著者
太田 守重
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.117, pp.31-36, 1999-06-17

1994年以来、ISO/TC211で審議されている地理情報標準の中から空間スキーマと時間スキーマについて、その内容を報告する。両者とも1998年に委員会原案(CD)が提出され、参加各国から出された意見をもとに、現在、第2次CDの作成作業が行われている。空間スキーマは、地物の空間特性を記述するスキーマを定義し、スキーマの構成要素である空間プリミティブの属性及び演算子を定義する。時間スキーマは地物の時間特性を定義するとともに、時間参照系の定義も行う。時間は順序的時間参照系、暦・時計、時間座標系のいずれかで記録される。
著者
齋藤 裕明 古賀 久志 渡辺 俊典 横山 貴紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.97, pp.7-12, 2006-06-08
被引用文献数
1

木は半構造データや遺伝子情報など多様なオブジェクト表現に用いることが出来るデータ構造であり、パターン認識や情報検索を行う為には木間の類似度を求める技術が重要である。木間類似度としては、2つの木をノードの挿入、削除、置換によって一致させる際の木編集距離を非類似度とする方法がある。木編集距離は木の構造の類似性と内容(ラベル)の類似性を含む非類似度であるが,木データを分類する際、構造の類似性と内容の類似性のどちらを重視するかはアプリケーションやデータによって真なる。そこで本論文では、木編集距離を内容非類似度と構造非類似度の2つに分離し、適用対象の特徴やユーザーの目的を適切に反映するクラスタリング結果を得る方法を提案する。
著者
曹 宇 佐藤 匡正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.678, pp.17-22, 2001-03-09

書物など印刷物を電子化するには, OCR文字認識が簡便である. しかし, ルビ文字の混ざっている文書は認字率が低下する. この改善を図るため, 地文とルビ文字を別々に認識させる方式を考案した. この方式においては, 地文とルビの自動的に識別方法が必要となる. ここでは, 「文字寸法」の考えを新たに導入し, この違いによる識別する方法を用いる。本論文では, 文字寸法の特性についての測定結果, システムの実現方法, および試作したシステムの効果について述べる。
著者
吉田 有里 森勢 将雅 高橋 徹 河原 英紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.282, pp.31-36, 2007-10-18
被引用文献数
3

数分にわたる曲全体を一括して分析することのできる新しく開発されたTANDEM-STRAIGHTを用い、プロ歌手によるポップス系歌唱を分析して得られた歌唱音声中の母音スペクトルの統計的性質を調べた。分析には、男女各一名による歌唱音声が用いられた。STRAIGHTスペクトルから求められたMel帯域フィルタ出力とMFCCの主成分分析の結果は、いずれも第5主成分までに全分散の90%以上が含まれることを示した。また、求められた固有ベクトルとMFCCの基底関数の張る空間が類似する傾向が認められた。歌唱音声は、話声と比較して、基本周波数、発声のパワー、歌唱法などによるスペクトル変動が大きく、各母音の分布は元のパラメタ空間においても、低次の主成分で張られる空間においても、大きく重なっている。これらの結果が、母音情報に基づく音声変換法においてどのような意味を持っかについて議論する。
著者
市川 哲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.141, pp.107-114, 2001-06-21

離散フーリエ変換においては時間領域と周波数領域間での順逆変換対の演算の間にはDFT,IDFTによる1対1に対応した関係が理論的に確立されている。本論文では数値ラプラス変換法についてもこれを順逆変換対としてとらえ、その解析方法やいくつかの問題点についての再考を行う。
著者
山口 真弘 青木 貴司 谷川 智洋 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.80, pp.67-70, 2007-05-28
被引用文献数
3

This paper describes a photograph retrieval interface that uses time information and location information. In this paper, we define "Retrieval" as "Overview", "Finding" and "Picking". For "Overview" and "Finding" from a large number of photographs, we propose mapping photographs to a 3D-space with time axis, latitude axis and longitude axis. In addition, for "Finding" and "Picking", we propose a navigation system using a potential field.
著者
村上 直樹 山下 暢彦 谷内 利明 金井 康通
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-03-11

変換周波数数百kHzで動作するフォワードコンバータ用トラシスを対象にコア外形寸法、特に横幅と高さが制限された場合にトラシスの電力損失が最小となるコアの形状、寸法を検討している。今回、ポットコアについて最小損失を与える寸法を算出したので報告する。
著者
安井 隆宏 田村 孝之 小口 正人 喜連川 優
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.203, pp.79-84, 1999-07-23

分散メモリ型並列データベースシステムは, スケーラビリティに優れており, 近年の大規模化しつつあるデータベース処理に非常に適しているといえる。しかしながら, ノード数が増えると, ノード間の負荷に偏りが生じ易くなる。この問題を解決するために, 我々は, ライトディープハッシュ多重結合演算の結合演算フェーズにプロセッサ間でハッシュラインの移動を行い負荷の均等化を行う動的負荷分散アルゴリズムを提案し, PC 100台をATMスイッチで結合したPCクラスタシステムを用い, 30ノード規模での実験と検討を行って来た。今回, 我々は処理ノード数の増大に対し問題となる主記憶の制限を緩和すべく, ハッシュテーブル及びマイグレーションテーブルを動的に再構築する機構を導入した。本稿では, 実験結果から本動的負荷分散手法の100ノード規模の環境における有効性を示す。
著者
林 善伸 篠塚 隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.446, pp.25-30, 2000-11-10

携帯電話の普及に伴い、携帯電話の電波によるコンピュータなど電気・電子機器の誤動作が懸念される。今後もさらに携帯電話使用者の増加が見込まれるため、携帯電話による電子機器等への影響について検討する必要が出てきた。今回の測定の目的は、上記検討のために提供できる基礎的なデータを取得することである。測定は2箇所で行い、携帯電話周波数帯の電界強度の統計パラメータを測定した。その結果、測定中の最大電界強度は115dBμV/mであった。また、24時間のうち電界強度が90dBμV/mを超える時間率は、曜日、測定場所によらず約0.1%であった。さらに、確率密度関数について測定場所のモデル化による計算を行い実測値との比較を行った。
著者
中山 直樹 山口 真悟 葛 崎偉 田中 稔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.416, pp.41-47, 1999-11-09
被引用文献数
2

ワークフローは業務にかかわる人や物などの流れを表したものである。業務の効率を図るために、現行の業務の実態を把握して、評価する必要がある。一般的に、業務の流れは人や物などが複雑に絡み合っているため、ワークフローは作業間の順序関係や、作業の実行に必要な制約条件などの業務の特徴が分かりやすく表されなければならない。本論文では、複雑な流れを持った飲食店の業務を対象とし、カラーペトリネットを用いて飲食店の業務の複雑な人や物の流れおよび流れに伴う時間などを統合的に表すモデルを提案する。そして実際の飲食店を取り上げ、提案したモデルによるモデリングを行ったうえ、その業務の流れを評価する。その結果、実例の業務のボトルネックを発見し、業務の改善の箇所を発見することができた。
著者
江田 毅晴 吉川 正俊 山室 雅司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.131, pp.405-410, 2007-06-25

本研究では,Folksonomyデータの分析に基づく,新しい分類体系構築方法について提案する.現在のソーシャルブックマークサービスでは,大量のブックマークエントリの中から有用なリソースを探すには,キーワードやタグを指定するか,興味の近いブックマーカを努力して探し出す必要がある.本研究では,タグの共起関係に基づく意味的な繋がりを利用して,タグの集合を分類構造として体系だてる.これにより,利用者にはタグの関連を認識した直観的な探索を通して,有用なリソースを探しだすことが可能となる.
著者
山口 真悟 服部 正史 葛 崎偉 田中 稔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.458, pp.31-38, 2001-11-19

本論文では, ハイレベル・ペトリネットを用いた飲食店業務のワークフローの汎用的なモデル化手法を提案する.まずリソース(人や機械), アクティビティ(仕事), 事例(業務のインスタンス)という3つの観点から飲食店業務を分析し, 飲食店業務の構成要素, 評価基準を明らかにする.次に, 提案するワークフローのモデル化手法を具体例を挙げて詳述し, 3つの飲食店への適用例を示す.最後に, 作成したモデルをシミュレーションすることによって飲食店業務の評価基準が計算できることを示す.
著者
加藤 学 坂本 雄児
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.98, no.576, pp.19-24, 1999-02-03
参考文献数
7

人工現実感(Virtual Reality)を用いた, 仮想体験を得ることのできる手術シミュレーションを実現するためには, コンピュータ上で,筋肉や内臓などの柔らかい物体の変形や切断を表現する必要がある. そこで, X線CT, MRIなどから得られる3次元のボリュームデータを基に, 物体を質点-ばねモデルによりモデル化し, このばねモデルにより変形や切断を表現する方法を提案する. 本提案法では,ボクセルと質点を1対1で対応させることにより, ボリュームデータから直接, ばねモデルを生成することが可能となっている. また, 変形操作は, 外力, 移動, 固定, 切断などのオペレータを作用させることにより行う. これらの変形オペレータの組み合わせにより, 様々な動作を表現できる.
著者
安田 真悟 中川 晋一 井上 潤 三井 実 石川 智治 宮原 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.615, pp.51-56, 2005-01-21
被引用文献数
1

感音性難聴等の聴覚障害者へ超低音の波面を忠実に伝送して, 音楽試聴における音質向上の研究を行っている. 96kHzサンプリング, 16bit量子化, による新たな計測法を示す. 本計測系での位相回転の検出感度は, 50Hz時に0.2°(1/1920波長, 10.4μs)であることが実験的に確かめられた. 本計測系を用い, 回路形式が明らかで低音域の音質に関してDC遮断回路の時定数の影響が支配的な回路形式の異なる各種市販オーディオアンプの入力波形と出力波形の位相周波数特性を測定した結果, ほぼ設計通りの時定数と位相回転との関係を実証できた. 具体的にはサーボアンプのNFB回路の, 低域カットオフ時定数コンデンサの容量を変化させて測定した. 各種アンプの低音域位相周波数特性を検討したところ, 25Hz時で0.01°(1.3μs)から31°(3460μs)の差があり, 250Hz付近で収束することが観測された. この, 低音域の位相周波数特性測定はBruel&Kjaer Type 2012のSteady State Responseモードによる測定に比較して, 簡便に同程度の精度で測定できる利点を有する.
著者
中山 彰 陸 金林 中村 哲 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.262, pp.57-62, 1998-09-11
被引用文献数
3

近年、ディジタル著作物の著作権を守る手段として電子透かし技術が開発されてきている。電子透かしは聴覚的には聴こえないということが重要であり、それを考慮した透かしアルゴリズムのひとつとしてLaurenceらの提案するMPEG心理音響モデルを用いた電子透かし法がある。ただこの方法は同時マスキングのみを考慮したものである。そこで本稿では心理音響実験の知見を用いて継時マスキングの定式化を行ない、それをLaurenceらの方法に導入し、もともとの方法との比較を行なった。その結果、両手法とも透かしの入った音楽でも高い品質を保っていることが明らかになった。また継時マスキングを組み込んだ場合の透かしの強度では、MPEGの符号化に対してLaurenceらの提案手法より、若干の改善が見られた。
著者
鎌原 淳三 曽田 篤 下條 真司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.100, pp.13-18, 2006-06-09

GPS内蔵携帯電話の普及により,撮影した画像の撮影位置情報を容易に取得し,画像内に埋め込むことが出来るようになっている.しかし,位置情報を基に画像を地図に貼る場合を考えると,必要な位置情報は撮影対象の位置情報である.そこで本稿では,すでに対象となる場所の位置情報付きの画像データベースがあることを前提として,撮影位置情報を埋め込まれた画像の撮影対象建物を特定する手法を提案する.これにより非常に少ない計算量で,撮影された画像の対象物を同定することが可能となった.