著者
橋詰 豊 塩井 幸武 毛呂 眞
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.694, pp.117-130, 2001-12-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
16

1994年三陸はるか沖地震における青森県八戸市の建物等の構造物被害, 水道被害と地盤の振動性状の関係を, 常時微動測定及び一次元重複反射理論に基づくモデル計算の結果を用いて検討した結果, 次のような相関関係が得られた. 1) 地盤振動のスペクトル形状はN値50程度の基盤より上の, ごく浅い地層の影響を強く反映している. 2) 水道被害は地盤のスペクトルや加速度レベルによる影響よりも主に傾斜地や切土・盛土等の人工的なものも含めた地層境の影響を受け易い. 3) 構造物の被害は, 地盤の卓越周期に影響され易い. これらの事より, 常時微動測定は構造物被害を推定するのに有効と考えられる.
著者
藤村 尚 坂口 雅範
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.65-68, 2001

2000年10月6日午後1時30分頃, 鳥取県西部鎌倉山北西の地下約10kmでM7.3の地震が発生し, 日野町、境港市で震度6強, 鳥取市, 震度4, 倉吉市震度3を観測した (気象庁発表)。<BR>本報告では, この地震による被害のうち液状化被害について述べる。そこで、以前に行った地盤のデータベースと液状化のゾーニング結果を示し, これらの地盤情報と今回の平成12年鳥取県西部地震による西部地区での液状化地点の比較を行う。
著者
遠藤 光一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.221-226, 1997

二級河川夏井川の中流部に位置する磐域小川江筋取水堰 (福島県いわき市) は1654 (慶安4) 年に築造され、河川の曲線部で平面的には斜形、縦断的に多段式、構造的に木工沈床という国内に現存する数少ない大規摸な「斜め堰」であり、歴史的にも最も古いものである。これをケーススタディーとして、史料や「斜め堰」の類似例 (第十堰吉野川 (1752) 年、山田堰筑後川 (1790) 年) から河川工学的に比較評価し、流れを見極め、流れに逆らわない河川構造物の設計視点を提言したい。
著者
和田 一範 有田 茂 後藤 知子
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究論文集 (ISSN:13495712)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.151-160, 2005-05-15 (Released:2010-06-04)
参考文献数
10

It is said that the Fuji River is the origin of Seigyu (crib spur) which is known as one of the typical traditional river works in Japan. This paper is to investigate the origin of Seigyu in this country by pursuing the kind of historical documents which include the description about the origin of Seigyu. Under the historical document “Jikatahanreiroku” published in 1794, there was a description about Seigyu as “Seigyu is a river method which originate from the period of Shingen, it was used as a measure of large rivers in Kosyu region”. This description is the origin and the tradition of “Seigyu originated at 'the large rivers in Kosyu' which is Fuji River” started to be known.Also, inclusive of the investigation about the origin of Seigyu, the regional differences of river works which could be read from the historical documents was observed.
著者
土屋 修一 加藤 拓磨 手計 太一 山田 正
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
水工学論文集 (ISSN:09167374)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.367-372, 2005-02-01 (Released:2011-06-27)
参考文献数
6

The social experiment was carried out for the purpose of the mitigation of the heat island effect by watering on August 18th to 25th. The microclimate observation has been carried out at watering area in Eastern Tokyo. As the results, the effect of the watering on the thermal environment in urban area was evaluated as decreasing effect on temperature. The following results were obtained; 1) The temperature variation in the daytime is included to be different every site because of the dispersion of surface temperature. 2) The air temperature in the experiment area is from 2 to 9 [degree] higher than temperature in thermometer shelter by the effect of long radiation. 3) The temperature decrease instantaneously when watering starts. 4) The temperature decreases 0.66 [degree] on average, 1.93 [degree] on maximum after the watering. 5) Total amount of decreasing temperature is decreased linearly by the distance from the point of watering.
著者
Shigeki MATSUURA
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.669-676, 1996-06-05 (Released:2010-06-15)
参考文献数
4

工部省の高官・大鳥圭介が1882 (明治15) 年、アメリカの技術書「堰堤築新按」を翻訳して出版した。290ページからなる大著で、図・絵がふんだんに盛りこまれ、分かりやすく書かれている、大鳥の翻訳の意図は、それほど知識はないが実際に現場で工事を行う農民や村職人でも分かる技術書の出版であった。工部省は、政府の官営事業を直轄し、殖産興業政策を行ってわが国産業の近代化を推進する機関であり、そのために外国人を招聘し、欧米に留学生を派遣し、大学校を立して専門家の育成を図っていた。この機関の高官が、専門家ではない一般技能者の技術向上を目的として、このような書物を翻訳していたのである。ここに近代化を目指す明治新政府の懐の深さを強く感じさせる
著者
五島 寧
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.93-104, 1993-06-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
44

本論文は, 李氏朝鮮王朝時代からの既存の都城であった「京城」(現: ソウル) が日本帝国の植民地統治下において, 物理的あるいは空間的にどのように変容したのかという点を, 街路整備の観点から明らかにすることを目的としている。植民地時代の朝鮮半島の都市建設については, 全体を総括した既存研究が存在するが, 具体的な整備の展開について平面図上での検討は省略されているため, 本研究では街路整備の面的展開を明らかにし, 土地利用の変化から街路の機能の変化を考察した。結果として, 既存大街路の, 形態に担保された機能の積極的活用と展開, 及び事業費低減の取り組みの中での既存細街路の消極的利用を示した。
著者
房前 和朋 竹林 征三
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.627-636, 1996-06-05 (Released:2010-06-15)
参考文献数
18

Before developing the machine construction, construction works depended on humanpower. The “Songs of labor” was indispensable to achieve simple and hardconstruction works. This paper studies the history of ramming which is the basic and important process for levee constructions from the “Song of labor”, or, “Pontsuki song” points of view. Ramming instruments had been heavier afterimprovements, therefore many people needed to ram together. According to that, the songs of labor had also changed. Many labor songs has disappeared nowadays, but some songs such as “Tankai-bushi” and “Hanagasa-ondo” has become local folk songs and been sung by many people even now. In this study we collect 70 labor songs used all through Japan for levee construction, clear the relations between the distribution of labor songs and construction methods, and discuss the value of the “songs of labor”.
著者
大石 希 浅岡 朝泰 高木 朗義 北浦 康嗣
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.67_I_197-67_I_208, 2011

プロサッカーチームはJリーグが掲げる百年構想に従い,サッカー以外の活動を行うことで,地域の魅力向上など地域活性化に貢献している.その一方,チーム運営には厳しい現状があり,プロサッカーチームの存在意義が問われている.本研究ではプロサッカーチームがもたらす市場価値のみならず,非市場価値を評価し,プロサッカーチームが地域活性化に貢献していることを明らかにする.具体的には,FC岐阜に対するアンケート調査を実施し,大分トリニータのデータも用いて,CVMや機会費用,消費者余剰法によりプロサッカーチームによる地域活性化の便益を評価する.その結果,試合開催時における便益以外にも,生涯体育や社会貢献などの地域貢献活動に対する便益が小さくないことを示す.
著者
小野田 滋
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
日本土木史研究発表会論文集 (ISSN:09134107)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.115-122, 1986-06-25 (Released:2010-06-15)
参考文献数
21

First derrick car called SO-1 type was designed for bridge erection by Japanese Government Railways, and 6 units of them had been built from 1920 to 1927. This derrick car was capable of erecting up to 70ft span and 28ton weight class plate girder bridge. Though based on the past similer idea, the car was an original one for railway use, and it contributed very much to construction of railway network at that time. This erection method was characterized in that it made the bridge erection safer, faster and more economical than the former staging erection. But it retired about 1960', because a new bridge erection has been developed thereafter, and a new derrick car SO-200 type appeared in 1960. This paper discribes a history of the first derrick car for bridge erection.
著者
森杉 壽芳 林山 泰久
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.440, pp.71-80, 1992-01-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

本研究は, 現代的手法である費用便益分析を応用して, 明治・大正期鉄道網形成の国民経済的便益を計測することを試みた. 本研究の対象とする便益は, いわゆる直接効果である輸送時間・費用の節約のみならずその波及効果をも含み, 波及効果はGNPへの貢献である所得の増大効果のみならず, 鉄道網整備により便利になったことによる国民の福祉向上を貨幣タームで表現した福祉効果を計測している.
著者
久我 尚弘 根本 文夫 中山 等 日紫喜 剛啓
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.403, pp.219-228, 1989-03-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
8

The Yobuko-Ohashi Bridge, located in Yobuko Town, Saga Prefecture, is a 3-span continuous prestressed concrete cable-stayed road bridge with a center span of 250m, which connects an isolated island, Kabejima Island, to Kyushu. It is the longest-span concrete bridge in Japan. In construction of the superstructure, the girders were constructed by cast-in-place balanced cantilever method using travelers. And the deflection of girders, tensile forces in stay cables and stresses in girders, which are essential for prestressed concrete cable-stayed bridges, were monitored and adjusted rationally and promptly with the help of a new system using microcomputer. This report outlines the system used in this bridge construction project.
著者
榎本 拓真 中村 文彦 岡村 敏之
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.385-394, 2008-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
17
被引用文献数
2

本研究では, 近年, 導入が進む大型SCの公共サービス機能の導入の中で, 特にアクセス公共交通導入に着目し, アクセス費用のモード問比較, 買物行動の実態評価を通じ, 郊外大型SCのアクセス公共交通導入実態と, 郊外大型SCへの公共交通乗り入れによる地方都市における買物行動の手段転換可能を明らかにした. 結果として, 郊外大型SCへのアクセス公共交通は, 多様な導入形態があり, 高いLOSを担保する事例も確認した. さらに, 買物行動の実態分析と自動車とのアクセス費用比較から, アクセス公共交通の優位性は認められず, チョイス層でも買物行動時の自動車利用が固定化し, 所要時間が公共交通より長くても自動車を選択する傾向を示し, 手段転換が困難であることを示した.
著者
稲垣 具志 寺内 義典 橘 たか 大倉 元宏
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_933-I_941, 2014

これまで,通過交通が問題となる生活道路では,抜け道利用者に着目した交通安全対策が多く実施されてきた.本稿は,抜け道利用者ではない地区関係者の走行速度に着目し,抜け道利用者の速度との傾向の違いについて明らかにすることで,地区関係者向けの安全啓発・教育を実施する意義について検討することを目的とする.東京都内の2地域を対象としてナンバープレート調査と走行速度調査を同時に実施し,地区関係者と抜け道利用者別の走行速度分布を取得した.これらを比較したところ,地区関係者には抜け道利用者と比べて低速走行する傾向が一部確認できたが,地区関係者においても生活道路を高速走行する運転者が無視できない程度に存在し,地区関係者を対象とした速度低減対策を構築する必要性が示された.
著者
原口 泉
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.623-628, 1997-06-05 (Released:2010-06-15)
参考文献数
10

鹿児島市の甲突川に架かる五つの石橋、150年にわたって鹿児島の歴史的景観を形作ってきた4連、5連の石橋群は、本年1997年1月までに完全撤去された。そして五大石橋と同時期に架けられた甲突川最後の石橋、河頭太鼓橋も本年秋から冬にかけて撤去される運びとなっている。本稿では、河頭太鼓橋の歴史的、文化的価値について論じつつ、石橋撤去の持つ意味を提起したい。
著者
田中 皓介 中野 剛志 藤井 聡
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_353-I_361, 2013

人文社会科学において,"物語"は,人間,あるいは人間の織り成す社会の動態を理解するにあたって重要な役割を役割を担うものと見なされてきている.それ故,人間や社会を対象として,公共的な観点からより望ましい方向に向けた影響を及ぼさんと志す"公共政策"においても,物語は重大な役割を担い得る.また公共政策の方針や実施においては,マスメディアが少なからぬ影響を及ぼしていることが十二分に考えられる.ついては本研究では,現在の日本において,政策が決定,採用されてきた背景を把握するにあたり,新聞の社説を対象とし,新聞各社に共有されている物語を定量的に分析することとする.
著者
野口 竜也 西原 正典 西田 良平
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学論文集 (ISSN:1884846X)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.206-213, 2007 (Released:2010-11-22)
参考文献数
8

鳥取県内の50観測点で得られた 1464地震 (延べ 4833個) の計測震度データの分析を行った. 各観測点において, 距離減衰式による推定震度と観測による震度の差の平均を求め, 地盤増幅による増幅効果の指標とした. この指標と地盤特性を比較し関係を調べた. 地盤の深さ 30mまでの平均 S波速度 (AVS30) とは良い相関がみられ, AVSが小さいほど揺れやすい地点である関係がみられた. より深い地盤構造を反映している重力異常との比較では, 特に相関がみられなかった. また, 従来から境港市の近接 2地点で震度差が生じる地点においては, AVS30がほぼ同じあるにも関わらず, 今回の分析による増幅効果の指標においても同様な差異がみられた.
著者
兵頭 知 吉井 稔雄 高山 雄貴
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_1027-I_1033, 2015

時間的に明るさが変化する薄暮/薄明,空間的に明るさが変化するトンネル周辺などの状況下では,視環境に影響を与えることから事故発生リスクが高くなることが想定される.そこで,本研究では,走行時間帯における明るさおよび走行時において空間的に変化する明るさが交通事故発生リスクに与える影響を明らかにする.具体的には,2007年~2010年における4年間に四国の高速道路において記録されたデータを用いて,ポアソン回帰モデルを用いた事故発生リスク要因分析を行う.分析の結果,夜間時において有意に事故発生リスクが高まること,昼間時・薄明時のトンネル出口部において物損事故発生のリスクが高まることなどの知見を得た.