著者
山井 弥生(斉藤弥生)
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

介護サービスの準市場化が進む中で、ヨーロッパ諸国では大企業による市場の寡占化が懸念されている。介護サービスの質を保持するためには市場における適度な競争環境が必要となる。市民セクター研究の第一人者であるヴィクトール・ペストフは福祉サービス供給における理想的な福祉多元主義の実現に社会的企業の役割に期待しており、日本の協同組合医療・介護の役割に注目している。そこで本研究ではペストフとの共同研究として、JA厚生連、医療生協の9団体を対象に構造的なインタビュー調査を行い、その結果を比較検討する中で、協同組合医療・介護が副次的に生み出す社会的価値と、その創造機能を明らかにした。
著者
関 光
出版者
大阪大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、1)植物トリテルペン配糖体の生合成/構造多様化の過程において重要な役割を果たしている糖転移酵素(UGT)を単離し、機能を解析するとともに、各種トリテルペノイドアグリコンをインビボ生産する組換え酵母においてUGTを共発現することにより、「組換え酵母における多様なトリテルペン配糖体のインビボ生産」の実行可能性を検証することを目的とした。平成25年度内に、酵母内在の2,3-オキシドスクアレンから4-エピ-ヘデラゲニンを生産するように改変した組換え酵母に、さらにタルウマゴヤシUGT73F3遺伝子を導入することで、酵母内在の糖供与体(UDP-グルコース)を利用して4-エピ-ヘデラゲニンの28位配糖体をインビボ生産する酵母の作出に成功した。平成26年度は、同システムを利用して様々なトリテルペン配糖体を生産することを目指して、新規のトリテルペン配糖体生合成関連UGTの単離を進めた。その結果、マメ科カンゾウからグリチルレチン酸の3位および30位それぞれにグルコースを転移することが強く示唆される新規UGTを同定した。同時に、酵母が生産する糖供与体のバリエーションを増やすことを目的として、UDP-グルコースをUDP-グルクロン酸に変換するUDP-グルコースデヒドロゲナーゼの候補遺伝子をカンゾウから6種単離し機能解析を行ったところ、4種について酵母内在のUDP-グルコースを基質としてUDP-グルクロン酸を生成する活性を認めた。今後、研究代表者らがこれまでに既に作出している各種トリテルペノイド生産酵母に平成26年度内に単離した新規UGTおよびUDP-グルコースデヒドロゲナーゼ遺伝子を導入することで、組換え酵母での各種トリテルペン配糖体の生成が可能であると考えられる。
著者
前田 芳信 池邉 一典 香川 良介 岡田 匡史 権藤 恭之 神出 計
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

地域高齢者の疫学研究の結果から,残存歯数と平均歯周ポケット深さは,高血圧,認知機能といずれも有意な関連がみられた.一方,いくつかの循環器系疾患ならびに認知症関連遺伝子と歯数ならびに平均歯周ポケット深さとの間に,有意な関連がみられた.一般線型モデルによる分析の結果,高血圧,認知機能を従属変数とした場合,遺伝因子と歯数ならびに歯周ポケット深さの間に交互作用は見られなかった.以上の結果より,歯科疾患と循環器系疾患や認知機能との間には,共通の遺伝素因があることが示唆された.
著者
山中 俊夫 相良 和伸 甲谷 寿史
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

大空間を有するオフィスにおいて、自然換気を利用した次世代型自然換気・空調システムにおける様々な通風導入システムの室内気流・温度分布特性を温度、CRI3、CO_2濃度などの指標を用いて明らかにするとともに、省エネルギー性について検討を行い、自然風の利用によって空調による冷房負荷の約60%が削減されることを明らかにした。また、自然換気用チムニーの設置位置に関する基礎的なデータも収集した。
著者
井口 征士 奥山 雅則 加藤 博一 佐藤 宏介 沼田 卓久 千原 国宏
出版者
大阪大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1991

研究計画調書・研究交付申請書に基づき、三次元立体物の画像認識のために非常に有効なデータである三次元画像を超高速に計測するICチップセンサを回路シミュレーションとディスクリート回路によるプロトタイプ計測装置でその構成技術を確立した。昨年度購入したシミュレーション用コンピュータ(Apple-MacIIfx一式)およびSPICEシュミレーショタソフト(Microsim-PSpice)、回路図入力CADソフト(Capilano-DesignWorks)により、回路図入力CADソフトで入力したセンサの回路構成をアナログ電子動特性シミュレーションを行った。その結果、昨年度の成果である、2つのホトディテクタを相補的に用いて素子のばらつきを補正させる点やDRAMのセンスアンプに似た電流比較回路が、通常のデジタルCMOS-ICの製作プロセスで製作可能な素子(CMOSインバータ、アナログスイッチ、ダイオード等)を用いて最終的な回路構成が決定できた。これにより実際に製作可能なことを確認できた。さらに、昨年度購入した制御用コンピュータ(Apple-MacIIci一式)およびデジタルストレージスコープ(日立電子VC-6045一台)、レーザダイオード、ガルバノミラーで、16×8画素のCMOS-ICを基本デバイスレベルとしたディスクリート回路によるプロトタイプ計測装置を開発した。120ヘルツ以上の動作を確認した。同時に、キャリブレーション方やこのシステムで得られる距離画像の時系列データから動く物体の認識を効率よく行うアルゴリズム、動距離画像の差分に基づく追跡アルゴリズムを開発した。
著者
渡辺 克昭
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

未来を常に既に先取りし、進歩を追求し続けてきたアメリカ的想像力が、その例外主義的なヴィジョンを根底から揺るがす惨劇といかに向き合ってきたか。このような視座から、アメリカ文化を特徴づける進歩のデザインと技術を唐突に打ち砕く死の表象を相関的に分析しようとする試みは従前なされていなかった。本研究は、20世紀アメリカの日常に浸透する進歩の言説と、度重なる惨事や破局によって前景化される死への眼差しがいかに交錯してきたか、そのダイナミズムを多様な表象分析を通して描出した。その結果、互いにフィードバックし合う両者の間には、互いにエネルギーを供給し、新たな関係を生成する界面が存在することが明らかになった。
著者
城崎 知至
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

レーザー核融合では、固体の数千倍に爆縮した高密度プラズマの一部を点火温度まで加熱し、そこから生じる核融合燃焼波が残りの低温高密度燃料へと伝搬することで爆発的な燃焼が行われる。本科研研究においては、核燃焼シミュレーションにおいて重要な高エネルギー粒子によるエネルギー輸送を精密に解く輸送-流体結合コードを開発し、これを用いて点火・燃焼過程の詳細解析を行った。
著者
西田 誠
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

健診において頸動脈の動脈硬化を進行させる可能性のある種々の新規マーカーおよび生活習慣を検討した。腸から吸収される脂質のマーカーであるアポB48は、動脈硬化な相関がなかったが、非肥満者に限ると有意な相関を示し、特定健診で抽出されない集団での動脈硬化評価に有用である可能性を示した。また今回調べた酸化ストレス等のマーカーは危険因子との関連が見られたが、短期間の動脈硬化進行に大きくは寄与しなかった。しかし喫煙は短期間の動脈硬化進行に深く関与することを明らかにし、早期の介入の重要性を示した。
著者
小石 かつら
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

現在では演奏会の開始音楽として「演奏会用序曲」は一般的である。しかし、そもそもオペラの開始音楽であった「序曲」が、聴衆を惹き込むプロムナードとして「演奏会」のオープニングに用いられはじめ、次第に単独作品「演奏会用序曲」として作曲されるようになった経緯は、現在まで明らかにされてこなかった。また、「演奏会序曲」というジャンルが生み出されることになった社会的、文化的背景についても明らかになっていなかった。本研究では、ライプツィヒの演奏会記録を用い、演奏会用序曲の演奏状況を調査し、今日とは全く違う状況であったことを明らかにした。また、当時の出版目録を調査することによって、家庭での演奏会用序曲をはじめとするオーケストラ作品の受容も明かにし、演奏会用序曲の位置づけを試みた。これらを背景に、メンデルスゾーンの「演奏会用序曲」の中から、一番作曲時期の遅い2作品である《静かな海と楽しい航海》と《美しきメルジーネの物語》を取り上げ、詳細な成立史をまとめた。また、個々の作品の改訂に関して、楽曲分析をおこなった。このうち、《美しきメルジーネの物語》について、日本音楽学会の全国大会において発表した。2月には、研究成果をベルリン工科大学音楽学研究所にて発表すると同時に、ベルリン国立図書館音楽部門所蔵の書簡を用い、演奏会用序曲の受容について調査を行い、研究の全体を補完した。
著者
松本 卓也
出版者
大阪大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2002

走査トンネル顕微鏡で分子や表面の励起過程を観察しようとするとき、試料基板に電気伝導性が必要であるため、基板への脱励起が深刻な影響を及ぼす。これに対して、原子間力顕微鏡は、絶縁体上での測定が可能であるので、素電荷を容易に検出できる。しかし、原子間力顕微鏡は力学応答を基礎とするため、時間分解能は極めて低く、動的な過程の検出には不向きであると考えられてきた。本研究では、近年、急速に発展した非接触原子間力顕微鏡をベースに、カンチレバーの振動とパルスレーザーを同期させることにより、ミリ秒以下、サブマイクロ秒に及ぶ時間分解能で試料-探針間に働く力を検出することに成功した。非接触原子間力顕微鏡では、局所的な力は、試料が探針に最近接したおよそ1マイクロ秒程度の時間しか働かない。この事実を応用して、パルスレーザー照射による電荷生成の後、ある遅延時間で探針が試料に対して最近接するように制御すれば、時間分解力検出が可能になる。実験では、シリコン基板上に形成した銅フタロシアニン薄摸を試料とし、励起光源として半導体励起YAGレーザーを試料-探針間に浅い角度で照射した。高い感度と空間分解能が得られる非接触原子間力顕微鏡では、探針の振動は自励発振で、その周波数は変動する。従って、外部のトリガーでカンチレバーの振動とパルスレーザー照射のタイミングを制御することはできない。そこで、制御回路を自作し、カンチレバーの振動を一周期ごとに検出し、これをもとに次の周期の運動とのタイミングをとることで、一定の遅延時間制御を実現した。この方法により、実際に遅延時間に対して、半値幅約2マイクロ秒の力学応答を検出することに成功した。
著者
古谷 大輔 立石 博高 大津留 厚 小山 哲 中本 香 中澤 達哉 後藤 はる美 近藤 和彦
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、近世ヨーロッパ周縁部の国家編成に見られた地域統合の方法と論理に着目し、戦争・内乱などの背景に立ち現れる普遍的な秩序観や君主観の存在、そうした観念に基づいて実践された統治者と地域社会の交渉、その結果としての多様な結合関係を比較した。その結果、普遍的な秩序観や君主観を脊柱としながら複数の地域が集塊する、近世ヨーロッパに普遍的な国家の輪郭を、「礫岩国家」として結論づけた。
著者
竹田 敏一 山本 孝夫 山本 敏久 代谷 誠治 北田 孝典 宇埜 正美
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

初年度の作業では、MA核種と金属燃料希釈材を併用した超長寿命炉心の概念を検討し、その核的な成立性が高いことを示した。また、MOX燃料ナトリウム冷却炉心と金属燃料鉛冷却炉心の、燃料形態・冷却材の違う炉心において、燃料にMAを添加して炉心計算・燃焼計算を実行し、MAの核変換率について中性子スペクトルの違いを用いて検討した。また、核変換の内訳を直接核分裂率と間接核分裂率、捕獲反応による核変換の3つの因子を用いて比較した。2年目の作業では、半理論的燃焼方程式によるMA核種の燃焼特性への影響を評価する方法を確立し、超長寿命炉心に適用した場合の最適初期装荷量について検討を行った。結論として、1)Np-237は、高中性子束においては、燃焼による出力変動に悪影響を与える。よって、低中性子束の領域で照射することが望ましい、2)ブランケットにNp-237を大量(57%,残りU-238)に装荷することによって、Puビルドアップによる出力上昇を緩和できる可能性がある、などの知見が明らかになった。最終年度では、KUCAのB架台において、金属燃料の希釈材候補である、Nb, Cr, W, Pbの各核種についてサンプル反応度の測定を実施した。いずれの核種も、適切な量を炉心中央部に装荷することにより、ペリオド法によって精度よくサンプル反応度の測定を行うことができた。この種の実験においては、サンプルの出し入れに伴う反応度のずれが大きな問題となるが、5回にわたる再現実験の結果、最初の1回を除いて再現性は非常によいことがわかった。
著者
山中 高光 永井 隆哉 大高 理 植田 千秋 土山 明 田窪 宏
出版者
大阪大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

プレートの流動現象や、沈み込むスラブの運動を把握するためにはダイナミカルな構造研究をする上で、地殻やマントルの構成鉱物の環境変化(温度・圧力・成分等)に伴って、生じる転移・分解・融解・結晶内イオン交換反応等の諸々の構造変化のカイネティックスや機構を究明することが重要な課題である。本実験ではケイ酸塩鉱物や類似鉱物の圧力誘起による構造変化と逐次観察と動的構造の研究を行った。1.マントルの主構成鉱物であるカンラン石(Mg_2SiO_4)について分子動力学(MD)計算を用いて圧力誘起の構造転移のシミュレーションを行った。室温では35〜40GPa圧力領域で圧力誘起非晶質相転移が生じ、95〜100GPaで未記載な結晶構造に再結晶化することが計算から明らかになった。ダイヤモンドアンビル高圧発生装置と放射光X線を用いた高圧実験でカンラン石のGe置換体のMg_2GeO_4の圧力誘起非晶質相転移を実際に確認した。2.マフィックな珪酸塩鉱物が海洋地殻で水和物に変質し、それらがサブダクションでの低温(<500℃)で応力下での構造安定性を調べ水の挙動を研究する。そのためCa(OH)_2の圧力誘起相転移と準安定相の存在領域を放射光X線回折実験で決定しその機構を解明した。その結果水和鉱物は高圧下では脱水反応はせず、非晶質相として地殻内部にもたらされ、これらがマグマなどに重要な水の起源として考えられる。3.マルチアンビル高圧発生装置に装着し、SiO_2の同一の多形構造転移を示すGeO_2の圧力誘起非晶質相転移した物質についてS波とP波の弾性波速度を測定し、体積圧縮率や剛性率を求めた。これらの弾性波速度の温度・圧力変化の研究はサブダクション・ゾーンで生じる深発地震の発生の解明にも貢献した。また分子動力学から求められた温度圧力関数にした弾性常数の変化と比較し検討した。

1 0 0 0 群論の研究

著者
永尾 汎
出版者
大阪大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1977
著者
足立 浩平
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

入力×出力×個体の三相データ配列を分析して,入力と出力に介在するコンポーネントを摘出する複数の主成分分析法に関する研究を行った.この研究によって,複数の主成分分析法の中から最適な分析法を選択する手法を完成して,選択されたモデルの解を有意味な単純解に変換する方法を開発した.
著者
林 正則
出版者
大阪大学
雑誌
大阪大学大学院文学研究科紀要 (ISSN:13453548)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.A73-A91, 2003-03-31

The goal of this paper is to explicate the true nature of split intransitives. To achieve this goal we explored the experiential basis of the unaccusative hypothesis and arrived at the following conclusions: 1. The passive, including the impersonal passive and adversative passive, is primarily based on the activity verbs (S_a=A) and undergoes generalization accommodating change of state verbs (S_p=P) verbs as well (Cf. Shibatani 1998). 2. The causative alternation is primarily based on change of state verbs (S_p=P) and undergoes generalization accommodating the activity verbs (S_a=A)(Cf.Shibatani & Pardeshi 2002). 3. The split intransitive system in active languages is based on at least two different semantic criteria (Cf. Mithun 1991). From the results mentioned above we propose the following claims: 4. The behaviour of the intransitives is not a dichotomy as envisaged by the unaccusative hypothesis. The groupings are non-homogeneous and form a continuum rather than a dichotomy. Further, the size of each group varies from one language to another. In order to capture these facts we propose the following terms: Semantic Nominative-accusative system and Semantic Ergative-absolutive system. These terms are precisely defined and introduced drawing a systematic parallel with the casemaking systems. 5. In relation to 3 above, developing the proposal of Mithun (1991), we propose a "speaker's viewpoint" parameter related to the origination of a state of affairs. Even in the active languages, we do not find the ideal active-inactive dichotomy pattern as envisaged by the unaccusative hypothesis. We claim that the "speaker's viewpoint" parameter proposed herein varies from one language to another and therefore the so-called universal, single parameter based unaccusative hypothesis is in fact not universal.