著者
繆 いん 藤原 良叔
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

完全差集合族問題は、電波天文学での移動アンテナ間の間隔取り方問題の抽象化であり、1970年代中頃に提出された。レーダー配列問題は、移動アンテナ間の間隔取り方問題の高次元への拡張であり、飛行船の追跡管制技術などに応用される。本研究では、組合せデザイン理論により、完全差集合族及び関連するレーダー配列、均質一様差行列、単調有向デザインなどを数多く構成した。デジタル・コンテンツ著作権保護での不正ユーザ追跡方法についても新しい結果を得た。
著者
恩田 裕一 山本 政儀 山田 正俊 北 和之 竹中 千里 浅沼 順 中島 映至 篠原 厚 神田 穣太 五十嵐 康人
出版者
筑波大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2012-06-28

1.領域内の相互啓発と情報共有:全計画研究班の研究が円滑に進むよう統括を行った。WEB中継会議システムを活用して全構成員間のより緊密な連携を図った。 2.研究支援活動:「データベースワーキンググループ」を統括し、事故発生以降の環境データ、モデリングデータ、分析データを使いやすい形で整理し、関係研究者に提供した。また「分析チーム」を統括し、分析がIAEAスタンダードになるようproficiency testの結果を反映させた。3.公募:各計画研究の補完・推進を目的として採択した第ニ期公募案件について研究支援を行った。
著者
細野 智美
出版者
筑波大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

本研究は、副腎皮質刺激ホルモン受容体の遺伝子多型の違いによるコルチゾール分泌の違いが睡眠薬の効果に及ぼす影響を調べ、効果的な睡眠薬の選択へ応用することを目的とした。筑波大学附属病院に入院中の患者を対象に、セントマリー病院睡眠質問票を用いた聞き取り調査を行った。対象は、ゾルピデム(ZOL)服用172名およびブロチゾラム(BRO)服用157名である。ZOL群およびBRO群について、さらにそれぞれの群を患者の満足感(不満あり・不満なし)で2群に分類して、患者背景、総睡眠時間、中途覚醒回数および睡眠に影響をおよぼす薬剤の併用割合を調べた。ロジスティック回帰分析は、男性、65歳未満、総睡眠時間6時間未満、中途覚醒回数、副腎皮質ステロイド剤の併用を独立変数、不満ありを従属変数としてオッズ比と95%信頼区間を求めた。その結果、ZOL群とBRO群に共通した不満要因は、総睡眠時間6時間未満であることと中途覚醒回数の多いことであった。また、ZOL群では男性であること、BRO群では65歳未満であることと副腎皮質ステロイド剤の併用が不満要因であった。これより、睡眠薬の種類によって、患者の満足感に副腎皮質ステロイドが影響を及ぼすことが示された。睡眠薬服用によるコルチゾールの分泌変動について健常成人を対象に検討を行った。尿中17-ハイドロキシコルチコステロイド(17-OHCS)濃度はPorter-Silber反応を、尿中コルチゾール濃度はHPLCを用いて測定した。その結果、ゾルピデム服用において尿中コルチゾール/17-OHCSの低下がみられた。これより、睡眠薬服用時のコルチゾールの分泌低下が睡眠薬の効果に影響を及ぼしている可能性が示され、副腎皮質刺激ホルモン受容体の遺伝子多型の違いにより、睡眠薬の効果が異なる可能性が考えられた。
著者
大澤 義明 古藤 浩
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

本研究では,迷惑施設配置モデルを構築し,理論的に分析を加えることである。得られた成果は少なくとも以下の3点である。第一に、迷惑施設配置を多目的計画法として定式化し,迷惑施設の配置場所候補となる,パレート最適集合やトレードオフ曲線の導出方法を示す.楕円距離マクシミニ型レクティリニアー距離ミニサム型モデル、レクティリニア距離ミニサム型マクシミニ型モデル、レクティリニア距離ミニマックス型マクシミニ型モデルなどを解く一般的解法を提示した。さらに、移転を考慮した場合、k次距離ボロノイ図を利用して有効集合やトレードオフ曲線を解析的に導けることを明らかにした。第二に、分枝限定法を利用した数値解法を用いて、より一般的な状況の下での、ミニマックス距離制約やマクシミニ距離制約での配置場所を数値的に求め、パレート最適集合を近似する方法を示した。茨城県、山形県の人口分布を事例対象とした。第三に、旧厚生省から各都道府県に対しごみ処理圏域広域化促進の指導があった。広域化はごみ焼却から発生するダイオキシン類を大幅に減少させるが、一方でごみ収集車からの排気ガスを増加させる。そこで、このトレードオフ関係に着目し、ダイオキシン類及び排気ガスをともに減少させる広域化計画を数理計画法により求め、現在の茨城県案を評価した。ダイオキシン類発生量を基準値及びごみ発生予測値から求め、排気ガス量を茨城県内のごみ収集車走行実距離と道路網距離から推定した。そして、茨城県案よりパレート最適の点で優れた多くの代替案を提示した。さらに、広域化計画にて、現存の市町村間ごみ処理協力関係への配慮がどの程度足かせになるのかをも数値的に示した。
著者
大澤 義明 栗田 治 吉瀬 章子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

縮小時代やインフラ老朽化に直面し,道路,交通標識,信号機,図書館,ガソリンスタンド,防災拠点などの施設の整備の見直しが必要となってきた.廃止手続きとして計算負担が軽く現実の政策実施の近似となるけちけち算法の効率性が高いことを証明した.現実データへの適用により,平均距離最小化問題の最適値とカバー率最大化問題の最適値との相関が高いこと,パレート最適配置が狭いことを地理空間を通して確認できた.全体の効率性と地域間公平性とのトレードオフ状況を視覚化することにより,平成の大合併や昭和の大合併の影響を評価した.
著者
大澤 義明 鈴木 勉 秋山 英三 吉瀬 章子 宮川 雅至 小市 俊悟 渡辺 俊 堤 盛人 藤井 さやか 竹原 浩太 有田 智一 田中 健一 小林 佑輔 櫻井 一宏
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究課題は,老朽化する都市インフラ整備の選択集中に関して,独自にデータ収集し,実証分析を実行し,同時に理論的知見を導くことを通じ,施設整備に関する具体の政策を提言することを目的としている.最初に研究基盤を構築した上で,逐次廃止手法の効率性評価,リスク分析における効率性と冗長性とのトレードオフ構造等に関する理論研究・実証研究を展開した.様々な自治体と意見交換・情報収集することから,実装対象を北海道網走郡津別町,茨城県土浦市,茨城県常総市に絞り,研究・理論の自治体への実装を進めた.
著者
大澤 義明 古藤 浩 栗田 治
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

主たる研究成果は以下の5点からなる.1)原風景の要素であるスカイライン景観と校歌との関係を考察した.平面上眺望点から,山頂仰角を算出し,最も大きな仰角となる山頂に関して領域分割を理論的に求めた.一方で,関東地方公立高校897校の歌詞を調査し,歌われている山を抽出した.そして,領域分割と校歌分布とが8割程度合致することを実証した.2)面的に広がる夜景景観の数理評価モデルを構築した.夜景規模を測る尺度として立体角を導入し函館市街拡大が函館山夜景や裏夜景にどの程度寄与しているのかを時系列(1975年から2000年まで5年間隔6時点)比較することにより定量的に明らかにした.質を求める指標として道路可視率を導入し,函館では度重なる大火の影響で道路幅員が広り防火遮断帯を配置し,結果としてメリハリのある夜景となったことを数値的に検証した.3)季節前線は日本の景観の大きな構成要素である.その一つとして桜前線を取り上げ,モデルや現実データから桜前線近接性時空表示方法を提案したり,日本の中で桜前線を早くかつ長く楽しめるパレート最適場所を求めたりした.また,これらの多項式計算アルゴリズムを提示した.4)斜線規制に換わる代替規制として2003年1月に建築基準法に導入された天空率規制の問題点を解析的に明らかにした.円環敷地や直線敷地に直方体建物建設という単純な数理モデルを通して,天空率規制導入は,高層建物の許容,共同立替を非促進,建築形態への影響から見て斜線制限の代替指標としての不自然さを数学的に証明した.このようにして,規制導入が町並み景観,都市内のスカイラインへ強く影響することを指摘した.
著者
大澤 義明
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

本年度実施した主たる研究内容は以下の2点である.1)少子高齢化を迎え社会構造が大きく変化しつつあり,将来の自治体が目指すべき将来像や,政策の方向性を定める総合計画や都市計画マスタープランにおいては,人口フレームが設定されるのが通常である.そこで,北関東3県(茨城県,栃木県,群馬県)の全112市町村の総合計画を冊子ベースで収集し,総合計画における目標人口と国立社会保障・人口問題研究所による趨勢人口を比較した.過大推計の度合いを数値的に把握し,どのような自治体が過大推計しているかといった要因分析を実施した.2)地方交付税額の算定には市町村面積に依存する要素があり,複数の市町村に跨る未定境界地域であった湖などで境界を設定する動きがみられる.境界確定の手法には近年「等距離線主義」手法が採用されるケースが多い.そこで,この手法により配分される地方交付税の推計を行い,市町村の現状や湖との関わり方を整理した.その上で湖境界の確定によって増加する地方交付税配分について考察した.等距離線主義の湖分割のみによる交付税配分では,湖に関連する費用負担を反映した配分を実現できないことを,霞ヶ浦・北浦を例に示した.湖分の増額交付税については湖境界の内側・外側に要する事業費用の拠出を算定した後,各市町村の一般財源として振り分けることが,環境保全・持続可能社会の形成に向けて必要であることを示した,水際線からの湖バッファー・陸バッファーという,湖への交付金の新たな再配分を提示した.
著者
大澤 義明
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究は,欧州を対象地域とし欧州経済にて大きな課題の一つである税競争について現地調査した.欧州税競争及び調和政策,欧州連合,税率差,クロスボーダー購買者の実態を把握し整理し,調査を踏まえ,より単純でより本質的で政策実行に役立つナッシュ均衡モデルを開発した.本年度では,モビリティ拡大という視点から欧州各国間税競争,そして,競争の弊害を調整する欧州における経済共同体の政策について分析した.この経済問題をモデル化し,国の位置,大きさ(人口・面積),国境長といった地理的要因が,各国の税率や税収へどのような影響を与えるかを検討した.1)OECD(経済開発協力機構)からタックスヘブンとして認定されているリヒテンシュタイン公国を訪問し,金融機関の誘致,そしてガソリンスタンドでの越境購買の現状を調査した.2)欧州の付加価値税(VAT)政策に関して,空間を明示的に取り入れた既存研究に加えて,スペースレスの研究について文献調査を進めた.3)一次元市場のモデルを二次元市場で展開するために,ポロノイ図をモデルに応用し分析を進めた.また,ネットワーク市場のモデルを定式化し,日本の道州制など地方分権の下での税競争へ応用した.4)成果の一部を,「付加価値税に関する競争・協調モデル」という章題にて建築学会監修の本「建築最適化への招待」にて発表した.調査による主たる成果は,経済連合の関係もありリヒテンシュタイン公国とスイスとでは消費税に関する競争は顕著ではないが,オーストリアとではガソリン価格差の差異が大きいことが分かった.モデル化に関する成果として,モビリティ拡大としてネットワーク市場を取り入れ,複数国を経由する通過交通や人口一様分布の仮定の緩和を考慮し,均衡の安定性を議論した.
著者
大澤 義明 石川 竜一郎 小林 隆史
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

公共施設立地を巡る投票に参加する住民の影響を考察するため, 空間を取り込んだ基礎理論を構築した.住民アクセスという距離空間を明示的に取り込んだ単純な公共施設配置モデルを構築し,施設建設について各人の負担する費用(個別合理性)と行政が負担する全住民分の費用(全体合理性)についての比較を数式により明示し投票結果が経済的に最適となる必要十分条件を導出した。庁舎問題に関しては現地建て替えが有利となる2/3以上の同意要件(現在の地方自治法)の非効率性について明らかにした.加えて,実際の関東地域自治体庁舎建設に関して,GISを用いて可視化しながら投票結果の移動効率性の大きさや空間分布に関して分析した.
著者
草薙 裕
出版者
筑波大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1991

日本語をコンピュータで処理するための日本語文法の徹低的な形式化が本研究の目的である。本研究は、実際に書かれた、随筆、小説、科学技術論文などの大量の文章をデータとして、日本語の語構成(形態論)および文の構造(統語論)の規則を次のような手順で、分析、記述している。1.語の定義、2.語の分類、3.形態素の語中の位置および共起関係の分析、記述、4.語間の共起関係による表層構造の文型の記述、5.語間の意味関係による格フレームの記述を行い、さらに、これらの記述を基にして、6.上記記述を基にした語構成規則の統合化、7.上記記述を基にした文構造規則の統合化、8.日本語コンピュータ辞書の整備、9.形態素解析および構文解析のアルゴリズムの作成およびそのコンピュータ・プログラム化を行った。なお、実際に書かれた文の構文規則は非常に複雑であり、現在も規則の記述の整理を続けているところであり、この構文規則の形式化およびそのプログラムは近日中にまとめて出版の形で公表するつもりである。本研究では、日本語の統語上の単位である語を従来の単語とは異なり、同時性と不可分性という基準から定義したので、形態素解析の規則が3型規則で記述でき、2型あるいは1型規則が必須な構文解析と完全に分離できたことに大きな特徴がある。
著者
柿澤 敏文
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

2010 年 7 月に、全国視覚特別支援学校 70 校の児童生徒に対して視覚障害原因等の質問紙調査を実施し、3,375 人の回答を得た。視覚障害原因は先天素因、未熟児網膜症、原因不明の順に多い。眼疾患は網膜疾患と視神経視路疾患、硝子体疾患が増加し、眼球全体や水晶体疾患は減少した。弱視特別支援学級設置小学校・中学校の調査では、小学校 155校と中学校 48 校の児童 241 人と生徒 57 人より回答を得た。視覚障害原因は先天素因、未熟児網膜症、原因不明の順に、部位別には網膜疾患、眼球全体、視神経視路疾患の順に多かった。
著者
杉山 哲男
出版者
筑波大学
巻号頁・発行日
2005

筑波大学博士 (工学) 学位論文・平成17年3月25日授与 (甲第3688号)
著者
森田 猛
出版者
筑波大学
雑誌
文藝言語研究. 文藝篇 (ISSN:03877523)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.63-81, 1999

マリアン・ムーア(Marianne Moore, 1887-1972)はスポーツの愛好家でもあったが、特に野球は大好きだった。彼女が初期の詩十数篇を寄稿した雑誌Othersの編集者Alfred Kreymborgは、ムーアの野球 ...