子 遠西 学 中村 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.213, pp.47-52, 2011-09-15
参考文献数
8

Webという技術が登場してからわずか数年のうちにWebサイト構築における技術は大きく変化してきた.本学の情報科学部情報ネットワーク学科で開講されるディジタルコンテンツでは,開講以来Webサイト構築に関する学習を行ってきた.そこで,本研究ではこれまでのWebトレンドに対応した情報教育に関する考察をおこない,近年のWeb技術の変化に伴った新しいWebサイト構築技術学習のためのシラバスと支援方法を検討する.
著者
大川内 隆朗 大谷 淳 米村 俊一 徳永 幸生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.332, pp.13-18, 2011-12-01

本論文では,非同期型(オンデマンド型)e-learningシステムにおける講義の改善のために重要な,学習者の主観的難易度の把握方法の基礎的検討を行う.非同期型e-learningシステムでは,対面型の講義とは異なった,学習者の主観的難易度把握法が必要である.具体的には,講義のテープの巻き戻しや一時停止などについての時系列的な挙動が,主観的難易度を反映すると考えられる.数名の学習者を対象に実験を行い,e-learning講義受講中の行動データを取得するとともに,授業後に学習者に対してインタビューを行った.その結果,巻き戻しの回数や,一時停止の時間の長さなどが,学習者自身がそのときに感じている,講義内容に対する理解の困難さと関係のあることが確認できた.
著者
太田 好彦 水島 和夫 菊川 健 川淵 明美 山田 恒夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.609, pp.1-8, 2002-01-18

教育機関の教員らが授業や教材開発, 調査・研究等に既存の著作物を利用する際に, 複雑かつ煩瑣な著作権処理の必要性が問題になるケースがある.本稿は, 教育機関において良く発生するような著作物の使用目的・利用形態について, 著作権処理の必要性を判断し, それが必要な場合, 予めデータベース化している権利者の意向に照らし合わせ, オンラインで権利処理が行なえるシステムについて述べている.このシステムにおいては, 著作権法上権利制限されるケースと権利者が許諾するという意向をもっている場合にだけ著作物へのアクセスを許すように制御されている.また, 利用者識別子を電子透かしを用いて著作物自体に埋め込み, それを暗号化して配信し, 不正利用や無断利用から権利者を保護する機能を有している.
著者
吉田 直人 中山 実 清水 康敬
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.713, pp.23-30, 2000-03-17
被引用文献数
2

文章表現による理解の違いを調べるために, 様々な表現の文章を提示し, 内容に関する問題に解答させた.その際の正答率と解答時間によって, 表現による違いを比較した.その結果, 内容表現が一つである文は, 複数の内容を含む文より, 解答時間が有意に短いことを明らかにした.また, 接続助詞「が」を逆接の意味で用いた場合は, 文章前半部の正答率が後半部よりも有意に低いことを示した.また, 誤解を避けるためや, 内容の切れ目だけでなく, 接続詞のあとや, 息の切れ目などにも読点を使用した方が, 理解しやすいことを明らかにした.この結果をもとに, 効果的な文章表現を支援するためのツールを開発した.主観評価により, ツールが文章改善に有用であることを明らかにした.
著者
水谷 好成 岩本 正敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.309, pp.39-44, 2001-09-07
被引用文献数
6

小学校の国語の授業と関連させた総合的な学習の時間でロボットを扱った授業を行った。この授業は、1)ロボットとは何か、2)どんなロボットを創りたいか、3)ロボットのプログラムを作ろう、の3つのテーマで行われた。ロボットおもちゃやロボットペットを観察させる学習および教育用ロボット梵天丸を用いた簡単なゲームを行った。ひらがなコマンドを用いたまきもの言語によって、ゲームと関連させた簡単なプログラミング学習では、ほとんどの児童はプログラムを完成することができた。実際のロボットを用いた授業によって、ロボットに関する興味関心が向上し、その結果として、国語の授業の中で活発な議論が展開されるようになった。
著者
中原 紀 辻 陽一 長澤 一之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.464, pp.99-106, 1997-12-20
被引用文献数
1

インターネット ブラウザー機能の進歩は統合的ハイパーメディアによるインストラクショナル デザインのツールとしての多面的な可能性を齎している。本諭文ではHTMLのFRAME機能およぴよJavaScriptプログラミングをベースとするブラウザー集約型インストラクショナル デザインの特徴、利点と設計指針について考察を述べその具体的応用例を紹介すると共に今後の展望についても触れる。
著者
高橋 信行 佐々木 隆志 川原 稔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.213, pp.41-46, 2011-09-15

視覚障がい者がeラーニングを活用して効率的に学習できるようにするためには,ユーザビリティの高いWebページを提供する必要がある.著者らは,Webデザインがユーザビリティに与える影響を明らかにするため,全盲者,ロービジョン者,晴眼者を被験者とし,2種類のWebデザイン(表形式リンクメニュー,縦列形式リンクメニュー)において,ターゲットリンクを探しクリックする課題の遂行時間,フォーカス遷移記録,アンケート調査結果を分析することにより,実証的にユーザビリティの評価を行い,視覚障がい者向けのeラーニングを構築する際の配慮点について考察した.その結果,全盲者では晴眼者のようなデザインによる影響を受けなかった.ロービジョン者では,観測されたデータのばらつきが大きく,一定の傾向を見出すことはできなかった.
著者
大濱 雅仁 江原 義和 曽我 真人 三輪 昌史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.67, pp.9-14, 2010-05-21
被引用文献数
1

本研究では,野外で実世界の夜空を学習コンテンツとして利用し,星座の学習を行うことのできるモバイルユースが可能な実世界指向モバイル星座学習支援環境を構築する.本システムではユーザの視線入カを小型の方向センサを用いて取得し,星座の情報提示を行う.また,本システムは演習機能を備えており,演習機能の有効性を検証するための評価実験を行った.
著者
稲垣 忠 林 向達 中川 一史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.205, pp.29-32, 2007-08-25
被引用文献数
3

小学生高学年を対象にした携帯電話に関するWeb上の情報モラル教材を開発した。開発にあたってはGBS:ゴール・ベースド・シナリオ理論に基づき、学習者が自学自習できるものを意図した。本報告では、教材の基本構成及び開発プロセスと、小学校における形成的評価の結果を示す。
著者
下村 勉 上谷 典秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.96, pp.85-90, 1996-06-15
被引用文献数
3

インターネットの機能の一つ「WWW (World Wide Web)」を教育に活用する動きは急速に進みつつある。本稿では、まず、WWWにおいて公開されている学校のホームページについて分析した。また、このホームページ上に発信されている情報と受信者の見たい情報とのずれを、アンケート調査を含めて検討した。それらの結果を受けて、学習者が学校のホームページづくりに参加する「学習者参画型ホームページ」を、ある小学校のホームページの試作例とともに提案した。
著者
井上 真出美 江頭 広幸 岡崎 泰久 渡辺 健次 近藤 弘樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.594, pp.29-34, 2003-01-17

我々は,障害者のPC利用に着目し,発話障害のある肢体不自出者が人力できる音声による入力支援システムを開発した.本システムでは,市販の音声認識エンジンを使用しているが,その製品の既存の辞書では単語が多数登録してあるため,発話障害者の発話は誤認識される.そこで,ある発話障害をもつ肢体不自由者に協力を得て,実験により認識可能な単語を調査し,少ない単語を登録した独自の辞書を作成した.また,少ない単語であらゆる操作が可能となるように,複数のモードを定義した.システムを実現し,入力実験を行なった結果,発話障害のある肢体不自出者でも人力が可能であることがわかった.
著者
並木 亮佑 谷口 香苗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.453, pp.1-4, 2011-02-25

アンケートなどの多変量データを用いてクラスター分析を行う場合、マルチコが発生し、クラスターが得られない場合がある.そこで、有意差の見られる高相関グループより、グループを代表する変量を残して他を削除し、有意差の見られない変量はそのまま採用する高相関代表化法および、変量ごとの確率分布の類似性に着目して分類する分布類似度検査法を提案する.そして、実際にマルチコが発生しているアンケート結果を用いて、従来法のward法および、提案する2つの手法を用いてクラスター分析を行った結果、いずれの手法でも3つのクラスターが抽出可能であり、同一のネーミングができた.特に、ward法はクラスター分割やネーミングに困難さがあるが、提案手法は容易に分割可能であった.