著者
大澤 義明 鈴木 敦夫 白波瀬 佐和子 古藤 浩 田村 一軌 大津 晶 宮川 雅至 古藤 浩 田村 一軌 大津 晶 宮川 雅至 尾崎 尚也
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では, 高速道路や新幹線など空間的に線的に伸びる社会基盤施設整備に関して, 選挙民が投票で集団意志決定する場合, 施設がどこにどれだけ配置されるのかを空間的に導出し, どの程度経済的に効率的なのかあるいは公平なのか, を考察した. 投票ゲームによる配置と社会的な最適配置とを比較するなどを通して, 投票という集団意志決定がどの程度経済的に悪化させるのか, そして不公平にするかを理論的に評価した. さらには, 道路という社会基盤建設では, ステークホルダーは多様である. ゲーム理論のナッシュ均衡, 多目的計画問題でのパレート最適, 地理ネットワーク評価での地理値を用いて, 高速道路建設の影響を均衡という複眼的見地から理論的に論じた.
著者
阿部 希望
出版者
筑波大学
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (農学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第6120号)
著者
阿部 希望
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

本研究は、農業史研究において等閑視されてきた近代日本農業の展開に関する研究であり、農業の基盤となる種子生産、特に研究蓄積のなかった民間主導の野菜種子の生産・流通に焦点を当てた研究である。わが国の資本主義経済の確立に伴う近代都市の成長により、消費者人口が増加し、都市近郊に野菜産地が形成された。こうした近代市場の成立に対応した新たな野菜生産の発展には、高品質な種子(固定種)の大量供給が不可欠であり、これを支えたのが「野菜種子屋」であった。本研究では、明治中後期以降の野菜生産の近代化という新たな動向の中で、「種子屋」がどのような役割を果たし、展開したのかを実証的に解明することを目的とした。本年度は主に、昨年度から調査研究を進めてきた「採種管理人兼種子仲買商」の経営分析を中心に、新たに発見した「採種農家」の史料を分析し、それらとこれまでの研究成果を総合的に検討することで、近代日本における民間育種家の役割とその歴史的展開を明らかにした。この成果を社会経済史学会、経済制度センターセミナー・経済発展研究会、首都圏形成史研究会において口頭発表するとともに、「近代における野菜種子需要拡大に伴う種子屋の機能分化と連携-『採種管理人』と『種子仲買商』の役割-」としてまとめ、現在、社会経済史学会『社会経済史学』に投稿中である。また、昨年度に引き続き、野菜育種に関する一次史料所在調査を蓄積する一方で、今年度は野菜以外の作物育種(稲・蚕種・果樹等)にも分析対象を広げて、複数の重要史料を入手した。
著者
桑原 直己
出版者
筑波大学
雑誌
倫理学 (ISSN:02890666)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.1-14, 2001-12

一般に、「正義」をめぐっては、アリストテレスに代表されるように人間の外的行為の対他的秩序として捉える考え方と、プラトンに代表されるように人間の魂の内的秩序として捉える考え方があるように思われる。 ...
著者
金田 千秋 加藤 哲弘 島本 浣 山田 俊幸 及川 智早 佐藤 守弘 石田 あゆう 岸 文和 前川 修 中谷 伸生 橋爪 節也 鈴木 廣之 太田 孝彦 石田 美紀
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、大正期に流通していた大衆的な視覚表象に関する2つの課題を、豊かな対話関係において、遂行するものである。すなわち、第1の課題は、大衆的な視覚表象が果たしていたメディア的な機能の多様性を、可能な限り広範な資料に基づいて、美術史学的に明らかにすることである。第2の課題は、「文化遺産」の概念を鍛え上げることによって、何らかの大衆的イメージが後世に継承される/るべきさいの条件・方法などを、美学的に考察することである。
著者
田川 拓海
出版者
筑波大学
巻号頁・発行日
2009

筑波大学博士 (言語学) 学位論文・平成21年3月25日授与 (甲第4882号)
著者
松原 聡
出版者
筑波大学
巻号頁・発行日
1996

日本評論社1991年刊を学位論文として提出したもの
著者
松原 達哉
出版者
筑波大学
雑誌
筑波大学心理学研究 (ISSN:09158952)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.26-34, 1979
著者
真田 久
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

古代オリンピックで実施されていた吹奏競技と布告競技は芸術競技の範疇に入るものであり、その伝統を受け継いで、今日のオリンピックは文化プログラムを行うことがオリンピック憲章にて決められた。バルセロナ大会(1992)より、前大会終了後から4年間に及ぶ文化プログラムが行われ、カルチュラルオリンピアードと名付けられて今日まで継続されている。オリンピアードとは、大会開催年の1月から4年間を指すので、大会終了後も文化プログラムを続け、オリンピックレガシーとするべきである。日本から発信すべき文化プログラムとして、嘉納治五郎の理念、日本の和の心を伝えていくことは、文化交流や国際交流に貢献すると期待される。
著者
堀 正士 太刀川 弘和
出版者
筑波大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

研究目体に同意が得られ、音声採取を行った統合失調症患者は12名(男性9名、女性3名)であった。採取時年齢平均44.8歳、平均発症年齢23.5歳、平均罹病期間21.3歳であり、全例が慢性期にある患者であった。全例が抗精神病薬を投与中であり、12例中9例が主に非定型抗精神病薬を投与されており、全例でパーキンソニズムやアカシジア、アキネジアなどの錐体外路症状は認められなかった。これらを我々の主観に基づきプレコックス感あり(以下「あり」と略)とプレコックス感なし(以下「なし」と略)の二群にわけて相違点を検討した。二群間で平均発症年齢、平均罹病期間、採取時平均年齢を見たが相違は認められなかった。しかし、「あり」では5例中2例が解体型であったのに対して「なし」では7例中わずか1例が解体型であり、病型に差違が認められた。また二群間でPANSS得点を比較すると、陽性症状尺度、陰性症状尺度、総合精神病理評価尺度いずれにおいても、「あり」が「なし」に比較して高得点である傾向が見られた。さらに二群間で音声解析結果を比較すると、以下のような傾向が見られた。発声指示から実際の発声までの時間(発声潜時)は怒り、喜び、悲しみのいずれの感情を込めて発声する場合も、「あり」が「なし」よりも短時間であった。なかでも、「なし」では悲しみの感情を込めた発声で他の2つの感情よりも潜時が長くなる傾向があるのに対して、「あり」ではいずれの感情を込めた場合もほぼ同じ潜時であった。また、実際の発声時間においては、怒りと悲しみの感情において「あり」の発声時間が「なし」よりも短時間である傾向が認められた。音声の周波数特性に関しては、二群間ではスペクトログラフィの目視上では明らかな違いが認められなかった。以上まとめると、プレコックス感の認められた症例では解体型が多く、音声採取時点で精神症状がより活発な傾向が認められた。また同群では感情をどのように発声に反映させるかという試行錯誤の時間がプレコックス感なしの群に比較して短く、感情移入の障害があると推察された。
著者
稲永 由紀
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、大学立地政策の終焉と「地域主権」への政治的流れの中で、再び高等教育機関の地域配置と学生の地域移動実態に焦点を当て、公的統計分析、キャリア横断型データ(卒業生調査)分析、特定地域を単位とした総合的な地域配置・地域移動分析を通じて、人材養成機能面からみた大学立地政策終焉後の高等教育機関の地域的役割について解明することを目的とする。分析の結果、進学・卒業直後・現在に至って一度も地域移動を生じない者が一定数存在すること、特に女性は大卒であっても、地元定着志向が強い一方、私的領域におけるライフコースイベントの影響を大きく受ける傾向にあること、などが明らかになった。
著者
西田 正規 オダックス マブラ 木村 有紀 網谷 克彦
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

先史社会の復元は、それが定住社会であれば生活遺物もまた集落周辺に集中的に堆積しているため、集落遺跡の発掘によってその全体を把握できる。しかし、生活拠点を頻繁に移動させる遊動社会は、生活遺物を広大な地域に分散させるため、遺跡の発掘によって十分な情報を得ることが困難である。実際、遊動社会の先史学的研究は、定住以後の社会復元との比較において、きわめて未熟な段階に留まっている。これを克服するため本研究は、タンザニアのセレンゲティ国立公園南部の約2.5000平方キロを調査地として地表面に広く薄く散乱している石器の分布調査を行い、調査データを高度な統計処とGISを用いて解析し、それらの石器を廃棄した遊動社会の空間利用と資源利用、および遊動パターンの復元的研究に取り組んだ。石器の分布調査は50メートル四方の方形区を設定して地表の石器を採集して行い、また、地下に埋もれている石器を把握するため2平方メートルのテストピット調査を行った。計測エラーなどの資料を除外するなどして、最終的な解析は98の方形区と9ヶ所のテストピットのデータを用いて行った。テストピット調査の結果、地下に埋没している石器の大半は地表下20センチまでの浅い所に集中しており、その密度は地表面の石器密度と高く相関する(R2=0.94)。これにより、地表面の石器密度からその地域に残存する石器の全量の推定が可能であり、埋没している石器密度は、地表面の石器密度の42000倍であった。また方形区データから得られた石器密度分布を、地表水や森林、風避け地形など、「ヒトの住みやすさ」に影響する環境因子と関連づけて解析した。その結果、一年を通じて涸れない水場までの距離や遠方まで見渡せる地形などの環境因子によって石器密度分布の80パーセントが説明できることが明らかになった。以上をもとに調査地における石器予想分布図を作成した。
著者
鈴木 健嗣
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

昨年度より構築している全身18自由度の人間型ロボットにおいて,初年度,第二年度の結果に基づき実験を行った.これは,ロボットのアクチュエータ部位において生じる過電流検知および逆起電力検知による物理的な作用の計測を詳細に行うものである.各モータドライバを通じてアクチュエータに供給される電流をセンシングすることにより,動作時のアクチュエータへの電流・電圧値データを収集し解析を行うと同時に,当初計画通りロボットの自己キャリブレーションに関する研究を行った.ロボットに初期状態から自身の各部位を自由に動作させ,最終的に,ロボットが自身で能動的に行動範囲を定める機構を持っことが出来ることを示した.特に,人間型ロボットの腕部を対象とし,ロボット動作時における各関節部モータに流れる電流とその時間変動に基づいて,稼働範囲を定める閾値をロボット自身の能動的な動作により獲得する手法を提案し,口頭発表を行っている.また,(1)無負荷状態,(2)腕の先端に一定荷重を付与,(3)動作中の想定外の衝突などにおいても,適切に自身の稼動範囲を能動的に獲得することが可能となることを示した.このように,機能としての「痛み」を人型ロボットに実装することで,ロボット自身が自身の姿勢と環境の変動に応じて適切な動作範囲を能動的に獲得できることを示した.本研究の成果を国際会議論文として投稿する準備を進めている.さらに,学習理論に関する論文をまとめ,学術論文として発表した.これは,事象の関連性から学習を行うモデルであり,ロボットが自身の稼動範囲マップを構築・更新するにあたり重要となる今後,本手法を稼動範囲獲得へ応用するとともに,車輪型移動ロボットなどの異常検知への応用を検討したい.
著者
堀口 純子
出版者
筑波大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

1.データベース作成について(1)日本語の話しことばおよび中級日本語ビデオ教材のシナリオのデータベースを作成した。(2)日本語教科書の会話部分および日本語学習者の対話と聴き取りのデータベースを作成した。2.データベースの作成について(1)上記のデータベースを利用して、次のような分析を進めた。(1)縮約形のデータベースを作成し、それを分析して縮約形の練習のためのCAI教材を作成した。(2)相づちと予測のデータベースを作成し、聞き手のコミュニケーションストラテジーを明らかにした。(3)方言桃太郎の「ドンブラコ・ドンブラコト」の部分のデータベースを作成し、それをデータとして方言における清音と濁音および促音、撥音、長音の日本語学習者による聴き取りについて分析した。(4)方言桃太郎における文末のデータベースを作成し、日本語学習者による文末の聴き取りについて分析した。(2)上記のデータベースを利用して、次のような分析が進行中である。(1)話の切り出し、話順獲得、話順促し、言い淀み、などを分析することによって、会話のストラテジーを明らかにしようとする。(2)「ああ」「ええ」「まあ」「いや」「だから」「だって」「なんか」「ちょっと」「けど」「〜て」「〜し」「〜じゃない」などを分析することによって、言語形態の会話におけるストラテジーとしての機能を明らかにする。(3)初級日本語教科書に見られる縮約形のデータベースを作成し、それの類似型と数量的分析が進行中である。
著者
山田 幸雄 海野 孝
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

定年退職を迎えた中高年者がスポーツ活動を行うことにより、自己に対する評価や自尊感情、家族や友人関係、共感性や他者に対する意識、あるいは体力に対する自信等がどのように変化するのかを明らかにすることが本研究の目的であった。被験者は中高年の男女合わせて27名であった。生涯スポーツとして、多くの人々がプレーしているテニスを題材にして研究を行った。10回のテニスの講習会を開催し、講習会の前と講習会が終了した後での変化について検討した。その結果、以下のようなことが明らかになった。1)億劫になりがちであった日常生活が積極的になる傾向が見られた。2)他人との関係を構築する力が大きくなる傾向が見られた。3)家族による会話が増加する傾向が見られた。4)身体のバランスがよくなり、怪我の防止に繋がることが明らかになった。5)肩こりや腰痛の軽減に効果が見られるようであった。6)体力の向上が見られた。これらのことから、中高年者がテニスというスポーツ活動を行うことは、家族を含めた会話が増加し、他人との関係においても積極的に振舞えるようになり、体力的にも自信とが持てるようになることが明らかになった。このことは、スポーツが定年後の人生を実り豊かなものにするための手助けになることを示しているものと考えられる。
著者
阿部 一佳
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.63-66, 2001-06

ひょんなことから本欄に投稿する破目になりました。本誌編集委員の一人も加わっている小さな研究会の準備会に、私も参加していたのです。立ち上げたかったのは'オリンピック研究会'。時宜を得て、インターネット上で'オリンピック研究会'を立ち上げようというのです。 ...
著者
太田 圭
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
no.62, pp.95-98, 2002-06

この原稿が掲載される頃は、サッカーのワールドカップは大詰めを迎える。日本代表の戦いぶりはどうだろうか、決勝はどの国が、共催した日韓両国の相互理解は深まったか…など、いろいろと思いを巡らしている。執筆中の昨夜も、日本代表が前哨戦となる …