著者
SHINYA Mikio
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on information and systems (ISSN:09168532)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.767-774, 2005-04-01
参考文献数
11
被引用文献数
1

Spring-mass systems are widely used in computer animation to model soft objects. Although the systems can be numerically solved either by explicit methods or implicit methods, it has been difficult to obtain stable results from explicit methods. This paper describes detailed discussion on stabilizing explicit methods in spring-mass simulation. The simulation procedures are modeled as a linear digital system, and system stability is mathematically defined. This allows us to develop theories of simulation stability. The application of these theories to explicit methods allows them to become as stable as implicit methods. Furthermore, a faster explicit method is proposed. Experiments confirm the theories and demonstrate the efficiency of the proposed methods.
著者
小幡 実緒 春山 真一郎 中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.578, pp.441-446, 2007-03-01

位置情報を取得する手段としてGPS受信機内蔵携帯電話や携帯電話の基地局情報を利用した測位方法が一般的に用いられている.しかし,屋内や地下街などGPS衛星あるいは基地局からの電波が届かない場所での使用は,電波の遮蔽・捕捉衛星の減少などの要因により大きな誤差を生じるのが実状である.そこで,本稿では屋内環境においても利用可能な高精度な位置サービスを実現するために,6軸センサに可視光IDシステムを組合せることで位置の推定を行うことを提案する.LED照明器具から伝送される可視光IDシステムのID情報を取得することに加えて,6軸センサによって検出される受信端末の傾きデータを利用することで,高精度な位置サービスを提供する.本稿では数値解析により,受信機FOVについて検討すると共に,提案の有用性について述べる.
著者
石川 博 片山 薫 高橋 俊介 長屋 未来 布施 貴義 横山 昌平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.172, pp.181-186, 2005-07-07

インターネットやユビキタスネットワーク上でXMLデータを応用する研究がおこなわれている.推薦のような, さまざまな分野で広く使われるような応用は, できるだけロジックは少ない量で, かわりにデータだけで記述できることが望ましい.そこでコンテクスト, エンバイロメント, 入力, 出力, フィルタ, 活性化と安定化という概念を導入して, コンテクスト内のXMLデータがその識別子に基づいて自己組織化することで応用が実現できるようなデータ集約型応用のための枠組み(創発的XML)を提案する.
著者
神原 誠之 横矢 直和 竹村 治雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.652, pp.47-53, 2002-02-14
被引用文献数
2

拡張現実感における現実環境と仮想環境の位置合わせ手法のひとつであるビジョンベースレジストレーションでは、カメラで撮影されたマーカの画像内でのの位置を利用して位置あわせを行う。そのため、カメラに常に複数個のマーカが撮影されている必要があり、位置合わせ範囲が制限されるといった問題があった。そこで本稿では、視点付近に取り付けたステレオカメラで撮影した画像を用いて,マーカと現実環境に存在する自然特徴点を追跡することで位置合わせを行なう手法を提案する.具体的には,初期フレームにおいて,スレテオ画像からマーカと自然特徴点を検出し,それらを追跡することで位置合わせを行なう.また,現在追跡している特徴点がフレームアウトなどにより追跡できなくなった場合,新たに視野に入ったマーカや自然特徴点を次々に検出し、追跡することで位置あわせ範囲の拡大を試みる。
著者
Vallerand Steve 神原 誠之 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.652, pp.41-46, 2002-02-14

ビジョンベース拡張現実感において,違和感の無い拡張現実環境を構築するためには実環境と仮想環境の位置合わせを行う必要がある.従来,現実環境に配置されたマーカに加え,現実環境に存在する自然特徴点を利用して位置合わせを行なう手法が提案されている.しかし,自然特徴点を用いて位置合わせを行なう手法では,いかにロバストに特徴点を追跡するかが課題となる.本稿では,ステレオ画像内に存在する領域を抽出・追跡することで位置合わせを行なう手法を提案する.具体的には,第一フレームにおいて画像内から領域を抽出し,その後,それらの領域を追跡することで位置合わせを行なう.また本稿では,実際にステレオビジョンベース拡張現実感システムを試作し,実験により提案手法の有効性を示す.
著者
神原 誠之 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.555, pp.7-12, 2003-01-10
被引用文献数
10

計算機によって管理されたコンピュータグラフィクス(CG)を用いて提示される仮想物体を現実環境に合成し,ユーザに提示する拡張現実感が注目されている.違和感のない拡張現実環境を構築するためには,現実環境と仮想環境との間におけるいくつかの整合性問題を解決する必要があるが,その中でも幾何学的整合性と光学的整合性の解決は重要な課題となっている.しかし,現在までに拡張現実感において2つ問題を同時に解決するものは無い.本稿では,現実環境と仮想環境の位置合わせを行なうための正方マーカと,現実環境のおおまかな照明環境を推定するための鏡面球を組み合わせた3次元マーカを利用して,拡張現実感における幾何学・光学的整合性の双方の解決を試みる.また,ステレオビデオシースルーHMDを用いた拡張現実感のプロトタイプシステムを作成し実験を行なった.
著者
伊藤 崇仁 篠原 亮 梶本 裕之 川上 直樹 舘 章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.106, pp.53-60, 2005-05-27

By projecting the master image onto the slave robot, high-quality, face to face communications of the interlocutor and the master are achieved in the master slave system. In the process, we use retrorefrective projection technology. In addition, transmitting depth information of the master enables the interlocutor to view the master imge (projected onto the slave robot) from any point of view, while the system is quite simple.
著者
望月 章志 渡辺 聡一 和氣 加奈子 多氣 昌生 山中 幸雄 白井 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.210, pp.1-5, 2002-07-11
被引用文献数
1

近傍界の特性が異なる波源による頭部内ばく露特性への影響を評価するために,理想的な電磁波放射波源が近傍に存在する場合の不均一組織の数値頭部モデル内電磁界レベルを有限差分時間領域シミュレーションにより計算した.頭部近傍に位置する電磁波放射波源の近傍界特性の違いが頭部内の電磁界分布に大きく影響することが示された.さらに,半波長ダイポールと微小電気ダイポールの場合,頭部内の電磁界,電流密度やSARは,入射電界よりもむしろ入射磁界に依存していることが示唆された.
著者
呂 建軍 時永 祥三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.417, pp.65-70, 2005-11-12

本報告では, ネットワーク・コミュニティ形成などメンバーのグループ化(クラスタ形成)の過程を分析する方法として, 遺伝的プログラミング(Genetic Programming : GP)による学習を行うマルチエージェントからなるセル平面のクラスタ形成分析を提案し, その応用について述べる。エージェントはセル平面において周辺の情報を入力として意思決定を行うが, まず, 基本モデルとして, エージェントを記述する状態変数が連続的な値をとることができる場合を考察し, エージェントが自己の利得を最適化する行動においても, 状態変数に均衡点が存在することを不動点定理を用いて整理する。次に, エージェントを記述する状態変数が1かゼロかの2値をとる場合には, 状態が1つの場合には, 周辺のエージェントの状態の期待値とあるしきい値を比較して行動を決定することが, 漸近的な意味での均衡条件であることを述べる。しかし, 状態が複数の場合や, エージェントが相互に学習的に行動する場合を記述するのには適していないので, エージェントモデルを基本とするシミュレーション分析を行う。応用例として, 人工的なエージェントによる事例, 企業内部における社員のクラスタ形成の特性分析などを示す。
著者
市川 龍治 山本 博章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.708, pp.41-48, 2002-03-05

本論文では,拡張正則表現に対する文字列照合問題を扱う。すなわち,長さmの拡張正則表現rと長さnのテキストxが与えられたとき,xの中にrと一致する文字列が存在するかどうか判定する問題である。山本の認識アルゴリズムを利用することによってこの問題を簡単にO(mn^2 +kn^3)時間かつO(mn+kn^2)領域で解くことができる。ここでは,このアルゴリズムを非決定性有限オートマトンおよび決定性有限オートマトンを使って実装することにより,その効率さについて実験的に評価する。
著者
山本 博章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.72, pp.59-66, 2005-05-13

拡張正規表現に向けた照合アルゴリズムとして, 与えられた拡張正規表現を正規表現に分割し, 各正規表現をNFAに変換することによって照合を行うオートマトン型のアルゴリズムが提案されている.正規表現からNFAを得るための方法はいくつか提案されてるが, 本論文は, オートマトンに基づいた拡張正規表現照合アルゴリズムをいろいろなNFAに対応可能なように修正し, それぞれのNFAによってアルゴリズムの性能がどうのように変わるかを実験的に評価した.特に, Thompsonオートマトン, Glushkovオートマトン, Followオートマトンについて実際に実装し, その性能を調べた.
著者
山本 博章 宮崎 敬
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.127, pp.85-92, 2007-06-22

正規表現はコンピュータサイエンスの分野で広く利用されている。本論文では、正規表現に共通集合演算および補集合演算を加えた拡張正規表現(EREと略す)の所属問題および検索問題を扱う。所属問題は、アルファベットΣ上のEREr及び記号列xが与えられたとき、x∈L(r)かどうかを判定する問題である。また、検索問題は、xからy∈L(r)なるすべての部分列yを見つけ出す問題である。ここで、L(r)はL(r)によって表される言語を意味する。そのとき、我々はO(n^2(k_12^H+(k-k_1)⌈n/log n⌉)時間かつO(n(k_12^H+(k-k_1)⌈n/log n⌉)領域で所属問題を解くアルゴリズムを与える。さらに、このアルゴリズムを拡張して、同程度の計算量で検索問題を解くことができることも示す。ここで、nはxの長さ、kはrに出現する共通集合演算及び補集合演算(これらを拡張演算子と呼ぶ)の数を表し、その内k_1は、我々が良性と呼ぶある条件を満たす拡張演算子の数である。また、HはH=max{m_j|m_jはrのj番目のモジュールに出現するΣの記号と拡張演算子の数}と定義する。
著者
新井 宏之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.210, pp.67-70, 2007-08-30
被引用文献数
3

本報告では比較的低利得な単方向の指向性を切り替えることで移動体通信等に応用することを前提に,指向性切り替えアンテナを分類してその特徴を明らかにする.まず給電法で分類すると,異なる方向に対応する複数の給電ポートを持つものと,一つの給電ポートで寄生素子,反射器,移相器の条件を制御するものに大別される.アレイ構成とする場合は,素子アンテナが無指向性のときには主にカージオイド指向性となるので,素子アンテナの指向性を効果的に利用する必要がある.特に,単方向性を実現するためのアンテナ素子として,本稿では立体的な構造ではなく,平面構造のものについて検討し,二つのモードの異なるアンテナを組み合わせる手法,放射素子間の位相差を制御するもの,寄生素子や反射素子を組み合わせるものに大別しその特性を明らかにする.また,給電ポートを一つにして指向性を切り替えるものは,追加した付加機能を切り替えるものと,移相器やバラクタダイオードによってアナログ的に重み付けをするものについて議論し,指向性切り替えアンテナを実現するための指針を示す.
著者
川島 英之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.53, pp.9-12, 2007-05-17
被引用文献数
2

ユビキタス・センサネットワークにおけるアプリケーションは,自然環境,都市環境,あるいは人間を監視するものまで幅広く存在する.これらのアプリケーションを支援するデータベース技術は,網内データ処理とデータストリーム処理に大きく分けられる.網内データ処理はセンサネットワークの内部で演算を実行することで,電力消費量を削減しながら性能と品質を向上させる技術である.データストリーム処理は,センサネットワークから得られた膨大なデータを効率的にフィルタリングする技術である.同技術は性能を向上させるためにディスクには触れず,従来のDBMSとは全く異なるアーキテクチャを持つ.本論文ではこれらの技術の最新動向について述べる.
著者
鈴木 貢 藤波 順久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.3, pp.967-970, 2007-03-01
被引用文献数
1

メディアデータ処理向けSIMD型拡張命令セット対応のコンパイラ最適化系の開発を行っている.最適化系はSIMD命令向けベクタ化とSIMD並列化からなるが,本論文では,SIMD並列化の仕組みを説明し,基本例題による実験結果を報告する.
著者
近江谷 康人 天野 英晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.413-434, 2008-02-01
被引用文献数
1

市販の高性能マイクロプロセッサを用いてバイナリー互換を実現するアーキテクチャエミュレーションは,コンピュータシステムの開発効率の向上に有効な手法である.中でもC言語実装によるインタプリタ方式は,動作原理が単純で,ホストアーキテクチャ依存度が低いなどの特徴をもち,開発費,設計品質,保守性の点で有利である。本論文は,C言語実装によるインタプリタの速度性能を,5種類のレガシー命令セット(Simplescalar PISAとその変形版, PowerPC, M32R, SH4),2種類のRISCホスト,3〜5種類の実装方式による計45種類のエミュレータ試作により評価した.この結果,高性能なマイクロプロセッサを用いC言語でインタプリタを実装すると,(1)インタプリタの共通処理部(コアループ)の処理時間の比率が70〜80%と高くコアループの試作で速度性能の目安が付くこと,(2)C言語に適合したコアループの実装(改良function方式)によりエミュレーション性能が1.3〜2.2倍までに性能向上し,アセンブリ言語記述の80%程度の性能が実現できること,が明らかになった.
著者
池田 武弘 岡島 一郎 梅田 成視 山尾 泰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.185, pp.13-18, 2001-07-09

モバイル環境から高速なインターネットアクセスを可能とし、移動ネットワークのサポートも含めたより高度なシステムの構築を可能とするIPベース移動通信システムが注目されている。しかし、移動通信システムでは、無線リンクの有する高い伝送誤りのため、インターネットアクセスに求められる小さなEnd-to-End伝送遅延の実現は困難である。そこで、本稿ではIPベース移動通信システムにおいて、無線チャネルの有効利用を実現しつつ、無線区間における伝送遅延の低減を目的とした仮想基地局構成法を提案する。提案法では、複数の基地局を仮想的なひとつの基地局(Virtual Base Station:VBS)とみなし、ダイバーシチ受信を行う。提案法を計算機シミュレーションにより評価し、その有効性を検証する。
著者
江田 英雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.106, no.328, pp.63-66, 2006-10-19
被引用文献数
5

近赤外分光法(NIRS)に基づく装置の原理を、分光光度計を設計する立場から解説した。脳機能研究においてNIRSによるイメージング装置が普及しているが、NIRSの原理であるmodified Lambert-Beer則そのものがシステムの限界となっている状況を説明した。