著者
堀 桂子 中村 雅也 岡野 栄之
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.116, no.2, pp.53-59, 2013 (Released:2013-04-11)
参考文献数
34
被引用文献数
1

脊髄損傷とは, 外傷などによる脊髄実質の損傷を契機に, 損傷部以下の知覚・運動・自律神経系の麻痺を呈する病態である. 本邦の患者数は10万人以上おり, 加えて毎年約5,000人の患者が発生しているにもかかわらず, いまだに有効な治療法は確立されていない.しかし, 近年基礎研究が進歩し, 中枢神経系も適切な環境が整えば再生することが明らかになった. 脊髄損傷に関する研究も著しく進み, すでに世界中でさまざまな治療法が臨床試験に入りつつある. わが国でも, 神経幹細胞, 嗅神経鞘細胞, 骨髄細胞などを用いた細胞移植療法のほか, 顆粒球コロニー刺激因子 (granulocyte-colony stimulating factor, G-CSF) や肝細胞増殖因子 (hepatocyte growth factor, HGF) などの薬剤が臨床応用される可能性がある.本稿では, 脊髄再生に関する基礎研究を, 細胞移植療法とそれ以外に分けて述べ, さらに現在世界で行われている臨床試験について概説する.
著者
湯田 厚司 小川 由起子 新井 宏幸 荻原 仁美 神前 英明 清水 猛史
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.122, no.2, pp.126-132, 2019-02-20 (Released:2019-03-01)
参考文献数
10
被引用文献数
4 3

本邦でのスギ花粉とダニが原因のアレルギー性鼻炎合併例は多い. スギ花粉とダニを同時に用いた皮下免疫療法は行えるが, 舌下免疫療法の併用治療 (併用 SLIT) に関する知見は十分ではない. 併用 SLIT が行えれば有用であり, 安全性を検討した. 当院で2017年6月以降にスギ花粉 (シダトレン ®) とダニ (ミティキュア ®) で併用 SLIT を行った53例 (男性31例, 女性22例, 年齢12~53歳, 平均21.7±11.6歳, スギ花粉先行39例) を対象とした. 先行と後行 SLIT の間隔は1カ月以上あけ, 朝夕に分けて開始した後に5分間隔でスギ花粉・ダニの順で行った. 併用 SLIT 後6カ月まで受診毎に副反応を確認した. 完遂率は51/53例 (96.2%) で, 脱落2例の理由は副反応によるものではなかった. 副反応はすべて軽度で, 処置不要であった. 併用 SLIT 期の副反応は, 全副反応で増加せず, 口腔咽頭感覚症状で有意に減少した. 投与間隔による副反応は変わらず, 投与順で副反応は変わらなかったが, ダニ後行 SLIT で維持アレルゲンを減量する例が増えた. 併用 SLIT は1~2カ月以内の短期間間隔で安全に行えた.
著者
西村 忠己
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.124, no.5, pp.742-747, 2021-05-20 (Released:2021-06-02)
参考文献数
17
被引用文献数
2

軟骨伝導は気導, 骨導とは異なる特徴を持つ伝導様式で, さまざまな音響機器や医療機器への応用が期待される. 最も進んでいるのが補聴器への応用で, 軟骨伝導補聴器は2017年に実用化された. その大きな特徴は骨導とは異なる振動子とその固定方法にある. さまざまな難聴に対して有効であるが, その効果が最も期待されているのが外耳道閉鎖症などの気導補聴器で対応が難しい難聴に対しての補聴である. 骨導補聴器と比較して装用感, 審美性, 安定性に優れ, さらに手術が不要で, 試聴した多くの症例が装用の継続を希望する. 片側性の外耳道閉鎖症では従来介入が積極的に行われてこなかったが, 既存のデバイスの欠点を解消した軟骨伝導補聴器はこれらの症例に対しても大きな効果が期待できる. 一方軟骨補聴器のフィッティングを行うときはその特性を理解して行う必要がある. 気導, 骨導とは異なるため, 既存の補聴器とは異なるメカニズムでハウリングが生じたり, 振動子の固定方法の違いでその効果が大きく変化する. 正しい知識を持ってフィッティングを行わないと高価なだけで効果が不十分な補聴器となってしまう. 新しい補聴器であるため発売当初はフィッティング環境の整備が不十分であったが, 現在は改善しており, 急速に普及が進んでいる. 海外での普及については, インドネシアではすでに臨床試験が終了し, アメリカでは現在進行中である. そのほかの国でもその準備が進んでいる. 世界中でより多くの難聴者にその恩恵を享受していただくため, 今後も普及活動を継続していく.
著者
竹内 万彦
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 (ISSN:24365793)
巻号頁・発行日
vol.125, no.2, pp.93-101, 2022-02-20 (Released:2022-03-10)
参考文献数
47
被引用文献数
1

好中球性の慢性鼻副鼻腔炎は滲出性中耳炎と同様, その成因に線毛機能が深く関わっている. 鼻副鼻腔の線毛は協調運動することが大切であり慢性鼻副鼻腔炎患者における線毛を電子顕微鏡で観察すると, 炎症の結果としての融合した線毛などが観察される. 線毛機能不全症候群 (PCD) 患者の線毛では, 外腕ダイニンの欠損や軸糸構造の乱れが見られ協調ある線毛運動は不可能である. 現在50ほどの PCD の原因遺伝子が見出されている. 本邦では DRC1 と呼ばれる遺伝子が原因として最多であり, DRC1 の欠失では内臓逆位は起こらないため本邦の PCD 例では内臓逆位が諸外国より少ない. 本症の診断は容易ではないが, 高頻度ビデオ顕微鏡解析, 電子顕微鏡検査, 免疫組織化学検査, 鼻腔一酸化窒素測定, 遺伝子解析を組み合わせて行う. PCD の臨床症状としては長引く湿性咳嗽が最も重要であり, PICADAR スコアによりその確率を予測する. PCD における慢性鼻副鼻腔炎の重症度はさまざまであり, 前頭洞と蝶形骨洞が低形成であることがヒントとなる. われわれ耳鼻咽喉科医は鼻腔を観察でき, 鼻腔からの電顕用の線毛の採取も可能であるので, PCD 診療において果たす役割は大きい. 診断に至る検査が特殊なため PCD は未診断例が多い. また, 関連する遺伝子が多く, 遺伝子バリアントもさまざまであることが気道疾患の重症度を多様化している. しかしながら, 将来の個別化医療を考えると遺伝学的検査を含めて正確な診断を行うことが肝要である.
著者
平位 知久 福島 典之 呉 奎真 世良 武大 安藤 友希 服部 貴好 伊藤 周 田原 寛明 益田 慎 小川 知幸
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 (ISSN:24365793)
巻号頁・発行日
vol.125, no.12, pp.1673-1679, 2022-12-20 (Released:2023-01-01)
参考文献数
24

新型コロナウイルス感染症 (The novel Coronavirus disease 2019, COVID-19) に対して気管内挿管を行った症例の一部において, 声門後部炎症, 声帯固定, 声門下肉芽, 声門下狭窄, 気管狭窄等の喉頭気管狭窄症を来し, 再挿管または気管切開による気道確保を余儀なくされたという報告が相次いでいる. 海外において同病態は COVID-19 関連喉頭気管狭窄症と呼称されている. 当科ではこれまでに3例の COVID-19 関連喉頭気管狭窄症を経験した. それらの病態は両側声帯固定, 声門後部炎症, 声門下肉芽, 声門下狭窄とさまざまであったが, いずれの症例も治療抵抗性であり, 発症から長期間が経過した現在も気管孔閉鎖には至っていない. COVID-19 関連喉頭気管狭窄症の要因としては, 長期挿管管理, 挿管時の喉頭粘膜損傷, 気管内チューブのサイズ不適合, 挿管管理中の腹臥位療法, 患者側背景として糖尿病, 高血圧, 心疾患等の既往歴, 肥満, 上気道炎の合併などが考えられている. いったん発症すると遷延化し難治性となる場合もある. 従って COVID-19 に対して挿管を必要とする症例においては, 適切な挿管操作, 挿管管理を行うことにより抜管後の喉頭気管狭窄症の発症を予防するだけでなく, 挿管前から上気道炎の有無, 程度の評価を含め, 耳鼻咽喉科による積極的なかかわりが重要であると考えた.
著者
白井 杏湖
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 (ISSN:24365793)
巻号頁・発行日
vol.126, no.1, pp.12-15, 2023-01-20 (Released:2023-02-01)
参考文献数
8

2017年に成人人工内耳 (以下CI) 適応基準が改訂され, 平均聴力レベルが 70dB 以上で, 補聴器 (以下 HA) 装用下の最高語音明瞭度が50%以下の高度難聴例に対しても適応が拡大された. これにより, 今まで HA 装用効果が不十分であった進行性難聴を含む両側高度難聴例や左右差のある高重度難聴例に対しても CI によるシームレスな補聴が可能となった. 高度難聴に対する CI の有用性は世界で多く報告されている. HA と CI の適応境界については議論の余地があるものの, HA 装用下の語音聴取能は CI による語音聴取能改善の予測因子として重要であり, 世界でも CI 適応基準として重視されている. また, CI に求められる効果が高度になるほど, 純音聴力検査や静寂下の語音明瞭度での評価には限界が生じる. 今後日本語における機能的アウトカムを含めた評価方法の確立が求められる. 新基準の導入に伴い, 高齢者に対する CI 手術も増加している. 高齢者に対する人工内耳では, 聴取能改善に加え, 認知機能や QOL に効果を及ぼす可能性が示唆されている. 高齢化社会において大きなインパクトを与えることが予想される. あらゆる聴力像に対して複数の選択肢が登場し, 切れ目のない聴覚補償が可能になりつつある. “きこえと QOL を維持する” ために CI を積極的に活用する時代が見えてきている.
著者
飯村 慈朗 今野 渉 小泉 さおり 安村 佐都紀 浅井 正嗣 平林 秀樹 春名 眞一
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.111, no.11, pp.701-704, 2008 (Released:2010-02-25)
参考文献数
10
被引用文献数
2 2

サルコイドーシスは, 病理組織学的検査所見から命名された原因不明の多臓器肉芽腫性疾患である. 今回われわれは診断に至るまでに3回の生検を要し, 最終的に喉頭サルコイドーシスと診断した症例を経験したため報告する.サルコイドーシスが喉頭病変のみの場合には検査所見は正常なことが多く, 病理組織学的所見で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の確認が重要となる. 1回目, 2回目の喉頭生検では非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が認められなかったが, 3回目の生検にて非乾酪性類上皮細胞肉芽腫と巨細胞を認めた. 全身検索を施行し最終的に喉頭サルコイドーシスと診断した.喉頭所見として黄白色のびまん性腫脹病変を認める場合, 喉頭サルコイドーシスの存在も念頭に置く必要があると考える.
著者
山下 拓
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.121, no.1, pp.22-30, 2018-01-20 (Released:2018-02-07)
参考文献数
53

わが国独自の進化を遂げた漢方薬について, 近年, 基礎的・臨床的に高いレベルのエビデンスが次々と報告されている. 腹部手術の術後における大建中湯の適用など, 消化器がん領域ではがん支持療法に漢方薬を用いることは, もはや常識となりつつある. さらに平成27年に策定された「がん対策加速化プラン」でも,「がんとの共生」において “漢方薬を用いた支持療法” の推進が明記されるに至った. 頭頸部がん領域においても, その支持療法において有用な漢方薬は数多く存在する. 頭頸部がんの放射線治療に伴う口腔咽頭粘膜炎 (口内炎) は, 治療完遂にも影響する重大な副反応であり, 化学療法や EGFR 抗体薬などの同時併用でさらに悪化する. これに対する西洋薬の効果はまだ限定的で不十分である. 漢方治療としては半夏瀉心湯が期待されている. われわれの検討では, ハムスターの放射線性口内炎モデルで, 半夏瀉心湯の投与により口内炎の Grade が抑制され, Grade 3 以上の口内炎の出現率も有意な低下を示すこと, 口内炎局所への好中球遊走および COX-2 発現を抑制することが明らかとなった. ほかにもさまざまな施設での基礎研究によって抗酸化, 抗炎症, 抗菌, 鎮痛作用などが報告されている. 臨床効果の検討として, われわれは (化学) 放射線治療の開始と同時に半夏瀉心湯投与を行った頭頸部がん患者40例の遡及的検討を行った. その結果, 半夏瀉心湯治療は Grade 3 以上の口内炎を予防し, シスプラチン併用放射線治療の完遂率も有意に改善することが判明した. ほかに頭頸部がん支持療法に用いられる漢方薬として, 全身状態や免疫機能の改善を目的とした補中益気湯, 十全大補湯, 人参養栄湯などの補剤, 食思不振に対する六君子湯, 便秘に対する大建中湯, 下痢に対する半夏瀉心湯, 末梢神経障害に対する牛車腎気丸, せん妄に対する抑肝散, 放射線性皮膚炎に対する紫雲膏などが挙げられる. これらの代表的漢方薬についてもその基礎的および臨床的なエビデンスを中心に概説した.
著者
本多 啓吾
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 (ISSN:24365793)
巻号頁・発行日
vol.124, no.12, pp.1577-1583, 2021-12-20 (Released:2022-01-01)
参考文献数
5
被引用文献数
1

頸部郭清術は, 頭頸部外科医が主体となる治療 (技) のうち, 最も重要なものの一つである. 頸部のリンパ (脂肪) 組織の多くは, 静脈周囲に存在し, 筋膜によって区分されている. 根治的頸部郭清術に始まった系統的郭清は, 根治的頸部郭清術変法から選択的頸部郭清術へと, 低侵襲化と個別化が進んでいる. 今日では, 症例毎に郭清範囲や切除法 (radicality) の選択と調整が求められている. その際, より戦略性の高い頸部郭清を計画し遂行するためには, 局所指向性の高いリンパ流およびリンパ組織領域の把握が必要である. 本稿では, 頸部のリンパ組織を立体的かつ動的に把握する助けとなる解剖学的事項を整理する.
著者
西村 幸司
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 (ISSN:24365793)
巻号頁・発行日
vol.125, no.10, pp.1431-1436, 2022-10-20 (Released:2022-11-05)
参考文献数
49
被引用文献数
1

隠れ難聴 (hidden hearing loss) は, 聴覚閾値の上昇を伴わない騒音下での聞き取り障害や無難聴性耳鳴を特徴とする. 主な病態は蝸牛内有毛細胞と蝸牛神経のシナプス障害 (cochlear synaptopathy) であるが, 蝸牛神経の脱髄や軽度の蝸牛有毛細胞障害を含む複数の病態が関与する. 本総説では第一に, 隠れ難聴の疾患概念を支持する, ラセン神経節の一次性障害や蝸牛神経部分切断の聴覚閾値に及ぼす影響を検証した基礎研究を紹介する. 第二に, 加齢, 音響暴露動物の蝸牛組織解析による cochlear synaptopathy と ABRⅠ 波振幅に代表される聴覚電気生理パラメーターの相関について述べる. 第三に蝸牛神経の電気生理学的サブタイプと分子細胞生物学的知見の関連について述べる. 第四にヒトにおける隠れ難聴の診断開発に向けた臨床研究を紹介する. 第五に cochlear synaptopathy および neuropathy の治療を目指した基礎研究について紹介する.

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著者
岩崎 聡
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.115, no.11, pp.978-981, 2012 (Released:2012-12-15)
参考文献数
1
被引用文献数
1
著者
飯村 慈朗
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.120, no.12, pp.1424-1432, 2017-12-20 (Released:2018-01-12)
参考文献数
22
被引用文献数
6

鼻閉の改善のためには, その原因や病態を的確に捉えたうえで鼻腔形態の矯正を行うことが重要である. 鼻中隔弯曲症は鼻閉を来す代表的な疾患であり, 鼻中隔矯正術を施行するためには, 鼻中隔の解剖や鼻中隔弯曲症の成因についての詳細な理解が必要である. 術式選択には, どこまでの範囲が鼻閉の原因となっているのか, その病態はどうして生じたのか, どのようにして矯正すれば良いか, の判断が求められる. 適切な術式選択がされず軟骨および骨を過剰切除したために, 鞍鼻, 鼻尖下垂という術後合併症が報告されている. 術式決定は, 鼻中隔の形態のみから判断するのではなく, 鼻腔形態・外鼻変形なども考慮し, 鼻中隔と外鼻を立体的な一つの構造物と考え矯正するべきである. 温存しなければならない部位の矯正術は, 鼻中隔切除術ではなく再建も行う形成術となる. 本邦において hemitransfixion アプローチによる前弯矯正術や外切開による鼻中隔外鼻形成術 (open septorhinoplasty) は, 耳鼻咽喉科医にとってまだ経験の浅い術式である. 今後, 耳鼻咽喉科医の発展のために, 前弯矯正術・鼻中隔外鼻形成術は必要な手術手技と考える.