著者
福喜多 輝 高橋 正樹 吉田 和夫
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第51回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.1, 2008 (Released:2009-04-14)

本研究では,システムの応答を積極的に評価し,制御入力を決める「応答評価器」を提案し,減衰係数可変型のオイルダンパを有するセミアクティブ免震建物に適用した.システムの応答である建物最上階の絶対加速度と免震層変位を入力とし,オイルダンパの減衰係数を決める応答評価器を階層型ニューラルネットワークを用いて構成した.応答評価器の性能を決めるニューラルネットワークのパラメータ調整には,遺伝的アルゴリズムを使用した.種々の地震動入力に対してシミュレーションを行い,減衰係数をhardまたはsoftで一定とした場合に比べて,トレードオフの関係にある絶対加速度と免震層変位をhardとsoftの時の応答の中間値に抑えることができ,応答評価器の有効性が検証された.
著者
佐藤 海二
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第52回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.70, 2009 (Released:2010-01-22)

本論文は,NCTF制御と呼ぶ精密運動システムを簡単に設計・実現する方法とその応用結果について述べている.用いられるコントローラは,動作の規範となり位相面上に描かれるNCTとそれに追従させるためのPI補償器より構成される.NCTは開ループ応答波形から簡単に得られ,補償器の調整も簡単である.制御対象としてボールねじ機構を取り上げ,設計手順,制御性能について説明している.
著者
坂東 麻衣 山川 宏
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第51回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.229, 2008 (Released:2009-04-14)

円軌道上の宇宙機に関する相対運動の方程式は非線形系であるが, 線形化された宇宙機の近傍での運動はClohessy-Whiltshire方程式として知られる時不変系で記述され,円軌道近傍の最適軌道の決定にしばしば用いられる.しかし,大きな軌道面の変化を扱うことができないなど適用範囲には限界があるため,もとの非線形方程式を直接扱う手法を確立することは有用な場面も多いと考えられる. 本研究では,与えられた時間で初期位置から終端位置へインパルス入力により移行する問題を考える.このとき必要な初速度,終端速度は運動方程式の2点境界値問題を解くことにより決定される.初速度,終端速度をHamilton-Jacobi(HJ)方程式の解を用いて表すことが可能なため,この問題はHJ方程式を解く問題に帰着させることができる.しかし,Hamilton-Jacobi方程式の解析解を求める一般的な方法は存在せず,近似解を求めることも容易ではない. 本研究では,HJ方程式は最適制御問題におけるHamilton-Jacobi-Bellman(HJB)方程式と同様の構造をもつことに着目し,扱う力学の問題を最適制御問題と見なし,近似的にHJ方程式の解を求めることを考える. はじめに,HJB方程式は非線形偏微分方程式であり,直接扱うことは困難であるが,ケプラー運動のハミルトニアンが速度に関して正定関数であるという性質を用いることにより,逐次近似により線形偏微分方程式として扱うことができることを示す.次に,近年提案されたChebyshev多項式を用いたHJB方程式の近似計算法を用いることにより,解を構成する方法について述べる.最後に数値シミュレーションを行い, 提案手法の有効性を確認する.
著者
武田 龍三郎 金澤 尚史 潮 俊光
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第52回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.21, 2009 (Released:2010-01-22)

政府や企業などの社会集団が意思決定を行う際には,複数の所属部署の意見を考慮し,様々な評価基準に基づいて最終的な決定が行われるものである.本報告では,多面的な評価基準を有する集団において,複数の内部戦略に基づき集団の戦略が決定されるゲームの提案を行う.特に,囚人のジレンマゲームにおいて,「仲間からの報復」という評価基準を設け,そのプレイヤーの戦略への影響について考察する.
著者
小林 暁雄 増山 繁
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第54回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.125, 2011 (Released:2012-03-09)

ウィキペディアは,多くの固有名詞を記事として収録しており,自然言語処理の多くの応用タスクに利用されている.これらの固有名詞を,既存の人手で作成されたシソーラスの意味体系に正しく配置することができれば,自然言語処理の分野において,非常に有用であると考えられる.そこで,我々は既存のシソーラスにウィキペディアの知識を結合することで,より大規模なシソーラスへと拡張する手法を提案する.
著者
加藤 丈晴
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第59回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.761-765, 2016 (Released:2017-02-01)

様々なシステムが複雑に影響を及ぼしあう現代の自動車において、自動車OEM以外で新たなシステム開発を行う設計者は、自らのシステムの車両性能へのエフェクトを理解しながら最適設計をすべきである。エネルギー保存則に基づいたHEV燃費モデルを事例に開発初期段階で行うべきシステム主要特性の合意形成手法を紹介する。
著者
加藤 尊秋 牛房 義明
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.59, pp.159-160, 2016

<p>経済産業省が実施した「次世代エネルギー・社会システム実証事業」の一つとして、北九州市において行われたデマンドレスポンス社会実証をもとに、手動で節電を行う家庭の特徴を述べる。特に、電力価格の上昇に応じて一気に最大限の節電を行う家庭の割合と特徴をまとめる。</p>
著者
久保 博道
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.328, 2010

今年は、大河ドラマ「龍馬伝」の影響もあって、こじゃんと県外からお客様に土佐の高知に来て貰いゆう。龍馬伝の効果を県下全域に広げたいと思うて、「土佐龍馬であい博」を開催しゆう。高知駅前に観光情報のコンシェルジュ機能を持った情報発信館の「とさてらす」と龍馬伝をテーマにしたパビリオンを設置すると同時に、県下の東部・西部・北部に3つのサテライト会場を設けたがよ。この3つのサテライトは、地域の観光情報の発信機能を合わせ持っちょって、周辺の観光地等にお客様が周遊できるような仕組みになっちゅう。お陰様で今年は対前年比で、約7割も観光客が増えたがやき。来年もこの勢いを落としとうないき、「志国高知龍馬ふるさと博」を開催したいと思いゆう。その博覧会の目玉として、大河ドラマ「龍馬伝」で使われた坂本龍馬の生家セットを移築することにしちゅう。坂本家の皆なぁが座ってご飯を食べるシーンがあったろう、あれよ。そして、龍馬だけではなくて、ほかの土佐の歴史上の偉人、例えば都会でも若い女の人にこじゃんと人気のある長宗我部元親とか、また旅行雑誌のアンケートでいっつも1位に輝きゆう、鰹のタタキ(僕らぁはもう食べ飽きちゅうけんど、やっぱり旨いちや)を始めとした美味しい食べ物、それから世界的な牧野富太郎博士の植物園や、まち歩きの「土佐っ歩(とさっぽ)」とか、こじゃんと面白いもんがいっぱい有るがやき。全部は書ききれんき、やっぱり実際に土佐の高知に来てみんと分からんと思うでぇ。けんど、なんじゃかんじゃ言うても、一番面白い観光資源は、「土佐人」やと思うき。早う、土佐の高知へ来てみいや!
著者
柳沢 国之 菅原 徹 上條 正義 佐渡山 亜兵 清水 義雄
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第48回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.257, 2005 (Released:2006-01-01)

精神負荷は中枢系の疲労を生じさせるが、筋電位の発生メカニズムから考えて、表面筋電図に中枢系疲労の影響が出ても不思議ではない。しかし、精神負荷が筋電位に与える影響を研究した例はほとんどない。この両者の関係を明らかにすることは、筋電図の理解や筋電図を用いた新たなストレス評価指標の提案につながる重要な要素である。表面筋電図を用いたバイオフィードバック法によって上腕二頭筋の単一運動単位活動を非侵襲的に計測し、精神負荷の有無によるパルスの発射間隔、振幅、周波数、筋線維伝導速度への影響について検討した。
著者
小島 千昭 平田 真人 津村 幸治
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第57回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.1927-1934, 2014 (Released:2016-03-02)

Swing instability is an undesirable emergent phenomenon of a power network, in which generators coherently lose synchronism after an unexpected injection of a disturbance. In this paper, we analyze a mechanism of this phenomenon for a power network where subsystems with multiple identical generators are hierarchically interconnected. We first decompose the dynamics of each subsystem into oscillatory and zero eigenvalue modes by mode decomposition. As we see that the zero eigenvalue modes govern an unstable behavior, we define the transient stability margin in terms of the modes. As a main result, we clarify the energy transfer to the zero eigenvalue modes by using the stability margin, the collective dynamics of the entire system and the strength of the connection between subsystems. Based on this characterization, we predict that this energy transfer to the zero eigenvalue mode increases when a phenomenon of the swing instability emerges and confirm this prediction by using numerical simulation. A contribution of this paper is that we clarify an emergent energy transfer from a control theoretic view point.
著者
西久保 智昭 小林 泰秀
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.50, 2011

本稿では柔軟片持ち梁のフィードフォワード外乱抑制制御系の設計問題において,指向性アクチュエータの効果を実験的に検証する.物理モデルおよび周波数応答実験に基づき以下の知見を得た:開ループのフィードバックパス伝達関数に対して位相遅れが増加する.次にモデル化誤差を考慮せずに求めたH∞補償器と仮想的補償器に基づき以下の知見を得た:補償器のピークゲインが抑制され,その数も少なくなる.
著者
久我 創紀 中村 文一 佐藤 康之
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.1227-1230, 2014

V-22オスプレイや4回転翼型飛行ロボットの位置,姿勢制御モデルであるPVTOLシステムは難しい制御特性を持つ.先行研究においてPVTOLシステムを安定化させる静的な厳密制御Lyapunov関数(SCLF)を設計し,逆最適制御則を設計した.しかしながら,この制御則は,システムのパラメーターの不確かさに対しロバストでない.そこで本研究では,システムのパラメータの不確かさに対してゲイン余裕を保証する適応制御則を提案する.加えて,コンピュータシミュレーションによって提案法の有効性を示す.
著者
臼井 伸充 仲野 忠行 島田 明
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第51回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.222, 2008 (Released:2009-04-14)

本稿で取り上げる運動は,東洋, 特に, 日本の在来形式の木造船に用いられ, 主として船に設けられた櫓によって推進する小型船の「櫓漕ぎ」である。 櫓漕ぎ和船の多くはスクリュー船に替わり, その数は極めて少なくなっている。櫓漕ぎ和船が現存する例としては, 滋賀県の琵琶湖東岸に位置する近江八幡の水郷地帯に 観光用に「最も遅い乗り物」と題して櫓漕ぎ和船が運行されている。この他に, 東京と千葉の境を流れる江戸川の「矢切の渡し」などもよく知られている。櫓漕ぎ和船がスクリュー船に替るには, モータやエンジンによる回転運動を推進力に換えるスクリューの発明が大きいであろうし, その他にも様々な理由があってのこととされるが, 櫓漕ぎ和船の推進原理は個性的であり, 自動化を試みることにより, 未知の運動制御技術が生み出されるかもしれない。或いは, 技能制御技術の一種として価値があると思われる。
著者
貝原 俊也 藤井 信忠 小林 広治
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第54回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.295, 2011 (Released:2012-03-09)

非線形計画問題のマルチエージェント形最適化手法の一つに市場指向プログラミングがある.しかし現実問題への適用を考えた際,決定変数に整数値を含む問題が多数存在し,従来の市場指向プログラミングの適用は困難であった.そこで本研究では,市場指向プログラミングにて整数値が扱えるように拡張することで混合整数計画問題へ適用を可能とする手法を提案し,その有効性を検証する.
著者
渡辺 雅仁 越智 徳昌
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.97, 2007

空中撮影及び定点回収に、動力付パラグライダー型UAV(PPG)が期待されている。PPGは、6自由度のパラグライダーに推進動力を設けた2自由度のペイロードが吊下したもので、制御入力及び風の応答性が剛体の航空機と異なり、スケール等の設計仕様に対する運動特性を解析した研究例はこれまでにない。本発表は、飛行力学の解析、制御系設計のためにPPGのモデルを構築し、その運動特性に関して考察したものである。
著者
鎌田 龍太 高橋 康太 山迫 光起 渡邊 亮
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.59, pp.124-125, 2016

<p>鉄道の運行スケジュールに対し,乗務員を割り当てることを乗務員スケジューリング問題という.本稿では,急行列車と各駅停車が混在する大手私鉄を対象とした乗務員スケジュールの自動作成について述べる.スケジュールの作成は,作成過程での組み合わせ爆発を回避するために,「部分行路」を用いた段階的な最適化により行う.</p>
著者
石光 俊介 福井 和敏 山中 貴弘 中山 仁史
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.408-412, 2014

構音障がい者を対象として発声支援システムの開発を行っている.このシステムでは健常者音声から推定した線形予測係数を用いて障がい者体内伝導音を明瞭化する.システムの概要の他,明瞭化手法の検討結果,および,その有効性を聴取実験および調音素性分析により評価した内容について発表する.