著者
正門 由久 富田 豊
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

転倒予防への基礎研究として以下を調べた(1)立位での外乱に対する反応と年齢による違い、(2)認知課題の歩行への影響と年齢による違い、(3)歩行中外乱に対する杖の影響。成果は以下の通りである(1)外乱へのステップ反応にて高齢者では予測的姿勢調節の有無がバランスに大きく影響している、(2)高齢者では認知課題により左右脚の肢間協調が乱れる、(3)杖はバランスの回復には役に立たず、むしろ転倒の危険を増す。
著者
上山 義人 山口 奈緒子 窪田 泰夫
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

ヒト頭髪in vivo実験系を確立する目的で、単離ヒト頭髪毛包の凍結保存法を検討した。採取したヒト頭皮から眼科用ハサミ、ピンセットにて機械的に毛包を単離し、そのままSCIDマウスに移植する群と一旦凍結してから移植する群に分けた。直ちに移植する群は、その場で移植し、凍結群はDMSO添加細胞凍結用保護培地に浸漬して凍結用チューブに入れ、ドライアイスにて凍結し、液体窒素中に一週間以上おいて、BALB/cA-nu,scidマウス背部皮膚へ移植した。両群(凍結保存群92本、未凍結群58本)で毛包の生着率を比較したところ、凍結群27.2%、未凍結群27.9%で、凍結保存による差は認められなかった。組織学的にも差違は認めなかった。このように、単離ヒト頭髪毛包は通常の細胞凍結技術の応用で比較的簡単に凍結保存が出来ることが判明した。そのため、上記の方法で凍結保存しておけば、計画的な移植実験が可能となる。移植成功率が1/4-1/3と考えると、一匹に10本程度の移植をしておけば、ほぼ2本のヒト頭髪を持った免疫不全マウスが得られるということになり、十分、実用に耐えうる。以上の結果が得られたため、年齢、性、部位、疾患別に整理して、“単離ヒト頭髪バンク"を作ることを試みた。しかしながら、最近の剖検率の低下、特に、頭部の剖検体数の低下、臨床におけるインフォームド・コンセントの難しさなどの問題があり、現在までのところ、総数11例に止まっている(いづれも健常人の頭髪、男女ほぼ同数、部位別には側頭部が多い)。次に、この実験系を用いてヒト頭髪に対すエナント酸テストステロンの影響を調べたところ、投与群5本の内2本において毛幹の脱落を認め、生着した毛包にも組織学的に退行変性の像を認めた。しかし、変化の全くなかった毛包も認められたため、今後の検討が必要である。
著者
江口 智 平尾 邦雄 松尾 弘毅 石井 信明
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 工学部 (ISSN:05636787)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.187-197, 1992

This paper describes the guidance strategies of solar sails which leave the circular orbit with 50,000km radius around the earth towards the moon. The solar sail is a spacecraft which is thrust by the light pressure (radiation pressure) of the sun. The design of the orbit targeting the moon using the solar sail is complicated due to reasons as follows : 1) The thrust obtained by the solar light pressure is so small that the long flight time is needed in the lunar mission. 2) As the thrust vector is determined by the relative angle between the sun and the sail, magnitude and direction cannot be controlled independently with a sail. One of the typical control method of the solar sail is "Maximum velocity increment control", where the sail direction is always kept along the instantaneous velocity of the spacecraft to get the maximum acceleration. It is efficient to increase the radius of orbit in the initial phase, but insufficient in the last phase to hit the moon. Therefore, other control procedure should be adopted to approach to the lunar orbit. In this approaching phase maneuver, the principle of "Maximum velocity increment control" is still used in conjunction with the control of the magnitude of acceleration between zero and 100% of the maximum level, which can be achieved by means of the specially designed sail. With this method, the apogee distance as well as the arrival time to the apogee can be adjusted to hit the moon. The most efficient time to switch from the initial to the approaching phase is also discussed with R-T (the apogee distance the apogee passage time) diagram proposed in this paper.
著者
程島 奈緒
出版者
東海大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

雑音下で発話の特性が変化することを応用し、駅など残響がある公共空間で高齢者や非母語話者に聞きやすい音声案内の作成を目的とした。若年者と高齢者に対する聴取実験の結果、白色雑音/残響を聞きながら発話した音声は、静かな環境で発話した音声(現在の音声案内)よりも、雑音/残響下(信号対雑音比=-2, 0 dB、残響時間1.4~3.6 s)で明瞭度が有意に上昇した。これらの音声を公共空間に拡声することで明瞭な音声案内を提供し、「音声によるバリアフリー」を実現できる可能性を示した。
著者
阿部 幸一郎 今井 賢治
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

マウスでランダムに突然変異を誘発させることで、炎症性関節炎を引き起こすAli18系統が確立された。Ali18変異を同定するために、遺伝的解析及び候補遺伝子のDNA配列の決定を行った。その結果、第4番染色体に位置するリン酸化酵素のコード領域に突然変異が検出された。リン酸化は細胞のシグナル伝達に関係があり、Ali18変異による増殖シグナルの増幅が関節炎発症に関与すると考えられた。また、Ali18シグナルを阻害すれば炎症を抑制できる効果が期待された。
著者
田中 暉夫
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

土壌や根圏に生息する微生物である枯草菌は細胞外に多量の蛋白質分解酵素であるプロテアーゼを分泌する。プロテアーゼの役割は、細胞の周辺にたまたま存在する動植物の破片やその細胞内容物に含まれるタンパク質をアミノ酸またはペプチドにまで分解し、細胞に取り込まれる形にするものと考えられる。しかし、枯草菌は必要な時にだけ、すなわち、栄養が不足した時にだけプロテアーゼを分泌する。本研究は、このような制御のメカニズム解明を試みた。その結果、グルタミン合成酵素が細胞内の栄養(窒素源)状態を感知し、その制御下にある種々の転写制御因子をコントロールしてプロテアーゼの産生を制御しているという結論を得た。
著者
穂積 勝人
出版者
東海大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2010

胸腺内T細胞分化を支持するNotchシグナルの分子機構解析造血未分化細胞の胸腺への移行に始まるT細胞分化には、胸腺環境を担う上皮細胞を介したNotchシグナルの発動が必須であるが、その分子的詳細は明らかではない。これまで、未分化T細胞におけるNotchシグナルの解析には、Notchリガンド(NotchL):Dll1あるいはDll4を強制発現させたOP9細胞等の単層培養系が用いられてきた。しかし、これまでの我々の解析から、上記単層培養系にて調製された未分化T細胞は、胸腺内ではT細胞へ分化できないことが明らかとなり、単層培養系と本来の胸腺環境との間には、少なからず差異があることが示唆された。そこで我々は、Notchシグナルを付与しないT細胞分化環境として、Dll4欠失胸腺を用い、未分化T細胞への様々な遺伝子導入により、Notchシグナルを代替しうるシグナルについて調べた。Dll4非存在下に胸腺未分化T細胞(DN112画分)を胸腺器官培養にて分化誘導を行うと、ほとんどT細胞は分化しなかった。これは、TCR6鎖およびpTαの遺伝子導入を行っても改善しなかった。また、Notch下流にて機能することが示唆されるc-mycおよび活性化Aktの共発現によっても正常T細胞分化は再現できず、異常増殖が観察されるのみであった。これに対し、DN3画分のDP細胞への分化については、c-mycの恒常的発現によって、Dll4由来シグナルの欠失による分化停滞を限定的ながら回復させることが見出された。これらのことから、T細胞分化および正常細胞増殖の担保には、制御されたNotchシグナルの発動が重要であり、その本態としてc-mycが関与することが推察された。
著者
砂田 寛司 堀越 哲郎 榊原 学
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 開発工学部 (ISSN:09177612)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.65-75, 2009-03-31

これまでの研究でヨーロッパモノアラガイの成体(殻長21 〜 26 mm)を用い,嫌気状態下での呼吸行動を1回のKCl 提示により減少させるone-trial conditioning を行うことにより長期記憶が形成されることと,オペラント条件づけにおいて,モノアラガイの捕食者であるザリガニの溶出物(crayfish effluent: CE)を含むザリガニ飼育水中で,条件づけを行うと,pond water(PW)下でトレーニングを行ったときと比較し,長期記憶の保持時間が延長されることが報告されている(Lukowiak et al., 2008).本研究ではCE 環境のone-trial conditioning に対する長期記憶の形成と,延長の効果を成長段階で呼吸様式の変化がある幼生(殻長12 〜 16 mm)と成体に分けて検討した.長期記憶の形成に伴う電気生理学的な活動の変化を,呼吸行動の中枢リズム発生器(CPG)であるRPeD1 と,RPeD1 を抑制的にシナプス結合する殻引込みの介在ニューロンRPeD11 から記録した.その結果,幼生においてPW 環境でトレーニングしても長期記憶は形成されないが,CE 曝露後に行うトレーニングにより長期記憶が形成された.また成体ではCE 曝露後のトレーニングでは長期記憶の保持時間は延長した.またRPeD1 で見られる電気生理学的な活動の減弱は,少なくともRPeD11 がもたらす興奮性増大の影響を受けていることが示唆された.
著者
田中 博通 藤原 広和
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

研究実績の概要は下記の通りである。1.多点風速計と超音波風速計を使用して自然風を観測した結果、以下の知見を得た。(1)平均風速の鉛直分布は対数分布となった。地表から1〜2mまでは、地表の粗度の影響を受けて乱れ強さは増加するが、地表から離れるにつれ測定した10mまでは風速が増加しても乱れ強さはほぼ一様な分布となった。(2)鉛直断面における変動風速の横相関係数C(r)は、r=9.5mの場合でも0.6以上の値となり、自然風はかなり大きなスケールであるといえる。(3)水平方向風速と鉛直方向風速の乱れ強さは、水平方向の平均風速が大きくなると増加する特性がある。2.リンゴ果樹の枝のヤング率について、様々な枝の付き方があることから、今回は直接現場で引張り試験を行った。その結果、以下の知見を得た。(1)枝のヤング率は枝の高さや枝の勾配や枝の太さに関係なくほぼ一定になった。(2)リンゴの枝のヤング率の平均値はE=3.3×10^7gf/cm^2となり、柿の枝のヤング率と同程度となった。3.自然風によるリンゴの揺れは、2台のCCDカメラでステレオ撮影し、それを画像処理して求めた。その結果は下記の通りである。(1)自然風によるリンゴ果実の変動は、前後の変動が大きく、上下・左右の変動はそれに比べ小さい。(2)自然風によるリンゴ果実の変動は、風速の大きさよりも、風速の変動の大きさに関係する。(3)風速が強い時は枝は大きく揺れないが、風速が弱まったとき力が解放され揺れる。従って、枝揺れやそれにともなうリンゴ果実の振動は風の息に関係する。(4)防風ネット背後でのリンゴ果実の変動は、風速の強弱、変動に左右されない。
著者
河村 勝久 平野 葉一 柴田 正憲 淺香 隆
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究では1.教育研究所がHUB局となり、インターネットを利用したe-Learning活用のためのコミュニティーシステムを作り、教員同士で疑問に思ったことを互いにぶつけ合い、協同的に探求しあいながら共同のe-Learning構築を目指す。2.大学教員及び高校教員に対するe-Learningシステム活用支援システムを開発し、学習を情報と捉え、情報理解能力・情報選択能力・情報批判能力・情報生成能力・情報伝達能力を支援する。3.数学教育においては「生きる力の教育」を「数学を活用する力」と捉え、体験的作業的学習と問題発見解決型学習を推し進めるため、学生たちの視覚的理解を可能にする教材モデルの作成と実践。を研究目的として、多数の関係者の協力得て研究活動を展開してきた。この結果、目的1に関しては、東海大学学部学生・志内伸光君(現在名古屋大学大学院院生)と東海大学代々木電子計算機センターの技術員の協力のもと、e-Learning学習システムをサーバ機上に構築した。初年度はサーバ上にメールサーバを構築し、外部からの転送の確認と安全生の確認時間を費やした。その後、簡易的であるがホームページを立ち上げ簡単なコミュニティーシステムを試みた。目的2に関しては、平成14年から16年にかけて、定期的に研修会を開催し、e-Learning教材の開発およびプレゼンティションの仕様書などの作成行った。これに関しても、多数の資料が得られ、教員の意識改革の可能性の示唆を得ることができた。目的3に関しては、東海大学の数学教員の協力のもと、教材の検討、実際の授業での活用を踏まえた共同授業などを試みた。今後は、平野葉一氏が掲げる「機械仕掛けの数のマジック」のe-Learning化を目指し、学習者が数学教材・教具を見たり触ったりして観察や実験を行い、それらを作り、そこから「不思議」を感じ、体験的に「納得」し、その結果に「驚き」、「感動」する場を提供することができたように発展させたいと思っている。これも新しい教育改革に呼応することになるだろう。
著者
瀧口 桂子 松本 園子 富田 恵子 遠藤 久江 森久保 俊満 小林 理
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

<研究目的>核家族化や少子化が進み、地域社会の連帯も失われつつある現在、子育て中の家族が孤立化し、育児不安や養育困難な問題が生じ、児童虐待も深刻な社会問題となっている。本研究は乳児院や児童養護施設などの基幹児童福祉施設が要保護児童の保護や自立支援など従来の役割に加えて、地域社会の家庭養育支援施設としてどのように機能を拡大し、地域社会のネットワークを形成していくことができるか、またその課題を明らかにすることを目的とした。平成9年の児童福祉法改正により新設された「児童家庭支援センター」に焦点を絞り、センターがどのように設置運営され利用されていくかそのプロセスを調査し、地域におけるセンターの役割機能と地域子育て支援ネットワークの実態を明らかにして、これからの児童家庭支援センターの充実発展、さらにセンター制度改革への提言を行う。<研究成果>1.児童家庭支援センター構想とセンター制度が制定された経緯を検証した。2.児童家庭支援センター制度創設から5年間のセンター設置プロセスを明らかにした。児童家庭支援センターが発足して今年度で5年が経過した。平成14年度末現在、全国に36センターが設置されている。そのうち25センター(実質1年以上の活動実績があるセンター)を訪問し、運営方針、活動内容、利用状況、地域の関連機関との連携・ネットワークの形成、今後の課題などを聞き取り調査した。そのほか全国児童家庭支援センター会議で情報、資料収集を行い全センターの状況を把握した。3.児童家庭支援センターは付設されている本体施設の機能を活用し、地域の子育て支援機能を果たしていることは実証できた。しかし地域偏在、センター間の活動内容、利用状況の差が大きいこと、児童相談機関としての位置づけが明確でないこと、本体施設の運営、養護実践自体が厳しい状況下でセンター付置が容易でないことなど、多くの課題が明らかとなった。
著者
曲谷 一成
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

視覚障害者が介助者なしで自由に歩行することができるような支援機器の開発が本研究の目的である。このために以下に示す3つの装置の開発を行った。1.DGPSを利用し、視覚障害者の位置を計測し、その位置情報と地図情報により目的地までの道案内を行う誘導装置。2.赤外線を利用した標識により場所の案内や道案内を行う屋内施設用道案内装置3.施設内の床に目的地までの経路に沿って貼られた色テープを検出し、これを視覚障害者にしらせることにより目的地までの誘導を行うインテリジェント白杖。1.はカーナビゲーションシステムのようにDGPSにて利用者の位置を調べ、地図データベースを参照することにより目的地までの道案内を行う装置である。現在までに小型ノートコンピュータ、DGPS装置、および自立測位装置よりなるハードウェアの開発が終了している。ソフトウェアについては道の安全を考慮した最適経路算出手法、地図データベースおよび音声誘導システムについて開発を行った。現在、健常者を対象とした実験を行っており、この結果を踏まえたシステムのブラッシュアップが今後の課題である。2.は屋内施設の天井に取り付けられた赤外線標識と、利用者が携帯するその受信機とからなり、赤外線標識の発信する位置情報により、音声を用いた場所および道案内を行おうとする装置である。ハードウェアを構成し、視覚障害者を被験者として誘導実験を行った。その結果白杖の使用に習熟している利用者には有効であるが、そうでない利用者は手掛かりのない場所で真っ直ぐ歩けないため必ずしも有効に機能しないことが確認された。この問題を解決するため誘導経路をトレースすることが可能な3.のインテリジェント白杖の開発を行った。この研究では病院等で使用されている誘導ラインに注目した。ここで誘導ラインとは赤、青、黄色等に色分けされ床に貼られたラインで、特定の色のラインを辿って行くことにより目的地に到達できるようなものである。開発した白杖は先端に取り付けたカラーセンサにより誘導ラインの色を識別し、目的の色のラインの上に白杖がくると、バイブレータが振動し、そのことを利用者に知らせる。アイマスクにより全盲状態にした健常者を被験者として実験を行ったが、被験者全員が目的地に到達でき、本システムの有効性が確認された。
著者
阿部 望
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 教養学部 (ISSN:03892018)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.23-58, 2003-03-30

The EU Summit held in June 2001, which is called the Gothenburg European Council, adopted the Sustainable Development Strategy (SDS) for the European Union. This Strategy, which is considered as a core factor of the EU policy as a whole, strongly requests the policy integration, which means that each sector policy should include the environmental, social and economic considerations into its contents. In this sense, the SDS provides a very comprehensive policy and shows a future direction of the EU policy making. Obviously the SDS is not an idea which was suddenly hit on by European politicians but has been gradually prepared and implemented in the EU. This paper examines the historical development of the SDS in the EU and clarifies what the SDS truly implies. Furthermore, it tries to assess how much the SDS and policy integration have been realised as was initially expected since the beginning of 1990. The findings and conclusions of this paper are as follows: First, the development of the SDS in the EU has not been straight nor linear but proceeded along a long and winding road. Nevertheless the EU has been and seems very confident in setting the SDS at a core part of its policy making. Secondly, the SDS does not seem well structured to be consistently implemented through all relevant EU formations, sector Directorates-General in particular. Perhaps the SDS should be structured to conform to the Structural Indicators in the EU. Finally, it is not so clear whether the SDS has well functioned so far as was expected. It may be safe to conclude that the assessment of the implementation of the SDS is modest at the most judging from various points of view. Nevertheless it is so important to keep the SDS at a core part of the EU policy making since it will provide a consistent system of policy measures in the EU.
著者
西嶋 恭司 櫛田 淳子 河内 明子
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は,地上における大気チェレンコフ望遠鏡観測において,観測のスケジューリングや観測効率,観測データの質に大きな影響を及ぼす雲を常時監視し客観的な記録を残すために,赤外線全天雲モニターの開発を行うことであった.国立天文台で実用化された中間赤外線雲モニターをベースに,検出器部には8μmから14μmの赤外線に対して感度がある非冷却型固体撮像素子を備えた市販の赤外線カメラを用い,視野角を全天に拡大するための反射凸面鏡および副鏡を組み合わせた光学系を設計・製作した.画像の取得は,特注の45m長RS232Cケーブルでカメラとコントロールルームをつなぎ,パソコン上からGUIを用いてリモートコントロールできるようにした.リモートコントロールについては,適切なキャリブレーションを行えば,オフセットをオートにし,ゲインのみ調整すれば見やすい画像が得られることがわかった.また,昼間は摂氏40度を越える猛暑の砂漠の中で9日間の長時間連続運転テストの結果,一部のピクセルにノイズが乗ったものの正常に動作することが確認された.夜間の観測中には肉眼では視認できなかった薄い雲が,モニター画面上でははっきり見えており,その有効性が確かめられた.さらにデータを1次元スライスすると,雲の位置とその厚さが明確に見え,快晴でも天頂より低空の方が赤外線が強く見られた.当初,信号雑音比を上げるために画像の演算処理による重ね合わせを考えていたが,その必要が無いことも確かめられた.本雲モニターの導入により,空の状態の常時監視と客観的記録が実現するため、データの質の向上が期待され、効率的な観測のスケジューリングが可能となった。
著者
寺尾 保
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究は、肥満者を対象に、低圧環境下の歩行運動に対する運動終了後のエネルギー消費量(実験1)、さらに、12週間のトレーニング期間で歩行運動を週3回の頻度で、1回が高地(低圧低酸素環境)、残り2回が平地(常圧環境、走者応答型トレッドミル使用)の併用によるトレーニングの有効性(実験2)等を検討した。その結果、実験1では、1.低圧環境下の運動終了30分、60分後のエネルギー消費量は、常圧環境後の値に比べて,有意な高値を示した(p<0.05)。2.翌朝の安静時代謝量は、低圧環境後の方が非運動時の値に比べて、有意な増加を示した(p<0.01)。安静時の脂肪からのエネルギー消費量は、低圧環境後の方が常圧環境後に比較して、有意な増加を示した(p<0.01)。実験2では、1.トレーニング前後の体重は、実験群と対照群(週3回、常圧環境下の歩行運動)とも、有意な低下を示した(p<0.01、p<0.05)。トレーニング前後の平均値の差では、実験群が対照群に比して、大きな傾向を示した。2.体脂肪量は、両群とも有意な低下を示した(p<0.05)が、平均値の差では実験群が対照群に比して、大きな傾向を示した。3.トレーニング前後の安静時代謝量は、実験群が有意な増加を示した(p<0.05)。4.安静時の脂肪からのエネルギー消費量は、両群とも有意な増加を示した(p<0.01、p<0.05)が平均値の差では、実験群が対照群に比べて、大きな傾向を示した。以上、本研究の成績から、低圧環境下の歩行運動は、運動後、長時間にわたって脂質代謝を亢進させ、エネルギー消費量を高める可能性のあること、さらに、トレーニング頻度を週3回とした場合、1回の高地と2回の平地による併用の歩行運動が単に平地の歩行運動に比べて、長期間、継続することで安静時代謝量の亢進と脂質代謝の改善が行われ、より効果的な減量ができる可能性のあることが示唆された。これらの観点からも本トレーニングシステムは、肥満の有効な運動療法の1つになると考えられる。
著者
河野 啓子 松木 秀明 式守 晴子 松岡 昌子
出版者
東海大学
雑誌
東海大学健康科学部紀要 (ISSN:13474162)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.57-63, 2003
被引用文献数
1

東海大学健康科学研究科看護学専攻(修士課程)が開設され、3年を経た現在、より充実した大学院にするための見直しが必要と考えられた。その基礎資料を得るために、看護職の大学院への進学ニーズを明らかにすることを目的に本研究を行った。その結果、以下のことが明らかになった。1)大学院への進学希望者は「すぐに進学したい」は2.0%、「条件が整えば進学したい」は48.5%であり、両者をあわせると50%強であった。2)大学に対する要望としては、「研究指導日、講義日程が調整可能」、「通信教育」、「夜間開講」、「社会人特別選抜」、「土・日・祝日開講」など、働きながら就学できる条件が多くあげられた。3)大学院への進学において特に重要視する項目は、「カリキュラムの内容」、「入試科目」、「地理的条件」であった。
著者
松本 亮三 横山 玲子 齋藤 秀樹
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 文学部 (ISSN:05636760)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.148-172, 1997

The Scientific Expedition to the New World conducted the stratigrafical excavations at the archaeological complex of Campamento de Paredones from July 29th to October 1st, 1996. The site lies in the hot chaupiyunga ecological zone drained by the Chancay River, one of the main tributaries of the Lambayeque drainage system, and occupies a strategic point connecting the Lambayeque coastal zone with the Cajamarca highlands to the east. We concentrated the excavations in the Sectors E (Platform E) and G (Plaza G) aiming to clarify the site formation process, and could tentatively divide the whole cultural sequence into four successive phases, all belonging to the Late Intermediate Period (A.D. 900-1476). Thy are, from the lowest upward : the Raccarumi, Paredones, Carniche and Chongoyape phases. Although the analyses of the excavated materials have not yet been completed, we can suggest the following at present. 1) The site was occupied as an independent regional administrative-ceremonial center during the whole Late Intermediate Period with some architectural modifications in each phase. 2) The last Chongoyape phase represents the Chimu conquest and its subsequent occupation, narrated in the oral tradition documented by a Spanish chronicler, Miguel Cabello de Balboa in the late 16th century. And 3) Campamento de Paredones flourished all through the Late Intermediate Period playing a pivotal role in the socio-cultural exchanges between the coastal and highland ecological zones in the northern part of the Central Andean prehistoric cultural area.