著者
中 精一
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.51-54, 1974-03-25

畑雑草の防除の効率化をはかるために,牽引型除草機の作業条件と作業体系とを組合わせて,機械除草の限界と雑草の種類組成ならびに大豆の生育・収量に及ぼす影響について検討した。1)雑草本数は効果的な条件を連続して適用すると経時的に減少するが,除草効果を高めるには,初期に作用の大きい条件を適用する方式と経時的に作用を増す方式があることが判った。2)ホー除草に比べて機械除草区の雑草本数は0.7〜4.9倍,雑草重は1.8〜16.2倍であり,除草爪の作用深さが増すにしたがって雑草量は減少した。最適作業条件は「作用位置5.cm-作用深さ8cm-連続3回掛け」の条件である。3)除草作用は播種25,45日後の作業で大であり,作業前に比較して雑草本数はそれぞれ68〜81%,43〜84%に減少した。4)作業前の雑草の種類組成は,本数でメヒシバが74%を占めたが,作業回数が増し,雑草総本数が減少するにしたがってメヒシバの占める割合が減少し,ツユクサ,タデ,ヒエの割合が増加した。5)大豆の収量はホー除草に比べて若干低収の傾向があるが,作業条件の間では明確な傾向は認められなかった。
著者
田中 俊実 小山田 正美
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.171-175, 1991-09-02
被引用文献数
1

全国35地点の水田土壌を採集し、ナプロアニリドの除草活性の変動要因と考えられる土壌特性との関連性について検討した。 1) ナプロアニリドのイヌホタルイに対する除草活性I_<90>値は、35地点の土壌のうち29地点は0.5〜2.0 ppmの範囲にあったが、北海道(南幌)、栃木(宇都宮)、茨城(牛久)、神奈川(藤沢)の土壌で除草活性の低下が認められた。4地点の土壌に共通する特徴は、炭素含有率が高く、ナプロアニリドやNOPに対して強い土壌吸着を示した。 2)土壌特性のうち、炭素含有量、窒素含有量、ナプロアニリドおよびNOPの土壌吸着係数の各要因とナプロアニリドの除草活性との問に高い相関が認められた。 3) ナプロアニリドの除草活性は土色の明度、色相b、彩度との問にも高い相関があり、これらの特性はナプロアニリドおよびNOPの土壌吸着係数との問にも相関が認められた。 4)以上の結果から土壌有機物を多く含む水田土壌では、ナプロアニリドおよびNOPが強く吸着されるため除草活性が低下すると考えられる。また、除草活性の変動を知る方法として土色の識別が利用できる可能性が示された。
著者
内田 成 荒木 順一 青山 良一 西 静雄
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.300-306, 1998-12-28
参考文献数
23
被引用文献数
1

グリホサートによるスギナ防除に及ぼす生育ステージの影響を検討するため, 1/5000a ポットに生育させたスギナを供試して, グロースチャンバー内で実験を行った。栄養茎の生育初期(草丈3〜13cm・分枝前〜分枝始期), 栄養茎の生育盛期(草丈15〜25cm・分枝盛期), 栄養茎の衰退期(草丈15〜30cm・自然壊死始期)の3時期にグリホサートを処理した結果, スギナ防除には生育盛期の処理が最も有効であった。次に, グリホサートによるスギナ防除に及ぼす土壌水分ストレスの影響を検討するため, 土壌を乾燥させて栄養茎の先端部分が萎凋するまでストレスを与えた試験区と, 通常に灌水を行って土壌を常時適湿状態に保った試験区を設定してグリホサートを処理した結果, ストレスを与えたスギナよりも通常に灌水を行ったスギナの方がグリホサートの影響を強く受けた。
著者
猪谷 富雄 藤田 琢也 玉置 雅彦 黒柳 正典 藤井 義晴
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.316-323, 1999-12-28 (Released:2009-12-17)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2 2

タデ科, カタバミ科, アカザ科, シュウカイドウ科, バショウ科の体内に比較的高濃度のシュウ酸塩を含むことが知られている植物種 (以後, 本論文ではシュウ酸植物と記す) 計53種を供試し, それらの乾燥葉から滲出する物質のレタス初期生育に対するアレロパシー活性をサンドイッチ (SW) 法によって検定した。SW法では供試植物乾燥葉を0.5%寒天中に包埋後, 検定植物の種子をその上に播種し,20℃で3日後の幼根長と下胚軸長を測定し, その伸長程度 (対照区比) によって供試植物のアレロパシー活性を評価した。その結果, ショウ酸植物にはアレロパシー活性に関して大きな種間差異がみられ, 特にカタバミ科とシュウカイドウ科 Begonia 属において最も活性が強く, ほとんどの種で乾燥葉からの滲出物がレタスの幼根伸長を90%以上抑制した。次に, アレロパシー検定に供試したシュウ酸植物のうち18種の総シュウ酸含量 (水溶性および不溶性を含む) を測定し, 上記SW法における幼根長の対照区比との関係を検討した。その結果, シュウ酸植物の総シュウ酸含量には大きな種間差異が存在し, かつほとんどの植物種については総シュウ酸含量とそのレタスの幼根伸長の対照区比との間には有意な負の相関が認められた。従ってシュウ酸植物の示すアレロパシー活性の一因は体内のシュウ酸であることが示唆された。一方, 数種のシュウ酸植物については上記の相関関係から逸脱するものも存在したので, これら植物のアレコパシー活性には, 植物体中の総シュウ酸の化学的形態の違いや他の抑制物質が関与している可能性が推察された。
著者
渡辺 泰 広川 文彦
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.36-41, 1969-12-25
被引用文献数
1

北海道の畑作雑草10種を対象に,種子の休眠の程度とこれらの越冬条件に対する反応を調査した。(1)イヌタデ,シロザ,オオイヌタデ,タニソバは休眠が深く,半年地中越冬すると覚醒したが,5℃室内越冬によっても後の2種は相当覚めた。アキノエノコログサ,ツユクサ,ヒメイヌビエも休眠が深いが,これらの種子は5℃室内越冬によって休眠が覚めた。ナギナタコウジュは採種直後の種子で休眠を示した。地中越冬よりも5℃室内越冬の発芽率が高かった。ハコベは8〜9月採種種子は休眠が浅く,地中越冬で二次休眠に入り,翌春変温下で覚醒した。11月採種種子は休眠がかなり深く,低温湿潤処理しても覚めなかった。アキメヒシバは休眠が最も深く,各種の処理でも覚めなかった。(2)冬期間戸外の大気中で後熟したものはアキノエノコログサ,オオイヌタデ,ナギナタコウジュ,ヒメイヌビエあった。(3)0〜1℃の湿潤〓紙上で休眠が覚めた種類とその所要期間は,オオイヌタデとシロザが1か月,イヌタデが2か月,ナギナタコウジュが4か月,タニソバが6か月であった。その他の種類は6か月の処理期間中全く休眠が覚めなかった。終りに,調査に御協力を頂いた岡啓技官,奥山善直技官に御礼申し上げる。
著者
森田 弘彦
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.200-214, 1981-11-25 (Released:2009-12-17)
参考文献数
41
被引用文献数
5 4
著者
中谷 敬子 野口 勝可 草薙 得一
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.184-188, 1996-10-25 (Released:2009-12-17)
参考文献数
11
被引用文献数
1

スギナの胞子の発芽および前葉体の形成条件を培養条件下で検討した。その結果, MS寒天培地, 明条件下では, 胞子置床後約30日で前葉体が, 約60日で栄養茎がそれぞれ形成された。続いて, スギナの胞子の発芽および前葉体の形成に及ぼす温度条件, 培地の酸性度, 酸素要求性および土壌水分条件等の環境条件の影響についてMS寒天培地, 土壌培地等を用いて検討した。スギナ胞子の発芽可能温度域は15~30℃, 最適温度は20℃であった。培地の酸性度については, 寒天培地の場合はpH 4.5~6.5の範囲で発芽が認められ (最適値はpH 5.7), 土壌培地の場合は, pH 5.3~7.2の範囲で良好な発芽後の分裂伸長が認められた。また, 窒素封入条件でも発芽し, 発芽に際して酸素要求性は低かった。胞子の発芽および前葉体の形成に関しては, 土壌水分の影響が大きく, pF 2.7以下の条件で発芽可能, pF 2.0以下の条件で前葉体形成が認められ, 土壌水分が高いことが必要であることが明らかになった。
著者
野田 健児 テラワッサクール マニサ
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.55-60, 1982-05-26

National Weed Science Research Institute Project has been started in September, 1980 in Thailand sponsored by Japan International Cooperation Agency (JICA). This project is derived from the seriousness of weed problems in agricultural as well as non-agricultural situations in Thailand at present. In order to learn its necessity, the Preliminary Survey in February to March 1979, the Long-term Survey in January to February 1980 and the Implementation Survey for Record of Discussion in April 1980 were performed by JICA. In this paper, the outlines of weed problems in Thailand and of project performance have been introduced. 1. Principal weed species in Thailand are listed in Tables I to 3 in respective paddy, upland and non-agricultural sectors. They are considerably different from those in Japan, and some of them should be laid special stress on control in actual fields and then be employed mainly in research in the coming time. 2. The greatest damage due to weeds is yield losses of crops, particularly in direct-seeded rice, lower planted and/or large scaled crops such as soybeans, mungbeans and peanuts, and intensively cultivated vegetables. Further, small scaled rubber has given severely reduced latex yield due to weeds and woody plants. Further, specific weeds have provided hazardous effects in agricultural operation, useful animals and human kind in fields and so on. 3. Main methods of weed control in Thailand are composed of water control in paddy and hand weeding by small tools in upland. Herbicide application is now less, but it seems to increase very much if effective herbicides are developed because farmers have strong interest in it. 4. National Weed Science Research Project (NWSRI project) has been started in September, 1980 in order to solve urgent weed problems but also to make permanently upgrading of weed science research activity in Thailand because of its backwardness compared with plant pathology and entomology in the plant protection field. 5. The project involves three kinds of activity: 1) Dispatch of long- and short-term experts from Japan 2) Supply of equipment and/or machinery necessary to do cooperative work in Thailand 3) Training of counterparts in appropriate organizations of Japan.
著者
高江洲 賢文 中川 恭二郎
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.p51-57, 1985-05

This study was carried out to analyse the pattern of organ formation, particularly the daughter bulb formation. 1) The scales of the mother bulb (MB) were oriented on a generic spiral, which was reached to the tops, at the phyllotaxis of 3/8. No increase of the scales was observed during the vegetative period. Radical leaves were formed on the generic spiral elongating to the tops at the phyllotaxis of 3/8. 2) One primary daughter bulb each (DB1) was generated on the axiles of both radical leaves and scales. The number of primary daughter bulbs of the scales (DBS1) was almost equal to that at the initial stage. On the other hand, the number of primary daughter bulbs of the radical leaves (DBL1) corresponded with that of the leaves because at the initial stage a daughter bulb was transformed into a flower bud. These results suggest that the morphogenesis of the flower bud may be affected by intrinsic factors of the plants. 3) DB1 was formed most rapidly on the middle nodes, where the phyllotaxis was changed from scales to radical leaves. DBL1 formation was acropetal and DBS1 formation was basipetal. These findings suggested that the differences in the formation of DB1 may be one of the effective methods for reproductive strategy. 4) Some scales of the DB1 (SDB1) did not change but other developed to radical leaves of the DB1 (LDB1), indicating that DB1 can be come adapted to various environments. This plasticity may be an important character for this species. 5) Secondary daughter bulbs (DB2) were formed from the basal nodes to the top ones at the axile of DBI regardless of the type of leaves. A large number of DB2 were generated on the middle nodes of MB. 6) MB produced many adventitious roots at the base, which were fibrous in the early stage but become enlarged and formed root tubers subsequently.
著者
浅野 紘臣 磯部 勝孝 兼平 勉
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.19-24, 2001-03-30
被引用文献数
4

アイガモ農法を1-8年継続した水田土壌における雑草の発生量を調査した。出現草種はヒエ類, カヤツリグサ類, コナギ, アゼナ類, アブノメ, キカシグサ, ミゾハコベ, チョウジタデ, ヒメミソハギ, タカサブロウ, ホシクサ, ミズキカシグサ, ヒデリコ, ウリカワの14草種であった。アイガモ農法継続1-8年の平均における発生数はアゼナ類, ミゾハコベ, キカシグサ, カヤツリグサ類およびコナギの順であり, 同農法を継続しても上位5草種に変化はなかった(第1図)。アイガモ農法を1-4年継続した土壌からの全雑草の発生数は, 2,857-401本/m^2であった。継続5-7年は, 1,123-1,608本/m^2であり, 慣行農法田(2,296本/m^2)に比べて継続5-7年では49-70%少なかった(第4図)。このことは適切な栽培管理を行えばアイガモ農法を継続することにより, 雑草の発生は慣行農法に比べて減少する可能性を示唆していると考えられた。
著者
中村 直紀 根本 正之
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.27-33, 1994-05-13
被引用文献数
2 1

Eupatorium odoratum はキク科の多年生低木で熱帯アジアの焼畑放棄地にしばしば侵入し優占群落を形成する。焼畑放棄地でよくみられるベニバナボロギク、カッコウアザミ、ギョウギシバ、カタバミおよびE. odoratum の実生成長に及ぼす E. odoratum の他感作用とその庇蔭効果について検討した。石英砂を充填したポットに各植物の実生を移植し、その表面に粉末にした E. odoratum 生葉を添加して、これらを温室内の相対照度が各々100%、 30%、 10%の人口庇蔭条件下で栽培した。またE. odoratumの粉末の代わりに他感作用のみられない腐葉土の粉末を添加して同様の庇蔭条件で栽培し、両者を比較した。E. odoratum 粉末の添加と庇蔭の双方の処理を施した場合、キョウキシバを除く他の実生の成長は、庇蔭処理のみのものと比較してより強く抑制され、しかも抑制の程度は10%区の方が30%区より強かった。一方ギョウギシバの実生は庇蔭処理単独で著しく成長が抑制された。そのため庇蔭条件下での粉末添加による成長抑制効果は明らかでなかった。
著者
ホサイン M. A. 石嶺 行男 倉持 仁志 赤嶺 光 村山 盛一 近内 誠登
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.197-205, 1997-11-25
被引用文献数
3

ハイキビ(Panicum repens L.)は熱帯・亜熱帯に分布するイネ科の多年生雑草で, その主な繁殖型が地下茎であるため, 防除困難な雑草の1つとして教えられており, 熱帯・亜熱帯の農耕地, ゴルフ場ならびに休耕地等でその雑草害が報告されている。今回は沖縄市高原のハイキビ自生地はおいて, 既存の薬剤でハイキビ防除に有望と考えられた作用性の異なる除草剤計27剤を選抜し(Table. 1), それらの使用基準薬量の上下に試験薬量を設定し, ハイキビの生育期において有効な薬剤の選抜試験を行った結果, 以下の知見が得られた。薬剤処理後21日目の調査時で, ハイキビの茎葉部に対して高い除草剤活性を示した薬剤はヘキサジノン, アシュラム, グリホサート, ビアラホスおよびグルホシネートの5剤であり, それぞれ47〜60, 60〜87, 40〜67, 57〜67, 80〜90%の除草活性を示した(Table 1 2)。次にこの5剤のハイキビに対する再生抑制効果を調べるために薬剤処理後35日目に地下茎と球茎を掘上げ, シャーレ試験を行った。まず地下茎を用いた試験では, ヘキサジノンで95〜100%, アシュラムで92〜95%, グリホサートで82〜97%, ビアラホスで56〜72%, グルホシネートで91〜100%の発芽阻害活性を示した(Table 3, 4)。また球茎を用いた試験では, ヘキサジノンで48〜59%, アシュラムで90〜92%, グリホサートで62〜65%, ビアラホスで25〜50%, グルホシネートで49〜88%の発芽阻害活性を示し(Table 3, 4), この5剤がハイキビに対して有効な薬剤であることが示された。
著者
梅本 信也 小林 央往 植木 邦和 伊藤 操子
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.244-248, 1998-10-30

Eclipta prostrata (L.) L.と記されてきた日本産タカサブロウの2変異型を分類学的に検討するために, おもに近畿地方2府4県ならびに沖縄, 福井, 石川, 埼玉および茨城県の水田畦畔において採取した127系統を同一条件で栽培し, 得られたさく葉標本のそう果と葉の形態を観察した。その結果, すべてのさく葉標本と採取系統は, そう果が大型で狭卵形から披針形の葉をもつRound型と, 痩果が小型で披針形から挟披針形の葉をもつSlender型の2群に区別された。従来, 日本産タカサブロウに対しては, Eclipta prostrata (L.) L.が宛てられてきたが, 原記載の引用図譜には明らかな多細胞性の開出毛がある。そこで、タカサブロウ属に関する分類学文献と京都大学理学部(KYO)所蔵のさく葉標本を用いて検討したところ、えられた2群はE. prostrataとは別種であり、前者はEclipta thermalis Bungeタカサブロウ, 後者はE. alba (L.) Hasskarlアメリカタカサブロウとするのが妥当であると考えられた。
著者
中谷 敬子 草薙 得一
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.176-182, 1991-09-02
被引用文献数
8

シロザ、メヒシバ、ヒメイヌビエ、ハルタデの4草種を供試して1983年から3年間毎年播種期を 4月から9月だいし10月まで変えて、地上部生育量、播種後出穂・着蕾までの日数および種子生産量を調査 し、次の結果が得られた。 1)播種後出穂・着蕾までの日数は4〜8月播種では各草種の日長反応性に対応した差異が認められたが、9〜10月の播種では各草種とも生育が温度により制約され、日長反応性による差は認められたかった。 2)出穂・着蕾が可能な播種期の限界はメヒシバ、ヒメイヌビエでは8月下旬、シロザ、ハルタデでは10月上旬であった。また種子の着生が可能である播種期の限界はシロザでは9月上旬、他の3草種では8月下旬であった。 3)草丈・主茎長あるいは地上部乾物重だとの生育量は各草種とも播種期が遅くなるにともない減少したが、減少程度は短日性のシロザで大きく、中目性のハルタデで小さいなど、草種により異なった。 4)種子生産量は地上部生育量に対応する傾向がみられ・各草種とも4〜6月播種の場合に最も多かった。 5)種子の千粒重はシロザを除いて播種期が遅くなるにともない減少し、個体当たりの生産種子粒数の減少を補償する傾向を示したが、シロザの8月播種の場合の千粒重は大きくなった。また、REは短日性のシロザや量的短日性のメヒシバおよびヒメイヌビエでは播種期が遅くなるにともない増加したのに対し、中日性のハルタデでは播種期が遅くなるにともない減少した。 6) 生殖器官への乾物分配率は短日性のシロザでは播種期が早い場合には生育後期に集中して高くなり、播種期が遅い場合には生育初期から分配が開始され徐徐に増加したのに対し、中日性のハルタデでは播種期にかかわらず各器官への分配率の推移のパターンは変化しなかった。