著者
吉田 武夫
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 教養学部 (ISSN:03892018)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.1-20, 2005-03-30

In this paper I shall try to apply an alternative approach to the Modern Design Movement. The approach is a method to decode "a classic" of the history of modern design. The Movement is classified into three levels. Those are individual activities, the relation between them and the connection of all activities. Therefor, it can be said that the aim of decoding "a classic" is to elucidate the structure of the Movement. As for the concrete procedure, the method of system analysis like below is quoted. 1) Specification of influences (inputs to a process or system) to each activities. 2) Decoding the contents (functions of a system) of activities. 3) The result (the output) of activities. 4) Specification of the organization and groups influenced by the results. The subjects of design activities as conversion systems are classified into three levels like movement, organization or group and individual. Here, however, the level of organization or group is mainly dealt with. In this paper, the author makes use of Pevsner's "The Sources of Modern Architecture and Design" which is a classic of the history of modern design as a model case. And the method mentioned above is applied to this book. The main results of decoding are as follows. 1) The each activities contributed to the Modern Movement plays a very important role in changing the initial value of factors which decided the characteristic of the Modern Design into the direction of the targeted value. The factors mean the criteria of evaluation to Pevsner as a historian. It is thought that this criteria were the means to select appropriate ones out of innumerable facts. 2) The relations between individual activities were supposed to be complicated networks which have bidirectional connections in some cases. However, the decoding for it was left as a future problem. 3) Figure 2 shows the total structure of Pevsner's "The Sources of Modern Architecture and Design". The factors as a whole are, so to speak, an appliance to measure the modernization of design activities. And the conditions are the scale of the appliance. This measuring instrument with scale is Pevsner's historical view, in other words, it is the framework of his history. The system constituted of various activities done by innumerable members which were measured with this appliance and given the higher evaluation than a certain level seems to be "Pevsner's history of modern design".
著者
岩垣 丞恒 新居 利広
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

長距離選手の持久性能力の指標は最大酸素摂取量とされるが、一流選手になるほどperformanceとこの関係が成立していない。この背景を血液中の赤血球指標(RBC、MCV、MCHなど)に求め、赤血球指標の特徴との関係を検討した。先ず、大きな矛盾点が見出された。4年間に亘る長距離選手の赤血球指標を縦断的に測定すると、持久性トレーニングに伴い、赤血球数(RBC)が低下し、血液粘性も低下してくることであった。これらの低下は酸素摂取量の立場から見ると、負の条件下になるが、現実的には、このような変化のなかで自己のperformanceが亢進していた。この背景を赤血球指標としてのMCV、MCHで見ると、RBC低下にしたがってMCV、MCHの代償的増加が出現していた。MCVのこのような変化は少なくともplasma lipidsとの間の生化学的要因にあると予測した。リン脂質を多く含むplasma HDLには赤血球膜脂質を構成する物質が多い。そこで、MCVとplasma HDLとの相互関係を調べると、有意な相関係数を示す群とこれらの関係が成立しない群に分かれ、それぞれおよそ50%づつであった。赤血球膜PCとplasma PCとの間にはLCATを介した相互関係が存在することから、plasma PCとplasma HDLとの関係を調べると、これらの関係は直線的な比例関係にはなかった。MCVとplasma HDLとの関係が成立しない群では、plasma PCが有意に低かった。すなわち、MCVとplasma HDL関係の成立には、plasma PC量の存在があった。これらの結果から、持久性トレーニングに伴う代償的なMCVの増大にはplasma PC量が関係し、LCATの働きは赤血球膜PCを増加させることになり、赤血球膜PCの増加は膜の流動性、しいては変形能を高め、赤血球を柔らかくしていることになる。そこで、これらのmechanismについて、exhaustion exercise、カテコールアミン、機械的刺激による要因について再検討した。その結果、運動に関するこれらの因子すべてが、赤血球PCを増加させ、赤血球膜の流動性を高めていた。これらの結果から、運動やトレーニングの必要性は赤血球膜機能の宿命に存在していることが考えられた。
著者
溝口 満子 守田 美奈子 西村 ユミ 前田 泰樹 渋江 かさね 和泉 俊一郎 近藤 朱音 大貫 優子 高橋 千果 横山 寛子 森屋 宏美
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

看護職者の相談能力向上のための、自主学習用ツールとしてドラマ及び学習方法をセットにしたDVDを作成した。看護職者が対応することの多い出生前診断の一つである羊水検査を受けた妊婦の体験をもとに夫婦と彼らを取り巻く人々の心情を細かく描いたストーリーを2つ作成し、各々をドラマ化した。一方看護師を対象としたワークショップを開催し、'大人の学び'および専門職としての経験知を活かした学習方法の有効性を検証した。
著者
寺尾 裕
出版者
東海大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

船体は波浪中向かい波航行時において、波漂流力を受ける現象があり、これは波浪中の抵抗増加として知られている。それに対して波浪推進という考え方がある。これは波浪推進器を用いて波浪中での船体の波浪中の抵抗減少と推力増加をはかるものである。波浪推進は船体前部に振動する水中翼を取り付けた構造をもつ新しい推進装置である。水中に置かれた翼は船体運動に対する大きな減衰力として働き、波浪中の船体運動を減少させる。これにより抵抗増加を押さえると共に、水中翼が波浪中より推力を発生させる。そのためにこの装置は船体の推進装置として働くばかりでなく、船の乗り心地の改善にも役立つ。ここではその波浪推進の基礎的な現象解明のための研究を行い、数値解析を行い船体と振動する水中翼の干渉問題について研究した。そのためにEWSを購入し、Fortran数値計算プログラムを開発し数値計算により現象解明をはかった。数値計算法は2次元の境界要素法プログラムとし、数値計算精度を高め、高速に計算できる事を主眼に置き開発を行った。船体と翼は単純な形状とし計算をおこなった。プログラムは今までのグリーン関数(Source singularity)法に、翼面の渦を表す渦特異項を組み入れプログラムを開発した。また自由表面境界は与えられた波ポテンシャルにより時間と共に変化し、それに従い境界条件も変化する。また船体の運動も時間に従い運動をするプログラムとした。船体と翼はそれぞれ波浪中で運動する。翼は船体とある相対位置で取り付け、その位置で船体とは独立に同じ周波数でピッチ運動をするものとした。また翼の発生する渦は時間と共に船体後方に流出させた。これらの方法で翼と船体の干渉効果について計算をおこない、翼水深により渦の発生に大きな異差があることがる事がわかった。
著者
田中 朝雄 田中 真奈美 村上 博 三井 洋司 田中 真奈実 田中 真奈美 田中 朝雄
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

宿主寄生体間情報伝達物質の検出のため、ヒト脳神経系及び寄生原虫クルーズ・トリパノソーマを等しく認識する単クローン抗体(Wood,J.N.et al.,Nature,1982)を用い、ヒト臓器別およびトリパノソーマのcDNAライブラリーを精査し、多数の新規遺伝子を得た。ノザンブロット解析により、元来この抗体が認識する神経や心筋細胞、クルーズ・トリパノソーマのみに発現が認められるBradeion遺伝子が選別され、その後の生体機能解析へと進んだ。現在までにこの新規生理活性物質の生体機能解明・情報整備をほぼ完備することが出来た。即ち、1.成人脳の神経細胞での発現が認められ、2種のタイプが存在する(α及びβと呼称)。アミノ酸配列の特徴として、成長ホルモンやサイトカイン受容体特異的配列が認められ、膜貫通部分やATP/GTP結合部位も含めてオーファン受容体としての特徴的配列を有する。2.ノザンブロット解析でヒト成人脳、心臓(脳の10%以下)でのみ検知可能であり、他臓器・胎児期では検出感度以下の発現しか示さない。3.マウス脳でβ型相同遺伝子配列が存在する(94%の相同性)。マウス第11番染色体に位置し、3エクソン、2イントロンの構成で約17kb領域にコードされる。4.細胞内局在部位は、αはミトコンドリア、βは核周囲細胞質である。5.培養ヒト癌細胞に過剰発現させると、アポトーシスを誘導する。6.ヒト培養大腸癌・メラノーマ細胞株で強度遺伝子発現を示す。大腸癌の患者検体でもこの強度発現は確認された。7.アンチセンス・リボザイムで大腸癌細胞で発現を抑制すると、細胞増殖速度に顕著な影響が現れ、増殖抑制及び癌細胞の形質転換が起こる。脳神経系細胞の寿命制御・脱落防止に関しては、遺伝子病としての脳神経退行性疾患やアルツハイマー病、ハンチントン病で疾病の分子基盤解明とそれを応用した医薬品・医療機器開発が世界規模で推進されている。また、C.elegansやマウス等モデル生物系を含めた物質解明及びヒトへの応用が試みられているが、これは脳神経系という臓器・細胞の持つ種特異性や個体差というものが研究の限界となり、ヒト細胞を用いた方法論の整備が叫ばれている。Bradeionは、このような従来型のアプローチでは決して抽出されることのできないヒトの生物共進化や「寄生」という環境適合から焦点を当ててのみ得られるヒト脳神経生存(脱落)に関わる新規物質である。従って、本研究は、このような細胞寿命制御因子Bradeionの発見と機能解明を行った。この知見から現在、老化・癌化等の細胞変異制御のために、1.有用生理活性物質としてのヒト脳オーファン受容体の生体機能解明、2.脳内高次機能構築・細胞脱落の機構解析、3.脳神経細胞死、癌早期診断及び遺伝子治療に向けての技術開発、医療機器開発、を行っており、広範な新規産業創造シーズへ活用することを目指してさらなる研究が展開されている。
著者
石井 裕也 大矢 誠司 赤坂 知恵 木村 達洋 長島 圭子 金井 直明 山崎 清之 岡本 克郎
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 開発工学部 (ISSN:09177612)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.112-114, 2002-03-30
被引用文献数
1

To investigate the cognitive aspects of posture control under the apparent force condition generated by auditory stimulation, body sway fluctuation was measured with healthy adult subjects. As an experimental stimulation, an increasing tone for the left ear and a decreasing tone for the right ear were used. Generaliy, while listening to the stimulus, subjects felt that the sound source was moving from right to left under an eyes closed condition. On the contrary , subjects who were shown a moving image of a natural scene which was interlocked to the auditory stimulus before the experiment (cognitive preparation), they felt themselves moving from a left to right direction. In this experiment, body sway was measured with and without the cognitive preparation. Results showed that the center of gravity biased to the opposite direction of subjective movement of the sound source with cognitive preparation. Without cognitive preparation, the center of gravity biased in the same direction of subjective movement of the sound source. It suggests that the higher level posture control reflex was observed in the cognitive condition without any sensory input from the muscle receptors.
著者
林 義正 鍋島 久浩
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 工学部 (ISSN:05636787)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.187-195, 1996

New technologies, acquired for race cars through rigorous pursuit of the three most important performance criteria of an automobile, are subsequently applied their ways to the actual production. Running performance of a battery powered electric vehicle was investigated based on informations associated with high performance endurance race vehicles. By utilizing newly developed circuit driving simulation program, the electric racing cars performance on the LeMans 24-hour endurance race was predicted : such race circuit requires vehicles to withstand durability equivalent to 500,000 km run on ordinary road. The layout of the electric race vehicle was also designed on the structural study of the race cars to achieve the performance goal. As a result, it was found that the electric vehicle, even with a disadvantage of heavy battery weight, has an equal running performance compared to gasoline engine powered race cars. Also, the electric vehicle's efficiency of energy conversion from crude oil was found to be 50% higher than the gasoline engine cars.
著者
石橋 一久 押野谷 康雄
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

申請者らはトラックなどの大型車両における運転疲労低減技術として,シートサスペンションをアクティブ制御するシステムの研究を行ってきており,その基礎事項の検討を実車レベルで終了している.本申請課題は,これまでに得られた知見を活用し,今後高齢者の使用頻度が高まると予想されるLSV(Low Speed Vehicle)におけるアクティブシートサスペンションの開発を目的とした.LSVは,米国運輸省(DOT)が正式に認めている低速交通システムであり,すでに米国ではいくつかのコミュニティで高齢者ドライバが快適に運転できるシステムが構築されつつあり,日本においても21世紀の暮らしを快適・便利にする交通システムとして,LSVと同様な機能を有するコミュニティーカーが着目されはじめている.特に,1,2人乗り用としてデザインされた超小型サイズの電気自動車が,ここ数年各メーカから販売されている.リサイクル性の配慮や普通車相当の安全性を確保されているものもあり,一定地域内での移動手段また小旅行にも十分な機能を備えている.超小型サイズの電気自動車に対する需要は益々増大することが予想され、さらなる高付加価値製品開発への必要性も高まっている.本研究では低速走行専用の超小型車両を対象として,高齢者運転時の振動・衝撃の緩和,さらに非舗装道路走行時の不規則な外乱の抑制,不慣れな軽量超小型車両に対する違和感の除去等を実現しながら,快適性の向上による心身のストレス低減に基づいた運転疲労低減技術の開発を行った.1人乗り電気自動車に対し、小型かつ簡易装着可能なアクティブシートサスペンションを設計・製作し,複数被験者の官能評価に基づいた乗り心地,疲労抑制効果を検討しながら,高齢者評価中心のシステムを構築した.当該研究期間内には,高齢者の超小型車運転疲労における交通環境依存性の掌握と主観的な特性や身体的特性を考慮した制御系の確立を行い,これまで学術的に十分整理されていないこの分野の体系化を行った.
著者
西野 仁
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

6校の中学生から4,536場面、5校の高校生から4,470場面の日常生活経験標本が収集できた。1、学校週5日制の実施で中学生の日常生活経験とゆとり感は変化したか?同じ公立中学校の同じ学年から、完全学校週5日制実施前の2000年と実施後の2003年に、同じ方法で収集したデータの比較。中学生の日常生活経験は、活動では外出と部活動が、場所ではレジャー・スポーツ・レクリエーション施設、学校施設が、同伴者では友人、先生が有意に増加した以外は大きな変化は認められなかった。また、気分は平日、休日ともに、制度実施前よりネガティブな方向へ変化し、「ゆとり感」は増加してはいなかった。2、学校週5日制を以前から実施していた高校では生徒の日常生活経験とゆとり感は変化したか?完全学校週5日制をすでに導入していた同じ私立高校の同じ学年から、新学習指導要領移行前の1996年と移行後の2003年に、同じ方法で収集したデータの比較。高校生の日常生活経験は、活動では学習行動が減り、アルバイト、生活維持行動が増えた。場所は、学校・その他の学習施設が減り、自宅、レジャー・スポーツ・レクリエーション施設、アルバイト先が増えた。同伴者では家族が増加、友人は減少、先生は増加した。気分は、制度導入前よりポジティブな方向へ大きく改善され、「ゆとり感」も有意に増加した。3、ゆとりを感じる経験とは?「ゆとり」の構造化に向けての分析中学生、高校生ともゆとりを感じやすい経験はテレビ・ラジオの視聴、睡眠うたた寝、娯楽、テレビゲーム、食事、音楽活動、外出、スポーツなど多岐にわたるが、実際にゆとりを多く感じている経験はテレビ・ラジオの視聴や食事、睡眠・うたた寝などであった。「ゆとり感」と「気分」に正の相関がみとめられること、「ゆとり感」に日内リズムと週間リズムのパターンが存在することが再確認できた。
著者
有田 清子
出版者
東海大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1999

本研究の目的は、(1)栄養代謝のアセスメントをするための臨床シミュレーション型CAI教材を開発する。(2)開発した教材の評価し、その結果から教材の修正と活用方法を検討するであった。今年度は、教材を作成し千葉県立衛生短期大学看護学科において、看護学科の学生70名を対象にCAI教材を使用した。教材使用後にアンケート調査(N=71)およびインタビュー調査(N=7)をおこなった。アンケー調査項目は、CAIを使用した学習に関連する11項目とした.調査項目で最も平均得点が高かったものは「CAIを使用した学習は楽しかった」であり4.5±0.6であった.また、最も平均得点が低かったのは、「学習した知識を看護実践の場面でどのように活用したらよいかわかった」3.5±0.8であった.インタビュー調査の項目は、「教材のよいところ」「改善したほうがよいとこと」「その他」の質問項目を準備し、半構成面接をおこなった.この結果、教材のよいところとして、質問の仕方がていねいなのでわかりやすい,自分がキーボードに入力しないとすすまないので自分のペースで学習できる,臨床の場面でこんな風に患者さんに質問すればよいのかということがわかった,答えを間違えても何度でもできるところがよいなどがあった.改善した方がよいところとして、自分が戻りたいと思った画面に戻れるようにしてほしい、文字が多く読みにくい部分があった,またその他としては、グループでディスカッションする時間が増えたことにより他の人の考えや意見が聞けてよかった,もっといろいろ調べたいと思った,インターネットなどでこの教材が公開されていれば自分で学習できるなどがあった.以上のことから、(1)臨床シミュレーション型CAIを使用して学習することは自分のペースで学習が進められること,実践のイメージがつきやすいということから楽しく学習できる(2)学習した知識を実践の場面で活用することに関しては限界がある(3)画面の文字の多さを改善すること(4)インターネット上での公開の必要性などが示唆された.今後は、ソフトウェアの修正をおこない、インターネット上で本教材を公開し、学生・教員ともに開発した教材を広く使用できるようにしていく予定である.
著者
面谷 信 中村 賢市郎
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

I.電子ペーパーの満たすべきヒューマンインタフェース条件の検討について次の成果を得た。1)手持ちの優位性を電子書籍端末を使った実験により確認した。2)ディスプレイ上で文書の間違いが見つかりにくいのは、作業を急ぐ傾向があることが要因のひとつと考えられることを見いだした。3)ディスプレイ作業では紙上作業に比して表示面を注視する傾向が確認された。4)電子書籍端末として読みやすい画面サイズについてその最適範囲を明らかにした。5)電子書籍端末として許容できる媒体重量について被験者実験により明らかにした。6)画面光沢の有無は呈示条件の好みに大きく影響し、光沢媒体では手持ちが好まれる傾向が顕著となる実験結果を得た。本結果は電子ペーパーにおいて表面光沢を避ける設計の重要性を示唆する。7)近点距離変化と主観評価の結果を総合し、現状の電子書籍はディスプレイと紙の中間的な疲労程度を示し、少なくとも疲労の点では90分程度の連続使用に特段の問題はないレベルにあることを示した。8)文書の表示形式0.5〜4ページの間においてページ数の増加に伴う校正作業成績の向上が確認された。II.電子ペーパーを実現するための表示技術の研究について次の成果を得た。1)電気泳動表示方式の検討:電気泳動表示における粒子帯電および泳動のメカニズムに関する検討を行い、粒子の駆動力源となる粒子電荷が従来の説明のように支持液体中の残存水分による液中イオンから得られているものではないことを明らかにし、非水系電気泳動現象のメカニズム解明を進めた。2)液体マイクロレンズ表示方式の検討:物質表面の濡れ性を電気的に制御して互いに接する2つの液体の界面曲率制御を行う液体マイクロレンズ表示方式の基本動作確認を行い、コントラスト確保のためのセル構造、液体材料に関する選定指針を示した。3)ER流体を用いた表示方式の検討:電界の印加で鎖状クラスタを形成するER流体(電気粘性流体)を用いて表示を行う方式について検討し、新たな電極形状および駆動方式の採用によりコントラストと表示安定性について大幅な向上を確認した。
著者
川崎 一平 牛尾 裕美 山田 吉彦
出版者
東海大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

平成22年度は、研究最終年度であり、主として本研究の成果発表、及び政策現場での実践的活動に研究の主眼をおいた。研究代表者の川崎は、(1)海洋開発シンポジウムにて奄美の振興政策と親族構造の関わりについて、著しい社会変容において伝統的親族構造が原理として存続していることを発表、(2)また第25回北方圏国際シンポジウムにて沖縄、奄美の離島振興において「離島文化」が重要視されていることを発表した(研究協力者の小野林太郎も共同発表)。実践的活動としては、分担者山田と共に(3)国境政策との関わりにおいて地域振興が展開されている根室市において地域社会の文化と深く根付いたエコツーリズムのモニタリングを実施した。分担者の山田吉彦は、川崎と共に北海道根室市での調査を実施するほか、沖縄県石垣市、竹富町において、海洋政策の市民政策への影響に関し調査を行った。これらの研究成果としては、土木学会海洋開発委員会に論文「わが国の海洋政策における国境離島開発の動向」を発表するほか、単著「日本は世界4位の海洋大国」を講談社より出版した。実践的研究としては、竹富町が策定した「海洋基本計画」に策定委員長として参加し、同計画の策定に本研究の成果を反映した。分担者の牛尾裕美は、「海洋基本法」の制定から「海洋基本計画」の策定に関する一連の政策決定過程おいて中心的役割を果たした「海洋基本法フォローアップ研究会」の議事録を(社)海洋産業研究会において調査することにより、現在の離島に関する法政策の基本的指針の決定過程の検討を行った。また、上記の基本方針において、上記の基本計画からその政策転換が図られた離島の振興に関する代表例としての「奄美群島振興開発特別措置法」の最新の改正法に基づく奄美群島民の「新たな公共」の実現に向けての創造的取組について奄美群島広域事務組合及び奄美市役所において聴取を行った。
著者
進藤 春雄 沖村 邦雄
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

次世代大型ディスプレイパネル対応の大面積プロセスや太陽電池薄膜CVD用大面積プラズマ源の実現を目的に、大規模マイクロ波ラインプラズマ生成技術の研究を行い、最長2mのラインプラズマ生成に成功した。プラズマ電子密度の軸方向一様性は長さ2mにわたって4%以内、電子密度は最大7x1011cm-3の高密度であり、電子密度の値がマイクロ波カットオフ密度より十分に高い密度となる条件が軸方向一様性を決めていることを明らかにした。
著者
恵多谷 雅弘 下田 陽久 坂田 俊文
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

砂漠下に埋もれたエジプト王朝時代遺跡を対象として、乾燥した砂漠地域における遺跡探査での衛星SARの有効性の検証を行った。具体的には、JERS-1とSIR-CのLバンドHH偏波のSARによりその存在が確認されているサッカラ(Saqqara)の未発掘遺跡SiteNo.29およびSiteNo.39をテストサイトとして、入射角、観測方向の異なるALOS/PALSAR(LバンドHH偏波)画像から、両遺跡の検出におけるSARの観測パラメータの影響を検討した。また、PALSARの観測日と連動し、テストサイト地点を主体に土壌水分率を計測することで、地表の誘電的性質がSARの後方散乱係数に与える影響を調査した。その結果、オフナディア角35度のJERS-1/SARで発見されたSiteNo.29に関しては、上昇軌道(Ascending)、2偏波(HH/HV)、オフナディア角34.3度の観測モードで撮影されたPALSARで同定できる可能性が認められた。大入射角(オフナディア角61.5度)のSIR-Cで発見されたSiteNo.39に関しては、オフナディア角50.8度のPALSARで検出を試みたが、PALSARのセンサ特性に起因する問題から、同遺跡発見における入射角の影響については結論に至っていない。その一方で、SARの観測方向が両遺跡発見に影響している可能性は少ないとの結論が得られた。SARの後方散乱係数と土壌水分率の関係に関しては、PALSARの観測画像と同観測日に計測した土壌水分率データを比較検討した。計測された土壌水分率は最大で8.3%、最低は0.0%であり、SiteNo.29、SiteNo.39地点における後方散乱係数と地表の土壌水分率の間に特徴的な関係は見られなかったことから、両遺跡発見において地表の土壌水分率が影響した可能性は少ないと考えられ、この見解は2時期のJERS-1/SARの比較検討結果とも一致していた。
著者
藤田 智子
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

日本の大学英語教育プログラム評価を効率よく有効に行う方法を検討するために、事前事後テストに焦点を当てた。項目応答理論(IRT)の利用により、事後テストは事前の14%の被験者数であっても被験者能力値(θ)の平均値変化が推定可能となる。また、事前事後テストを最適の等化の方法(IRT モデルと等化方法)を選択して実施する重要性を研究した。さらにθとニーズアンケート結果を用いて分析し、プログラム評価のさらなる証拠とすることも提案する。
著者
池田 良彦
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 開発工学部 (ISSN:09177612)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.17-29, 1993-03-30

The investigation of the crash of the Japan Airlines Boeing 747 in August 1985, has ended without anyone being found criminally responsible. This seems less than satisfactory. The crash of the JAL jetliner in a mountain in Gunma-ken claimed 520 lives. The Maebashi District Prosecutor's Office decided not to indict anyone from Boeing Co., JAL or the Transport Ministry. These parties had been referred by the police to the prosecutors for possible involuntary manslaughter charges. The prosecutor's office said the direct cause of the crash was faulty repair on the bulkhead of the aircraft by Boeing technicians after the plane was damaged at Osaka International Airport in 1978. During its investigation, the Maebashi prosecution office applied to the U. S. Department of Justice to question the maintenance staff at the U. S. aircraft campany. The request was rejected by Boeing staff on the baisis of an amendment to Article 5 of the U. S. Constitution which guarantees Americans rights to refuse taking part in hearing that may bring criminal charges against them. In the United States, greater weight in an investigation is placed on preventing a recurrence of a similar accident than on pursuing a criminal indictment. Charges against JAL and Transport Ministry officials were dropped on the grounds that there were insufficient evidence to suggest responsibility. It could have been the first time that the safety design and repairs of an aircraft would figure in a judical case. In this article, author introduced and analyzed a new type of administrative and supervisory negligent liability.