著者
寺野 隆雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.244, pp.31-36, 2003-07-25

コンピュータ技術の進歩によって,シミュレーション研究を通じて社会・経済システムを分析することが可能になった.その中でも,エージェントベースモデリングは有望である.これらを含む計算社会科学(Computational Social Sciences)は,従来の社会科学研究を,計算機シミュレーションによって,操作的であり,伝達可能であり,かつ実験的なものに変革する可能性をもつようになった.本論文では社会・経済・組織科学分野における複雑適応系に対するエージェントベースアプローチの現状について考察する.このアプローチは,個別の内部モデルをもつソフトウェアエージェント;与えられた環境内でのエージェントのインタラクション;個々のエージェントのふるまいと社会現象との間のミクロ・マクロリンクによって特徴付けられる.エージェントに基づくシミュレーションを使用して,我々は,他のアプローチでは分析が難しい現実世界の複雑な現象を理解することが可能になる.この論文では,この分野の代表的な文献を参照しながら;我々の最近の研究を紹介することで,エージェントモデリングの手法の特性を伝統的な手法と対比させることを目的とする.
著者
山田 孝行 成瀬 央
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.1063-1070, 2001-06-01
被引用文献数
2

光ファイバ中に発生する後方散乱光の一つであるブリルアン散乱光の中心周波数と入射光周波数との差が, 光ファイバのびずみに依存することに着目した光ファイバひずみ計測器が開発されている.このブリルアン散乱光の中心周波数の計測には, ブリルアン散乱光のパワースペクトル分布の推定が必要であり, 分布推定精度の向上により中心周波数計測並びにひずみ計測精度の向上を期待することができる.本論文は, このブリルアン散乱光のパワースペクトル分布推定問題に着目し, 推定のための重み付き最小2乗法の繰返しアルゴリズムを提案した.また, 提案した繰返しアルゴリズムの安定性について検討するとともに, シミュレーションにより提案手法の有効性を明らかにした.
著者
山崎 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム
巻号頁・発行日
vol.98, no.187, pp.31-36, 1998-07-23
被引用文献数
1

本稿は量子暗号方式の解説を目的とし, 量子暗号の基本概念および具体的な量子暗号方式について説明する.次にこれらの方式に対して既に報告されている幾つかの実験報告を紹介し, 実用化に向けて解決しなければならない技術的問題に言及する.
著者
福山 峻一 羽生 誠 石田 敏浩 大野 理恵子 高木 英雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学
巻号頁・発行日
vol.100, no.541, pp.45-52, 2001-01-05

ソフトウエアプロセスの改善活動のキーマンであるプロジェクトリーダPLを支援する, 一種のナレッジマネジメントシステムPLAS(A knowledge-based Project Leader Assist system for Self assessment)の開発報告である.前提とする改善活動はCMMをベースにしたもので, PLは着工時に到達目標とする成熟度レベルを設定し, 開発作業過程で諸プロセスの励行を徹底していく必要があることからその負担は小さくない.しかも, PLは多忙である上に, 活動内容の理解度や経験に個人差があり, プロジェクト間で質の揃った改善を行うことは容易ではない.PLASは, 先行プロジェクトのノウハウが詰まった各種帳票の記入例を回収し知識ベース化して, WebページによりPLに等しく提供して, プロジェクト実施計画の立案や自己診断を省力化するとともに, その内容を均質化する.本論文では, PLASに対する要求条件と, それを満たす知識ベースの構成方法が提案される.
著者
河村 春雄 徳永 幸生 曽根原 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.578, pp.345-350, 2007-03-01

従来の静的なDNSの特徴である大規模,分散,階層的なデータベースに加え,ダイナミックDNSでは動的更新機能が追加された.Web, Blogなどを用いたコンテンツ発信の大衆化により,二次著作物のコンテンツがあらゆるところで大量に制作されている.コンテンツ管理にダイナミックDNSを用いることにより,二次著作物の管理が簡単で高速にできるシステムを提案する.実際にダイナミックDNSに実装し,検討・評価を行った結果,登録・検索処理速度で約50%の効率化を達成した.
著者
浜崎 千鶴 スバシンハ チャンミカ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.74, pp.31-36, 2001-05-17

次世代網(NGN: New Generation Network)では, Open APIの検討に伴い, ネットワークキャリアがASP(Application Service Provider)に対しで網機能を公開し, ASPによる独自のアプリケーションを開発する事が予想され, ネットワークキャリア, 及びベンダではその検討, 評価が進んでいる。ことにParlayはこの問題に関してシームレスに取り組んでいる。我々はParlayを用いたアプリケーションを試作した。本稿では試作したアプリケーションの紹介と共に, アプリ開発におけるソースの移植性, 再利用性, またParlayを用いたことによる開発効率の向上について述べる。
著者
福田 紘 竹内 勇剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.385, pp.51-56, 2005-10-27

本研究は情報格差に対応するバリアフリーとしてユーザがより利用しやすいインタラクションモデル構築の指針を目指すものである.そこで本研究では目の動きという社会的機能に着目する.社会的機能である目の動きをインタラクションモデルに利用することでユーザは対人コミュニケーションにおける日常の経験を利用することができる.それよりユーザの認知的な負担は軽減され, かつ学習不要であるという利点を合わせ持つことになる.本稿では心理実験によって, CGキャラクタの目の動きに対する印象評価に基づく人の認知特性について報告する.心理実験ではCGキャラクタと被験者が面接という場面において簡単なインタラクションを行い, CGキャラクタの目の動きが印象形成に与える影響を観察した.その結果, CGキャラクタの目の動きは対人コミュニケーションと同様に異なって認知されることが観察された.
著者
山本 宏之 米倉 達広
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-03-06
被引用文献数
1

コンピュータミュージックにおけるユーザーイン夕ーフェースの進歩は著しく、誰でも気軽に作曲を楽しめるようなソフトウェア(1)も少なくない。しかしながら、依然としてその入力方法は音符や鍵盤など、少なからず音楽的知識を必要とする媒体に頼っているのが現状である。そこで我々は、鼻歌を入力手段としたシステムを検討した。現在鼻歌等の音声を入力に用いた報告は既に幾つか存在する(2)が、付随するユーザーインターフェースは、実用レベルに至っているとは言えない状況にある。このような背景もあって、本研究では鼻歌という入力方法を生かした直感的なユーザーインターフェースを考慮することに重点を置く。作曲者のインスピレーションを活かすようにするため、作曲作業をできる限り停止することなく行えるようなシステムを実現するのが本研究の目的である。
著者
市井 誠 松下 誠 井上 克郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.491, pp.37-42, 2005-12-13
被引用文献数
1

スケールフリー性とはグラフ中のノードの接続辺数がべき分布に従う性質であり, インターネット上のノードなど様々な対象において確認されている.ソフトウェア部品間の利用関係をあらわす部品グラフにおいても, 大部分の部品はほとんど利用関係を持たないのに対してごく少数の部品が非常に多くの利用関係を持つスケールフリー性をもつことが知られている.利用関係はソフトウェアの設計が反映されたものであることから, 部品グラフにおける接続辺数の分布から設計に関する情報が得られると考えられるが, 設計による接続辺数の分布の違いは知られていない.本研究では, ソフトウェアによる接続辺数の分布の違いを入力辺数と出力辺数に分けて調査をおこない, ソフトウェアおよび含まれる部品の性質との関連について調査する.その結果, 入力辺数および出力辺数の分布はソフトウェアの設計や含まれる部品により異なることが判明した.また, 得られた結果より, 理解支援やソフトウェア評価を目的として, 部品グラフの接続辺数の分布からソフトウェアの設計に関する特徴の分析をおこなう手法について考察する.
著者
斉藤 和己 石川 眞澄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.465, pp.13-18, 2003-11-14
被引用文献数
1

本稿では,単語頻度ベクトルで表現される文章と,自己組織化するニューロン参照ベクトル間の距離として,通常のユークリッド自乗誤差,多項分布に基づく対数ゆう度,およびコサイン類似度のそれぞれを用いる自己組織化マップ(SOM)について考える.これら距離定義を用いたSOMを統計モデルの観点で定式化するとともに,それらの学習アルゴリズムを導出する.3種のベンヂマーク文書データを用いた評価実験では,定式化した各SOMモデルにおける分類性能や自己組織化マップを比較する.
著者
堀田 政二 井上 光平 浦浜 喜一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.417, pp.9-14, 1999-11-10

重み付き隣接行列に基づいてグラフの点集合をファジークラスタに分割するグラフスペクトル法の1種を提案する.本方法では点集合から一つのファジークラスタを抽出する問題を固有値問題として定式化し,これを反復的に適用して逐次にクラスタを抽出していく.まず無向グラフについて,類似度行列に基づくクラスタ抽出法を適用し,それを有向グラフや2部無向グラフに拡張してウェブページのリンク構造の抽出やキーワードによる画像ブラウジング検索に応用する.また数量化3類を用いてクラスタの構造を視覚化する1種のグラフ描画法も提案する.
著者
山西 利明 森 武俊 森下 広 原田 達也 佐藤 知正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.536, pp.105-110, 2006-01-13

床面圧力分布情報を用いて個人識別を行うシステムを開発した。このシステムは、歩行時の足裏と床面の接触形状の変化に着目し、あらかじめ登録されたテンプレートデータと比較し、誰の足にどの程度似ているかを定量的に評価することにより、個人識別を行うものである。このシステムでは、歩行時の1歩分の足裏・床面接触画像時系列データを入力として、その1歩が既に登録された人物の誰であるか、あるいは、未知の人物であるかを示すラベルを出力する。5人の被験者の歩行データを登録した個人識別システムを構成し、登録した被験者を含む計15人分の歩行データをテストデータとして、この個人識別システムの評価実験を行った結果、FAR(他人受入率)が約5%、FRR(本人拒否率)が約10%という識別性能が得られるとわかった。
著者
飯田 栄治 下平 博 木村 正行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション
巻号頁・発行日
vol.94, no.354, pp.51-60, 1994-11-18
被引用文献数
1 2

8パズル及び一回り大きくした15パズルについて、探索に基づいた解法がこれまでいくつか研究されている。通常、これらのパズルの探索による解法では、ゴール状態までの手数が少し長くなると容易には解けない。また、効率良い探索を行なうためにヒューリスティック関数を考案することも一般に難しい。そこで、今回は8パズルに対し、探索ではなく問題をいくつかの小問題に分割しそれらの各サブゴールに到達するための整列戦略に従って、状態遷移オペレータを次々に適用することにより高速に問題を解決する手法を提案する。また、いくつか例題に対し代表的な探索方法と比較実験を行なったのでその結果を報告する。
著者
前田 恭兵 長岡 千賀 小森 政嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.308, pp.13-18, 2007-11-04

心理カウンセラーによる心理臨床面接場面および高校教諭による悩み相談場面における対面対話中の対話者の身体動作の同調傾向をビデオ解析に基づいて検討した.50分間の心理臨床面接の映像は4事例あり,それぞれカウンセラーの評価により「高評価事例」と「低評価事例」に分類されている.また,悩み相談場面2事例は心理臨床面接場面に登場したクライエントと高校教諭の面接である.すべてのセッションは模擬面接であった.対話者の身体動作の大きさをウェーブレット変換による映像解析によりそれぞれ求め,移動相関分析により両者の身体動作の関係を検証した.その結果,全体的な相関係数は「高評価事例」では「低評価事例」や悩み相談よりも高かった.また「高評価事例」では共通した時間変化パタンが見られた.
著者
青木 直史 伊福部 達
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-09-18

合成音声における自然性の再現を目的として、母音合成時に不規則信号を音源信号に付加する試みがなされてきている。いわゆるmixed excitation音声合成方式として知られる方法は、バズ音源と白色雑音源の併用によってLPCボコーダ等の線形分離音声合成システムによる合成音声の音質の向上を目的としている。ここで提案する音声合成方式も同様に音源信号を周期信号と非周期信号の和で表現する。周期信号には-12dB/octの声帯フィルタを通過したパルス列信号を用いる。非周期信号には1/fゆらぎのクラスに分類される不規則信号を用いる。本方式は音声知覚に重要なacoustic cueを再現することによる合成母音の自然性の向上を目的としている。
著者
青木 直史 伊福部 達
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.96, no.565, pp.25-32, 1997-03-06
被引用文献数
4

持続発声母音の自然性の要因として、ピッチゆらぎ(ジッタ)および振幅ゆらぎ(シマ)が重要な役割を担っていることが知られている。本研究では、これまでの報告で考察されているものよりも長時間のジッタおよびシマの解析から、これらが1/f^βゆらぎ、ここで、β≃1の特徴を示すことを明らかにした。さらに、1/fゆらぎとしてモデリングしたジッタおよびシマが、白色特性のジッタおよびシマよりも、正常な持続発声母音の知覚を喚起させるうえで有効であることを音響心理実験によって明らかにした。
著者
渡邊 栄治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.544, pp.31-35, 2006-01-17
被引用文献数
4

本報告では, 計算機にログインする際のパスワード入力動作から抽出したキーストロークダイナミクス(keystroke dynamics)に基づいて, 個人認証を行うための手法について検討する.キーストロークダイナミクスによる認証方法では, キーボードのみを入力装置として利用できる長所を持つものの, 行動的な特徴を利用するために, 同一人物であっても試行ごとに揺らぎが存在する.したがって, このような行動的な特徴から個人ごとの適切な特徴を抽出することが, 認証手法の精度を改善するために重要である.本報告では, キーストロークダイナミクスの統計量に基づいた認証手法およびキーストロークダイナミクスに基づいた階層型ニューラルネットワークによる認証手法について検討し, 実験結果から両手法を定量的に比較検討する.
著者
松尾 剛 山口 満 田所 嘉昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.719, pp.1-6, 2004-03-09

本稿では,実際に演奏された実楽器音を対象とした,楽器音のスペクトル構造に基づいた楽器推定法を提案する.その原理は,和音の楽器音をくし形フィルタで単音に分離する.そして,このくし形フィルタの特性を考慮して,くし形フィルタの出力スペクトル構造と各楽器音ごとに用意されたテンプレートのスペクトル構造とのマッチングをとることで楽器を推定する.実際の演奏楽器音に対応するため,音の立ち上がり付近(音長の短い音に対応)のスペクトル構造を使用する.また,ある程度の周波数変動にも対応できるように,二重くし形フィルタ(H^d(z) = (1-z^<-N>)^2:零点付近の減衰大)を使用した.さらに,音源分離に使用したくし形フィルタの影響を補正するとき,くし形フィルタの出力スペクトルでなくテンプレートのスペクトルに二重くし形フィルタの利得を乗ずることで,二重くし形フィルタの零点付近の誤差の増大を抑えた.計算機シミュレーションは,ビオラ,バイオリン,ホルン,クラリネット,アルトサックスの5楽器を使用し,音域3-5オクターブの2和音すべての組合せ(重複音は除く)について行なった.その結果,平均推定誤り率10%以下で推定できた.
著者
杉山 浩平 大崎 博之 今瀬 真 八木 毅 村山 純一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.314, pp.7-12, 2007-11-08

本稿では、さまざまなリンクマイニング手法や従来のデータマイニング手法を統合的に扱うことができるフレームワークNMF (Network Mining Framework)を提案する。近年、リンクマイニングに代表される、複雑ネットワークのトポロジ構造を利用するさまざまな取り組みが活発に行われている。これまで数多くのリンクマイニング手法が提案されているが、これらは異なる分野でそれぞれ独立に研究されてきた。このため現状では、それらのリンクマイニング手法を相互に連携させて利用することは困難である。そこで本稿では、さまざまなリンクマイニング手法や従来のデータマイニング手法を統合的に扱うことができる、「ネットワークマイニング」のためのフレームワークNMFを提案する。NMFは、入出力の形式が統一された7種類の機能ブロックによって構成され、これらの機能ブロックを自由に接続することにより、さまざまなネットワークマイニング手法の実現を可能とする。さらに本稿では、NMFの利用例を示し、NMFによって高度なネットワークマイニングが可能となることを示す。