著者
平野 大輔 史 又華 戸川 望 柳澤 政生
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. SLDM, [システムLSI設計技術] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.10, pp.1-5, 2015-05-07

近年,暗号回路への攻撃手法として,故障解析が脅威となっている.回路への故障の発生方法には,レーザー照射や電圧変動,クロックグリッチなどの方法があるが,実装や制御の容易性からクロックグリッチが注目されている.対策手法として,回路を三重化して比較する空間冗長化手法や,同じ処理を 2 回行って比較する時間冗長化手法が存在する.しかし,これらの手法は面積オーバーヘッド或いは時間オーバーヘッドが大きいという問題点がある.本稿では,故障解析の誘因となるクロックグリッチを高速に検出可能で,面積オーバーヘッドを 4.9% に抑えた AES 暗号回路を提案する.
著者
安岡 孝一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.2, pp.1-8, 2015-05-09

「パソコンのキーボードのキーの配列が不自然だと思ったことはありませんか」 から始まる読売新聞記事 (2015年3月2日) に反論を試みた.記事のごく一部は訂正されたものの,反論の大部分は徒労に終わり,「連続して打つ頻度の高い文字を遠ざける並び方に変えた」 というガセネタが,再々流布される結果となった.このような局面において,人文情報学に何ができるのか,問題提起と考察を試みる.
著者
秋葉 達也 松川 尚司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. IOT, [インターネットと運用技術] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.23, pp.1-6, 2015-05-14

M2M サービスへの活用が注目されている 920MHz 帯無線には,サービスや用途に応じて複数の通信プロトコルが存在する.それら異なる通信プロトコルの M2M デバイスを収容するためには,利用プロトコルに合わせたアクセスポイントが必要となるため,その設置コストの増大が懸念される.本稿では,既存のアクセスポイントに増設可能な 920MHz 帯無線ドングルに着目し,当該ドングルを利用して 920MHz 帯無線の複数の通信プロトコルを扱えるシステムを提案する.我々は通信プロトコルの追加・変更に対して拡張容易であることを考慮し,各通信プロトコルの異なる部分をクラウドサーバに配置したシステムを構築した.このシステムでは,ドングルをクラウドサーバに接続するために USB/IP を用いた.通信プロトコルの分離及び USB/IP の適用でネットワーク負荷が増大するという課題に対して,パケット集約手法を提案し,その有効性を評価する.
著者
久保 晋 児玉 公信
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.99, pp.13-18, 2000-10-26

製造業における技術データは、製品や部品の構成を親子関係で表現する構成データと、品目ごとの製造手順と生産資源の関係を表現する製造手順データからなるものである。われわれは、日本の製造業の物作りの特徴を活かした生産方式である日本型マス・カスタマイゼーションの中核となる新技術データ管理システム:SPBOM (Series Products Bill of Manufacturing)を開発した。SPBOMは、従来分離されていた部品表と製造手順データを統合した。また、品目群という概念を導入して、類似品を管理することで、その物作りの過程を素朴に表現することを可能とするものである。SPBOMの開発は、オブジェクト指向技術を使って分析,設計,実装されている。ここでは、このSPBOMの特徴、そしてオブジェ外指向と開発の係わりを紹介する。The bill of material(BOM) and the routing data are the engineering data used in a manufacturing industry. A structual information in the BOM is represented in the pair of a parent and a child, and the routing data represents the manufacturing method and the production resource. We developed a new engineering data management system: SPBOM(Series Products Bill of Manufacturing). SPBOM is expected as a kernel of Japanese style mass customization that is a production method adapted to the features of a production style in Japanese Production industry. A BOM and a routing data, which are separated in a conventional system, are integrated in to a new data structure SPBOM. And, by introducing the concept, "Series Products", it can represent the manufacturing process straightforwardly. The development of SPBOM was based on an object-oriented technology in the process of an analysis, a design, and an implementation. We introduce the features of SPBOM and how and object-oriented technology was used in SPBOM and its development.
著者
北? 勇帆
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.5, pp.1-6, 2015-05-09

洒落本は,近世期に刊行された小説の一形態であり,近世日本語の口語資料としての有用性が高い.この洒落本には,書名や話の粗筋を同一にしながら,江戸板・上方板で内容や語彙に異同のある作品が存在する.上方で刊行されたものが後に江戸で改作された 『月花余情』 組と,江戸で刊行されたものが後に上方で刊行された 『郭中奇譚』 組である.本稿ではそのような江戸・上方間で改作が行われた洒落本のテキストを TEI P5 に準拠してマークアップすることにより,当時の東西言語の比較資料として用いることができる対照コーパスを構築した.
著者
田中 僚 松村 敦 宇陀 則彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.9, pp.1-2, 2015-05-09

近年,様々なデジタルアーカイブが増加している.しかしながら,ほとんどのデジタルアーカイブは利用者が原資料の構造を理解できるように構築されていない.利用者はフォンド,サブフォンド,シリーズ,ファイルを個別ではなく文脈の中でとらえることではじめて,原資料の構造を理解する.本研究では原資料の構造を反映したデジタルアーカイブを構築し,資料ページへのアクセスを制限した.これにより,利用者は構造の順にのみアクセスすることになる.その結果,利用者は原資料の構造を文脈として理解することが可能になった.
著者
柏崎 礼生 宮永 勢次 森原 一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告セキュリティ心理学とトラスト(SPT)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.4, pp.1-6, 2014-10-02

プライベートクラウドや組織内仮想化基盤からパブリッククラウドへと移行する過渡期において,プライベートクラウドとパブリッククラウドの双方を接続しデータやアプリケーションの可搬性を高めたハイブリッドクラウドが展開される.ハイブリッドクラウドにおいてはプライベートクラウドとパブリッククラウドにおいて同じ,あるいは互換性の高いハイパーバイザーで構築されている事が望ましい.VMware 社は 2013 年に ESXi ハイパーバイザーを用いたパブリッククラウドサービス vCloud Hybrid Service (現 vCloud Air) の提供を開始し,2014 年には日本でのサービス提供が始まった.大阪大学では ESXi を用いた仮想化基盤を構築・運用しているため,このサービスは移行先のパブリッククラウドの有力な選択肢の一つである.本稿では VMware 社の協力のもと,vCloud Air 環境における計算機資源の性能評価を行う.In an age of transition between use of private cloud or virtualization infrastracture in an organization to public cloud service, a hybrid cloud that is a composition of two or more distinct cloud infrastructures (private, community, or public) comes out. The infrastractures are bound together by standardized or proprietary technology that enables data and application portability. From a standpoint of V2V cost, it is desirable for a public cloud and a private cloud to be constructed by the same or highly compatible hypervisor. VMware Inc. started to provide vCloud Hybrid Sevice in 2013 that is constructed by ESXi hypervisor (this service is renamed to vCloud Air in August, 2014). In 2014, this service was also begun to provide in Japan. Osaka university constructed a virtualization infrastracture with ESXi hypervisor. This service seems to one of a workable alternative. In this paper, we show results of performance benchmarks sponsored by VMware Inc.
著者
田村 文隆 岡本 渉 植木 克彦 平山 雅之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.23, pp.163-170, 2002-03-07

探索型デバッグ手法は ユーザが効率良くバグの原因箇所を特定する手助けを行う手法である.これを実現する為に 我々は 特徴値 類似度という二つの量を定義し利用している.本稿では 特徴値を中心に、その意味、利用方法、定め方を述べる。特徴値は、ログ内に含まれる各事象に対し、その発生確率が低いほど大きい値を取るように定められる。多数の事象が同じ特徴値を持つという縮退の問題を持つ。我々は、この縮退を説く方法を考察した。最後に、現在我々が進めている実験の一例を紹介することにより、特徴値の定め方の有効性を示す。We proposed 'Exploratory Debugging Method' which supports users to locate the failures in software. For the quantitative analysis, we defined two values: 'peculiarity' and 'similarity'. In this paper, we focus the former and eexplain its details. Peculiarities are defined for each event in a given program's trace, such that rare events have high values. However, there are high degeneracies in the peculiarities defined above. We studied a method to resolve this degeneracy. To illustrate the adequacy of our method, we show one practical example chosen from our experiments.
著者
高田 司郎 新出 尚之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.19, pp.57-60, 2009-02-26

従来のBDI logicは,Bratmanの「意図の理論」を基にした既存BDIモデルの範囲で,信念・願望・意図などの心的状態とそれら心的状態を保持・更新して目的を達成する振る舞いに関して,形式的な議論や証明を行うことができた.しかし動的な環境下の合理的エージェントの実現には,強化学習との統合などが要請される.そこで,確率的遷移と不動点オペレータの概念を導入してBDI logicを拡張したtomatoを用いて,強化学習で用いられる方策や有限MDPをtomatoの論理式として記述し,BDIと同じ論理体系で扱うことを可能にすることで,BDIと強化学習の統合方式を提案する.具体的には,強化学習の事例として「カヌーレーシング」をtomatoを用いて形式的に記述することで,厳密な議論や証明ができることを例示し,上記のように拡張された合理的エージェントの実現に,tomatoが有効であることを示す.Using traditional BDI logics, within the existing BDI model which based on the theory of intention by Bratman, we can formally argue or prove various properties of agents' mental states such as beliefs, desires and intentions, or behaviors of agents to achieve their aims while holding and updating their mental states. However, to construct rational agents under dynamic environments, additional capabilities such as integration with reinforcement learning are required. In this paper, we describe the notions used in reinforcement learning, such as policies and finite MDPs, as a formula of tomato, an extended BDI logic with probabilistic transitions and fixpoint operators. In this way, we propose a way to integrate BDI and reinforcement learning by enabling us to handle those two within a uniform logic. Specifically, using tomato, we provide a formal description of canoe racing as a case of reinforcement learning, and give some examples of strict arguments and proofs. It shows the effectiveness of tomato on realizing rational agents extended in the way described above.
著者
児玉 公信
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.62, pp.71-78, 2001-06-26

ビジネスモデルとは,ビジネスがどのように機能するかを抽象化してとらえたものである.本稿では,モデリングに関する概念を整理し,UMLとその拡張を用いてデータモデリングとビジネスモデリングの手法を紹介する.次に,これをいくつかの事例に適用して結果を評価し,最後にいくつかの課題について述べる.Business Model is a model that captures abstractly how the business is functioned. In this paper, I will arrange the concepts of modeling, introduce some techniques of data modeling and business modeling using UML and its extension, then apply them to some cases and evaluate the results. Finally, I will state some issues to be resolved.
著者
鈴木 悦子 小川 貴英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.42, pp.1-8, 1995-05-17
被引用文献数
2

計算機教育にプログラミング演習は欠かせないものである.しかし,演習授業では教師1人に対する学生の人数が多いため学生全員に目が届かない.以前我々は,学生のエディタへのキー入力の種類や,コンパイラのメッセージから,演習中にどの学生が行き詰まっているか,あるいは教師の助言を必要としているのは誰かということを抽出し,モニターすることを試みた.本研究では,キー入力の種類ではなくキーコードを収集,解析することで,学生がどのようにエディタを使い,プログラミング演習をしているかが把握できることがわかった.A programming writing class is indispensable to computer science education. However, it is hard to monitor all the students's progress on programming exercises in the class, when the number of students becomes large. We developed a system for monitoring the students's progress to assist a teacher. The system collects all inputs to a text editor, which students use for writing programs and invoking compiler. Our analysis of the collected data suggests that the data can indicate several behavior patterns, which suggests the type of the knowledge that students lack and the assistance that they need.
著者
花田 収悦 佐藤匡正 松本 匡通 長野 宏宣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.44-50, 1981-01-15

本論文は プログラムに与えられた命題を情報とその操作とからなる機能に基づいて論理的な構造を確定した上で処理手順を規定する 二段階から成るプログラム設計方法および 各設計段階に適合するように工夫された新たなドキュメンテーション方法(機能分析図 コンパクト・チャート)を提唱する.本設計方法は処理効率の向上を 処理手順の規定の段階で 主に いくつかの機能で共通な情報へのアクセスを削減するとの観点からはかり 大規模ソフトウェアの適用性を高めた.本設計方法の適用例では 従来手法のプログラム開発データに比べ (1)開発工数を30%削減できた (2)信頼性の尺度であるバグの発生率が 開発段階では約50% 商用開始後は約30?40%減少した (3)ドキュメント量が1/3に削減できたーなどの効果がみられた.
著者
狩野直哉 松原正樹 寺澤洋子 平賀瑠美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.4, pp.1-7, 2014-08-18

聴覚障害者にとって,日常生活における複雑な音情景の中から,必要な音を選択して認識し理解することは困難である.そういった音聴取能力を向上させることは聴覚障害者の手助けになり,QOL の向上につながる.我々は,聴覚障害者の音聴取能力向上トレーニングを目的としたタッピングゲームの開発を行った.タッピングゲームは,聴覚トレーニングに音楽とゲームの要素を取り入れたものであり,音聴取能力向上効果のみならず,聴覚障害者が意欲的に継続できることを意図している.タッピングゲームは二度,聴覚障害学生にプレイしてもらい,ディスカッションを行った.本稿では,タッピングゲームの開発とディスカッションの様子について報告する.
著者
吉田 俊介 野間 春生 柳田 康幸 保坂 憲一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.3819-3826, 2007-12-15

著者らはすでに2 自由度のリニア誘導モータ(LIM)を利用した力覚付きデジタルデスク環境を提案したが,その手法により同時に制御できる物体は1 つに限られた.本論文では複数人での共同作業をも可能とする,複数物体を同時制御可能な新しい方式のLIM による力覚付きデジタルデスク環境Proactive Desk II を提案する.提案手法では机の下に配置された多数のコイルを独立に制御し,異なる強度の磁束を生成する.それらの集合として構成される磁界はある時刻において従来手法のLIMと等価な状態となるよう制御し,それらを局所的に発生させることで複数物体を駆動させる.そしていくつかのアプリケーションを構築し,複数人が同時に利用でき,個別に異なる力覚を体験可能であることを確認した.We have designed a haptic display for ordinary digital desktop operations. It employs a general two degree-of-freedom linear induction motor (2-DoF LIM) and provides two-dimensional force on a desktop surface, but only for a single object. For cooperative tasks between multiple users, we propose the next-generation Proactive Desk II having a novel style of LIM which can apply individual forces to multiple objects simultaneously. The system employs a cluster of coils for synthesizing several traveling magnetic fields underneath the desktop. These magnetic fields simulate a local region of the field created by standard 1-DoF LIM, and these control multiple objects individually. Finally, we confirmed that this system can provide individual haptic experiences for each user using several applications.
著者
舟木 類佳 黒田 久泰
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.8, pp.1-6, 2014-01-30

コンピューター関連書籍を学習する者にとって書籍がやさしいか,難しいかといった指標は重要である.そこで本研究では難易度による書籍の推薦システムの開発を行った.難易度の比較は類似度が高い書籍間で行われると考え,本研究ではまず,潜在的ディリクレ配分法及びコサイン類似度によって目次及び書名の類似度を求めた.その後,予め難易度付与を行った一部の書籍に対して特徴量を定義し Support Vector Machine により難易度を予測した.この予測値を用いて難易度を推測し,類似度が高い書籍同士の難易度比較を行った.そして,Ruby on Rails を用いて書籍の検索アプリケーションを開発した.Indicator whether a book is difficult or easy is important for the people who learn IT books. Therefore, in this research, we developed book recommendation system by book difficulty. First, considering difficulty is compared between similar books and one another, we evaluated similarity of list of contents and book title by Latent Dirichlet Allocation and cosine similarity. Afterward, we evaluated predicated value by Support Vector Machine with some books we added difficulty in advance. With this predicated value, we calculated difficulty and compared difficulty in similar books with one another. In addition, we developed book search application with Ruby on Rails.
著者
磯本 征雄 森田 一興
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.13, no.9, pp.593-598, 1972-09-15

Generally, it is very difficult to discuss about the reliability of library subprograms made for the scientific calculation. Almost all subprograms are written in the FORTRAN language. But, at present, many people use the library subprograms which were made by the other people. Therefore, it has got necessary to know about not only the efficiency, but also the accuracy and the reliability of the subprograms. In this paper, we show one of the methods to check the reliability of the subprogram for linear equations. Here, it is the main purpose to show the method to check the behavior of the subprogram around the ill-conditional problems. In this method, it is possible to check one of the reliability of the subprogram of linear equations in a certain norm, disregarding the details of the algorithm.
著者
石田 克久 北原 鉄朗 武田 正之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.1548-1559, 2005-07-15
被引用文献数
2

本論文では,即興演奏未習得者のための演奏支援について述べる.我々の最終目標は,即興演奏未習得者が通常の楽器を用いて即興演奏を行えるようになることである.この目標を達成するために,我々は「即時的旋律創作能力の補助」と「即興演奏の練習環境の提供」の2つのアプローチで,即興演奏の未習得者をサポートする.「即時的旋律創作能力の補助」に対しては,旋律中の不適切な音を自動的に補正する演奏支援システムismを開発した.これは,演奏された旋律中の不自然な個所をリアルタイムに検出し,適切な音に変換することで,即時的な旋律創作を容易にするためのものである.「即興演奏の練習環境の提供」に対しては振動により不適切な音を指摘する学習支援システムismvを構築した.このような支援システムを実現するうえでの中心となる課題は,どのように不適切な音を検出するかである.これに対し我々は,N-gramで旋律をモデル化し,その確率値が小さなもののみを不適切と判定する手法を提案する.実験の結果,提案手法により旋律中の不適切な個所の検出精度を向上させることができ,ism/ismvが即興未習得者の演奏支援に有効であることが示された.In this paper, we describe improvisation support for players who do not have sufficient experience in improvisation. The goal of our study is that such players learn the skill for improvisation and enjoy it. In order to reach this goal, we consider two approaches: assisting their skill for real-time melody creation and providing them with a self-education environment for improvisation. For the former approach, we developed a system that automatically corrects musically inappropriate notes in the melodies of their improvisation; for the latter approach, we developed a system that indicates musically inappropriate notes with vibrating corresponding keys. The main issue in developing these systems is how to detect musically inappropriate notes. We propose a method for detecting them based on the N-gram model. This method first calculates N-gram probabilities of played notes, and then judges notes with low probabilities to be inappropriate. Experimental results show that this N-gram-based method improves the acc racy of detecting musically inappropriate notes and our systems are effective in supporting unskilled players' improvisation.
著者
上川 伸彦 岩崎 一正
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.140-147, 2001-01-15
被引用文献数
1

近年,画像に対する高速類似検索への要求が高まっている.画像の類似検索は画像としての特徴を表す多次元ベクトルの距離計算で実現されることが多いため,多次元ベクトルに対するインデクス手法が注目されている.従来の多次元インデクス手法といえるツリー構造の多次元検索手法は,適用可能であるベクトルはせいぜい数次元程度である.しかし,画像の類似検索においては,特徴を表す多次元ベクトルは数十次元ないし数百次元に及ぶ.そこで,本論文では,画像の類似検索の特性に着目し,数十次元ないし数百次元のベクトルを対象にしても高速に類似検索を行うことができる多次元インデクス手法を報告する.Recently, requirement of fast similarity-search for images is increasing. The indexing method for n-dimensional vector has great interest, because methods of the similarity-search for images usually use n-dimensional vectors have features of the image to calculate similarity. A feature vector of an image often has dimensions over a hundred but precedent method of the similarity-search are not work effectively for High-dimensional vectors. In this paper we propose a method of the similarity-search who can work effectively for High-dimensional vectors.