著者
佐藤 智 金森 克洋
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.115, pp.201-206, 2008-11-20

被写体の法線情報や被写体間の相対関係,光源情報を取得するために, attached shadow と cast shadow からなる陰影情報が有効である. attached shadow 情報からは被写体の法線情報, cast shadow 情報からは被写体間の位置関係や光源情報を取得することができる.しかし,陰影情報から attached shadow と cast shadow を分割する手法はあまり研究されていない.本研究では,偏光情報を利用することで,光源移動を伴わないパッシブな撮像手法により,陰影領域を attached shadow と cast shadow に分割する手法を提案する.For object information acquisition, for example, normal information, spatial arrangement of the object relative to another object and illumination distribution, shadow information is effective. Shadow consists attached shadow and cast shadow. Using attached shadow, we can estimate object's normal information. Cast shadow is informative about spatial arrangement and illumination distribution. However, little study is known about classification of shadow into attached shadow and cast shadow. In this paper, we propose the passive method that classifies shadow into attached shadow and cast shadow using polarization information.
著者
黒木陽介 大石哲也 長谷川隆三 藤田博 越村三幸 田代祐一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.695-697, 2011-03-02

Twitterにおいて、ある共通のハッシュタグを付けた発言群を時系列に基づいて解析することでそのハッシュタグを付けている発言群の内容を明らかにする。これによって、ある地域で行われている講演に対してハッシュタグを付けて発言している人がいる場合、そのハッシュタグの内容に関する説明があればその場にいない人でも講演の内容を知ることができる。またハッシュタグを使用する際、どのハッシュタグがどういう趣旨を持って使われているかが分からないと利用しにくいので、ハッシュタグの内容説明があることによってハッシュタグをより使用しやすくなる。
著者
間辺 広樹 並木 美太郎 兼宗 進
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.15, pp.179-184, 2009-02-20
被引用文献数
1

本稿では、優れた学習方法であるコンピュータサイエンスアンプラグドについて、その有用性を検討すると同時に、 「体を使う」 「グループで行う」 「コミュニケーションを図ろ」 等が困難な人や授業環境に対しても有益となり得るデジタル教材の開発ついて、その工夫と可能性とを報告する。In this presentation, we introduce online digital contents of "computer science unplugged (CS unplugged)" for persons with disabilities at a vocational training school. By using some kinesthetic activities, CS unplugged became an excellent method of computer science education for beginners. But the kinesthetic activities are not always easy for the students in our school. So we designed some online digital activities for our students.
著者
木綿麻実路 岩切 宗利
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.1258-1265, 2006-04-15
参考文献数
4

テキストベースの情報メディアの一種に,文字の形状や濃度を利用して絵や自然画像を表現するアスキーアートがある.一般的なアスキーアート作成手法では,作者や作成日時などの属性情報を別に記録する必要がある.しかし,流通の過程でそれらの属性情報は失われる可能性がある.そこで本研究では,1 対1 であった文字と輝度の交換テーブルを1 対多とすることにより,アスキーアートに情報を埋め込む手法を考案した.本論文ではその考えに基づき,埋め込み可能容量を増大しながら出力画質を向上させる手法について示す.また,階調数を高く設定したうえで入力画像の特性を考慮した文字数選定を行うことにより,出力画質と埋め込み情報量をともに向上させることができることを実験により示した.本研究の結果,出力データサイズに対して最大21%程度の情報埋め込みに成功した.The ascii-art is one of techniques to the text based image representation, and it is using density or outline shapes of black-and-white dots on the character structures. Although, the ordinary ascii-art is not combined to the attribute informations, thus the separated records would be lost, easily. Therefore, in this research, we try to build up the information-hiding techniques for ascii-arts, and it applied a substitution table of the brightness to the many selectable characters for embedding secret messages. According to the experemental evaluations, the proposal technique increased the capacity of embedding with improving the quality of image, and these were upgraded by the optimizing method to the band-width of gray scales, moreover. As a result of this research, we realized that the embedding capacity about 21% at maximum to size of the cover data.
著者
廣瀬 泰弘 赤池 英夫 角田 博保
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.28, pp.53-60, 2009-03-06

本研究では携帯電話での利用を想定した Web サイトのユーザビリティを自動評価するシステムの開発を行った. 現在, 無数の Web サイトが携帯電話を介して様々なユーザにより様々な場面で利用されるようになった. そのような状況においては, PC に対する場合とは異なる視点から Web サイトのユーザビリティを考慮する必要がある. そこで W3C の Mobile Web Best Practice をもとに対象 Web サイトの項目スコアを算出し提示するシステムを作成した. そしてシステムの評価のために被験者実験によって数種類の Web サイトの評価を実施した. 被験者はその主観総合のスコアにより 4 つのグループに分類し, そのグループごとにシステムによる予測総合スコアと被験者による主観総合スコアの比較を行った.In this research, we developed a system assessing websites accessed mainly via cellular phones. Many people access websites by their mobile device at various scenes recently, and the way it is used is defferent from that of PC. In other words, we should think about the usability of websites for mobile device from a different point of view from PC. So, we developed a website scoring system based on the Mobile Web Best Practices(MWBP) from W3C and some user preferences. In an evaluation experiment, 10 subjects were classified into 4 groups by mean and variance of their subjective score, and we compared the expected score from the system with the subjective score on group-by-group basis.
著者
城戸隆
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.47, pp.25-30, 1999-05-24
被引用文献数
2

異なった価値観を持つ2人ないしはそれ以上の人間が交わることによって単独では生み出され得なかったような共通の理解・成果を生み出していくことがコラボレーションの本質である。マレーシアにおける異文化コラボレーションの実態や国際ワークショップでの議論などを踏まえてネットワーク社会におけるコラボレーションの本質とは何か、期待される応用課題、技術的ブレイクスルーは何かについて考察する。このような機運の中、我々も研究開発活動および地域教育研究機関との交流を開姶したところである。マレーシアは多民族、多言語、多宗教国家であり多様な価値観を持った人達が共生している。このように多様な価値観が共存する環境はマルチメディアのテストベッドとして非常に魅力的である。異なる価値観を持った人たちが時間、空間を超えて創造的な問題解決を行っていくためには本質的に何が重要になってくるのであろうか?本稿ではこのような問題意識に基づき異文化コラボレーションに関する考察を行う。
著者
岡野 裕之 横関 隆 並木 美太郎 高橋 延匡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.673-683, 1991-05-15
被引用文献数
4

共有メモリ型マルチプロセッサを対象にしたオペレーティングシステム OS/omiaon第3版(以下OMICRONV3)を開発した.OMIRONV3は タスクフォースをマルチプロセッサ環境で有効に機能させるために タスクフォースを1つのプロセッサに束縛せず タスクから見てプロセッサをアノニマスにする設計とした.このとき 対象ハードウェアがプロセッサに関して不均質であったため ハードウェアに直接OMICRONV3を実装すると OSの構成が複雑になることが予想された.そこで ハードウェアとOSの間にハイパOS眉を導入し ハードウェアを均質化した.これによって OMICRNV3の内部でプロセッサをアノニマスに扱うことが可能となった.OMICRONV3は プロセッサをアノニマスとして実装した結果 シングルプロセッサ用のOSと比べて数か所の変更でマルチプロセッサに対応できた.したがって ハイパOSを使った実装が OSの記述性 保守性を高める上で非常に有効であることが判明した.0MICRONV3の設計は OS内の統一した責源環境 マルチタスクのデバッガ OSの変更の容易性などを考慮して行った.本論文は OMICRONV3カーネルの設計と実現 マルチプロセッサヘの実装方式趣どについて述べる.
著者
岡田 仁志 小川 賢
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.83, pp.21-26, 1999-10-09

「理想的電子マネー」が存在しない現時点において、電子マネーの導入決定権者が合理的な選択を実現することは容易でない。本稿はDEA分析とAHP法を利用して電子マネーの選択を支援する枠組みを提案する。電子マネーを評価する基準として、()セキュリティのレベル、()顧客プライバシー保護の程度、()運営コストの多寡、()使いやすさの度合い、の4つをとりあげた。これらの観点に基づき、スーパーキャッシュ()、VISAキャッシュ()、モンデックス()、デビットカード()の4種類の電子マネー類を対象に優位性を問うアンケートを実施し、投票データから電子マネーの優位性を明らかにすることを試みた。It is not easy to select a type of electronic money, because there is no perfect type. We enforced a questionnaire about 4 types of electronic monies, which are Super Cash, VISA Cash, Mondex, and J-Debit. The viewpoints to evaluate them were security level, privacy protection level, cost performance, and usefulness. Then we tried to analyze the predominance of electronic money, with the methods of AHP (Analytic Hierarchy Process) and DEA (Data envelopment analysis).
著者
中川 聖一 堀部 千寿
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.55, pp.87-92, 2001-06-01
被引用文献数
5

最近、多くの大語彙連続音声認識システムが開発、使用されているが、音声認識された結果には、認識誤りが含まれることが多い。そこで、音声認識の結果どの部分が正しいか、または誤っている可能性が高いかを判別できればアプリケーションに対する悪影響を軽減することができると考えられる。このような正しい(誤っている)可能性が高いかを判別するパラメータは信頼度(Confidence Measure)とよばれ、大語彙音声認識システムや対話システムなどでの利用が考えられている。本稿では信頼度を音響的なアプローチと言語的なアプローチからそれぞれ計算し、それぞれの結果の論理和をとることにより、正解単語の判定の精度を向上させる方法を提案する。The recognition errors are inevitable for large vocabulary continuous speech recognition systems. If unreliable candidates are correcty identified, the harmful influence caused by recognition errors will reduce. The measure of reliability is called "Confidence Measure" and it is useful for various applications such as transicription systems and dialogue systems. In this paper, we propose a new conefidence measure which combines logically the likelihood of acoustic model and that of language model.
著者
濱本 和彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システム評価(EVA) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.106, pp.13-18, 2004-11-04
参考文献数
6
被引用文献数
3

幅広い年代の多くのインターネットユーザが存在する時代において,各ユーザが使いやすいwebシステムや画面をデザインする事は重要である。本報告では,高齢者のための画面デザインを中心として,webデザインのガイドラインについて述べる。まず,PC環境やフォント,背景色などについてのアンケート調査と高齢者特性調査を行う。これらの結果を基にwebデザインを行い,そのユーザビリティについて高齢者利用調査により調査する。このプロセスは複数回実施される。これらの結果を,高齢者のためのwebデザインガイドラインとして整理した。In this paper I propose the guideline of webpage design to support for aged person to participate in society. The information-communication services, such as Internet, will be able to be a way to support for aged person to participate in society in the future. Unfortunately, however, common design of webpage is not easy for aged person to use. First, I carried out a questionnaire survey to aged person in terms of environment of personal computer, font, color, etc on WWW and surveyed the property of aged person. Then I designed a webpage and the webpage usability was estimated by aged person. Finally I arranged these results as the guideline of webpage design for aged person.
著者
齋藤 晴美 浅野 陽子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.77, pp.43-46, 2007-07-27
参考文献数
5

近年のシニアユーザの携帯電話所有率増加に伴い、若年層のユーザのみならず、より多くのユーザにとって使いやすい携帯電話向けウェブサイトの構築が求められている。しかし現状では、携帯電話向けウェブサイトのユーザピリティ向上を目的としたデザインのための指針は少ない。また、ウェブサイト作成者にとってもサイトデザインに関するユーザの意見を得る機会は少ない。本稿では、シニアユーザによる携帯電話を用いたウェブサイト閲覧のユーザテストを実施し、ユーザピリティ向上のためのデザイン要件を抽出した。いくつかのテスト結果、及び作成したデザイン要件について紹介する。The mobile phone is becoming ubiquitous in Japan, but the use of moblie Web access is not so frequently. For the purpose of proposition of the guideline for designing mobile phone Web pages, we have examined some websites for mobile phones with elderly people. It is necessary to design mobile phone Web pages that are easier for them as the population ages. In this paper, we show some results of the examination and propose some tips for designing Web pages.
著者
加藤秀一 堀江 憲一 小川 克彦 木村 重良
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.61-69, 1995-01-15
参考文献数
12
被引用文献数
6

コンピュータシステムの使いやすさや分かりやすさ(ユーザビリティ)を、誰もが客観的に手軽に評価できるHI(ヒューマンインタフェース)設計チェックリストを開発しその有用性を検証した。本チェックリストは、(1)専門家でなくとも便いこなせ、(2)信頼性・客観性の高い定量的な結果が得られ、さらに、(3)実際に、改善にまで直結できること、を主な目的に開発された。合計133のチェック項目により、画面(9セクション、69項目)と操作性(7セクション、64項目)がチェックできる。チェック緒果は、先に開発したHI設計ガイドラインヘの適合度を表わす定量的な値で得られ、チェック項目やセクション間のバランス評価、他システムとの比較評価ができる。一方、本HI設計チェックリスト自身のユーザビリティを検証するため、4名の被験者の、半年間こわたるチェックデータやチェック時間を分析した結果から、チェックリストの末経験者でも、インタフェースの不適合な箇所を、客観的かつ網羅的に、短時間で検出できることを確認した。また、HI設計チェックリストで、運用/開発中のコンピュータシステムのユーザビリティを評価した結果から、HI設計時に見落とされやすい(守られない)ガイドライン項目や、レビュー時に重点的にチェックすべき項目を抽出できた。これらのユーザビリティ評価を通して、HI設計チェックリストの有用性が検証できたと考えている。
著者
木村 達洋 早坂 明哲 瀬川 典久 山崎 清之 村山 優子 宮崎 正俊
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.2587-2597, 2003-11-15
参考文献数
25
被引用文献数
4

近年,インターネットの急速な普及にともないコンピュータが家庭にまで浸透し,VDT作業時間が急激に増加したことで,子供の視力低下や疲労が問題化している.また,ゲームなど強力な動機づけによる長時間使用で健康を害し,極端な場合には死亡例も報告されている.そこでユーザの健康を守る衛生学的観点から視覚系疲労を測定し,インタフェースを低負荷なものにする必要がある.本研究では,事象関連電位(ERP)を用いた視覚系疲労の客観的評価法を提案し,VDT作業による視覚系疲労評価を試みた.ERPは視覚情報の脳内過程を反映する.このうち一次視覚野の反応であるP100成分と,標的を非標的から弁別する際に現れるP300成分を指標とした.また,眼精疲労の指標として焦点調節能(近点)も計測した.その結果,視覚系疲労条件では,ERPのP100の振幅は増大し,非標的によるP300の振幅は,標的の場合の振幅に近づき,弁別性の低下が見られた.この傾向は主観的な疲労感との相関が認められた.一方,ERPの振幅や潜時と近点との相関は認められず,両者は独立な情報を含んでいると思われた.このことは眼調節系の疲労,認知機能の低下である中枢性疲労の2種類から構成されていることを示している.以上から,本方法を用いれば眼調節系と認知過程の2つの処理段階を考慮した視覚系疲労の評価が可能になると考えられた.In order to obtain a guideline for designing low-workload Human Interface (HI). We investigated assessment of visual fatigue induced by performing an interactive task as a model of HI software on personal computers utilizing measurement of Event Related Potentials (ERP) and accommodation. The ERP were measured in this study before and after a visual target detection task in healthy adult participants to assess visual fatigue of the central nervous system. As an index of accommodation, the ophthalmic near point was also measured using an accomodometer. As the experimental task, participants were instructed to click designated targets from a randomly arranged matrix of characters for one hour. All participants reported symptoms of visual fatigue after the task. From the averaged ERP waveform, P100 and P300 components were detected and their amplitudes and peak latencies were analyzed. Amplitude of the P100 component measured after performing the task was larger than that in the control condition. Near points after the task increased in comparison with those before the task. Results indicated that visual fatigue by the experimental task evoked both eye-strain and altered function of the primary visual cortex. Feasibility of applying the present method to a low-workload software development is discussed.
著者
上岡玲子 廣瀬通孝 梅田晶子 田中尚文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.39, pp.19-22, 2006-05-03
被引用文献数
6

「時間のつる草」は、日々収集される様々なライフログ(生活や仕事の中のあらゆる情報)を有効に活用するための新しい可視化インタフェースである。このインタフェースでは、時間概念を従来の軸としてとらえるのではなく、「らせん」として捉えなおすことで、大量のライフログから事柄の周期性を発見し、過去の自らの行動の再認識とともに、新たな発見を即すエンターテイメント性のあるインタフェースの実現を目的とした。本論では、時間のつる草のコンセプト、試作システムおよび展示デモについての報告と今後の展望について議論する。The Vines of Time is a new interface developed for visualizing life log, which is a various kind of information collected under the daily life. The feature of this interface is that we don't treat a concept of time as a linear structure but treat it as a spiral one. Therefore the periodicity of the event out of a large amount of life log becomes possible. This makes possible to reconfirm self behavior as well as induce a new discovery by manipulating the interactive interface. This paper discusses the concept of the vines of time interface, the system outline of a prototype system and reports the demonstration and closes future work.
著者
洪政国
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報メディア
巻号頁・発行日
pp.1-8, 1995
被引用文献数
1

博物館が収集・保存し、調査研究の対象とするものは実物とそれに関連する様々な背景情報で、これらは多様な媒体で表現されるマルチメディアの集合体である。近代博物館の最も重要な特徴として展示を通して行う公教育としての機能がある。これは教科書などに従う学校教育とは異なり、展示物との直接の対話を通して、自発的な参加による、五感を活用した体験学習であり、マルチメディアによって実現される。博物館とマルチメディアとは相性が良い。マルチメディア化された電子博物館では、特に大規模なマルチメディア・データベースと高速ネットワーク、利用者本意のユーザーインターフェースの組合せによって、PDAのような携帯端末から大型スクリーンにいたる様々な媒体を通して、感性にうったえるコンテンツが再生される。マルチメディア博物館によって誰でも、どこにいても好きな時に、好きな博物館見学ができるオン・デマンド・ミュージアム(Museum-On-Demand:MOD)が実現する。このような博物館は分散型マルチメディア環境の典型例といえる。本稿では、マルチメディアにもとづいた電子博物館の展望と、その実現にとって必要な技術的要素とともに課題について整理し、いくつかのプロジェクトの事例を紹介する。
著者
青木 翼 長谷川 哲夫 宮本 博暢 渡邊 竜明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.29, pp.203-210, 2008-03-18
被引用文献数
1

モデル検査によりソフトウェア設計の品質を向上させることが注目されている.一方,モデル検査を開発に適用するノウハウはまだ不足している.本論文ではモデル検査をソフトウェア開発に適用させるためのガイドラインについて報告をする.このガイドラインではモデル検査を実施する目的と効果,モデル検査が適用できる箇所,モデルや検証式を作成する手順,モデルや検証式の記述テクニックの4点について説明を行っている.While improvement of the quality of software design using model checking is required, the current know-how pertaining to the application of model checking is insufficient. This paper describes the guideline for model checking in UPPAAL, which consists of 4 sections explaining the objectives and outcomes of model checking, target documentation, process, techniques of models and verification expressions building.
著者
金岡晃 杉本 浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.129, pp.1-5, 2006-12-08
参考文献数
2

YPTO2006のRumpSessionにおいてB1eichenbacherにより、一部のPKCS#lvL5署名を実装するソフトウェアに脆弱性が存在することが発表された。その脆弱性は広く利用されているオープンソースソフトウェアopensslにも存在することがわかり、社会に広く影響を与えた。B1eichenbacherにより示された攻撃法はいくつかの条件が必要となることが示されているが、本論文ではさらなる解析を行うことで、より詳細な攻撃条件を示した。さらに現実的に利用されている環境を考慮し、その脆弱性の脅威を正確に把握した。Bleichenbacher showed that some PKCS#lvl.5 signature implemantation has vulnerability at CRYPTO 2006 Rump Session. That vulnerability enable PKCS#15vl.5 signature forgery without private key under some conditions. Though Bleichenbacher also showed some conditions to attack, there are more detailed one. In this paper, I will show more detailed conditions and consider real threat on that vulnerability.
著者
小宮山 美緒 古井 陽之助 速水 治夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.9, pp.191-196, 2006-01-27

近年,学校教育とe-Learningの関わりが注目されつつある.著者らは,今後需要が高まると予測される小学校の児童を対象にしたe-Learningシステムの開発を試みてきた.本論文では,新しく開発した小学生向けデジタル絵本教材システムとその評価実験について述べる.評価実験は,閲覧システムを中心に使用すると想定した4~9歳の児童と,閲覧システム・作成システムの両方を使用すると想定した10~12歳の児童に着目して行った.その結果,英語経験の有無を問わず楽しく英語の絵本を読むことができることが確認できた.また,英語経験が無い児童が楽しく英語の絵本を作成できることが確認できた.Recently, the relation between school education and e-Learning is attracting attention. We have been developing e-Learning systems for elementary school students, because there is a prediction that the demand for such systems will increase in the near future. This paper introduces a digital picture-book system for elementary school student's linguistic study, and describes the experimental evaluation of the system. In this evaluation, we paid attention to two categories of children: the age of four or nine, and the age of ten or twelve. In our assumption, the former would use the browsing function mainly, while the latter would use both the browsing function and the authoring function. The result indicates that the children enjoyed reading English picture-books whether they had experienced English or not, and that even the children without such experiences enjoyed creating English picture-books.
著者
森 彰 松本 吉弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.2422-2432, 1995-10-15

圏論的結合子(categorical vombinator)はラムダ計算の変数を含まない翻訳であることから、圏論的解釈を利用した関数型言語の実装に用いられている。本稿では圏の構造を随伴関手(adjointfunctor)で定義することで、圏論的結合子とその等式が圏論の基本概念から天下り的に導かれることを示す。圏論的結合子は随伴関手に付随する自然変換である単因子(unit)と余単因子(counit)として得られ、その等式は圏、関手、自然変換の定義、および随伴関手の三角可換図(triangular identity)から直接導かれる。まず最初にカルテシアン閉圏(cartesian closed category)のための圏論的結合子の導出について述べ、これを用いた自由圏の構成を示す。そして次に圏論的結合子の非外延的(non-extensional)な等武が半随伴関手(semi-adojoint functor)から導かれることを示す。最後に一般の極限対象(1imit object)や再帰的対象(recursive object)について考察し、その際に右随伴関手と左随伴関手の双対性(dua1ity)がどのように作用するかをみる。