著者
加藤 慶
出版者
横浜国立大学
雑誌
技術マネジメント研究 (ISSN:13473042)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.55-65, 2006

性同一性障害の表象はいかなるものであるのか。本稿は性同一性障害の表象を、新聞メディアを通じて明らかにすることに主題を置いている。分析対象とした時期は埼玉医科大学によって、性同一性障害に社会からの注目が集まった時期から、戸籍の性別訂正が可能となるまでである。
著者
須川 亜紀子 清水 知子 田中 東子 岩下 朋世 川村 覚文 筒井 晴香
出版者
横浜国立大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

本研究では「2.5次元文化」(マンガ、アニメ、ゲームなどの2次元の虚構世界を、人間の身体を通じて3次元の現実に顕在化する文化実践―2.5次元舞台、声優/キャラクターコンサート、コスプレ等)とファンの共同体構築に関する調査を行った。これまで①現実・虚構・情報世界を経験することによりファンは「生産消費者」としてコンテンツに参加し、大きな影響を与えていること、②ファンは、「推す、好き」という「嗜好」によって接続され、「親密な他者」として共同体間の自由移動をしながら「弱い紐帯」を生成していること、③キャラクターと演じ手の重なりやズレを楽しむ「ごっこ遊び」の快楽が生まれることが析出された。
著者
斉田 智里
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

大学入試センター試験への英語リスニングテスト導入による高大英語教育への波及効果の解明に取組んだ。リスニングテストの内容はCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のA2からB1レベルの能力記述文に相当すること、関東地方にある一国立大学入学者全員の大学入学時のリスニング得点の平均値は、リスニングテスト導入前に比べて導入後は若干上昇傾向にあること、リスニング力の伸びを実感している学生の割合は7割程度と高く、音声に意識を向けて英語学習に取組む習慣が身についたなど、プラスの波及効果が認められること、一方、高校英語授業においては、テスト対策が主であり、教員の指導法そのものに変化をもたらすほどの顕著な波及効果は認められなかったこと、などが明らかとなった。
著者
金 銀姫
出版者
横浜国立大学
巻号頁・発行日
2014-03-26

Nominative-Genitive Conversion (NGC) is the grammatical process in which Noun Phrases marked with Nominative Case alternate with Genitive Case in a certain set of environments. This dissertation conducts a comparative study of NGC within the Altaic languages by looking at Japanese, Late Middle Korean, Modern Korean, Yanbian Korean, and Turkish. It aims to elucidate the similarities and differences regarding NGC: while many languages classified in Altaic languages such as Japanese, Late Middle Korean, Yanbian Korean, and Turkish allow it, not all languages allow it, including Modern Korean. The dissertation also discusses the absence and presence of Transitivity Restriction effect on NGC.
著者
宮武 朗子 鈴木 信子 松井 豊 井上 果子
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学教育紀要 (ISSN:05135656)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.173-196, 1996-11

Empirical studies regarding the romantic love among the junior high school students are rare, limited to sex attitude and sexual behaviour and not to the affection nor to the awareness of romantic love. Moreover there is no study of the junior high school teachers' view of romantic love of their students. This report is part of a larger research regarding romantic love of the junior high school students. It presents the initial finding of affection, attitudes, bonding style, desires, reality and wishes of romantic love among the students. The first survey is interview conducted to 6 teachers, focused on their view of the romantic love of their students. Based on the results, the questionnaire for the second survey were prepared. In the second survey, the questionnaire were administered to 699 junior high school students. Results show that the junior high school students are aware enough that generally the romantic love of couples of their age aren't associated with the sex behaviour nor marriage, but in contrast to this awareness, personally, they wish to get married and realize the sexual desire as their longing for the romantic love is intense. Results demonstrate the gap between the general common sense and the personal wishes of the students. Next junior high school teachers view their students romantic love as non lasting, while students wish to live with, get married to and perpetuate the steady relation with the loving partner. This fact is unrecognized by their teachers. Third, the junior high school students romantic love is mostly one-sided. Fourth, as far as romantic love is concerned, boys of this age are less active than girls.
著者
高木 宏 遠山 三樹夫
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学教育学部理科教育実習施設研究報告
巻号頁・発行日
vol.4, pp.11-20, 1987-03-25

伊豆半島の天城山において,34の調査区を設定し,植物社会学的な調査を行なった。それらの種類組成を比較検討した結果,天城山のブナ群落は,(1)ブナースズタケ群集,(2)ブナーコアジサイ群集,(3)ブナーモミ群落の2群集1群落にまとめられた。(1)ブナースズタケ群集は,種類組成が単純で,天城山の戸塚峠以西の海抜900〜1200mに多く見られる。この群集は,アマギザサを識別種とするアマギザサ亜群集とそれを持たない典型亜群集に下位区分された。(2)ブナーコアジサイ群集は,アセビ,コアジサイ,コミネカエデ,イトスゲなどをもつことによって,ブナースズタケ群集とは区分できる。本群集は,天城山の主峰,万三郎岳を中心とする海抜1200m以上に分布し,トウゴクミツバツツジ,アズマシャクナゲをそれぞれ識別種とする,トウゴクミツバツツジ亜群集とアズマシャクナゲ亜群集及び,それらをもたない典型亜群集に区分された。(3)ブナーモミ群落は,林床にモミ,オシダ,フジシダが出現するブナ林で,カワゴ平の軽石地帯のみに見られた。この群落は,ブナーコアジサイ群集とその下部に位置するモミーシキミ群集との移行帯に見られる群落と推定される。天城山のブナ林は,アセビ,ヒメシャラ,イトスゲなどが多く,丹沢山地のヤマボウシーブナ群集とは,その標徴値とされているヤマボウシ,サンショウ,イヌシデ,ヨグソミネバリ,ハリギリなどがほとんど出現しないので,別に区分した方がよいと考える。また筆者は,林床にササが密生することによって,その組成が著しく単純化したブナ群落に対して,ブナースズタケ群団の典型群集としてブナースズタケ群集を認めた。この群集は,天竜川上流において最初に報告された鈴木時夫(1949)のブナースズタケ群集の中核をなす部分に相当するので,この鈴木の命名を尊重した。さらに,ブナーコアジサイ群集については,箱根のアセビーリョウブ群落及び,イトスゲーリョウブ群集に,立地,種類組成的にも類似していることから,この群集は,丹沢山地のヤマボウシーブナ群集より一歩環境のきびしい条件下に成立する群集ではないかと考えられる。ブナースズタケ群集,ブナーコアジサイ群集は,ブナースズタケ群団,ブナーササオーダー,ブナクラスにまとめられる。ブナーモミ群落についても,その組成から同様の上級単位に属するものと考えられる。
著者
宮崎 かすみ
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

近年大幅な見直しが進行している十九世紀後半のイギリス同性愛史の最新研究成果の全体を渉猟した上で、研究者を招へいし、日本に広く紹介した。この知見に基づき、オスカー・ワイルドの文学について、同性愛をめぐる思想史の文脈から分析して明らかにした。これに並行して、この時代の英文学に特有な、同性愛タブーを背景としながらもそのなかでも根強く存在した同性愛文化に、同時代の英文学者、夏目漱石が大きく影響を受けたことを明らかにし、この成果を書籍にして刊行した。また英語圏で発表を行ったり、論文集に寄稿するなどして、漱石の代表作『心』とワイルド、聖書の関係性を英語圏に広く紹介した。
著者
君塚 正臣
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国際経済法学 (ISSN:09199357)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.49-74, 2010-03

來生新教授退職記念号
著者
馮 良珍
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学教育人間科学部紀要. II, 人文科学 (ISSN:1344462X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.65-78, 2005-02-28

二十一世紀の漢字文化圏の分岐問題とそれを解決する方策を考えるうえで、漢字の構造の特徴と簡略化の歴史を振り返り、それぞれの国と地域の漢字改革の源流と現状を分析する必要がある。本論では主として漢字文化圏における漢字の形体の分岐を形成するにいたった歴史的原因や現代における分岐の問題点について、中国と日本の漢字改革を比較・分析することを中心として論述する。また漢字の簡略化におけるいくつかの方法とその優れた点と劣っている (問題のある) 点を明らかにすることで、中国大陸の簡体字を主とする簡化字に存在している不合理な部分および繁体字との間での漢字の変換の時に発生する問題について分析し、それらの問題を解決するための道筋についても触れてみたい。
著者
佐藤 嘉明
出版者
横浜国立大学
巻号頁・発行日
2006

横浜国立大学, 平成18年3月31日, 博士(工学), 乙第260号
著者
伊藤 公紀 田中 博
出版者
横浜国立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

最近見出した太陽風パラメータと地表気温および北極振動との相関を手がかりとして、太陽磁気活動-気候相関のミッシングリンクに迫ることを目指した。成層圏気温と太陽風パラメータの相関を生む原因として、成層圏オゾンデータを利用した太陽風粒子降着についての検討が可能と判断された。そこでオゾン量の全球グリッドデータを用い、太陽風との相関を調査し、太陽風粒子が電離圏で生成するNOが成層圏に運ばれ、オゾンを減少させることにより、成層圏の気温を変調するという機構を提案した。