著者
姜 徳相
出版者
神奈川大学
雑誌
語学研究
巻号頁・発行日
vol.7, pp.31-57, 1984
著者
小森田 秋夫 高橋 一彦
出版者
神奈川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

1993年に一部の連邦構成主体で導入され、2010年に全国化したロシアの陪審制は、いま困難な状況のもとにある。第1に、テロ、スパイなど一定の国家犯罪の適用除外、控訴審制度導入と関連した一連の事件の州級裁から地区裁への移管にともなう適用犯罪の縮小という制度的変更と、訴追側や一部の弁護士の陪審制適用の回避志向などの結果、事件数は大幅に縮小している。第2に、連邦最高裁の方針にもとづき、陪審員の判断対象を縮小する裁判実務が行なわれている。陪審制にとってのこの逆風は、少なくとも部分的には、それが「訴追側への偏り」というロシアの刑事訴訟の病弊を克服する可能性を示すという成果のゆえ、と見ることができる。
著者
新井 典子 小林 麻衣子 杉浦 裕太 佐々木 恭志郎
出版者
神奈川大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2023-04-01

本研究は赤ちゃんロボットを活用し,当事者だけではなく社会全体の子育て力の底上げを目的とする.まず,赤ちゃんの「泣き」に関する振る舞いを模したロボットの開発を目指す.さらに,開発したロボットを利用した子育てトレーニングプログラムの策定を行い,乳幼児に対するストレス緩和をはかり,適切なあやし行動を習得させる.このようなロボットを利用したトレーニングプログラムを様々な社会集団や虐待経験のある親や里親希望者に展開し,より効果的なものにブラッシュアップする.本研究は, 心理学とロボティックスを融合させた新しいトレーニングプログラムを提案するものである.
著者
森村 進 Morimura Susumu
出版者
神奈川大学
雑誌
神奈川法学
巻号頁・発行日
vol.22(1), pp.277-287, 1986-11-26
著者
西谷 和彦
出版者
神奈川大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

茎寄生植物であるアメリカネナシカズラ(Cuscuta campestris Yuncker)は茎で他の被子植物の茎に巻き付くと、接着面側の皮層組織から吸器という分裂組織を発生させる。吸器の最前面の細胞列には探索糸細胞が並び、これらが伸長させながら宿主組織内に浸入する。探索糸は伸長を続け、宿主の維管束領域に浸入すると管状要素に分化し、最終的には宿主道管と連結し、水や養分を全て宿主より調達し、繁殖する。吸器形成から道管連結に至る一連の過程の分子メカニズムは今、尚、ほとんど未解明である。我々の今年度の研究により、探索糸が二段階の核内倍加を経て、伸長することをまず明らかにした。ついで、核内倍加と伸長の過程が宿主由来のエチレンにより促進されることを、シロイヌナズナを宿主に用いた解析により明らかにした。すなわち、アメリカネナシカズラが野生型のシロイヌナズナに巻き付くと、1-aminocylclopropane-1-carboxylic acid(ACC)合成酵素の遺伝子、ACC SYNTHASE2(AtACS2)およびACC SYNTHASE6(AtACS6)の発現が上昇するが、エチレン欠乏シロイヌナズナ変異体を宿主とした時には探索糸の伸長や核内倍加が抑制され、これらの抑制はACCの投与によって相補された。一方、シロイヌナズナのエチレン感受性変異体etr1-3を宿主にした時には、探索糸の伸長抑制は観察されず、宿主植物のエチレンシグナル伝達系は、アメリカネナシカズラの寄生には関与しないことも明らかにした。更に、エチレンによるアメリカネナシカズラの核内倍加促進の機構についても分子解剖を行なった。本成果の学術的な意義は、寄生植物が寄生行動の過程で宿主が発する化学シグナルを、寄生植物が寄生行動のゴーサインと認識し、寄生行動を一層推進させるメカニズムの存在を実証した点にあると考えている。
著者
富谷 玲子 Tomiya Reiko
出版者
神奈川大学
雑誌
神奈川大学言語研究 (ISSN:09153136)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.59-78, 2010-03-10

Foreign residents in Japan called “newcomers” have been increasing since the late 1970s. Japanese language support for newcomers was started by citizen volunteers around the mid 1980s, and these “community language classes” now exist nationwide. Nowadays Japanese language support for newcomers is called “Japanese language education in community” and has come to be focused on as one area of investigation in Japanese language teaching research. This paper aims to review Japanese language education in community from a critical point of view. First, the ignificance and limitations of citizen volunteers who have been contributing Japanese language education in community are discussed. Second, problems related to constituent member(Japanese and newcomers)in community classrooms from the viewpoint ofnewcomers are presented. Finally, the reasons why there has been little or no discussion incorporating newcomers themselvesas a concerned-party are analyzed. In order for newcomers to be able to fully participate in the society, it is indispensable to guarantee the community language, that is, to guarantee opportunities to learn the Japanese language. This paper points out the necessity to establish a system to provide opportunities to newcomers. It also points out the necessity for both Japanese people and newcomers themselves to question the significance of Japanese language learning.
著者
榎本 里志 Enomoto Satoshi
出版者
神奈川大学
雑誌
神奈川大学心理・教育研究論集 (ISSN:02884674)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.101-105, 2013-11-30

指導法・実践報告
著者
日野 晶也 角田 恒雄 釜野 徳明 野川 俊彦 小笠原 強 速水 格 松本 政哲 服部 明彦 西川 輝明 竹内 一郎 橋本 惇 三浦 知之 木津 治久 森田 博史 姚 揚貨 易 新生 小宮山 寛機 林 正彦 川村 将弘 張 恵平
出版者
神奈川大学
雑誌
年報 (ISSN:13420917)
巻号頁・発行日
vol.2001, pp.127-129, 2002-03

約100万種といわれる海洋生物は,地上における最も未知の世界である。この海洋生物から,医薬資源となりうる有用な生理活性物質を発見し,構造を明らかにし,生理活性を検討することを目的としている。NIHで臨床試験中のドラスタチン10(ウミウシ成分)とブリオスタチン1(フサコケムシ成分)は,釡野がその研究に携わったものである。平成元年以来,日野,西川等の協力を得て,平塚付近(相模湾)および岩手県大槌町付近(大槌湾)の海洋生物を検討し,特に青森,浅虫湾のフサコケムシからブリオスタチン10という強い抗癌性物質を見いだし,抗エイズ活性もあることが分かった。また,これらの物質には,ホルモン産生活性などの作用の存在も明らかになり,医薬品としての開発の可能性が考えられる。さらに,フロリダ産コケムシから10数種の新規アルカロイドを単離したが,このうちconvolutamydineが,ヒト急性骨髄性白血病細胞HL-60に対し,強力な分化誘導作用を示し,新たな抗癌剤発見の手がかりになる可能性もある。2000年度には,ほぼこれらのアルカロイドの全合成を完成した。これらの結果をふまえ,日本沿岸およびアジア各地の海洋生物について探索が計画されている。さらに,橋本,三浦等が「しんかい6500」,「しんかい2000」により採集した深海生物に対する検討も行い,今までに相模湾産シロウリガイとヘイトウシンカイヒバリガイおよびサツマハオリムシ,さらに巻き貝2種Alyinconcha cf. hesseleriおよびIfremeria nautileiの化学成分の検討を行っている。また,竹内等による南極付近の生物の入手も期待できる現状にある。さらに,新しく速水先生が加わり,洞窟生物の調査・採集が可能となっている。一方,生理活性,薬理作用検討に新たにそれぞれ小宮山博士,林博士,川村教授の協力が得られている。また,一昨年から中国でのフサコケムシの探索が姚新生教授と新たに参加した易楊貨教授によって開始され,かなり大量の生物が採集された。この生物からの活性物質の単離はこれからの大きな仕事であり,その結果が期待される。本年度は今までの生物成分のまとめを行った。特に,日本産ナマコ類成分,沖縄と真鶴で採集した日本産フサコケムシ成分,および深海巻貝2種の成分研究を完成した。
著者
内田 青蔵 安野 彰 須崎 文代 渕上 貴由樹 清 直樹
出版者
神奈川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、今後の住まいの在り方を考える一助として、持家志向の定着の様相を、戦前期に持家志向を中流層全般にまで拡大化させたことで知られる日本電話建物株式会社の事業や広報媒体である雑誌『朗』を通して明らかにすることを目的とした。その結果、日本電話建物株式会社の採用した住宅無尽の方法は、借家の家賃並みの金額で持家を得る方法として定着し、一気に中流層以下の人々の持家の可能性を高めたこと、また、持家を得た人々の多くは借家への不満はあったものの持家に対する明快な理念はほとんど持ち合わせておらず、持家を所有することそのものに意味を見出していたこと、が明らかとなった。