著者
古沢 仁 木村 方一
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.88, no.10, pp.849-852, 1982-10-15
被引用文献数
4
著者
脇田 浩二 宮崎 一博 ソパヘルワカン J. ズルカルナイン I. パーキンソン C.D. ムナスリ Koji Wakita Kazuhiro Miyazaki Jan Sopaheluwakan Iskandar Zulkarnain Christopher D. Parkinson Munasri Geological Survey of Japan Geological Survey of Japan Research and Development Centre for Geotechnology Research and Development Centre for Geotechnology Tokyo Institute of Technology Tsukuba University
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 = The memoirs of the Geological Society of Japan (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.152-162, 1997-06-30
参考文献数
14

東南アジアの古大陸スンダランドの周りには, 様々な年代の付加体やゴンドワナ大陸起源の微小大陸片が集まってきて, 中生代・新生代を通じて次第に大陸成長を続けてきた。インドネシアの中部ジャワ, 南スラウェシ及び南カリマンタン地域において付加体の詳細な調査研究の結果, 白亜紀における海洋プレートの沈み込み, 深海堆積物の付加, 微小大陸片の衝突などが次第に明らかになってきた。これらの三池域の地質は, 構成岩相や地質時代などがお互いに良く類似している。しかし, それぞれの地域が受けた構造運動の違いが, 構成岩石の性質に微妙な違いを与えている。中部ジャワのルクロコンプレックスは, 典型的な付加体で, 白亜紀全体を通じて定常的な海洋プレートの沈み込みと海洋堆積物の付加で特徴づけられている。南カリマンタンのメラトスコンプレックスは, その被覆層とともに収束境界に沿った島弧で形成されたと推定される。一方, 南スラウェシのバンティマラコンプレックスは, 海洋プレートの沈み込みに引き続いて起こった微小大陸片の衝突の歴史を記録している。The Sundaland craton in Southeast Asia is surrounded by a number of accretionary complexes of various ages, and accreted microcontinents which were originally rifted from the Gondwanaland. Continental growth along the southern and eastern margins of the Sundaland resulted from accretion of sediments and collision of continental fragments throughout Mesozoic and Cenozoic times. Cretaceous tectonic processes in the Indonesian region such as subduction, accretion and collision have been revealed by detailed geologic investigation of accretionary complexes in Central Java, South Sulawesi and South Kalimantan. The components of these complexes are similar to each other, but the precise nature of the components differs somewhat. Differences of structure and lithology suggest differing tectonic histories. The Luk-Ulo Complex of Central Java is a typical subduction complex generated by continuous subduction of oceanic plate through out Cretaceous time. The Meratus Complex and its overlying formations in South Kalimantan are also products of oceanic plate subduction in an island arc setting. On the other hand, the Bantimala Complex of South Sulawesi records the effects of oceanic plate subduction followed by collision of a continental fragment.

1 0 0 0 OA 日本産Oculinidae

著者
江口 元起
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.49, no.583, pp.135-142, 1942-04-20

Oculinidae(枇杷柄石科)はMILNE-EDWARDS及James HAIME(1848)により定義された枝状群體を形成する大西洋特有のOculina屬を含む深海珊瑚の1科で, VERRILLにより用ひられた如く, 本來の科よりStyla-sterinidaeを除く六射珊瑚の1群を指す。本科の珊瑚は樹状に分枝せる群體と緻密な石灰質のCoenenchyma(共同骨格)が發逹して, 特に群體下部の捧状部は厚くなりcalice(莢)はその中に埋まるを特徴とする。Eupsammidae珊瑚とは群體の形で似て居るが, 後者は多孔質の共同骨格の發逹せる點で區別する。Galaxiidaeなる現在珊瑚礁上に見る1群Acrhelia及Gala-xea兩屬を含む1科の存在でStylinidaeとの密接なつながりを示す。現在の種は日本沿岸より下記の2屬2種がある。1)Cyathelia axillaris(ELLIS and SOLANDER) 2)Madrepora cf., oculata LINNE 何れも深海性珊瑚で, Cyathelia axillarisは"ふたりびわがらいし"と稱される我國房州沖以南暖海の100尋線附近に普通な種で, 枝の先端では通常1莢絲に同時に2つの新らしい莢を發芽して生長を續ける點と莢口部に直徑を増す朝顏の花に似た莢形に特徴著しい。西は五島沖以南に知られる。日本近海産東北帝大地質學古生物學教室所藏の資料は次の如くである。蒼鷲丸採集品(St, 188, 345, Reg., No., 56566), 千葉縣房丸採集品(外房州 St, 15, Reg., No., 59045), 神奈川縣小港沖(Reg., No., 58960), 相模灣(Reg., No., 8300), 三崎沖, よどみ(Reg., Nos., 43414, 58924), 伊豆, 神子元島(Reg., No., 40994), 和歌山縣瀬戸沖(Reg., No., 50237), 熊本縣天草島, 富岡沖(Reg., Nos., 41940, 58959, 57495, 56560)。MILNE-EDWARDS及HAIME, P., M., DUNCAN, H., N., MOSELEY等も古く日本産を報告した。但し其正確な地點は示さず。蘭印Moluccas沖825尋(MOSELEY, Amboina BEDOT), 印度洋Bengal灣88-444尋(ALCOCK)。Madrepora oculata LINNEはAmphelia oculataとして知らるる細枝状の象牙質珊瑚, 枝端は極めて細く各珊瑚個體は互に枝の兩側に斜交レて交互に發芽増殖する特有の種で,枝の太さ及び莢の太さ, 特にpail小柱の發逹に著しい変異あり, 在來Amphelia, Loohohelia, Sclerohelia等異った屬名の下に取扱はれたことのある種で, VAUGHANによりハワイ産のものがMadrepora kauaiensis VAUGHANとして報告された。但し同一群體に各屬の特徴及び多くの近似種の特徴を認め得る。曾て日本産としてREHBERGにより報告されたAmphehelia adminiscularis REHBERGも明かに本種を指す。日本海沖に多いSclerohelia sp., として矢部教授と筆者の取扱った材料も明らかに本種である。北は津輕海峡附近より日本海岸及び太平洋岸の日本全土に分布する。明らかに深海性珊瑚である。莢は前種よりはるかに小形である。主として蒼鷹丸採集品で下記の諸地點より採集された。584, 595, 610, 637, 188, 271, 462, 三崎沖, 沖ノ山附近に最も普通の種, 太平洋・印度洋・地中海及大西洋を通じて共通種で, 大西洋では特にノルウェー沖よりさへ知られる。福井縣沖には特に本種の豐富な漁礁がある。Madrepora屬の蜜集せる海底には一見造礁硼瑚様の觀を呈する場合があり, 實際新第三期や第四期層中には此の深海珊瑚石灰岩とも稱し得べき物がある。日本の第三紀層及び更新世の海成層中には相當廣く分布せるMadrepora屬の化石が在る。一般に枝端の破片のみで完全な資料は得られない。島根縣・千葉縣・青森縣等の各地よりの資料がある。但し種の鑑定に耐へる資料は少い。珊瑚礁地方に見る唯一の枇杷柄石科はAcrhelia horrescens DANAなる種がある。但し本種はGalaxea屬と共通の特性を多分に備へるため, 筆者は1亞科としてGalaxiidaeとした。パラオ島では岩山灣の或地域に極めて豐富な生育地を觀察した事がある。化石枇杷柄石科の最も古い代表者はEnallhelia屬及びEuhelia屬で, 侏羅紀中部より記録される。其の中最も種數に富み分布廣きはEnallhelia屬で, 歐洲中部侏羅紀及び下部白堊紀層に限り知られて居た。筆者は昭和3年(1928年)陸前大島(宮城縣本吉郡大島村)の下部白堊紀層中の珊瑚類研究中, 同村要害海岸の露頭に凡ど例外なしにEnallhelia屬のみよりなる枝状硼瑚化石帶を注意した。黒色頁岩中に夾在するもので, 表面の風化により凡ど今日の珊瑚礁上に於けるAcrhelia horrescensの群生を思はせる。唯現在の物は軟體部の薄い被覆のため暗褐色を呈せるに反し, 黒色をなして一部海水面に洗はれてゐるのをである。大島産の珊瑚化石中では最も保存の良い物で, 歐洲の各地Neocomian-Urgonianの地層中に知られるEnallhelia rathieri FRO-MENTELと近似し, 又同様の分布で知られるEnallhelia gracilis M., EDW., &H., とも似た點あり, 其の兩性質を夫々一部備へる中間の種としてEnallhelia nipponica EGUCHIとした。本種は其の後未發表のまヽ殘されたが, 多數の資料により薄片として觀察するに何れも骨格の内部が緻密な石灰質に
著者
津久井 雅志 西戸 裕嗣 長尾 敬介
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.91, no.4, pp.279-288, 1985-04-15
被引用文献数
10 21
著者
辻森 樹 石渡 明 坂野 昇平
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.106, no.5, pp.353-362, 2000-05-15
被引用文献数
7 34

蓮華変成帯, 新潟県青海町上路(あげろ)地区湯ノ谷にエクロジャイト質藍閃石片岩が産する.この岩石は主として藍閃石(37%), ざくろ石(21%), オンファス輝石(19%), 緑れん石(19%)と少量の石英, 曹長石, フェンジャイト, 緑泥石, ルチル, チタン石から構成される.エクロジャイト相鉱物組み合わせ 'ざくろ石+オンファス輝石+藍閃石+緑れん石+石英+ルチル' はマトリクスの片理(S_1)を構成し, わずかに二次的な緑泥石, 曹長石, 方解石に置換され, S_1片理形成以前の緑れん石青色片岩相の鉱物組み合わせ '藍閃石+緑れん石+チタン石+石英+曹長石' の包有物列(S_0)がざくろ石のコアに観察される.蓮華変成帯では, これまでにも残存エクロジャイト相鉱物の報告はあったが, 今回, 岩石組織と鉱物化学組成・累帯構造から, 初めて, 緑れん石青色片岩相からエクロジャイト相への累進変成作用を読みとることができた.
著者
木村 克己
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.105, no.3, pp.208-226, 1999-03-15
被引用文献数
1 7

犬山地域に分布する美濃-丹波帯のコヒーレントなチャート・砕屑岩ユニット(犬山シーケンス)には, 付加に伴って形成されたさまざまなタイプのスラストが発達している.これらの剪断帯の特徴とスリップ方向を南北3kmの木曽川沿いのルートで検討した.観察したスラストは20本であり, うち19本は断層条線, 残り1つはデュープレックスのファブリックからスリップ軌跡を求め, 非対称変形構造に基づいてスリップセンスを決定した.スラスト以外の縦走系断層として, 左横ずれ断層が認められるが, 断層条線の方位や剪断帯の特徴の相違からスラストと区別できる.スラストのスリップ方向の平均値は, 褶曲・傾動の補正後, N60°E-S60°Wの地層の一般走向に直行するS30°Eを示す.西南日本のアジア大陸からの回転変位と大規模屈曲構造を復元した際に, このスリップ方向は, ジュラ紀最後期〜白亜紀最初期にかけてアジア大陸下に直交方向に沈み込んだイザナギプレートの相対運動方向にほぼ平行である.
著者
湊 正雄 橋本 誠二 陶山 國男 武田 裕幸 鈴木 淑夫 木村 昭二 山田 一雄 垣見 俊弘 市川 輝雄 末富 宏
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.60, no.708, pp.378-387, 1954-09-25
被引用文献数
2 3

Die machtige permische Formation des Setamai-Gelandes im Kitakami-Gebirge ist in zwei Subsystem teilbar; das obere ist das Toyoma-Untersystem, das lithologisch meistens aus Tonschiefern und granitfuhrenden Konglomeraten besteht und verhaltnismassig fossilarm ist, wahrend dagegen das untere Untersystem, d., i., das Yukisawa-Untersystem, ortlich sehr reich an kalkigen Tonschiefern bzw., Kalkschichten ist und bestehend fossilfuhrend., Hinsichtlich der vielen Gliedrungstiere kann das Yukisawa-Uutersystem wieder in zwei Serien gegliedert werden, in die Sakamotosawa- und Kanokura-Serie., Wir sind dabei der Ansicht, dass eine stratigraphische Lucke zwischen beiden vorhanden ist., Die wichtigsten Ergebniss in Bezug auf die Dauerzeit der Gattungen bzw., Spezies sind folgende: 1., Pseudoschwagerina erscheint bald nach dem Basiskonglomerat der Sakamotosawa-Serie und dauert bis zur J_0 Horizonte (Siehe Abb., 2)., 2., Dagegen erscheint Parafusulina in der I_2 Horizonte und dauert bis zur L_0., 3., Lepidolina zeigt eine Dauerzeit zwischen L_0 und L_1., 4., Lophophyllidium suetomii MINAT0 sind die wichtigen Gliederungstiere der I_0 Horizonte; Yatsengia Kabayamensis MINATO und Michelinia (Michelinopora) multitabulata YABE et HAYASAKA tritt besonders in der Horizonte J_1 auf; Waagenophyllum indicum var., usuginuensis MINATO, Wentzelella kitakamiensis YABE et MINATO charakterisieren die Horizonte L_0., 5., Die sogenanten Lyttonia-Faunen HAYASAKAS trenten nur im unteren Teile der Kanokura-Serie auf.,
著者
鳥海 光弘 榎並 正樹 平島 崇男 渡辺 暉夫 Wallis Simon 高須 晃 西山 忠男
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.49, pp.71-88, 1998-03-27

この多人数の著者による論文は, 将来の進歩に向けての展望と戦略に重点を置いて, 岩石学の展開を議論する。鳥海は来るべき21世紀に向けての岩石学の使命とそれを達成するための戦略についての個人的見解を述べる。榎並と平島は高圧・超高圧変成作用の現代的視点を議論する。彼らは, 岩石学の古典的な手法が, 熱モデル・テクトニックモデルと結合された場合には, その温度・圧力履歴を解明するのに大変有用であることを示す。"テクトニクス"の定義の議論から始めて, ウォリスはテクトニクスにおけるこれまでの解釈についていくつかの重要な疑義を呈している。造山帯において単純剪断よりは伸長テクトニクスの証拠が増加していることはその一例である。大陸地殻のテクトニクスは地球科学において現在でもなお盛んな研究領域である。彼は大陸地殻の変形についてのプレートテクトニクスを越える最近のアイデア, 例えば大陸リソスフェアを堅いプレートではなく粘性流体とみなす考えなど, を議論している。渡辺は過去の超大陸, ロディニア, の再構成に関する最近の進歩をレビューし, テクトニックプロセスの解釈における inverse modelingとforward modelingの重要性を議論する。高須は年代測定法の岩石学への応用の最近の進歩, 特にSHRIMPやCHIMEなどの微小領域年代測定法を議論している。彼は間違っているかも知れない年代測定のデータに信を置きすぎる人たちによるその応用の危険な側面を強調している。

1 0 0 0 OA 久米島

著者
黒岩 恒
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.5, no.59, pp.409-419, 1898-08-20