著者
岡田 将吾 長谷川 修
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J91-D, no.4, pp.1042-1057, 2008-04-01

本研究では,オンライン教師なし学習手法であるSelf-Organizing Incremental Neural Network (SOINN)を用いて各状態の出力分布を自己組織的に近似可能な時系列データの学習モデルを提案する.提案手法は従来手法であるストキャスティックDP法を拡張した新規の手法である.ストキャスティックDP法では各状態を一つの多次元正規分布で近似しているのに対し,提案手法では各状態の出力分布がSOINNによって自己組織的に近似される上,各状態の出力分布が詳細に近似されるため,時系列データの頑健なモデル化が可能となる.提案手法の有効性を検証するために,動画像から得られる動作及び音素を用いた認識実験を行った.HMM (Hidden Markov Model)及びストキャスティックDP法と認識精度を比較することで提案手法の有効性を示す.
著者
相原 恒博 大上 健二 松岡 靖
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J74-D2, no.10, pp.1486-1487, 1991-10-25

人間の顔を識別する特徴パラメータとして,横顔の輪郭線をP形フーリエ記述子で表し,識別に有効な係数の個数を実験的に求めた.横顔輪郭線の4個のフーリエ係数で,31人の横顔認識が100パーセント正しく行えることを確かめた.
著者
須藤 明人 張 晨犁 坪山 学 佐藤 彰洋 長谷川 修
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J91-D, no.6, pp.1634-1647, 2008-06-01

ロボットの知能に関する研究の突破口となり得るパターン情報ベースの推論について,新たな手法を提案する.シンボルをベースとした既存の推論機を知能ロボットに適用する際には,( 1 )シンボル化装置の性能に限界があるという問題,( 2 )自律的なシンボルを生成する際に生じる問題,( 3 )シンボル化になじまないタイプのパターン情報が存在するという問題がある.本論文では,これらの問題の解決のためにパターン情報ベースの推論機が必要となることを指摘し,新しいパターン情報ベースの推論機を提案する.提案手法は,「連言,選言,否定を含む任意の形の論理式を扱うことができる」,「パターン情報を多値ベクトルで表現する」,「汎化性能をもつ」,「推論結果の重複を回避する」,「雑音への耐性をもつ」といった知能ロボットに適用する際に重要な機能を併せ持っている.これらの機能を実現するために,提案手法はオンライン教師なし学習手法であるSelf-organizing Incremental Neural Network(SOINN)や連想記憶モデルであるSOINN Associative Memoryを拡張したアルゴリズムを採用している.
著者
大町 真一郎 大町 方子
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J91-D, no.6, pp.1561-1568, 2008-06-01

画像探索はパターン認識やコンピュータビジョンにおける重要な課題の一つである.画像の探索には,計算の高速性や頑健性から,画像そのものをテンプレートとして用いるよりも,色ヒストグラムや特徴点等の低次の特徴が用いられることが多い.しかし,低次の特徴では文字等の複雑な画像を探索することは困難である.本論文では,部分空間法に基づいた,テンプレートマッチングによる新しい画像探索の手法を提案する.提案手法は部分空間の基底を多項式で表すことで,この部分空間と入力画像中の部分領域との類似度を,部分領域の幅と高さを変えながら効率良く計算する手法である.手書き数字データベースMNISTを用いた実験を行い,提案手法の有効性を示す.
著者
鈴木 直彦 平澤 宏祐 田中 健一 小林 貴訓 佐藤 洋一 藤野 陽三
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J91-D, no.6, pp.1550-1560, 2008-06-01

画像センサ・GPS・レーザレーダなどから得られる移動体経路情報に基づいた状況理解として,各種センサから得られる人物動線データ群からの逸脱行動人物検出及び行動パターン分類を行う手法の提案を行う.提案手法では,HMM(Hidden Markov Model)を用いてモデル化した人物動線データを低次元空間上に射影し,クラスタリング及び外れ値検出に基づいて逸脱行動人物検出及び行動パターン分類を行う.また,過去に得られた人物動線データ群の検索とリアルタイム検出した人物動線データの識別を行うためのスキームも同時に提案する.実空間で得られた人物動線データ群を用いた検証を行い,提案手法により有効な結果が得られることが分かった.本論文の提案手法は,セキュリティシステム・マーケティング分析などへの応用が考えられる.
著者
松田 憲幸 高木 佐恵子 曽我 真人 堀口 知也 平嶋 宗 瀧 寛和 吉本 富士市
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J91-D, no.2, pp.324-332, 2008-02-01

初心者のための鉛筆デッサンの基礎は,対象を見えたまま正確に描きとる写実であり,獲得が難しい技能である.初心者は自己の写実の誤りに気づくことができない,あるいはデッサン画全体に漠然とした違和感を感じることができても,具体的に写実の何が誤りかを判断できず,同じ誤りを繰り返す.反復練習を指導する教師は,写実の誤りを理解させるため,描く対象と異なった立体物をイメージさせるたとえ(比喩)を用いる.学習者は比喩説明を聞く過程で徐々に,明らかに異なるイメージの写実と感じるようになり,ついに自己の写実の誤りに気づくと考えられる.本論文は学習者の鉛筆デッサン画像に含まれる写実の誤りを顕在化した三次元モデルを構築する手法を検討する.本手法は誤った写実による1枚の画像から,誤りを映し出し,かつ直感的に不自然さを感じさせる三次元モデルを構築する.写実の8種の誤りを対象に,デッサン画像の誤りを特徴づける15個の特徴量を用いて三次元モデルのスケーリング変換を定義した.三次元モデルを表示する顕在化ツールを実装した.学習者が本ツールを用いることで,鉛筆デッサンに含まれる写実の誤りに気づきやすくなると期待できる.
著者
真鍋 宏幸 平岩 明 杉村 利明
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J88-D2, no.9, pp.1909-1917, 2005-09-01

本論文では,声を出すことなく口パク動作を行うだけで発話内容を認識する無発声音声認識を提案し,その基礎実験の結果について報告する.無発声音声認識により,発声行為が周囲の人々に迷惑となるマナー的問題や,雑音環境下において音声認識の認識率が低下する問題を解決することが可能となり,携帯電話への応用が期待できる.無発声音声認識の実現へ向け,筋電信号を用いる方法について検討を行った.まず,日本語5母音の無発声発話動作時の筋電信号を測定した.指輪型電極を用いることで簡便な測定が可能である.次に測定した筋電信号を,ニューラルネットワークを用いて認識し,通常発声時における母音の持続時間よりも十分に短いフレーム長を用いた場合でも,90%以上の精度で認識できることを明らかとし,筋電信号には母音の特徴が見られることを示した.
著者
米司 健一 田中 正行 奥富 正敏
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J90-D, no.10, pp.2830-2839, 2007-10-01

画像撮影時の手ぶれや,ピンぼけなどによって画像にぶれやぼけが生じる.これらの劣化はPSF(Point Spread Function)と原画像との畳込み積分によって表現される.PSFが既知の場合,劣化画像とPSFから復元用のフィルタを作成し,そのフィルタを用いて原画像を復元する手法はこれまでに多くの研究例がある.しかし,ほとんどの復元手法では,何らかのパラメータを設定する必要があり,この調節が難しい.そこで,本研究では,パラメータの調節が容易な復元フィルタを提案する.まず,復元フィルタのパラメータが容易に調節できるための具体的条件を明確にした後,復元フィルタを設計するための新しい考え方を提案する.この考え方に従って実際に復元フィルタの設計を行う.また,実験を通して,提案手法の効果を確認した.
著者
相良 直樹 砂山 渡 谷内田 正彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J90-D, no.2, pp.427-440, 2007-02-01

近年,インターネット上の電子情報が増加の一途をたどっている.我々が獲得できる情報の量は増えているものの,必要な情報すべてに目を通すことは難しい.そのため自動要約を行う手法が開発されつつある.自動要約の手法は大きく,指示的要約と報知的要約とに分けられる.指示的要約は,あるテキストを読むかどうかを判断するために用いられ,報知的要約は,原文の代替物として用いられる.本論文では,ストーリーを理解するために必要な項目を含む文を抽出する報知的な要約生成システムを提案する.本手法においては,テキストの主題を表し,テキストを通じて出現するメイントピックと,テキストの主題に関連してテキスト中で部分的に出現するサブトピックを抽出する.すなわち,サブトピックを抽出することにより,テキストのストーリーを理解する上で必要な項目を網羅した要約を提供するシステムを本論文で提案する.
著者
石井 勇樹 中川 陽介 小松 隆 齊藤 隆弘
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J90-D, no.7, pp.1682-1685, 2007-07-01

カラー画像から抽出した骨格成分とテクスチャ成分に,各々に適した処理を適用することで,効果的な雑音除去や画像拡大が実現できることを示した.
著者
長崎 健 川嶋 稔夫 青木 由直
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J81-D2, no.3, pp.483-492, 1998-03-25

多関節物体や複数の物体の運動を観測した動画像列から,対象物体の構造のの獲得手法を提案する.本手法では,多関節物体などの自由度の多い物体の構造推定を行うとき,各剛体部分の運動および構造の推定と,各剛体間の拘束関係の2段階の推定を行う.前者は,観測ノイズに対しロバスト性のある因子分解法(Factorization method)を用い,観測される特徴点を各剛体ごとにグループ化し,グループ化された観測情報をもとに,各剛体の構造および運動推定を行う.後者は,各剛体の運動パラメータを用い,剛体間の拘束関係を推定する.本論文では,剛体間の拘束関係を回転関節を取り上げ,拘束関係を線形連立方程式で表したときの係数行列の指数で,関節の有無および拘束関係の次数を分類する.提案手法をシミュレーションおよび手首の運動観測に適用し,有効性の検証を行った.
著者
森山 剛 坂内 正夫
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J84-D2, no.6, pp.1122-1131, 2001-06-01

本論文では,テレビドラマ映像の心理的内容に基づいた要約映像の生成手法を提案する.従来の映像要約の研究では,カットなどの映像の構造を利用する方法やビデオ中のオブジェクトに基づく方法などがほとんどであった.一方テレビドラマに対しては,映像コンテンツの心理的な展開(盛り上がりなど)を視聴者は重要視していると考えられるが,映像の心理面に基づいた方法はまだ提案されていない.テレビドラマは,物理的構成要素としてトラック構造(カッティング,登場人物のセリフ,BGM,効果音)を有しているが,演出家などは特定の心理的な印象を表現するために経験的知識に基づいてその時間的構造を巧みに操作していると考えられる.そこで本研究では,この経験的知識に基づき,心理的に重要な箇所をそれに対応するトラック構造の時系列パターンとして検出し,要約映像を生成する手法を提案する.実験において本手法をテレビドラマ映像に適用した結果,約14分の1の時間長に圧縮でき,更に主観評価実験の結果,本編内容の保存性能及び切出しの自然性に関しても本手法の有効性が示唆された.
著者
岩濱 数宏 土方 嘉徳 西田 正吾
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.J88-D1, no.3, pp.642-656, 2005-03-01

インターネット上で流通する情報の中から,ユーザの好みに適合するものを推薦するサービスとして情報フィルタリングがある.近年は,テキストで記述された情報だけでなく音楽などのマルチメディアデータに対しても,その必要性が高まりつつある.情報フィルタリングの一方式として,ユーザの興味に関する情報を表すユーザプロファイルと対象情報(コンテンツ)の内容をモデル化したコンテンツモデルを比較する内容に基づくフィルタリングがある.音楽データを対象とした内容に基づくフィルタリングに関する既存の研究として,コンテンツモデルとユーザプロファイルの両方を音楽の特徴量のベクトルで表し,ベクトル間距離を用いて推薦する手法に関する研究や,それらの特徴量に任意の評価関数を用いるフレームワークに関する研究などが存在する.本研究はこれらの方法とは性質が異なるアルゴリズムである決定木を用いた内容に基づく音楽情報フィルタリングシステムを提案する.決定木は,ユーザによって重視する音楽の特徴が違っても,うまくそれを表現できると思われる.実際の音楽データとユーザを用いて実験を行い,他の手法に比較しての本システムの有効性を検証する.
著者
福田 修 藤田 真治 辻 敏夫
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J88-D2, no.1, pp.105-112, 2005-01-01

本論文では,発声機能障害者のための新しい意思伝達装置の開発を目的とし,頸部及び表情筋から計測したEMG信号に基づく代用発声システムを提案する.このシステムは,まずEMG信号から使用者の意図する語音を推定し,次にそれを連ねた語音列から意図する単語を推定するという2段階の処理を行う.語音,及び単語の推定には,統計構造を有するニューラルネットと隠れマルコフモデルを用いた.従来の電気式人工喉頭は,頸部に人工呼吸器を取り付けた際などに使用が困難となるが,本手法はそのような場合でも使用することが可能である.健常な男子大学生及び喉頭切除者の計5名による実験を行った結果,精度良く語音・単語を識別できることが示された.