著者
岩崎 重三
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.5, no.59, pp.456-457, 1898-08-20
著者
松本 良
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.101, no.11, pp.902-924, 1995-11-15
参考文献数
117
被引用文献数
7 33
著者
佐藤 時幸 中川 洋 小松原 純子 松本 良 井龍 康文 松田 博貴 大村 亜希子 小田原 啓 武内 里香
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.110, no.1, pp.38-50, 2004-01-15
参考文献数
25
被引用文献数
5 10

沖縄本島南部のうりずん露頭とそれに近接する守礼ゴルフ場露頭における知念層の石灰質ナンノ化石および浮遊性有孔虫化石生層序を検討した.その結果,知念層基底の地質時代は両露頭とも1.97 Maよりやや古い鮮新世末に対比されるが,うりずん露頭における知念層の基底の地質年代は,守礼ゴルフ場露頭の同基底年代よりやや古い.また,うりずん露頭および守礼ゴルフ場露頭のいずれにも時間間隙が認められたが,うりずん露頭では知念層下部に約30万年の時間間隙が,守礼ゴルフ場では新里層と知念層の境界に若干の時間間隙が推定され,両露頭は近接するにもかかわらず,時間間隙の層準および規模が異なることが明らかとなった.本研究の結果は,琉球列島が現在のようなサンゴ礁の広がる海域へと姿を変えた過程を復元するためには,知念層およびその上下層の岩相層序と微化石層序との関係を解明することが,重要であることを示唆している.
著者
安藤 寿男
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.112, no.1, pp.84-97, 2006-01-15
参考文献数
95
被引用文献数
3 8

関東平野東端には下部白亜系銚子層群, 最上部白亜系那珂湊層群, 古第三系大洗層が孤立して分布し, 東北日本, 西南日本の地帯構造を考える上で重要な情報をもたらす.3つの地層群の研究の現状をまとめた上で, それらの地質学的意義を考察した.東北日本の蝦夷堆積盆の北上および常磐亜堆積盆における上部アプチアン以上の白亜系〜古第三系には, 時代・層序・堆積相の上で3地層群に比較可能な地層は見られない.銚子層群は層序分布から関東山地北部の西南日本外帯秩父帯の山中白亜系の東方延長と見なされる.那珂湊層群は西南日本内帯南縁の和泉層群との共通性が高い.大洗層は礫の放射年代, 植物化石などから白亜系ではなく古第三系の可能性が高い.那珂湊層群と大洗層は棚倉構造線の南方延長の破砕帯に含まれた古期岩類の断層隆起地塊をなしており, 西南日本の要素と見なされる.大洗層は, 関東山地北部の寄居層および神農原層とに対比できる可能性がある.
著者
西村 祐二郎 廣田 佳子 塩崎 大介 中原 伸幸 板谷 徹丸
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.110, no.6, pp.372-383, 2004-06-15
被引用文献数
5 17

長崎県茂木地域の長崎変成岩類は,茂木スラスト(新称)を介して,ユニットIとIIに区分される.ユニットIはスラスト上盤に相当し,千枚岩から無点紋片岩,変斑れい岩および変花圈岩からなる.ユニットIIはその下盤にあたり,点紋帯の片岩で構成されている.前者はパンペリー石-アクチノ閃石相から緑色片岩相の緑泥石帯に,後者は緑色片岩相の黒雲母帯に相当する.泥質変成岩中の炭質物d_<002>値はユニットIが3.550-3.414Å(broad)を,ユニットIIが3.3619-3.3569Å(sharp)を示し,白雲母K-Ar年代は前者が214-162 Maを,後者が87-86 Maを示す.以上のデータから,茂木スラストは野母半島南西部地域の脇岬-深堀スラストの延長であり,ユニットIが内帯の周防帯に,ユニットIIが外帯の三波川帯にそれぞれ帰属すると結論される.また,茂木スラストと脇岬-深堀スラストを一括して,野母構造線と新称し,古中央構造線に対比する.
著者
荒井 晃作 岡村 行信 池原 研 芦 寿一郎 徐 垣 木下 正高
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.112, no.12, pp.749-759, 2006-12-15
参考文献数
30
被引用文献数
2 8

フィリピン海プレートの沈み込み境界である南海トラフ東部の前弧斜面上部の音波探査を実施した結果,大陸棚および陸棚斜面に正断層帯が存在していることが明らかになった.これらの断層は,すべて北落ちで最大変位量は0.2秒(往復走時)に達する.音波探査断面の解釈から,これらの断層は中期更新世以降に活動的で,最終氷期以降も活動していると考えられる.断層の活動履歴を検討するために,断層の上盤および下盤側のピストンコア試料を採取した.調査を行った断層群は特に下盤側の堆積速度が小さいために,活動履歴は明らかにならなかったが,一連の研究でその平均変位量は数10cm/千年であることが分かった.断層の形成は前弧斜面上部の傾動隆起と同じ時期に活動を開始していること,傾動隆起量の大きい海域で断層変位量が大きいことから,断層群の形成は前弧斜面上部の傾動隆起を伴うテクトニクスと密接に関連していると考えられる.
著者
奈良 正和
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.109, no.12, pp.710-721, 2003-12-15
参考文献数
60
被引用文献数
1 4

四国南西部に分布する中新統三崎層群竜串層から,多数のLockeia siliquaria James 1879を発見した.この生痕化石は,層理に平行な断面では,長径9-22mm,短径2.5-11mm程度の楕円型あるいはアーモンド型の形態をとり,砂岩の上面では窪み,あるいは,台状の隆起部に見え,底面ではやや突出した隆起部となる.その形態ならびに内部構造の検討そして母岩の堆積相解析から,この生痕化石は,砂質網状河川システムのうち,小規模なポイントバーで形成された二枚貝類の逃避痕であることがわかった.この生痕化石は,多くの場合,高い密度で産出し,かつ,層理面上において,定向配列する.これは濾過食の二枚貝類が,一方向の流れに対して呼吸や摂餌に最適な体の向きを取っていたためと考えられる.これを応用すると,この生痕化石の定向配列から地層形成時の古流向を知ることができる.
著者
吉田 武義 村田 守 山路 敦
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.42, pp.297-349, 1993-04-30
被引用文献数
13

The Tertiary Ishizuchi Cauldron, in the Setouchi volcanic belt of middle Miocene age in northwestern Shikoku, is 7-8 km in diameter and includes outer and inner ring fractures, inward dipping andesitic to dacitic welded tuffs, granodioritic to adamellitic central plutons, and andesitic to rhyolitic ring fault complexes (Yoshida, 1984). Major element chemistry suggests that the granodiorite and adamellite, as well as the volcanic rocks composing welded tuffs and ring dykes, form a comagmatic series. These volcanic and plutonic rocks, however, show two contrastive trends in some trace elements causing zircon and alkali feldspar bearing fractionation at lower temperature for plutonic rocks. The compositional zoning from porphyritic intermediate composition rocks to aphyric silicic rocks with similar assemblage and relative proportion of phenocrystic minerals suggests the importance of fluid separation from porphyritic magma during intrusion, along with possible phenocryst settling in the reservoir. Mineral assemblage and major geochemical criteria show that the intermediate composition rocks and silicic aphyric rocks belong to I-type and W-type (Murata & Yoshida, 1985a) granites, respectively. The MORB normalized patterns of those rocks including high-magnesian andesites from the Setouchi volcanic belt indicate that those magmas are derived from subduction zone with a contribution of incompatible element-enriched upper mantle, that is, from sub-continental upper mantle source at active continental margin. The Ishizuchi Cauldron formed by the eruption of voluminous pyroclastic flows, accompanied by caldera collapse along ring fractures and by intrusion of the same magma along the underground cauldron fractures that formed in the subsiding block. The change in fracture pattern from upward opening cone to concave-upward subsidence faults implies the rotation of the maximum stress axis from vertical to horizontal, owing to eruption of magma from the magma chamber and caldera collapse into the upward opening cone. Intrusion of silicic magma into concave-upward sheets from ring dikes produced resurgent doming of the upper part of the subsided block. In middle Miocene of the Southwest Japan, just after the end of the opening of Japan Sea, the direction of the maximum horizontal compressional stress changed from EW-trend to NS-trend. At the same time, Southwest Japan uplifted being compressed normal to the arc, and volcanic field rapidly extended to the south beyond the Median Tectonic Line. The Ishizuchi I-type and W-type granitic rocks at the northern end of the Outer Zone of Southwest Japan might be derived by orthopyroxene and plagioclase fractionation from mantle-derived K-rich high Mg andesitic magma. On the contrary, the I-type granitic rocks from the northern side of the Butsuzo Tectonic Line (BTL) and the S-type granitic rocks from the southern side of BTL are considered to be produced by partial melting of lower crust at a depth of about 20 km (Murata, 1984). The I-type granites were probably generated by partial melting of Ca-amphibole and plagioclase bearing intermediate igneous and/or metaigneous rocks, and the S-type granites formed biotite and orthoclase bearing rocks (Murata & Yoshida, 1985a). And, the A-type granitic rocks which derived from deep source occurat the southern end of the Outer Zone (Murakami et al., 1989). The distribution of those granitic rocks mainly controlled by the heterogeneity of source materials with different isotopic compositions at the lower crust to upper mantle and their thermal structure. The estimated regional heterogeneity of the source region of the magmas is compatible with the present seismic wave velocity structure in the Outer Zone of Southwest Japan. The middle Miocene igneous activities at the Setouchi and the Outer Zone of Southwest Japan might be triggered by the subduction of hot mantle region. Plate reconstruction at the middle Miocene of the Southwest Japan has done.
著者
嵯峨山 積
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.109, no.6, pp.310-323, 2003-06-15
参考文献数
49
被引用文献数
3 5

北海道北部の遠別町ルベシュベ川,幌延町上ヌカナン川および天塩町男能富の西方域の遠別層・声問層と勇知層から採取した31試料について珪藻化石分析を行った結果,Thalassiosira oestrupii帯とNeodenticula koizumii-Neodenticula kamtschatica帯の連続する2つの化石帯を認識した.これら化石帯の存在とF・T年代値(3.8±0.4Ma),シルト岩から細粒砂岩へと漸移する層相変化,大きな地質構造の差異は認められないことから,秋葉ほか(2000)が示唆した遠別層・声問層と勇知層間の100万年という大きな時間間隙は本調査域では存在しないという結論に達した.勇知層におけるより上位の地層からの淡水棲種と中新世絶滅種の増加は,堆積盆の浅海化と陸域からの堆積物供給量が増加したことを示唆している.
著者
高野 繁昭
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.100, no.9, pp.675-691, 1994-09-15
参考文献数
53
被引用文献数
7 16
著者
高橋 直樹 満岡 孝 加藤 新 横山 一己
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.111, no.7, pp.371-388, 2005-07-15
参考文献数
37
被引用文献数
1 16

房総半島中部上総層群黄和田層中に挟在する第三紀/第四紀境界指標テフラである鍵層Kd38は, 南関東地域の上総層群相当層では房総半島南部の千倉層群が唯一未確認であったが, 本研究において初めて確認することができた.千倉層群中でこれまでの微化石および古地磁気の研究により, 第三紀/第四紀境界付近に挟在することが知られている畑層中の鍵層KOを基準として4つのルートを選定し, そのうち1ルート(林道畑2号線)において, 層序, 岩相, 重鉱物組成, 斜方輝石の化学組成から, HT08Bテフラがテフラ鍵層Kd38に, HT07テフラがテフラ鍵層Kd39に対比された.林道山倉線では, テフラ鍵層Kd38は確定できなかったものの, 候補は挙げられた(YK04C).また, YK03テフラがテフラ鍵層Kd39に対比できた.また, 同様な手法で三浦半島横浜地域(磯子区氷取沢)の大船層中に新たにテフラ鍵層Kd39を見出し(YH02テフラ), テフラ鍵層Kd38(YH10テフラ)との層序関係も確認した.本研究により, 南関東のほぼ全域でテフラ鍵層Kd38が確認され, 今後の南関東地域の地質構造発達史の研究がさらに進展することが期待される.
著者
岩井 四郎 木下 房男 木内 一巳 小松 ★ 仁科 良夫 大木 正夫 島田 安太郎 千村 重平 梅村 弘 阿高 康行 遠藤 輝 藤田 敬 郷原 保真 石橋 俊明 石田 聖 小坂 共栄 熊井 久雄 三上 進 三谷 豊 水野 学 岡部 孝次 酒井 潤一 沢村 寛 下野 正博 新海 正博 杉山 茂 田辺 芳宏 田中 俊広 渡辺 晃二 山下 昇 矢野 孝雄 吉野 博厚
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.7, pp.297-304, 1972-12-25
被引用文献数
8

The Matsumoto Basin Research Group was organized in March, 1971, to clarify the geological history of the Matsumoto Basin. The results of studies obtained during the last year are as follows. 1) A geological map on the Quaternary of the Matsumoto Basin was constructed for the first time. 2) The crystal ash beds in the Nashinoki Loam Formation are correlated to the so-called biotite pumice beds (B_1, B_2, B_3) around Yatsugatake Volcano, while the crystal ash may had been erupted from the volcano around Kumonotaira to the north of Mt. Mitsumatarenge in the midst of the granitic rock area of the Japanese Northern Alps. 5) The Nashinoki Gravel Formation is the products of the first, large scale deposits filling up of the Basin with gravel. It shows that the formation of the Basin set out first in that age. 4) Simultaneously with the accumulation of the Nashinoki Gravel (or the subsidence of the Basin), the Northern Alps began to rise and the peculiar volcano (with the crystal ash) started its activity.
著者
中井 睦美 中井 均
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.114, no.4, pp.170-179, 2008-04-15
参考文献数
26
被引用文献数
8 1

初等教育教員免許取得希望大学生および中等教育理科教員免許取得希望大学生を対象として実施したアンケート結果を解析したところ,現在の高等学校の教科科目選択制度のもとで,理科4科目(物理・化学・生物・地学)をまんべんなく学習してきた学生は1割程度であり,多くの学生は化学・生物の2科目のみを履修していることが明らかとなった.また,ゆとりをめざす教育による度重なる学習指導要領の改訂によって,小学校・中学校・高等学校の理科の時間数は大きく減少し,その結果,教職課程を履修する学生が小学校・中学校・高等学校を通じて行う実験・観察の絶対的な時間数は減少している.特に,小学校理科の授業内容の約60%は地学・生物に関した内容であり,実験・観察も多く,初等教員養成系学生の理数系学力の低下は深刻な問題である.この状況を改善するためには,現在考えられている現職教員への研修制度の充実や,理科支援教員制度の創設だけでは不充分である.教育職員免許法・学習指導要領を変えて,小学校・中学校・高等学校での理科の時間数を増やし,実験・観察の機会を増加させる,免許更新の研修制度に教科研修を大幅に導入する,全ての小学校に理数系教科の専科教員を導入する,理数系教科専科教員の専門性の認定をする制度をつくる,などの方策の検討が必要である.
著者
佐伯 四郎
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.37, no.438, pp.127-128, 1930-03-20