著者
浅井 武 瀬尾 和哉 酒井 淳 笹瀬 雅史 河野 銀子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005 (Released:2005-04-01)

本研究では、実験風洞と数値流体解析を基にしたスポーツ流体シミュレーターを、パーソナル・スーパーコンピューター上に開発した.さらに,実際のスポーツ科学,スポーツ工学問題の展開事例として、流体工学的観点からスポーツ技術を検討すると共に,スポーツボールやスポーツシューズを代表とするスポーツ用具の空力特性の解析や改良を試みた.サッカーボールの空力解析の場合,スポーツ流体シミュレーターを用いたCFD解析と風洞実験により,無回転のサッカーボールの空力係数を分析すると共に,四塩化チタンを用いた可視化手法により,実際に飛翔するボール後流の動態を検討し,サッカーボールの空力特性を明らかにした.CFDと風洞実験におけるレイノルズ数と抗力係数の関係をみると,亜臨界レンジで0.43程度,超臨界レンジで0.15程度を示し,サッカーボールの臨界レイノルズ数は,約2.2〜3.0×10^5であると考えられた.サッカーボールの抗力係数は,平滑球とゴルフボールの中間的特性を示し,ボールパネルは臨界レイノルズ数を減少させるという意味で,空気抵抗を下げていると考えられる.CFDと可視化実験において,ボールの低速時(5m/s)と高速時(29m/s)のボール周りの流れを比較すると,低速時では,境界層の剥離点が前方岐点より約90deg.に位置していたのに対して,高速時では,剥離点が前方岐点より約120deg.に後退していた.ボール直後の渦リングのような渦塊から発生周波数を計測し,Stを推定すると,平滑球のレイノルズ数4×10^4近傍のハイモード値約1.0と近い値であると考えられた.ボールが飛翔した後,ラージスケールの渦振動(渦塊の蛇行)が観察された.このメカニズムの詳細は不明であるが,渦振動が,サッカーボールの「ナックルエフェクト」に関連している可能性があると思われた.
著者
山田 毅
出版者
筑波大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-04-06)

1.研究目的本研究の目的は、視覚障害教育に携わっていない教員や保護者が視機能評価を行い、適切な教材を開発して、視覚障害が学習を進めにくい要因にならないようにすることにある。2.研究方法(1)視機能評価検査器具を用い通常学習している教室で、児童の視機能及び教室環境に関するアセスメントを実施した。また、担任教師からも教材の見え方や視覚活用に関する配慮などについて意見を聞いた。(2)測定した結果に基づいて、教材の適切な大きさを割り出し教科書や地図帳などをインストールした。視覚に障害のない児童と同じように、教科書や地図帳などが活用できるような仕組みを構築した。(3)筑波大学心理・発達教育相談室東京グループと連携し、心理検査の内容などを支援に役立てた。3.研究成果(1)視機能評価は、視力表とマルチタッチスクリーンを用いた方法で実施して結果を比較した。マルチタッチスクリーンを用いるとカードを持ち変える必要がないことや、任意の位置からでも視力を測定できるため簡便に評価することができた。今後、通常学級担任等が活用できる可能性が広がった。(但し、この場合の視力は、医学的な視力とは区別し、教育上の参考視力として扱う。)(2)視力の測定結果から、教材を作成しマルチタッチスクリーンにインストールし活用した。視力は、照度の低い環境では低い値になるが、マルチタッチスクリーンは、画面輝度が一定であるため教室照度の違いに左右されない安定した表示ができた。拡大読書器を使用する場合よりも検索時間を短縮でき、一斉指導についていけるようになった。また、難しい漢字や細かい地図などが出現したときの心理的要因による視力低下が起きた場合も、画面を任意に拡大することができるため意欲の低下を抑制することができた。(3)筑波大学心理・発達教育相談室東京地区グループと連携をとり、心理検査の結果やパソコンなどの機器を活用する可能性について示唆をいただき支援を続けている。
著者
岡出 美則
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

本課題では、小中学校のゴール型、ネット型、ベースボール型の授業で期待できるゲームパフォーマンスのスタンダードの開発に取り組んだ。その際、個人に期待する達成率を70%に設定した。総じて、ゲーム中の試行数や成功数を増やすことを意図した修正されたゲームを活用することや単元時数確保の必要性が示唆された。また、個々のゲームパフォーマンスに応じて期待するパフォーマンススタンダードを設定する必要性も示唆された。
著者
佐藤 明 青沼 和隆 今中 恭子 吉村 耕一 木村 泰三
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010 (Released:2010-08-23)

B型大動脈解離症例では、入院1週後の血清テネイシンC(TN-C)値がhs-CRP、D-ダイマー、FDP、解離部位の最大動脈径と正相関し、死亡例は有意に高値であり、血清TN-C値が、B型大動脈解離の短期予後を予測する有用なバイオマーカーであることが判明した。マウス解離モデルにおいてTN-Cはマクロファージ浸潤とVSMCs減少・エラスチン破壊が起こっている解離の移行部位で発現亢進し、主にVSMCsと重複していた。LacZをノックインしたTN-Cレポーターマウスでは、β-gal染色にて中膜が染色され、さらにαSMAとの二重染色を行うとαSMA 陽性細胞が同時にβ-gal も陽性となり、マウス大動脈解離壁のTN-C 産生細胞はVSMCsであることが判明した。
著者
上野 健一 鈴木 啓助 山崎 剛 井田 秀行 南光 一樹
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-08-05)

簡易レーザー式・自動雨雪判別装置を開発し、中部山岳域における冬季の降雨発生の気象学的メカニズムと積雪構造への影響を明らかにした。降雨の長期発現傾向は10年規模スケールの低気圧活動に依存し、単調な増減傾向は見られない。雨雪変化は低気圧通過時の南北に走る大地形に沿った暖域と寒気団の交換過程に依存する。積雪の堆積期における降雨発現は積雪内に氷板を形成し、融雪時期まで記録される。一方で、全層ザラメ化した融雪機の降雨は積雪水量の急増と排水に寄与する。全層濡れザラメへの移行は春一番を伴う温暖な低気圧の発生に依存する。2014年2月に発生した大雪は、2014年2月の大雪は、本来、降雨となるべき降水が降雪でもたらされ、引き続く降雨も排水されず山岳域で記録的な積雪水量の増加を導いた。
著者
藤井 さやか
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

本研究では、地区計画の運用実態を把握し、その実効性と課題を明らかにすることを目的として、以下の調査・分析を行った。1.昨年度実施した地区計画を策定している全国自治体へのアンケート調査の追加分析を行い、今後の地区計画の活用意向に関して、地区計画を積極的に活用していきたい自治体が6割以上を占めていること、活用の対象としては住宅地が主体となることが明らかになった。2.地区計画策定のきっかけとしては、行政の主導に替わって住民からの要望が増えつつある。しかしながら、住民のまちづくりの発意を都市計画決定ができるだけのレベルに高めるには、法令で用意されている都市計画提案制度だけでは地区計画策定の支援制度としては不十分であることが分かった。合意形成の促進や合意確認のための諸手続き(登記簿の収集や確認)、都市計画決定に必要な図書作成等の事務手続き補助のための専門家派遣など、地区計画策定までの様々な段階に応じたきめ細かな支援が必要であることが明らかになった。3.住民発意のまちづくりでは、地域がもとめるまちづくりの質・レベルが、法定都市計画である地区計画で索敵できる内容に留まらないことがしばしば生じている。その場合、地区計画と関連諸制度(まちづくり協定や建築協定など)の連携が重要な鍵となる。地区計画の策定及び運用実績の多い横浜市では、地元との連携によって、より質の高い開発を規制誘導している地区もあり、このような制度連携が有効であるとの示唆を得た。
著者
湯川 進太郎 吉田 富二雄
出版者
筑波大学
雑誌
筑波大学心理学研究 (ISSN:09158952)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.115-127, 2001
被引用文献数
1 or 0

This study investigated the effects of violent video games in terms of game format and playing versus watching on cognition, emotion, and aggressive behavior. Sixty male undergraduates participated in the experiment. Baseline ...
著者
高山 裕康
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
no.66, pp.14-17, 2004-03

「木が、平地に生えている!」。利根川を越えて広がる関東平野を初めて見たときの驚きを今も覚えている。中国山地に囲まれた岡山の小さな町の風景しか知らなくて、何げない風景さえ新鮮だった18歳。入学式で辺りを見回せばスーツは ...
著者
鬼界 彰夫
出版者
筑波大学
雑誌
言語文化論集 (ISSN:03867765)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.101-149, 2000
被引用文献数
1 or 0

本稿は『確実性』第三部([??]193-299)のウィトゲンシュタインの思考運動の構造と到達点の解明を目的とする。『確実性』第三部は読解困難なテキストである。この困難はウィトゲンシュタインの思考の大規模でダイナミックな転換に起因する ...
著者
松林 麻実子
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
no.69, pp.117-119, 2005-03

大学院生時代から非常勤講師として働いていたので、教壇に立つようになってからそろそろ丸5年経つことになる。5年というと、それほど大した長さでもないのだが、いろいろな大学でいろいろな科目を担当していたので、それなりに思い出のようなものもある。 ...
著者
酒井 慎吾
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.47-50, 2001-11

「生物学を勉強したいと思った理由は何ですか」 「将来、クローン人間を作りたいのです」 「どうしてクローン人間を作りたいのですか」 「クローン人間を作って臓器提供者とすれば、臓器移植のいろんな問題も解決できると思います」 「クローン人間といっても、人格をもった人間ではないのですか。そこから臓器を買ってに取り出すことができますか」 ...
著者
五十殿 利治 井上 理恵 木下 直之 武石 みどり 梅宮 弘光 桑原 規子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005 (Released:2005-04-01)

本研究は、舞台美術という演劇と美術の境界領域に属するジャンルについて、検討するものであった。研究対象は研究者の専門領域の関係で、「近代」(概ね明治以降)と限定し、また舞台美術を視覚文化という視点から多角的に検討するために、美術と演劇の研究者ばかりでなく、音楽史や建築吏の専門家にも参加を求めて、検討を加えた。毎年3回ずつ開催された研究会においては、分担研究者ばかりでなく、専門家にも指導助言を仰いだおかげで、議論されたテーマはすこぶる多岐にわたるものとなった。その内容については、研究成果報告書に反映している。この研究成果報告書では、テーマが近代能、海外巡業演劇、劇場建築、舞台写真、舞踊、劇場音楽等にまで拡がっており、つぎにような論として結実している。伊藤真紀「日比谷野外能と舞台の松」、井上理恵「川上音二郎の『金色夜叉』初演と海外巡業」、梅宮弘光「川喜田煉七郎による劇場計画案の舞台機構とその時代背景」、五十殿利治「『機械美』時代における舞台と写真」、木下直之「日清戦争と原田重吉の奮闘」、木村理恵子「舞踊家アレクサンダー・サハロフの来日をめぐって」、京谷啓徳「山本方翠と活人画」、桑原規子「アーニー・パイル劇場をめぐる美術家たち」、武石みどり「山田耕作の初期劇中音楽」坂本麻衣(研究協力者)「川上音二郎の舞台改革」である。これらの議論は各研究者が研究会での意見交換を踏まえたものであり、今後さらに各ジャンルにおける舞台美術への理解を促進するとともに、舞台美術に関わる文化的な領域の多様性をつねに踏まえた研究を進めることが期待できる。
著者
日暮 眞
出版者
筑波大学
雑誌
筑波大学リハビリテーション研究 (ISSN:09178058)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.77-78, 1998-03-16

今年度になって2回目の公開講演会が、1997年10月25日、筑波大学大塚校舎で中田英雄助教授の司会のもとに開催されました。当日は10月とは思えない程の暑い日でしたが、会場には医療関係者、教育・福祉関係者をはじめ、学生や一般の方々まで様々な分野からの参加者で ...
著者
菊地 芳文
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
no.71, pp.149-151, 2005-11

今年度の夏休み期間中に実施された高校生対象の施設見学、自然学類体験学習および筑波大学高校生公開講座に関して、案内・解説および講義・実習に携わり、例年になく多くの高校生と接する機会を得た。そこで、それぞれの行事に参加をした高校生の感想と ...
著者
上條 隆志
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

本研究は三宅島2000年噴火後の森林生態系の種構成、多様性、機能に関する回復メカニズムを明らかにすることを目的とした。本年度については、以下の調査・解析を行った。1.2000年から2004年に設置した島内34箇所の固定調査区(100m^2から625m^2)において、植生調査と毎木調査をい、既存データと共に解析を行った。2.地上部の刈り取り調査を15地点行った。また、オオバヤシャブシについては個体別に刈り取りを行った。得られた試料の乾燥重量を測定し、バイオマス推定を行った。3.固定調査区6か所において土壌調査を行い火山灰ならびに埋没土壌を採取した。4.固定調査区2か所においてリタートラップを設置し、その回収を行った。5.固定調査区2か所においてシードトラップを設置し、その回収を行った。以上の調査解析結果から、噴火後5年間の植生変化パターンを明らかにすることができた。(1)火山ガスの影響が少なく、火山灰の堆積が厚い地域においては、樹木は胴吹きし、草本層ではハチジョウススキなどが増加した。(2)火山ガスの影響が強く、火山灰の堆積が薄い地域においては、樹木はむしろ衰退し、回復は草本層でのみみられ、森林から草源への退行遷移を示した。また、シードトラップの結果から、ハチジョウススキは裸地においても、周辺から多くの種子が供給されていることが分かった。噴火後に裸地化した地点同士で比較すると、火山ガスの影響の少ない地域の地上部バイオマスが噴火後5年で400g/m^2前後にまで回復したのに対して、火山ガスの影響の強い地域の地上部バイオマスは1.8g/m^2から95g/m^2程度であり、2004年から2005年の増加量も少なかった。リターフォールについては、年間のデータを得ることはできなかったが、継続調査することによって純一次生産量を推定する予定である。