著者
茶谷 直人 LEE Sangick
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

ジイン類と金属カルボニル錯体からシクロペンタジエノン-金属カルボニル錯体が生成することは古くから知られていたが、その塩化物の構造は推定されてはいたが、そのX線構造解析は報告されていなかった。本研究では、シクロペンタジエノン-ロジウム(カルボニル)塩化物錯体のX線構造解析に初めて成功した。さらに、ジイン類が量論量の金属カルボニルと反応し、シクロペンタジエノンが量論的に生成することは知られていたが、その触媒反応は知られていなかった。これは、生成するシクロペンタジエノン-金属カルボニル錯体が安定なことに起因していると思われる。つまり、シクロペンタジエノンが金属に強く配位し、解離できないため、触媒的に回らなかったためである。そこで、本研究ではロジウム触媒存在下、ジインと一酸化炭素から生成したシクロペンタジエノンにフェノキシ基を適当な位置に結合させておくと、反応条件下でクライゼン転位が起こり、その結果、ジイン類の環化カルボニル化/クライゼン転位のタンデム反応が起こる系を設計した。反応を行ったところ、期待通りタンデム反応が効率よく進行することがわかった。まず、初期生成物として得られたシクロペンタジエノン-ロジウムカルボニル錯体が、金属の配位のため続くクライゼン転位を通常よりも低温で進行させていると思われる。基質の適用範囲はやや狭いが、新しい形式の触媒的カルボニル化反応の開発に成功した。
著者
恒藤 暁 坂口 幸弘
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

研究1:目的は、訪問看護師による遺族支援サービスの現状とニーズを明らかにすることである。結果として、遺族への支援を目的に「患者の死後、遺族を訪問している看護師」は74%であった。訪問看護師による遺族支援については、62%が「不十分である」と回答した。研究2:目的は、養護教諭による遺族支援サービスの現状とニーズを明らかにすることである。結果として、在学中の児童・生徒が亡くなった場合の保護者への対応に関しては、「どのように接したらいいのか分からない」が34%であった。他の児童・生徒への対応では、「思い出を語り合うこと」が47%と最も多かった。研究3:目的は、宗教者による遺族支援サービスの現状とニーズを明らかにすることである。結果として、僧侶が考える遺族のニーズに関しては、「葬儀や法事などの宗教行事を執り行うこと」だけでなく、「遺族の悲しみや悩みをしっかり聴くこと」も遺族から求められていると回答していた。僧侶として苦慮した点に関しては、「今までの学びでは目の前にいる遺族をサポートすることができないと感じた点」が最も多かった。研究4:目的は、葬儀社による遺族支援サービスの現状とニーズを明らかにすることである。結果として、「遺族が集まる定期的な会合」を行っている葬儀社は4%に過きなかったが、34%は「行っていないが関心はある」と回答していた。研究5:目的は、葬儀社が提供する遺族支援サービス「ひだまりの会」のニーズと効果を検討した。研究対象は、会に参加した経験のある153名である。結果として、最も多かった参加理由は、「同じような体験をした人の話を聞きたかったから」で61%であった。2)会に参加して良かったことは、「同じ思いの人がいるということが分かった」が最も多かった。今回の結果は、「ひだまりの会」の一定の活動意義を示唆するものである。
著者
河仲 準二
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

高繰り返し・高パルスエネルギーの半導体レーザー励起全固体レーザーを開発し、これを光源とする3次元リアルタイムライダーシステムを構築しデモンストレーションを行い早い時間変化に対応できる優位性を示した。従来に無いキロヘルツの繰り返しが可能なジュール級のレーザー開発には独自のレーザー媒質と増幅手法を用いることで実現でき、次世代レーザーシステムに有力ないくつかの基盤技術を確立した。
著者
奥野 裕子
出版者
大阪大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

学童期の高機能広汎性障害と診断された子どもとその保護者を対象に、Problem-Solving Training(PST)を実施し、PST前後で子どもに対しては「対人的自己効力感尺度(松尾・新井, 1998)」、保護者に対しては「家族の自信度アンケート」「子どもの行動チェックリスト: Child Behavior Checklist(CBCL)」を指標にその有用性を検討した。結果として、子どもの外向的問題行動、母親の子どもに対する対応への自信に改善がみられた。
著者
岡本 健
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

我々の生命活動を支える非常に重要な過程として光合成と呼吸がある。近年、枯渇する化石エネルギーに替わるエネルギー源を早急かつ効率的に得ることが求められている。そこで、光合成系や呼吸鎖のように励起状態および基底状態の電子移動過程を緻密に制御することによりクリーンな物質変換を伴う高効率エネルギー変換系を構築することが焦眉な課題となっている。そこで本研究では、高効率エネルギー変換系を開発することを目指して、共有結合と非共有結合により高度に制御された電子移動系の構築を行ったものである。主な成果は次のように大きく3つに要約される。1.天然の電荷分離系を凌駕する超長寿命電荷分離状態を実現するドナー・アクセプター連結2分子系の開発に成功している。さらに非共有結合を利用することにより、電荷分離寿命を顕著に長寿命化できることを初めて見出している。2.生体内で重要な役割を果たしている水素結合、金属イオン、アンモニウムイオン、さらにダイマーラジカルアニオン錯体形成による電子移動反応の活性化や制御の効果を初めて定量的に明らかにしている。3.我々の生命活動において、非常に重要な過程である酸素の4電子還元反応の制御とその反応機構の解明に成功している。以上のように、本研究はクリーンな物質変換を伴うエネルギー変換系を効率良く構築している自然界の光合成と呼吸鎖に注目し、共有結合と非共有結合を利用した光電荷分離状態の長寿命化とその応用、電子移動反応における非共有結合による活性化と制御、さらに多電子移動過程の金属錯体による精密制御に成功している。本研究の成果はエネルギー・環境問題の解決に向けた重要なステップとなる。
著者
出原 隆俊
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

明治20年代半ばに、大阪を拠点とする雑誌『葦分船』と『大阪文芸』が、別々にではあるが、森鴎外と論争をしている。これは鴎外が石橋忍月や斎藤緑雨と論争していることに絡んでである。それに対して『早稲田文学』などもからかい気味に発言している。緑雨も『葦分船』との間でやり取りを交わしている。関西対東京という構図が出来そうなのであるが、『葦分船』と『大阪文芸』の間にも鴎外との場合と同じような、いささか口汚い論争が起きているのである。この時期には〈地方文学〉という表現が見られるようになり、中央来壇からは関西もその一つの対象であるが、その関西からも東京以外の地域に対して〈地方文学〉という視点で関心を払っていることが確認される。『大阪文芸新聞』第二号(明治三十一年五月十七日)で、木崎好尚は『国民之友』一号の好尚の「時文一家言」を取り上げて、「文学の東都にのみ集中せるを叙して所謂上方文壇を鼓吹せり」と記したことについて、「一大感謝の意を表」している。しかし、二面には菊池幽芳の「大阪文壇管見(二)」が、「大阪文壇は何故に進歩せざるか」・「大阪文壇に評論なし」・「何ぞ競争なからん 何ぞ刺戟なからん」という小見出しが、その内容を示している。これは、一面トップの藤田天放「大作催促の声」が、大阪に特定するのではなく「久いかな、小説界に大作を催促の声の喧きことや今の世に新作の小説とし云へば、端物に限り、短篇に止まるが如き、」と指摘するのと重ねて考察することが出来よう。『みをつくし』第九号(明治三十二年九月十目)の巻頭に「歴史的観念を論じて大阪の文学に及ぶ」にも同様の趣旨の発言がある。明治20年代半ばの関西文壇を興隆させようという動きが停滞しているとの苦い認識がある。しかも、それは中央の文壇の状況とも無縁の物ではなかった。関西文壇という視点は中央文壇を相対化するのに有効であると確認できる。
著者
Coban Cevayir 川合 覚 吉岡 芳親 審良 静男 堀井 俊宏 石井 健
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

血液脳関門(Blood-Brain Barrier, BBB)の機能障害は脳マラリアの主症状であるが、それがどのように起きているかほとんどわかっていない。私たちは超高磁場MRIおよび多光子顕微鏡を用いて嗅球が器質的および機能的にマラリア原虫によって損傷を受けていることを示した。嗅球を形成する索状微小毛管において、高熱とサイトカインストームに関連した、微小出血による寄生原虫の集積と細胞閉塞等が見られる。嗅覚喪失の早期検知と病原細胞の集積阻害による脳マラリアの初期段階での治療への応用が考えられる。
著者
田越 秀行
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

コンパクト連星合体重力波をレーザー干渉計重力波検出器ネットワークで検出する場合のパラメータ決定精度を調べた.その結果,ショートガンマ線バーストに付随する連星合体重力波が検出できた場合には,高次変調モードを取り入れた理論波形を用いて解析することで,連星の軌道傾斜角を3度から7度の精度で決定できることが分かった.また,ブラックホール周りの赤道面上に円状の回転リングがある場合に生じる重力場の摂動を,Teukolsky方程式とCCK形式によって計算し,CCK形式を用いて具体的に重力場を求める際の問題点について有用な知見を得た.
著者
渡辺 伸治
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究の目的は,ダイクシスの観点から日独語のフィクションの考察をおこなうことであったが,具体的には,ダイクシス(表現)の体系の構築とそれに基づいたフィクションの考察をおこなった。ダイクシス(表現)の体系は次のような分類として提示された。すなわち,ダイクシス表現の観点から記述すると,まず,ダイクシス表現は,指示ダイクシス表現と非指示ダイクシス表現に分類された。前者は,「私」,「今」などの発話場面同定依存ダイクシス表現と,「あそこ」などの非言語的指示行為依存指示ダイクシス表現に下位分類された。後者は,「行く/来る」,「たい」などの使用条件非指示ダイクシス表現と,モダリティ表現と感動詞などの意味解釈非指示ダイクシス表現に下位分類された。続いて,ダイクシス(表現)の体系に基づき,日本語が原文のフィクションの構成要素がどの様に分類されるか考察された。まず,語り手モダリティ文と登場人物モダリティ文が分類された。前者は登場人物非内省的意識文と地の文に下位分類され,後者は発話文と内省的意識描写文に下位分類された。また,登場人物非内省的意識文は登場人物知覚文と登場人物感情文に下位分類され,内省的意識描写文は自由間接話法と自由直接話法に下位分類された。また,分類と同時に,問題になったダイクシス表現が独訳ではどの様に訳されているかが考察された。
著者
藤田 一郎
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

V4野において、相対視差の検出と両眼大域対応の計算がなされており、また個々の細胞の活動が、動物の示す奥行き判断と相関すること、背景からわずかに手前に飛び出した視覚特徴を検出するのに適した性質を持つことを見出した。また、下側頭葉皮質の細胞の活動発火頻度が、「形の見え」という意識的な知覚と相関して変動することを見出した。これらの発見により、物体および奥行きの知覚に関わる神経機構の理解が大きく進展した。
著者
藤田 幸
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

これまでに、SIRT1とzyxinがほ乳類細胞内で結合することを免疫沈降法により示したが、この実験系では、SIRT1,zyxin両者の結合が、直接結合であるか、細胞内因子などを介した間接的な結合によるのかについては定かではないnそこで、SIRT1とzyinが直接結合するか、in vitro pull-down assayにより検討した.大腸菌にGST-SIRT1またはHis-zyxin発現ベクターを導入し、Glutathione sepharoseまたはNi agaroseを用いてSIRT1、zyxinのタンパク質を精製することに成功した。また、zyxin deletion mutantとの結合を調べることにより、これまでに行った酵母での実験結果と同様に、zyxinのLIM domain3が、SIRT1との結合に必要であることを確認した。さらに、申請者は、中枢神経系におけるSIRT1の機能を詳細に調べるため、脳組織におけるSIRT1の発現分布について検討した。Real-TimePCR法、Western blot法により、RNAレベル、タンパク質レベルでの両者の発現を解析した結果、SIRT1,zyxinともにマウスの各臓器で発現していることを確認した。マウスの発生段階ごとの両者の発現レベルを比較した結果、各発現段階で両者ともに発現していた。また、in vivoでのSIRT1の機能を調べるため、SIRT1の発現をRNAiで抑制し、アポトーシス細胞の増減をTUNEL染色で検討したCoSIRT1の発現抑制のため、pSuper-GFPvectorにSIRT1のsiRNA配列を導入し、SIRT1shRNAベクターを作成した。in ovo electropolation法によりニワトリ胚網膜細胞に導入し、SIRT1の発現を抑制することを試みた。
著者
谷口 義明
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

近年、センサネットワーク技術が大きな注目を集めている。センサネットワークの性能はセンサ端末の初期配置に大きく影響される。本研究では、大量のセンサ端末を一度に空中で散布する際に、センサ端末の一様な初期配置を実現するためのセンサ端末散布法を提案した。提案手法では、空中落下中に自身の落下挙動を切替可能なセンサ端末を想定する。周囲センサ端末との通信結果に基づき落下挙動の切替えタイミングを適切に制御することにより、センサ端末を観測領域に均等に落下させる。シミュレーション評価の結果、提案手法を用いることにより、カバレッジの高いセンサ端末配置を実現できることを示した。
著者
岸本 健
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

本課題では、ヒトの有する文化の伝播に関わる能力の発達的基盤を明らかにするために、幼児が同年齢の幼児との間で行う情報授受の行動がいかに発達するかを明らかにする。本年度は、同年齢の幼児間で行われる教示行動の発達について縦断的に検討を行った。教示行動は「知識の欠如している相手の知識や理解を高めるために遂行される意図的な行動」とされる(Strauss et al.,2002)。本研究では、幼児が保育園の3歳齢クラスに所属している時と4歳齢クラスに所属している時の2時点で、下記のような状況を実験的に設定し、幼児の教示行動を観察した。観察対象児が他児と2名で向かい合って遊んでいるとき、他児の背後で人形を提示する。このとき、観察対象児には人形が見え、他児には見えない。このとき、人形を見ることのできた観察対象児が他児に対して、人形の位置を教えるような教示行動を行うのかどうかを記録した。分析の結果、観察対象児が指さしを行う割合が、3歳齢から4歳齢にかけて増加した。また、観察対象児が相手に対して行う発話の内容にも発達的変化が見られた。具体的には、3歳齢時において幼児は「叫び声」(「あ!」など)と「人形の名称」(「アンパンマン!」など)だけを述べる場合が多かった一方、4歳齢時にはそれらの発話に加え、「人形の状態の叙述」(「飛んでるよ」など)、「人形の位置情報」(「後ろ」など)、「相手に見ることを促す発話」(「見て!」など)、「相手の名前」(「○○ちゃん」など)の発話を述べるようになった。幼児が1歳齢時には指さしによって相手の知らない情報を相手に対して教えることはこれまでも知られていた(Liszkowski et al.,2008)。それに対し本研究は、3歳齢から4歳齢の間に、発話による教示行動が幼児間で行われるようになることが初めて示された。
著者
杉野 明雄 川崎 泰生
出版者
大阪大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1992

本研究では、遺伝学が進んでいるショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)を用い、DNAポリメラーゼε遺伝子が高等動物や酵母と同様に存在することを証明し、このポリメラーゼの細胞内での役割を分子遺伝学的に明らかにする。出芽酵母及び分裂酵母DNAポリメラーゼII(ε)触媒活性蛋白の遺伝子間でアミノ酸配列が一致する部分で、別のDNAポリメラーゼ間(I(α)やIII(δ))では保存されていない部分のアミノ酸配列をもとに混合オリゴヌクレオチドを合成した。これらをプライマーとしてショウジョウバエ、カントンS株初期胚より調製した全RNAを鋳型としてcDNA-PCR法によりDNAポリメラーゼε遺伝子の一部を増幅した。このように増幅したDNA断片がショウジョウバエのDNAポリメラーゼε遺伝子の一部であることを大腸菌プラスミド中にクローン化し塩基配列を決定した。こうして得た塩基配列より予想されるアミノ酸配列は出芽・分裂両酵母DNAポリメラーゼII(ε)蛋白のアミノ酸配列に非常に似ていた(DNAポリメラーゼドメイン内では>60%のアミノ酸は三者間で同一であった)。またそれらの配列間では殆どアミノ酸の挿入、欠失なしにアミノ酸配列のアライメントを行なうことができた。これらのことは増幅したDNA断片がショウジョウバエDNAポリメラーゼε遺伝子の一部であることを強く示すものである。この遺伝子はショウジョウバエ染色体の3R94E〜95Bの領域にマップされ、単一の遺伝子であることが強く示唆された。上記のcDNA-PCR法により、この遺伝子のmRNA量を発生・分化の各段階でどのように変化しているかを調べた。この結果より、この遺伝子は発生段階の初期、特に初期胚及びLeavaで発現しており、Pupaやadultでは全然発現していないことが明らかになった。これらの結果は、ショウジョウバエDNAポリメラーゼεは酵母同様、主にDNA複製に関与していると考えて矛盾がない。
著者
古川 秀夫
出版者
大阪大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1993

3つの民間企業のミドル及び労働組合準トップを対象として、3人から20人程度のグループ・インタビューを行い、第1に自らがリーダーとなって得たメリットとデメリット、第2に今までの職業生活で実際に出逢った上司の中で見倣うべきリーダーと反面教師としてのリーダーの具体的姿、第3に現実にいるいないに関係なく理想的なリーダー像について自由に語ってもらった。先見性や対人的配慮などの要因が挙げられた他、部下に対して指示的非指示的いずれであれ一切の責任を負う覚悟を持つリーダーというのが多数の意見として出された。各界リーダーにおいて公私をわきまえぬ職権濫用あるいは社会的背信行為の本は頻発している事態に発した問題意識であったが、事態の推移の中で「とかげのしっぽ切り」のように部下に責任転嫁されるということもしばしば見出された。その点に対応する意見かと判断された。平成4年度に行った予備調査で一定の信頼性が確認されたノブレスオブリージュ項目に加え、社会的責任、社会的貢献、ボランティア活動への評価・態度、公的自己意識などの項目を収録した質問紙調査を3社1500人を対象として実施中。現在1社500人の回答票が回収され、分析を開始した。インタビュー調査が継続中ということもあり、そこから抽出された項目を収めた質問紙調査は今年実施することはできなかった。それは次年度以降に期したい。
著者
ディソン アニエス
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

今日のフランス詩の包括的な外観図を描き、その主要な内容上および形式上の特徴を捉え、文学における「超現代」という概念を定義することができた。本研究の目的は、超現代詩が逆説的にも古典的な詩をモデルとする(ジャック・ルーボーは日本の中世詩を取り込んでいる)一方で、バイリンガリズム(関口涼子)、映像および写真(S・ドッペルト、A・ポルチュガル)、先端的な科学的知見(細胞生物学、環境学、植物学)などを詩の素材として導入しているという点を強調することにあった。
著者
アヴォカ エリック
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

学術雑誌ならびに講演録に9本の論文を公刊した。さらに、過去3年間に執筆した5本の論文の公刊が決定している。また、フランスおよび日本において、多様な聴衆に向けて、シンポジウムやセミナーで9回の口頭発表を行った。上記の成果のほとんどは、「フランス革命期における演劇と雄弁」を主題とする本研究課題に直接関連するものであるが、浮世絵師の北斎に関する著書のような少数の例外もある。
著者
林 知里
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

単胎児と多胎児の父親における子育て観、母性神話に対する価値観、育児参加を促進する要因を明らかにすることを目的とし、アンケート調査を実施。「父親の子育て参加度」を従属変数に回帰モデルを作成した結果、子どもが 0 歳時点では、「多胎」「妻の妊婦健診に付き添ったことがある」「子育ての悩みを友人・同僚に相談したことがある」「妻は、子育てに関する自分の頑張りを誉めてくれた」「子育ては、男女ともに協力して行うものである」「子どもを育てることに余り関心が持てない」で回帰係数が有意であることが確認された。
著者
井上 豪 松村 浩由 溝端 栄一
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

アレルギーや炎症の媒介物質であるプロスタグランジン(PG)D2 は、補酵素グルタチオン(GSH)存在下、造血器型プロスタグランジン(PG)D 合成酵素(H-PGDS)の働きによって産生される。以前、Ca,および Mgイオンの働きによって活性化される分子メカニズムをX線構造解析によって解明したが、これを中性子線解析法によって解明する目的で大型結晶の育成研究に取り組んだ結果、0.5 mm^3程度の高品質結晶が得られることが判明した