著者
五十嵐 高志 山田 穰 小林 俊市 清水 増治郎 納口 恭明
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
防災科学技術研究所年報 (ISSN:09186441)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.114-115, 2001-10-30

(1)資料収集に基づく災害分析:1999年冬季および2000年冬季に発生した雪氷被害の人身事故について解析を実施して、地域の特徴を得た。(2)重力滑走方式による雪輸送技術の研究:雪輸送中、重力滑走シュート内に閉塞(つまり)を生じた時の対策として、シュート内に水を流すことにより閉塞を解除する方法についての室内実験を実施した。(3)被覆状況別の日射反射率推定に関する研究:積雪期間の気温上昇に及ぼす影響を、枝葉温度の測定より明らかにした。
著者
防災科学技術研究所長岡雪氷防災実験研究所
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
防災科学技術研究所研究資料 (ISSN:0917057X)
巻号頁・発行日
vol.206, pp.1-14, 2000-08-31

本報告は, 1999年から2000年にかけての冬の長岡における積雪観測結果をまとめたものである. 観測項目は天気, 積雪深, 積雪相当水量, 新積雪深, 新積雪の相当水量および新積雪の密度の6項目である. 今冬は1月21日に根雪となり, その後は順調に降雪が見られ, 4月2日に根雪は消雪した. 今冬の最大積雪深は3月10日に観測された109cmである. また, 新積雪深の最大値は3月8日に観測された43cmで, 積算新積雪深は602cmとなった.
著者
阿部 修 王 良〓 唐 孝思
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
防災科学技術研究所研究資料 (ISSN:0917057X)
巻号頁・発行日
vol.197, pp.1-90, 2000-02-29

日中共同で崑崙山脈の策勒河上流の喀拉塔什(カルタス)において, 1994年9月から1997年8月までの3年間にわたり, 山地水文観測装置による地上気象観測を行った. 測定項目は, 気温, 地温, 風向, 風速, 全天日射量, アルベド, 降水量および積雪重量である. これで, 前報のものを含めて6カ年分のデータが得られ, 1〜12月の年統計値としては5カ年分収録されたことになる. この結果, 年平均気温は, 1992年の2.6℃から1996年の-2.1℃まで約5℃も低下していた. また, 年平均地温は年平均気温に比べて約3℃〜7℃高くなっていた. 月平均風速は, 年間を通じてほとんど変化がなく, 1.8〜2.7m/sの範囲にあった. 月平均全天日射量は, 冬至で約2MJ/m^2, 夏至で約17MJ/m^2であった. 年降水量は, 平均すると152mmで, モンスーンの5〜7月に集中しており, 11月から翌年4月までの冬期の降水量は年降水量の13〜26%と少なかった.
著者
西川 泰
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
防災科学技術研究資料
巻号頁・発行日
vol.13, pp.3-17, 1971-03-30

昭和41年台風26号の際に, 山梨県, 静岡県を中心にした山くずれの形態は, 地質条件ならびに雨量条件に対応した特徴を示している. 西湖北側に発生した山くずれは雨量との関係が最も深く, その他の地域の山くずれは降雨が契機となっているが地質構造との関係が深い. 西湖北側において, 山くずれによる土石流の規模が必ずしも大きくなかったが, 古くから開けていた集落に大打撃を与えたことは, 砂防ダムの効能の変化, 河川流路の改変など人為的な防災事業の限界を示したものと思われ, また, 山地災害における免疫期間の切れる機構を解明するかぎを与えているものである.
著者
西川
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
防災科学技術 (ISSN:04541871)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.47-49, 1967-03-15
著者
梅宮 弘道
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
雪氷防災研究発表会報文集
巻号頁・発行日
vol.13, pp.19-25, 2001-12-07

雪国の雪の始末は手ごわい。雪を融かすことができれば一番良い方法ではあるが、その熱量は膨大である。他方、雪国の夏は、格別に暑い。夏の暑さを冬に回し、冬の雪を夏に使うことはできないか?地下水実験を重ねている間に偶然、発見したのが地下に熱を蓄える「帯水層蓄熱法」である。夏、注入した熱のうち、どれだけ冬に利用することができるか実験を繰り返した結果、熱回収率60%を実証した。以来、20年。産・学・官の力を合わせ、融雪熱源として実用化する努力を続けて来た。その間、社会情勢も環境問題からクリーンエネルギーの活用と、老齢化現象から、冬期交通網のバリアフリーが要求される時代へと変わりつつある。「帯水層蓄熱式融雪システム」の特徴をまとめると次のようになる。1.冬でも自由に歩き回れる街を作ることができる。2.自然エネルギーを活用することにより、環境を損なわないシステムである。3.地下水を汚さず、消費しない融雪システムである。4.暖房・冷房・融雪と、多段階利用を導入する事により設備の稼働率を上げ、運転経費を削減する事ができる。
著者
出世 ゆかり
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

落雷活動は、積乱雲内の降水粒子の種類とその時空間分布に密接に関係している。本研究では、偏波レーダー観測データと落雷観測データを用いて、夏季に観測された雷雲のうち顕著な落雷特性を示した事例について雷雲の雲微物理構造とその時間発展を詳細に解析した。負極性落雷が卓越した活発な雷雲では、雷雲発生後10分程度で落雷活動が開始した。また、落雷が不活発だった雷雲では雨滴が強降水域を構成していたのに対し、落雷が活発だった雷雲の強降水域は霰が主な構成粒子であった。さらに、夏季にはまれな正極性落雷が卓越した雷雲では、雷雲中層に湿った霰が広範囲に分布しそれらが正に帯電したことが、正極性落雷の発生に重要であったと示唆された。
著者
堀 貞喜 石田 瑞穂 青井 真 井上 公 大久保 正 岡田 義光 小原 一成 笠原 敬司 木村 尚紀 熊谷 博之 汐見 勝彦 関口 渉次 根岸 弘明 野口 伸一 松本 拓己 山水 史生 藤原 広行 功刀 卓 浅野 陽一 関根 秀太郎 廣瀬 仁 松原 誠 安逹 繁樹 伊藤 喜宏 針生 義勝 松林 弘智 松村 稔 宮川 幸治 山品 匡史 坂無 雅子 雷 楓 伊東 明彦 岩田 知孝 ト部 卓 川勝 均 木下 繁夫 工藤 一嘉 纐纈 一起 佐藤 春夫 佐藤 比呂志 武井 恵雄 中尾 茂 平田 直 平原 和朗 堀家 正則 松澤 暢 山北 聡 綿田 辰吾 山野 誠
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
防災科学技術研究所年報 (ISSN:09186441)
巻号頁・発行日
vol.15, pp."I-12"-"I-16", 2004-09-06

地震調査研究推進本部の総合基本施策(「地震に関する観測、測量、調査及び研究の推進についての総合的かつ基本的な施策(平成11年4月23日)」)、及び調査観測計画(「地震に関する基盤的調査観測計画(平成9年8月29日)」、「地震に関する基盤的調査観測計画の見直しと重点的な調査観測体制の整備(平成13年8月28日)」、「地震に関する基盤的調査観測等の結果の流通・公開について(平成14年8月26日)」)等に基づき、高感度・広帯域地震観測施設と強震観測施設を整備し、観測網の維持・管理・運用を行う。これら基盤的観測網と防災科研の在来地震観測網から得られるデータの収集・処理を行い、気象庁、大学等のデータと合わせて蓄積・流通・公開を行う。また、防災科研が海外に整備した観測施設についても、円滑な維持・管理とともに、観測方式の高度化を行いつつ、データの収集・処理・蓄積・公開を行う。さらに、各観測網から得られるデータを用いて、高度な地殻活動のモニタリングを実施し、地震活動状況の推移を判断するための研究成果を創出する。