著者
小松 隆 岩間 徹 齊藤 隆弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.8, pp.1912-1919, 1998-08-25
被引用文献数
14

古い映像フィルムの画質劣化の要因の一つであるブロッチの検出とその修復を行う方式を提案する.ブロッチにより損傷を受けた画像に対しても適用可能な動き解析法を提案する.更に, 動き解析の結果得られた動き量で動き補正画像を複数作成し, 着目画像とこれらの画像との最小差分からブロッチの検出と修復とを行う方式を提案する.人工的にブロッチを付加した画像を用いたシミュレーションにより, 提案する動き解析法がブロッチに対してロバストであることを示す.また, 提案する修復方式の性能評価実験の結果を示す.
著者
高橋 智弘 照井 克俊 及川 浩平 青木 英彦 遠藤 重厚 小松 隆 中村 元行
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.44, no.SUPPL.2, pp.S2_36-S2_40, 2012 (Released:2013-09-18)
参考文献数
12

背景:早期の電気的除細動が院外心肺停止(CPA)患者の生存率改善に有用であると報告されている.当院救命救急センターへ搬送されたCPA症例の現状を調査したので報告する.方法:2007年4月から2010年3月まで当院救命救急センターの外来診療記録をもとにCPAの病名のある270名のうち,救急隊により直接当センターへ搬入された院外CPA 223例を後ろ向きに調査した.結果:CPA患者の原疾患のうち心血管疾患は136例(61.0%)で,そのうち一般市民の目撃のある症例は60例(自宅内発生が70%)であった.60例のうち心室細動(VF)は20例であり,その予後をみると生存退院例が8例(40%),社会復帰例が5例(25%)であった.対象の中に一般市民による自動体外式除細動器(AED)使用例(public-access AED:PAD)はなかったが,院外で救急隊員による除細動が成功した3症例は全例神経学的後遺症を残さず社会復帰していた.無脈性電気活動(PEA)または,心静止(asystole)は合計40例であり,生存退院例が3例(8%)あったものの,社会復帰した例はなかった.内因性CPA症例への一般市民の心肺蘇生法(CPR)実施率は42.1%であり,過去の当院での成績に比べてやや増加していた.考察:院外心肺停止患者の救命率向上には,一般市民へのCPRのさらなる普及と,AED設置の充実が重要と考えられた.
著者
小松 隆 千葉 実行 戸塚 英徳 蓬田 邦彦 三国谷 淳 小野寺 庚午 高橋 健 中山 寛
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.281-287, 1994-03-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
16

うっ血性心不全を呈し,瀉血療法が有効であった原発性心ヘモクロマトーシスの1例を経験した.症例は38歳,男性.主訴は動悸.飲酒歴,輸血歴ならびに鉄剤内服歴はないが,家族歴に父親が心不全による突然死.平成元年より糖尿病ならびに肝機能障害で通院中であったが,平成3年7月25日早朝より動悸ならびに呼吸困難が出現し入院皮膚は青銅色を呈していた.入院時検査所見では血清鉄ならびにフェリチン,尿中鉄の増加を認めた.入院時胸部X線では心胸郭比61.5%と心拡大と両肺野にうっ血を,心電図では心拍数約160-180/分の心房細動を認めた.心エコー検査では左室内腔の拡大,左室全周性の壁運動低下を認めた.心筋シンチグラムでは左室のT1取り込みが全体的に不均一であり,脾臓の取り込み増加も認めた.心臓カテーテル検査では左室駆出率37.8%と左室ポンプ機能の低下を認めたが,冠動脈造影は正常であった.右心室心内膜心筋生検にて核周囲のライソゾームにヘモジデリンの沈着ならびにミトコンドリアの空胞変性を認め,原発性心ヘモクロマトーシスと診断した.瀉血療法開始の10カ月目に心臓カテーテル検査を再施行したところ,左室駆出率59.8%まで左室ポンプ機能は改善し,心筋生検でもヘモジデリン沈着の減少を認めた.原発性心ヘモクロマトーシスは予後不良でまれな疾患であるが,瀉血療法により臨床症状ならびに心機能の改善を認めた症例を経験し,治療上留意すべき点と思われ報告する.
著者
小松 隆 齊藤 隆弘
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会年次大会講演予稿集 (ISSN:13431846)
巻号頁・発行日
vol.2004, pp._19-8-1_-_19-8-2_, 2004

The Foveon color image sensor has three photo-sensing layers. The spectral sensitivities of the three layers are extremely different from those of the RGB primary color filters. The color signals acquired by the Foveon sensor should be transformed to RGB color signals. For that purpose, we propose a new color transformation method. First, our method recovers the multi-spectral reflectance of each imaged color from its acquired color signals by solving the ill-posed problem with the regularization technique, and then transforms the multi-spectral reflectance to RGB color signals. We evaluate the performance of our method by computer simulations.
著者
小松 隆一 高取 郁子 佐藤 峰 高木 史江 花田 恭
出版者
日本国際保健医療学会
雑誌
国際保健医療 (ISSN:09176543)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.26-30, 2005

目的:ニカラグァ国グラナダ県の若者のHIV関連の問題について調査の実施を支援し、関係者に対する働きかけを行った。<br>方法:グラナダ県の中等学校在学の10代後半の生徒に性行動調査を実施した。調査参加校は教育セクターの協力により選ばれた。<br>結果:689名が調査に参加した。16歳男子では33.3%、女子は7.2%、18歳ではそれぞれ48.1%と18.5%に性経験があり、性交経験者のうち、過去1年間に性交をした割合は男子で66.4%、女子で80.0%となった。金銭授受のない性行為でのコンドーム使用は、男子の28.2%、女子の13.3%だった。<br>考察:調査結果からは、現状とニーズの情報が得られ、保健と教育セクター及び当事者である生徒代表らの討議により、保健と教育セクター間の連携促進の契機となった。行動調査は、地域住民や行政のセクターを越えた支援を得るのに有効と考えられる。今後、保健と教育の連携を促進しニーズを満たす一方、ピア・グループの能力を高め、より効果的な対策が目指されている。
著者
姫野 修司 小松 隆宏 藤田 昌一 富田 俊弘 鈴木 憲次 中山 邦雄 吉田 修一
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.122-129, 2007-03-20
参考文献数
22
被引用文献数
1 3

本研究では,二酸化炭素(CO<sub>2</sub>)/メタン(CH<sub>4</sub>)分離膜として最近開発されたDDR型ゼオライト膜を用いて様々な単成分ガスの透過やCO<sub>2</sub>/CH<sub>4</sub>混合ガスの透過を測定し,各気体の透過機構や分離機構の解明を行い,他の分離膜との性能比較を行った.<br>まず,He, H<sub>2</sub>, CO<sub>2</sub>, O<sub>2</sub>, N<sub>2</sub>, CH<sub>4</sub>の単成分ガスの透過流束を測定し,CO<sub>2</sub>は主に吸着に起因し,CH<sub>4</sub>はDDRゼオライト細孔による分子ふるいに起因する透過機構であることを明らかにした.また,加圧透過試験およびスウィープ試験による298 Kでの単成分ガスのCO<sub>2</sub>/CH<sub>4</sub>理想分離係数は供給圧力0.2 MPa,透過圧力0.1 MPaのとき最大でそれぞれ336, 170となった.<br>次に,スウィープ試験で測定したCO<sub>2</sub>/CH<sub>4</sub>混合ガス(50 : 50)と単成分ガスの透過流束および分離係数を比較した結果,すべての圧力範囲においてCO<sub>2</sub>の透過流束は混合ガスより単成分ガスの方が高く,CH<sub>4</sub>の透過流束は混合ガスと単成分ガスとで変化はなかった.さらに,混合ガスを用いた加圧透過試験では供給圧力0.6 MPaで分離係数が極大値を示し,そのときの値は106であり,スウィープ試験では供給圧力が大気圧のとき分離係数が最大値200を示し,圧力の増加に伴い分離係数は減少した.<br>本膜を近年報告されている他のCO<sub>2</sub>/CH<sub>4</sub>分離膜と性能比較した結果,CO<sub>2</sub>/CH<sub>4</sub>分離性能およびCO<sub>2</sub>透過性能ともに高いゼオライト膜であることを明らかにした.
著者
羽田 麻梨絵 田村 恭一 織間 博光 金園 晨一 小松 隆志 石村 剛志 折戸 謙介 永田 雅彦
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.147-152, 2018 (Released:2018-09-29)
参考文献数
11
被引用文献数
1

ゾニサミドによる薬疹と診断した犬の2例を報告する。症例1は6歳齢,雌のマルチーズで紅皮症を,症例2は10歳齢,去勢雄のミニチュアピンシャーで多形紅斑-中毒性表皮壊死症を発症した。いずれの症例も症状,血液検査と病理所見からゾニサミドによる薬疹を疑い,その休薬により皮疹が消退した。リンパ球幼若化試験を実施したが2症例とも陰性であった。今後症例を集積しゾニサミドによる薬疹の発症頻度や病理発生の検討が必要と思われた。
著者
松村 隆 吉野 友章 小松 隆史
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2011年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.309-310, 2011 (Released:2012-03-05)

超微粒子のステンレス鋼に対して,エンドミル切削を試み,切削力と仕上げ面粗さ特性を調べた.超微粒子鋼のエンドミル切削では,切削力波形の動的成分が減少し,通常の粒径のステンレス鋼よりも安定した切削状態となることが明らかとなった.また,バリや仕上げ面粗さが改善され,結晶の微粒化が仕上げ面特性に及ぼす影響を確認した.
著者
武者 祐治 吉野 友章 小松 隆史 松村 隆
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2012年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.175-176, 2012-09-01 (Released:2013-03-01)

超微粒子のステンレス鋼に対して,エンドミルによる溝切削を試み,切削力と仕上げ面粗さ特性を調べた.本報では,切れ刃出口部におけるバリを比較し,切削力特性の観点から,そのモデル化を試みた.切削方向と鉛直方向の切削分力比を調べ,超微粒子鋼と通常鋼の違いを明らかにした.また,切削分力比の変化とバリの大きさとの相関性を見出し,バリ生成に対するモデル化を試みた.
著者
北風 嵐 小松 隆一
出版者
一般社団法人 日本鉱物科学会
雑誌
岩石鉱物科学 (ISSN:1345630X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.133-137, 2016 (Released:2016-11-02)
参考文献数
14

Ni-rich horomanite is found from the chalcopyrite-bearing (1.0-1.5 mode%) layer in the Kouyama gabbroic body, Hagi city, Yamaguchi Prefecture, western Japan and as second occurrence in the world.  It occurs as inclusions in chalcopyrite interspaced with silicate minerals, vanadium-bearing magnetite and ilmenite. It is often associated with siegenite and is secondarily replaced by violarite. Chalcopyrite associating with Ni-rich horomanite commonly shows the polysynthetic twin.  Analytical data for horomanite obtained by EPMA are Cu: 0.56-2.19, Fe: 23.01-25.32, Ni: 37.45-41.35, Co: 1.56-4.03 and S: 32.85-33.32 wt%. Their variations are small for inner grain or another grain. The atomic ratio of (Cu + Fe + Ni + Co): S correlates well with ideal formula of 9:8 for horomanite. In addition, Ni content in metal ratio for (Cu + Co): Fe: Ni (at%) ranges from 52 to 59 and is Ni-rich than that of original horomanite from the Horoman peridotite. Horomanite might be considered to be continuous solid solution ranging from 3.0 to 5.5 in terms of Ni(+Co) content. Therefore, general formula for horomanite is thought to be (Fe + Cu)6 − x(Ni + Co)3 + xS8(0 < x < 2.5).
著者
松田 北斗 小松 隆行 大堀 隆文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.89, pp.33-36, 2008-09-15

本研究では,楽曲の伴奏形態の一つであるアルペジオ (分散和音 )伴奏のフレーズを対話型進化論的計算手法 (IEC)によって生成する.既存の楽曲と生成されたフレーズを合わせて聞き被験者が適応度評価を行い,それを元に選択を行い交叉させ次の世代のフレーズを生成する.今回の実験では 7 人の被験者に協力してもらい初期個体数 5 個,第 5 世代までの実験を行った.その結果世代を重ねる事で適応度の高い個体が増え,本手法が有効である事が確認出来た.In this paper, we generate arpeggio phrases, which are one of accompaniments of music, by the Interactive Evolutional Computation (IEC) method. In this method, participants estimate a fitness of generated phrases by listening to both existent music and the phrase. Then, this method selects some phrases based on this fitness, and generates phrases of next generation by one-point crossover. Experiments results by 7 participants show that this method can generate better phrases than the initial one.
著者
岩本 正和 黒田 泰重 尾中 篤 小松 隆之 犬丸 啓 引地 史郎 岡本 昌樹 山本 孝 石谷 暖郎 板谷 篤司 田中 敏弘
出版者
東京工業大学
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2005

本研究では「ナノ空間でのみ発現する新機能の開拓」を目標に研究を実施した。研究期間中に、規則性ナノ空間物質を触媒とすると、ニッケル担持体上でエチレンやエタノールが選択的にプロピレンに転換できること、銅イオン交換体あるいはチタンイオン交換体上で固体特有の不斉合成反応を実現できること等を明らかにした。また、細孔内へのアゾベンゼンの担持により細孔径を可変化できること等も究明し、未知の機能の発見や新機能の創成を達成した。