著者
渡辺 秀樹 大森 文子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

英語の動物名で人間比喩義を持つものを類ごとに全て収集・リスト化し、イヌ科、ネコ、鳥類、昆虫の人間比喩用法、代表的詩人の動物名使用の特徴について研究論文を発表した。本研究では動物名の縁語も含めて人間比喩用法における動物名の類義・対義のグループや複雑な構造性を明らかにしたが、このメタファーの構造性の提示が本研究の成果であり学界でも注目された。その成果は既に日本英語学会全国大会シンポジウム「これからのコロケーション研究」の講師として口頭発表し、今後『英語動物名メタファーの構造と歴史』(仮題)という学術書に記す。
著者
東森 充
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

レオロジー物体の塑性変形分布を制御する手法を提案した.物体の概形とその変形特性を表現する7ノード粘弾性モデルを導入し,概形成形手法として,グリッパによる把持動作によって入力軸とこれに直交するもう1軸の対象物長さの比率を制御する手法を構築した.ここでは, 1軸応力積分値に対する塑性変形分布則に基づき,把持解放後の最終的な物体概形を能動的に管理する手法を提案した.実機実験により提案手法の有効性を示した.
著者
神崎 映光
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究課題では、無線センサネットワークにおいて、人が持ち歩くスマートフォンなど、環境内を自由に移動するモバイル端末をデータ収集用端末(モバイルシンク)として利用する場合に、センサデータの収集を高信頼かつ低負荷で実現するためのデータ転送機構について研究を推進した。具体的には、モバイルシンクへのデータ転送を効率的に行うための通信制御手法、およびセンサデータの特性を利用した通信量削減手法をそれぞれ考案した。本研究の成果は国内外の論文誌や学会において積極的に公表し、国際的に著名な国際会議や国際論文誌、さらには書籍のチャプターとして掲載されるなど、国際的に高く評価された。
著者
藤岡 慎介
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2009

高輝度X線で満たされた環境中に低温なガスやプラズマが存在する場合、光電離プラズマが生成される。天体観測では、白鳥座X-3や帆座X-1など、ブラックホール又は中性子星と伴星が対になった、連星系において光電離プラズマが観測されている。本研究ではレーザー爆縮法を用いて、500 eVに達する高輝度黒体X線放射源を生成し、このX線を低温・低密度のシリコン又はマグネシウムプラズマに照射することで、実験室中で光電離・非熱平衡プラズマを生成した。光電離・非熱平衡プラズマからのX線発光スペクトル及び吸収スペクトルを観測し、天体観測だけでは分からなかった発光線の起源やプラズマ中のイオンの価数分布を明らかにすることが出来た。
著者
A Dybovski 生田 美智子 ヨコタ 孝之 藤本 和貴夫 モルグン Z.F. ヒサムットディノフ A.A.
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本科研は、国立極東大学(1920-1939)及び当時の極東ロシアの日本学を考察し、アーカイブス資料に基づき、同時代の極東ロシアの実践的東洋学の意義と役割を改めて位置づけるように努めた。1930年代のロシアにおける大テロルの時代に粛清されたロシアの日本学者についての歪曲された事実を発掘し、ロシアの日本学史に大きな功績と持つ代表的な学者を始め、民間の研究者に至るまで、極東ロシアの日本学の知られざるページを究明した。本研究の成果は、2014年9月25日、大阪大学大学院言語文化研究科と極東連邦大学の地域国際研究スクール共催の国際シンポジウム「極東ロシアの東洋学:歴史・現代・将来」で公表された。
著者
内藤 林 谷澤 克治 箕浦 宗彦 高木 健 木原 一 野澤 和男
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

強非線形の流体現象の数値計算できる可能性があると判断した粒子法について3年間の研究で以下の成果を得ることができた。1.粒子法の有効性を計算と実験値を比較することで示した。すなわち、粒子法が、衝撃的な短時間に生起する強非線形現象、例えばスラミング、デッキウエットネスなどの現象をよく表現できることを我々自身の実験と計算で確認した。2.粒子法は、その計算領域が大きくなるとそれに従って計算時間はうなぎ昇りに長くなる短所を持つ。このことを解決するために、計算領域の境界から波の反射を無くすため、そこに完全波吸収システムを設置する手法を示し、その有効性を確認した。この波吸収システムは研究代表者が他の研究で開発したシステムであり、それを粒子法に合うように改良し、成功を収めた。このシステムを設置した境界における波エネルギー吸収量を計算した結果、ほほ100%の波吸収を実現でき、境界からの反射をなくすことができた。3.波動場の計算領域を狭くするために、水底をどこに設定するかも、計算時間に直接的に響くとともに波が伝播するうちに減衰する計算上の現象を解決する上からも重要な問題である。そこで、有限水深の水底を波動運動させる手法を導入した。水面上の撹乱から計算水底境界の撹乱を推定し、それに基づいて水底を強制的に動かすことで波の減衰を大幅に減ずることができ、水深に関して計算領域を画期的に減ずる事を可能にした。4.3次元現象の解明のために、粒子法計算コードを3次元問題への拡張を図るためには、計算時間の短縮化技術が必要である。その目的のために、並列化計算手法を完成して大幅な時間短縮技術を完成した。5.自由表面上で波動場中で前進速度をもった船舶に起きる3次元強非線形現象の計算プログラムを作り、数例の計算例を示すことができた。6.前進速度を有する二次元船舶の運動計算を行い、従来計算が不可能であったポーポイジングなどの現象を計算上で得ることができるようになった。7.工学に必要な力の計算において、考えられない、実験値にもない高周波数の変動が計算値に現れていた。この現象を補助方程式を使うことによって除去できる計算法を完成させた。このことによって工学で最も大切である、物体に働く力の計算精度向上に大きな前進を示した。8.船舶海洋工学分野で難しい強非線形問題に、この粒子法が極めて強力な計算手法であることを、他の各種の具体的な問題を通じて明示した。9.この手法を広く国内外に周知するために国内外の論文雑誌に投稿するとともに、国内外の各種会議に積極的に出席し衆知してきた。多くの国外研究者からの問い合わせを受け討論を深めることができた。
著者
中村 佳敬
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本年度は、雷嵐に伴って発生するシビア現象と雷放電活動を全世界的に解析し、シビア現象をもたらす積乱雲と雷放電の全球的な分布・傾向を推定するため、全球落雷位置標定装置による全球の発雷分布と気象衛星による全球の降水分布の関係について研究を行った。本研究で使用した全球落雷位置標定装置は、世界50か所以上にVLFセンサを設置しており海洋上を含めた全球の雷放電活動をモニタリングしている米国ワシントン大学のWorld Wide Lightning Location Network (WWLLN)であり、全球の降水分布は米国海洋大気圏局の気象衛星に搭載されているマイクロ放射計Microwave Humidity Sounder (MHS)のデータセットから得られた固体降水量の鉛直積算値であるIce Water Path (IWP)を使用した。米国ワシントン大学に滞在し、これらの観測機器で得られた雷放電活動と固体降水量との関係を比較した結果、海域と陸域とで傾向が異なるものの、発雷頻度とIWPは指数関係にあることが明らかとなった。この発雷-降水関係を利用し、発雷観測を基とする衛星降水未観測域における降水量推定の可能性を示した。得られた雷放電と降水量の関係は光学観測に基づく推定結果と異なる傾向を示している。これは、中和電荷量等雷放電の規模が今まで考慮されていなかったためであると考えられ、今後の課題として陸域と海域、光学観測と電磁波観測で得られた関係性の違いを説明するために、雷撃のエネルギー量の観点からの解析が挙げられる。モデル構築の面では、本年度は気象庁非静力学モデルに対して、広帯域レーダシステムが種子島で観測した発雷を伴う雷嵐について電荷構造を推定した。この際、放電過程を導入した結果、一つの雷嵐の盛衰過程での電荷構造を再現した。雲放電が再現された一方で,本事例ついては対地放電が再現されなかったため、今後の課題としては落雷位置標定装置による対地放電の観測結果との比較評価が挙げられる。
著者
志田 未来
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

近年、日本においてひとり親家庭の割合は年々増加しており、ひとり親家庭で育つ子どもたちは低学力・低学歴に陥っていることが様々な研究によって指摘されている。本研究はそのようなひとり親家庭の子どもたちが、どのような経路をたどってそういった困難に直面しているのか、また、その困難を乗り越えられるとしたら何が影響を与えているのかということを明らかにすることを試みる。2011年から2012年にかけて行ったひとり親家庭の子どもに対するインタビューをまとめ、学会誌『教育社会学研究』へ投稿,掲載された。また、2011年より行っている公立中学校でのフィールドワークを継続し、ひとり親家庭で育った子どもが、どのような学校経験を経ているのかを現在も調査中である。また,国内での調査と並行して海外における調査も実施した。2013年度,2014年度と同様にアメリカ・カリフォルニア州の公立高校における調査を、約6週間に渡って行った。同校はひとり親家庭を筆頭に、不安定な家族で暮らす子どもたちが多く通っており、エスニック的にもブラック、ラティノなどのマイノリティが多く在籍している。このような不安定な家庭が多い校区にある調査対象校は、社会的困難を「克服」している学校であることで注目されている。そのため、フィールドワークによって、不安定な家族で暮らしている子どもたちに対して、学校はどのような支援が可能なのか、ということを調査した。同校での調査が3年目であったこと、6週間の長期調査であったことも影響して、質・量ともに昨年度よりも望ましいデータを取得することができるとともに,経年的なデータを入手できた。アメリカにおけるフィールドワークより入手したデータは,教育社会学会大会にて発表するとともに,複数の学会誌への投稿を試みている。
著者
岡田 裕成
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、スペインの植民地を中心とする新大陸の先住民像に焦点を当て、その類型と系譜、社会的機能を明らかにしようとするものである。ペルー、メキシコ、およびヨーロッパ各地で調査をおこない、そこで得られた作品および一次資料の分析に基づき、その表象が、自然科学的探査の成果と、古代のテクストなどの典拠に由来する人文主義的関心の双方に依拠して構築されたことを明らかにした。またその人工的なイメージは、植民地の先住民の自己表象の形成に重大な影響を与えたこと、先住民エリートの植民地社会への適応を演出する図像的な装置の役割を、祝祭などの場において果たしたことを明らかにした。
著者
牛尾 知雄 金 寛
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

竜巻等の突風,雷放電,局地的大雨による甚大な気象災害の防止に対する社会的要求は,年々その重要性が認識されるようになってきている。本研究では,昨年開発に成功した超高速走査が可能なフェーズドアレイレーダネットワーク,広帯域レーダネットワークそして雷放電の3次元標定装置を核として,大阪,神戸地域を中心に観測網を構築,そのデータ配信処理アルゴリズムの開発とデータ配信システムの構築を行った。
著者
関 達治 五十嵐 泰夫 冨田 房男 吉田 敏臣 駒形 和男 小崎 道雄
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

日本の発酵食品のルーツでもあり、食文化として文化の一端を担う東南アジアに特有の伝統的発酵食品に関する情報を、社会の発展に伴い失われる以前に調査収集し、情報を保存することを目的とした。また、東南アジアに広く分布する類似発酵食品の比較検討を通して、その共通性、地域特異性を明らかにし、生物工学的、食品工学的意義を明らかにし、各国の研究者と協力して国際学術論文として取りまとめることを目的とした。本年度は最終年であるため以下の調査研究を行った。1.カンボジアにおける伝統的発酵食品に関する調査カンボジアの伝統的発酵食品、特に糖質を原料とする発酵食品並びに魚を原料とする発酵食品について、生産現場を調査した。(関、冨田、五十嵐、小崎、駒形、飯野、S.Limtong、C.Wongkhaluang、S.Saono、P.T.Ho、T.L.Thuoc)2.収集資料整理と取り纏め前年度までに収集した東南アジア諸国(タイ、マレーシア、ベトナム、西インドネシア、フィリピン、ラオス、ミャンマー)および本年度実施のカンボジアにおける発酵食品に関する学術等資料を整理し、取りまとめ指針に従いデータベース化を行った。(関、小崎、駒形、飯野、岡田、中川、N.Lotong、S.Saono、C.Wongkhaluang、W.Yongmanitchai、S.Saono、P.T.Ho、T.L.Thuoc)
著者
難波 精一郎 EDWARD Costi 桑野 園子 COSTIGAN Edward COSTIGAN Edw
出版者
大阪大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

わが国の国際化に伴い,留学生の数が次第に増加する傾向にあるが,多くの問題もまた増加する傾向にある。本研究では講義のような1方向的になりがちな情報伝達場面における非母国語の聴取能力を測定し,聴取に影響を与える要因を検討し,留学生が受講している場合の講義の留意点について提案を行った。実験には日本人学生17名と留学生32名が参加した。刺激として,テレビおよびラジオ番組から選択し編集した10個の短文を用い,妨害信号(バブルノイズ)と音声信号のS/Nを系統的に変化させ,文章了解度を測定した。実験の結果:(1)文章中に既知でない単語が含まれたり,発音が不明瞭,あるいは騒音下など,聴取条件が悪い場合,文章の逐次的理解は困難となり,文脈から不明な箇所を推定する作業が行われる。(2)この文脈の利用には,その言語に対する知識量が貢献する。言語(音声)が未知の場合,音響学的手がかりのみによって,単語の同定をせねばならず,きわめて困難な作業となる。(3)留学生はかなり高度な日本語の能力を保持しているが,日本語の聴取条件が悪い場合,nativeと比較して上記(2)の困難を生じるようである。(4)キ-ワ-ドが認知されていると,留学生の場合も文章の了解は容易となる。以上の結果から,留学生を対象に講義を行う際の留意点として次のことが有効と考えられる。(1)視聴覚教材を活用し,耳のみならず目からの情報によって理解を助ける。(2)少なくとも,キ-ワ-ドは必ず板書する。(3)ゆっくり明瞭に話す。(4)大切な部分は反復する。(5)やさしい文章構造を用い,また付加情報を与えることで,文脈からの推定が容易になるようにする。(6)バブルノイズが重畳すると留学生の場合、聴取能力が急激に低下するので,バブルノイズの典型である教室における学生の私語を禁止する。
著者
中田 芳樹
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

超短パルスレーザーを用いてナノサイズの金属流体プロセスを瞬間的に誘起し、金属の直立構造が周期的に配列する構造を形成する。今年度は下記の成果を得た。1.装置の改良:前年度に開発した透過型回折格子と縮小光学系を組み合わせたフェムト秒レーザー干渉加工装置に対し、光束毎に位相・振幅を変調する装置を追加した。2.新規ナノ形状の達成:薄膜材料、膜厚、基板、干渉加工条件などをパラメーターとすることにより、下記の成果を得た。これらにより、(1)~(4)の研究目的を達成し、さらに(5)の新規ナノ形状を創製した(1)曲率半径7.5nmの極小ナノウォータードロップの形成(金)(2)最小頂点曲率半径約2nm(平均値5.4nm)の金ナノウィスカーの形成(3)金ナノウィスカーのアスペクト比:約17(4)最小頂点曲率半径約6nmの銀ナノウィスカーの形成、ナノクラウン周囲のナノスパイク頂点曲率半径:7nm、アスペクト比>5(5)位相・振幅変調による「多重周期構造」「倍密度構造」「周期破線構造」の創製本手法は従来のナノマテリアル形成法に対し、「従来に無いナノ形状」「正確な周期構造の自動生成」「素材の自由度」「加工速度」「大面積一括加工」等の点で優れており、ナノテクノロジーやメタマテリアルなどのナノマテリアル応用分野全般において新しい応用が期待できる。
著者
水谷 規男 山口 直也 上田 信太郎 岡田 悦典 京 明 緑 大輔 笹倉 香奈
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では、刑事法研究者及び実務家からの聞き取り調査をアメリカ、イギリス、オーストラリア、ドイツ等の国々について行い、司法取引制度ないしそれに類似する実務が英米法系の国々においてだけでなく、従来は取引に否定的であると考えられてきた大陸法系の国々においても、司法の効率化のために存在していることを明らかにした。これに対して、我が国で導入が検討されている刑事免責制度や捜査・公判協力型協議・合意制度は、訴追側と弁護側の取引を容認するものであるものの、司法の効率化よりも供述の獲得にウエイトがある点に特徴があることを明らかにした。
著者
三町 勝久 吉田 正章 黒川 信重 高田 敏恵
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

ガウスの_2E1,一般超幾何函数_{n+1}E_n, アッペルのE_1, E_2, E_3, ジョルダン・ポッホハンマー E_{JP}, そしてラウリッツェラのE_Dなる微分方程式(系)の解の基本系を積分表示で与え,それについての回路行列を明示的に求め,応用として,微分方程式の既約条件を決定した.また F_2, F_3, F_4の場合,隣接関係を調べることにより,対応する微分方程式の可約条件を与えた.E_1~E_4, F_A~F_D, _{n+1}E_nおよびゲルファントの点配置空間上の超幾何微分方程式系について,ある多価函数のサイクル上の積分が解を与えることを示した.
著者
杉山 成
出版者
大阪大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

溶液中で育成させることが常識とされてきたタンパク質の結晶化を、高温にさらすことなく固化したメビオールゲル中で育成させる、世界で初めての結晶化技術を開発しました。この技術によって、結晶に損傷を与えること無く、再現性のある高精度なX線回折データを得ることが可能となりました。さらにメビオールゲルは、タンパク質結晶の核発生を促進すると共に、メビオールゲル中結晶は、浸透圧ショックにも強いことが明らかとなりました。これらの成果は、固相ゲル中で育成させる結晶化技術の汎用性を高める結果となりました。
著者
谷内田 正彦 石黒 浩 八木 康史
出版者
大阪大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1994

平成6年度には双曲面鏡をテレビカメラの前に設置した新たな全方位視覚センサの試作,全方位視覚センサからの情報を用いた環境の大局モデルの作成,大局モデルを用いた移動経路の計画と更新について研究を行った.平成7年度には以下の研究を行った.[1]注視物体の発見:局所視で注視すべき物体を発見する方式の研究を行った。注視物体としては、(1)作業対象となる物体、(2)目的地に移動するときの経路の目印(道しるべ)となるもの、(3)通行を妨げる障害物(狭い通路)、(4)不審物、(5)衝突の危険のある移動体(人など)である。それぞれを発見する専門家モジュールを作成した。これらの専門家モジュールが常に大局モデルを監視し、候補が見つかれば局所視を起動して検証するという方式をとった。[2]局所視による注視物体の詳細な立体形状の認識:発見された注視物体の候補を局所視で注視しながら移動し、その詳細な立体形状を認識する研究を行った。注視すべき物体の3次元位置と形状は大局視により概略分かっているので、物体がカメラの中心にくるようにカメラを回転し、画面いっぱいに写るようにズ-ムを制御し、また鮮明な画像が得られるように焦点調節する。いくつかの視点から対象が観測されるので、三角測量の原理から対象の3次元形状を求めた。[3]統合視覚システムの試作と実環境での評価:大局視、局所視を一体化した視覚システムを作成した。また、大学の廊下や実験室などの実験境下で実験を行ない、良好な結果を得た。
著者
臼井 三平 加藤 和也 中山 能力 今野 一宏 森 重文 齋藤 秀司 並河 良典 藤木 明 大野 浩司 佐竹 郁夫
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

混合版多変数SL (2)軌道定理を証明した。混合版ボレル・セールコンパクト化、混合版SL (2)-軌道の空間、混合対数的ホッジ構造の分類空間を構成し、これらの成す基本図式を得た。これにより混合版の対数的ホッジ構造の基礎理論がほぼできあがった。以上の結果とホッジ予想や鏡対称性などとの関連も注目されるようになってきた。
著者
小野田 正利 佐藤 晴雄 吉川 武彦 野田 正人 古川 治 楠 凡之 松本 剛 和井田 節子 岩切 昌宏 山野 則子 瀧野 揚三 西川 由紀子 新井 肇 小林 正幸 山下 晃一 岩永 定 入澤 充 嶋崎 政男 清水 和夫 清水 和夫 嶋崎 政男
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

2000 年代に入ってわが国の学校現場では、教職員と保護者の間に時として激しい対立やトラブルが生じようになり、それらをどのように解決していくか、あるいは減少させていくかという課題が生まれてきた。本研究は、このような問題現象が増加している理由や背景の分析はもちろんのこと、具体的にどのようにすれば、トラブルが大きくならずに解決につながっていくかを考察したものである。このために研究者のメンバーの専門領域をより学際的なものとし、教育学だけでなく、法律学、精神医学、臨床心理学、福祉学などの幅広いものとして構成した。そこで得られた研究成果を、全国の12か所でシンポジウムとワークショップを開催する形で発表したが、これらの成果の多くは、6つの書籍などの成果物として結実した。