著者
黒川 利明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.524-526, 1979-11-15

いわゆるブロック構造をもっているプログラミング言語における局所変数の束縛方式について検討する.いわゆる「浅い」変数束縛と「深い」変数束縛について まずそれぞれの定義を与える.次にAlgol系のプログラミング言語で用いられる「display」方式の変数束縛を取り上げて これが上の定義に照らして「深い」のか「浅い」のかを考える.この3方式を比較して「浅い」束縛の利点を 処理速度 デバッグ インタプリタとコンパイラの共存の3点について示す.最後に「浅い」束縛での問題点を述べ この問題の背景について触れる.
著者
麻生川 稔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.12, pp.3207-3220, 1998-12-15

本研究は,「ニューラルネットワークを用いた知識獲得」に関するものである.目的は,知られているほぼ正しい知識を,知られているほぼ正しい例題とニューラルネットワークの学習機能を用いて洗練することである.これは,知られているほぼ正しい知識は,不完全であったり矛盾を含んでいたりするので,ニューラルネットワークの学習によって足りない部分を補い矛盾している部分を訂正するものである.このニューラルネットワークの特徴としては:(1)肯定推論と否定推論を同時に行うことができる.(2)例題が正しく解釈できるように,知識が完全化かつ完備化される.(3)真と偽以外にこれらの中間状態や,矛盾等が表現可能で,非単調性推論の機能を有する.(4)ニューラルネットワークでは入力と出力の区別がないので,知られている事実を入力すると,知られていないことについての推論が行われる.(5)知られてる事実が不十分であるときは,真偽不明と答えることもできる.これまでのエキスパートシステムでは上記した機能の一部は実現可能であるが,すべてを同時に実現したものではない.正しい知識をニューラルネットワークに展開する方法と,それを用いた推論方法について説明し,推論時のシステムの動作がつねに平衡状態に到達することをリヤプノフ関数の存在を示すことにより証明した.さらに,例題からの学習方法等について説明し,実装例を用いて実現方法の妥当性について検討する.Modus Ponens is used in forward inference and backward inference where the truth of the conclusion is inferred from the truth of the premise.On the other hand,in Modus Tollens,the falseness of the premise is inferred from the falseness of the conclusion.Although Modus Ponens is used in general connectionist production systems,Modus Tollens is rarely used.The authors have developed a novel connectionist production system,which can perform both Modus Ponens and Tollens simultaneously.One of the advantages of this system is that it has a learning mechanism.Often,the rules and examples given as external knowledge are erroneous and incomplete.Rules are refined with supervised learning,which is performed presenting both positive and negative examples to this system on which external rules and observations are mapped.The system stability is proved by using a Lyapnov function.Moreover,this system implementations of an implication,a conjunction,a disjunction and a negation are intuitively consistent with boolean logic and discussed by presenting a simple example implimentation.
著者
三好 聡 神山 文子 西島 恵介 藤田 米春
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.12, pp.25-30, 1997-01-24

推理小説理解を行うためには、登場人物の思考過程の解析が必要である。本報告では、感情シミュレーション・システムの手法を適用した解析法について提案する。感情シミュレーション・システムは人間の思考過程を3つの処理部に分けることにより構成している。主人公が感情を発生した時に、これらの処理部がどのような処理を行うかについて考察する。具体的には、どのような時感情が発生するか、感情がその後の思考にどのような影響を与えるかについて述べる。This paper proposes an application of a simulation method of emotion to analysis of hum processes of thought and behavior in understanding a detective story. The simulation system is composed of three modules, a situation processing module, emotion processing and a planning module. Based on this system, we describe generati〓 processes of emotions of a protagonist in various situations of a story and several influences 〓 generated emotion on his later thoughts and behaviors.
著者
成瀬 彰 住元 真司 久門 耕一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.99, pp.49-54, 2008-10-08
被引用文献数
2

本稿では メモリバンド幅ネックの流体アプリケーションを GPGPU 上で高速化する手法について述べる。 GPGPU としては CUDA 対応 GPU を対象とした。各種メモリアクセス性能調査結果より、安定して高いメモリバンド幅を実現するには、スレッド進行の同期化、アクセスパターンの局所化、スレッド数の最適化が重要であることが分かった。これに基づいて姫野ベンチマークを高速化した結果、 GeForce GTX 280 上で 69.7 GFLOPS の性能を達成した。これは従来実装と比べて 1.69 倍の性能であり、この性能達成時には 115 GB/s の実効メモリバンド幅が出ていたことを意味する。これは理論ピークメモリバンド幅の 81% に相当する。We present the acceleration technique of CFD (Computational Fluid Dynamics) on GPGPU, that needs high memory bandwidth. The memory bandwidth and latency of GPU are measured on various conditions, and it is clarified that following techniques are required to achieve high memory bandwidth on GPU: synchronization among threads, locality of memory accesses and appropriate number of threads. We've applied these techniques to Himeno benchmark program which is the kernel routine of CFD. Our accelerated code runs 69% faster than the existing implementation and attains 69.7 GFLOPS on GeForce GTX280, that corresponds to 115 GB/s in memory bandwidth.
著者
久住 憲嗣 中西 恒夫 北須賀 輝明 福田 晃
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. MBL, [モバイルコンピューティングとワイヤレス通信] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.133-140, 2002-11-28
被引用文献数
2

近年,ウエアラブルコンピュータの研究がさかんである.常に利用者が装着するウエアラブルコンピュータは,利用者が操作に専念できない状況が考えられ,センサ等の情報から推測される利用者の置かれている状況をもとに,できるだけ自動的に利用者の生活の補助をすることが望ましい.いわゆるコンテキストアウエアネスが必要である。そこで本稿では,コンテキストアウエアアプリケーションの実装を容易化するミドルウエアを提案する.提案ミドルウエアにおいてコンテキストを統一的に扱うために,コンテキストモデルを集合論・関係代数を用いて形式的に定義する.また,コンテキストアウエアアプリケーション実装者の負担を軽減する,コンテキストに基づくプロセスの自動制御手法について述べる.さらに,コンテキストモデル及びコンテキストに基づくプロセス自動制御手法の実装方針について述べる.
著者
藤畑 勝之 志賀 正裕 森 辰則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.86, pp.119-125, 2001-09-10
被引用文献数
1

本稿では,質問応答に用いる数量表現の取り扱いについて考察する.数値表現はそれ自身は単独では意味をなさず,どの事物のどの属性に関しての値であるかが判明して初めて有用な情報になり得る.そのため,それぞれの数値表現に関して,数値が対応する事物とどのような係り受け構造で結び付くかを考慮する必要がある.そこで,数量表現の出現する文脈について考察し,数値情報の構造を考慮した係り受けの制約と優先規則に基づく抽出規則を提案する.さらに新聞記事を対象とする実験により,本規則が数値情報を含む文書中から数値およびそれに付随する情報を抽出するうえで精度の向上に役立つことを示す.In this paper, we study the treatment of numerical expressions in question-answering systems. Numerical expressions themselves do not convey enough information, because they are only some attribute values. In combination with the objects and the attribute names, numerical expressions convey useful information. Therefore, we propose a set of extraction rules for numerical expressions, which extract numerical expressions along with the supplementary expressions. The set of rules consists of the constraints and preference rules of dependencies among numerical expressions and the supplementary expressions. An experiment of extraction we conducted with news paper articles shows that our rules are useful for improving the accuracy of extraction.
著者
伊藤愛 追川 修一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.98-112, 2008-03-15
被引用文献数
1

これからの組み込みシステムでは,ユーザの選択したアプリケーションを動作させるとともに,安全で効率の良い実行環境を実現する必要がある.その解決策として,VMM は有効な手段である.組み込みシステムでVMM を動作させることによって,資源の効率利用,安全性の向上,信頼性の向上を実現することができる.そのため,マルチコアCPU 指向の軽量VMM として,Gandalf を設計,実装してきた.本論文では,ゲストOS 間のメモリ保護を実現するシャドウページングについて述べる.シャドウページングを利用することで,VMM がゲストOS のメモリ利用を監視することができる.2 方式のシャドウページングを設計し,実装を行った.それぞれの方式について評価実験を行い,ネイティブなLinux やXenLinux との比較した.その結果,Gandalf がXen より軽量に実現できていること,また,割込み応答性に対して軽微な影響で済んでいることが確認できた.While the provision of secure and reliable, yet efficient execution environments is a must for embedded systems, users' desire for using applications of their own choices is rapidly growing. In order to deal with both requirements, VMMs will be an answer. By using VMMs in embedded systems, we can effectively utilize the resources, improve safety and reliability. We designed and implemented a multi-core processor-oriented lightweight VMM, Gandalf. This paper focuses on shadow paging, which enables memory protection among guest OSes. A VMM can monitor the use of memory by guest OSes through shadow paging. We designed and implemented the two models of shadow paging. The results from benchmark experiments show that Gandalf performs better than Xen.
著者
富田 眞治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, 1996-09-15
著者
西田 玄 林 良一 高倉 健
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.32, pp.49-54, 2002-03-28
被引用文献数
11

ネットワーク上で個人情報を扱うITサービスが多数提供されているが,多くのユーザはサービスプロバイダの個人情報の取り扱いに不安を抱いている.そこで筆者らは,ICカードを用いて個人情報をユーザ自身が管理し,安全に利用するための個人情報管理システムを提案してきた.そのプロトタイプを構築し,相手に応じて個人情報の提供範囲を判断する開示制御機能と,個人を特定させずにカスタマイズサービスを受けるための匿名サービス利用機能とを実現したので報告する.また,これらの機能を用いた個人情報管理システムによる仲介機能についてもプロトタイプでのサービス例として紹介する.While there are so many services on the net that ask for personal information of customers, much portion of people still have concerns about the treatment of sensitive information by the service providers. We have proposed a system that enables a user to manage her/his personal information by her/himself. In this paper, we introduce a proto-type implementation of the system that natively supports policy-based access control. With the system's "anonymous credit" function, a user can enjoy customized services without giving any sensitive information to service providers. We also present sample application of infomediary functions built on the system.
著者
藤井 治彦 武井 英明 中里 加奈 庵祥子 三宅 延久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.17, pp.39-46, 2001-02-24
被引用文献数
6

近年、音楽配信などインターネットを介したコンテンツ流通ビジネスの発展に伴い、著作権保護方式の重要性は増している。しかし、従来の著作権保護方式は、コピー制限など、ユーザの自由度を制限するものが多く利便性が低い。本稿では、再生装置とコンテンツに所有者証明情報を付加し、両者の所有者が等しい人物であると証明できた時のみ再生する方式を提案する。本方式を用いれば、従来のようにコンテンツに対するコピー制限などが不要となり、共有(複数の再生装置間でのコピー)、購入(配信サーバから再生装置などへのコピー)、再発行(コンテンツを誤削してしまった場合の再ダウンロード)といった操作の利便性を向上させることができる。The contents distribution business such as music distribution has recently expanded. But exiting copyright protection methods have many restrictions such as restricting the number of copies, so their usability is low. This paper describes a new type of copyright protection method. In this method, the certificate issuer attaches owner information to the contents player at first, and the contents server also attaches owner information to the content. The user is permitted to view or listen to the content only when the two pieces of owner information show the same person. This method allows the user to purchase and copy contents among several players easily and allows the reissue of contents by the server easily.
著者
持橋 大地 菊井 玄一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.36, pp.47-53, 2006-03-27
被引用文献数
2

文書があるトピックの持つ確率分布から生成されたと仮定し その確率分布パラメータと文書のトピックへの帰属確率を求めるモデルに ナイーブベイズ法を Polya 分布を用いてベイズ的に精密にとらえ直した混合ディリクレモデル(DM)があるが この方法はトピック数を事前に与える必要があるという欠点があった.これに対し 本論文では可算無限個の混合比にディリクレ過程事前分布を与えることにより データの複雑さに合わせて混合数を自動推定するディリクレ過程混合モデルによる方法を検討する. モデル選択により混合数を決定する方法と異なり この方法は混合数の事後分布をパラメータと同時に推定し 期待値を取ることで予測を行うことができる. 実験の結果 必要な混合数の上限を推測することができ 特に小規模データに対しては性能がさらに上昇することがわかった.This paper proposes a Dirichlet process mixture modeling approach to Dirichlet Mixtures (DM). Endowing a prior distribution on an infinite number of mixture components, this approach yields an appropriate number of components as well as their parameters at the same time. Experimental results on amino acid distributions and text corpora confirmed this effect and show comparative performance on large datasets and better performance on small datasets avoiding overfitting.
著者
吉岡 真治 原口 誠 大久保 好章
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.41, pp.151-158, 2002-05-21

情報検索システムを利用する検索者にとって、適切なキーワードを選択することは必ずしも容易なことではない。この問題に対し、検索者の検索意図を推定し、検索者の補完を行う検索システムが提案されている。しかし、補完した結果は複雑であることが多く、検索者が補完結果自体を評価することが困難である。本研究では、検索者にも理解しやすい概念階層の汎化という考え方を利用して、ユーザの検索意図を明示化すると共に、精度落ちを抑えた情報検索システムを提案する。本報では、概念階層の汎化のレベルを決定するために、検索者により入力された検索語が持つ適合性判定への寄与度を考える。また、本システムの性能を向上させるためには、概念階層自体が目的に応じて再構成されることが必要であることについて述べ、目的指向の概念階層の修正の方法を提案する。It is not easy for a user of Information Retrieval (IR) system to select appropriate keywords. Therefore, many IR systems have capability to modify keywords by estimating user's intent. However, since modified keywords are usually represented as complicated form, it is difficult to judge the appropriateness of them. In this research, we proposed a new IR system that uses adaptive generalization of keywords. When the system can selects appropriate generalization by estimating user's intent, the system can generate good keywords that have high readability and good retrieval performance. In this report, we proposed to use the contribution value of each keyword for relevance judgement to select appropriate generalization. In addition, we confirm general concept structure stored in a thesaurus is not sufficient for representing particular user's intent. Therefore, we proposed a purpose oriented method to modify concept structure.
著者
張玉潔 尾関 和彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.85, pp.1-8, 1997-11-12
被引用文献数
3

従来の文節分割法では,人手で規則を与えていたため,規則全体の一貫性を保持するのが困難であり,また規則の適用順序の定め方に問題があった.ここでは形態素解析された日本語文を,分類木により文節単位に分割する方法を提案する.この方法によれば,分割規則をコーパスから自動的に獲得することができる.また,統計的な側面と論理的な側面から同時に分割規則を捉えることにより,効率の良い規則適用順序が得られる.さらに対象領域や形態素の分類体系などが変更されたときも,学習データを入れ替えるだけで,新しい状況に対応する分割規則を容易に獲得することができる.ATRコーパスとEDRコーパスを用いた実験により,この方法の有効性を確認した.In conventional bunsetsu segmentation methods of Japanese sentences, segmentation rules have been given manually. This causes difficulties in maintaining the consistency of the rules, and in deciding an efficient order of rule application. This paper proposes a method of automatic bunsetsu segmentation using a classification tree, where the knowledge about bunsetsu boundaries can be automatically acquired from a corpus without the need of handwork on rule making. It can also adapt quickly to a new task domain and a new system of morpheme classification. Results of experiments on ATR corpus and EDR corpus show the effectiveness of this method.
著者
井上 明 金田 重郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.25, pp.115-122, 2007-03-15
参考文献数
8
被引用文献数
9

近年、ICT教育の手段としてPBLが注目されている。しかし、従来提案されているPBLはジョナサンが定義する3段階のうち、2番目のアドバンスレベルでありテュートリアルにより実行されるべき範囲に限定されている。そこで、本稿では、ジョナサンによる3区分の最終段階であるエキスパートレベルの知識獲得を目指したカリキュラムとして、自治体と大学が連携し、学生自身が要求分析・設計・コーディング・実応用・保守を担当する社会連携型PBLカリキュラムを提案する。本アプローチは2000年度より進めてきた。実際に問題解決能力テストPSIによって受講生を評価した結果、研究のみを実行している学生に比して、中心メンバーとして活躍した学生・院生は、高い問題可決能力の指標を示した。反面、グループ学習特有の性質として、受講生の問題解決能力のバラツキは大きくなっている。本稿では、5年間の実践経験を踏まえて、この社会連携型PBLのプラクティスを示し、今後の発展の方向についてあわせて論じている。Recently, PBL (Project Based Learning / Problem Based Leaning) approch is focused in ICT learning domains. However, conventional PBL approach in ICT learning is the second stage of learning, defined by D.H. Jonassen, a researcher in Constructive Learning. The second stage is an advance level of the knowledgeacquisition, suitable for coaching leaning approach.In this paper, a PBL approach for the third level of Jonassen's model is proposed. The level is the expert level and the PBL approach can be realized only in the real world application system development.The authors started the real world system develpment PBL approach in 2000.This paper sumirizes the details and experiences in the PBL approach. Some practices are demonstrated and the future works are crarified.
著者
中嶋 正之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.59, pp.65-68, 1994-07-08
被引用文献数
1

コンピュータを利用してディジタル的に映像を生成する技術の進歩は速く,最近では映画・テレビ,ゲームの等の娯楽の分野のみならずビジュアライゼーション等の科学・工学さらに医学等の分野で活用されている.将来益々これらの分野においてディジタル映像処理技法そしてCGが不可欠の道具となることが予想される.本特別講演では,現状では最先端ともいうべき驚異的なCG映像が活用されている映画への応用を中心にして最新のディジタル映像の現状と将来について紹介する.The image generation technology using digital computer has been improved so rapid that these days and it has been applied to many fields of entertainment area, such as making movies, television program, image video and games and many kinds of visualization area in scicnce, engineering and medical fields. In near future, these image generation technologies will become essential means in these fields. In my lecture, I will introduce the latest digital image technologies adopted for making movies released in 1993 in America.
著者
滝澤 修 井佐原 均
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.110, pp.13-20, 1995-11-17
被引用文献数
1

自然言語における修辞的表現の一種である「同語反復表現」を計算機で検出する一手法を提案する.同語反復表現とは,「彼は彼,私は私だ」や「建物という建物が倒壊した」のように,一文中で同じ語(反復語)が繰り返され,かつ表層的な処理では意味解析できない表現のことである.本稿で提案する手法は,形態素解析によって品詞の同定を行い,反復語とその周辺の単語の品詞の並びに関するテンプレートを学習データから予め人手で作成しておき,そのテンプレートとのマッチングによって,対象とする文から同語反復表現を検出するものである.新聞記事データを用いた予備的な実験では,本手法によって,80.6%の呼出率で検出できることが示された.This report proposes a method for mechanically detecting tautological expressions in the Japanese language. Tautological expressions are defined here as "rhetorics in which same words are appeared at two positions in one sentence", e.g., "A promise is a promise". In the proposed method, tautological expressions are detected by matching with templates; each template is a chain of POS (part of speech) of repeated words and the neighbouring words. The templates are created manually beforehand. Preliminary experiments using a newspaper corpus show the appropriateness of the proposed method.
著者
矢萩 一樹 宮崎 浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.158-171, 2005-06-15
被引用文献数
1

オプションの市場価格が理論価格より割高である場合には,オプションを売却してデルタヘッジを行えば理論上は確実に収益があがるはずであるが,実際には損失が発生することがある.本研究では,そのメカニズムを解明するために,デルタヘッジの効率性に着目したシミュレーションモデルを提案した後,実データに基づいて本モデルを利用した検証を行う.デルタヘッジを行う際に使用するデルタの算出には,実現したボラティリティ,各時点のインプライド・ボラティリティ,GARCH ボラティリティの3 種類を用いることで,これらのボラティリティがデルタヘッジに与える効率性の違いを比較した.また,分析をより現実的なものとするため,デルタヘッジにおける株式の売買コストを考慮したうえで,ヘッジ頻度を変えた分析からデルタヘッジの効率性とヘッジコストとのトレードオフを確認した.実験結果から,各時点のインプライド・ボラティリティおよびGARCH ボラティリティを直接利用するだけでは,デルタヘッジの効率性はきわめて低いことが分かった.ただし,現実のボラティリティをある程度正しく予測することができたならば,取引回数を10 回程度以上行うことで理論どおりに収益をあげることができるのが確認できた.また,ヘッジコストとヘッジの効率性に関するトレードオフは存在し,ヘッジ間隔が長くなるにつれて売買コストが低下する影響が強く現れる結果となった.When the market price of an option is higher than the theoretical price of it, theoretically, we can make profit with 100% certainty by selling the expensive option and activating the delta-hedging strategy. However, in reality, we sometimes lose in the option trade. In this research, we clarify why such a counter intuitive situation occurs based on our simulation model focusing on the efficiency in the delta hedging. We examine the hedging efficiency depending on the delta in the delta-hedging by utilizing the three kind of volatilities such as actual volatility in the period, implied volatility in each delta-hedging timing and GARCH volatility. Making our analysis to be more realistic, we introduce the trading cost of the underlying equity in the delta-hedging and examine the trade-off between the hedging cost and the hedging efficiency by comparing the results in the different hedging frequencies. The results indicate that the performances of the delta-hedging based on the delta derived by the implied volatility in each delta-hedging timing and the GARCH volatility are very poor. However, when we can foretell the actual volatility of the underlying equity in the hedging period with reasonable precision, as the theory indicates, we can almost surely make profit by activating the same kind of the trade independently more than 10 times. Regarding as the trade-off between the hedging cost and the hedging efficiency, we found that the effect of the hedging cost surpasses that of the hedging efficiency when the hedging frequency decreases.