著者
福岡 捷二 昆 敏之 岡村 誠司
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B (ISSN:18806031)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.238-248, 2007
被引用文献数
7

鶴見川多目的遊水地は2003年6月より運用を開始された.遊水地周辺には出水時の洪水調節量を測定するための観測体制を整備している.平成16年10月の台風22号による出水は運用開始後初めての大規模な出水であり,鶴見川多目的遊水地で約115万m<sup>3</sup>もの洪水調節がなされた.<br> この出水における鶴見川多目的遊水地の洪水調節量の確認と観測体制の検証を目的として,河道で観測された水面形の時間変化を解とした二次元不定流解析を行い,遊水地の洪水調節効果算定の新しい方法を確立した.また,今後検討すべきより弾力的な遊水地の計画と整備について本解析手法の活用について述べるとともに,遊水地を効果的,効率的に活用するための観測体制の改善案を示した.
著者
宇野 宏司 廣瀬 裕基
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.I_996-I_1001, 2014

南海トラフ巨大地震による津波で大阪湾圏域の沿岸部には大きな被害が及ぶことが懸念される中,緊急避難場所としての駅舎利用や堤防としての機能発現など,沿岸部の鉄道インフラ施設を活用した防災・減災が期待される.本研究では,大阪湾圏域沿岸部を走るJR阪和線・紀勢本線(天王寺~串本),阪神本線・なんば線(三宮~大阪難波),南海本線(難波~和歌山市)の路線構造や駅舎(全149駅)の標高・構造を調査するとともに内閣府の中央防災会議のモデル検討会で示されたシミュレーション結果を活用することによって,現時点での想定津波に対する浸水可能性を検証し,鉄道施設による津波防災・減災効果を明らかにした.また,大阪湾圏域の鉄道インフラ施設による津波防災・減災対策の現状と課題を整理した.
著者
河井 正 金谷 守 田中 幸久 石川 博之 武田 智吉
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.705-708, 1997
被引用文献数
2

外洋に面した人工島を保護するケーソン式防波護岸の地震時挙動を検討するため、遠心力載荷模型実験を実施した。実験ではケーソン式防波護岸が異なる地盤条件のもとで建造されることを想定し、岩盤上に設置された場合と砂層上に設置された場合の両方の場合について検討した。また一方でケーソン式防波護岸の一部である消波工部分の地震時挙動を把握するため、消波工のみからなる堤体の加振実験も実施した。その結果、岩盤設置型の防波護岸では水平震度1.0で加振してもケーソンの変位があまり生じないこと、消波ブロックのような異形材料の集合体でも、動的変形特性にひずみ依存性が認められる結果が得られた。
著者
前川 宏一 福浦 尚之
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.634, pp.209-225, 1999-11-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
23
被引用文献数
2

本研究は, 著者らが提案し, 既にRC要素レベルでの検証を経た多方向ひび割れを有する鉄筋コンクリート構成モデルの, 部材レベルでの検証を行なったものである. 静載荷耐震壁実験との比較解析, 5層耐震壁の動的載荷実験と国際 blind ベンチマーク解析, 実構造物の縮小模型実験との比較解析, さらに, 構造物レベルで3方向以上の多方向ひび割れ状態が生じるケースについての試解析を行い, 本RCモデルが構造物の高非線形領域での挙動を求めるに必要な実用性を有していることを示した. あわせて, 使用したRCモデルの適用領域と, これが組み込まれた非線形応答解析の実用範囲を示し, なおもって技術的に不十分な点を明らかにすることで, 今後の課題を示した.
著者
藤井 郁夫
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.155-161, 1997-06-05 (Released:2010-06-15)
参考文献数
31

トラス形式の橋梁は日本には明治になって導入され日本の橋の長大支間化の役割を果たした。以後のこの形式の発展を支間長を指標にして振り返ってみた。結果として, 橋形式としては単純形式から, カンチレバー形式連続形式へと変遷をしている。そして又, 長大と言える支間長を明らかにることが出来た。また何故長大橋が架けられたかさらにはその架設法についてもみてみた。
著者
小西 純一 西野 保行 渕上 龍雄
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
日本土木史研究発表会論文集 (ISSN:09134107)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.207-214, 1985-06-25 (Released:2010-06-15)
参考文献数
15
被引用文献数
1

A historical sketch of railway truss girders constructed in Meiji era (1858-1912) is described. This is the first part dealing with the 200ft double Warren truss girders which is believed to be a representative of the British school of design. A total of 112 girders were imported from England and erected in 1886-1898, 22 of which were made of wrought iron and remainings were wrought iron and steel combined girders. In April 1985, 18 girders are still stand, most of them are in use, though 9 of them are shortened.
著者
橋本 成仁 坂本 邦宏 高宮 進 久保田 尚
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.797-804, 2000-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
3

新たな面的な交通静穏化対策である「コミュニティ・ゾーン形成事業」の安全性と生活環境の向上に関して三鷹市コミュニティ・ゾーンを題材として詳細な交通事故データ分析や自動車走行速度の事前事後調査、当地区の居住者に対するアンケート調査形式の供用後調査などを行うことにより、評価・問題点の抽出を行った。その結果、当地区は交通事故の削減は進んでいるものの、住民がそれを実感できる安心感を醸し出すまでには達していないことが判明した。また、自転車・二輪車交通への対応、狭幅員の道路への整備手法の必要性など、今後、既存住宅地においてこのような事業を進める際に他の地区でも課題となるであろう問題点を抽出した。
著者
篠田 哲昭 中尾 務 早川 寛志
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.183-190, 1991-06-05 (Released:2010-06-15)
参考文献数
41

人類が「火」を手にして以来、薪・石炭・石油・原子力とエネルギーを求め続けてきた。なかでも石炭は18世紀半ばイギリスに始まった産業革命の原動力であり、その波及効果が鎖国状態であったわが国に開国を迫る大きな力となってきた。当時の石炭は、箱館の国内向けには僅かにオランダから贈られた軍艦の燃料等として需要があった程度であるが、修好通商条約によって箱館港に入港する諸外国の黒船にとっては欠かすことのできない燃料であった。幕末の北海道における石炭山は釧路場所の白糠炭山、岩内場所の茅沼炭山が主な産地であった。先進諸外国を見聞した榎本武揚が炭山の必要条件に, 「一に運輸、二に品位、三に分量」と説いたが、本報告は茅沼炭山の「運輸」について史料を整理し取りまとめたものである。
著者
木内 豪 神田 学 栗城 稔 小林 裕明
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
水工学論文集 (ISSN:09167374)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.381-386, 1994-02-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
4
被引用文献数
2 2

Growing cities have been deteriorating heat environment due to artificial coverage of the ground and artificial heat effluence. The authors focused on the watering on paved roads as one of elective and immediate measures against the situation and observed the elect on the micro climate in a city area in the last summer. The results showed that the difference in temperature and humidity at two points with and without watering were maximum 1.5 degree and 8%, respectively. In addition, the estimated heat balance at the points showed that the considerable latent heat and the lateral heat transport contributed to lower the surface temperature of the road due to watering.
著者
中山 義久 西田 一彦 西形 達明 井上 啓司
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.638, pp.207-215, 1999-12-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
16

非常に幅広い物理・強度特性を有するまさ土の液状化特性を総合的に把握することを目的として, 関西地区で産する複数のまさ土を対象として繰返し三軸試験機で液状化試験を実施した. 液状化強度に及ぼすまさ土の物性値として粒度特性 (細粒分含有率, 50%通過粒径, 均等係数), 風化度 (強熱減量), コンシステンシー特性 (流動限界) を選び, それぞれの物性値と液状化強度との関連を調べた. その結果, まさ土の液状化特性はその採取場所によって大きく異なるが, コンシステンシー特性 (流動限界) と圧密後の間隙比を用いて簡易的に液状化強度を推定できることが明らかになった.
著者
古河 幸雄 藤田 龍之 坂田 正純 村田 吉晴 渡辺 英彦
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.750, pp.159-170, 2003-12-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
19

阿武隈高地のまさ土を対象にして, コンクリート用細骨材への利用について検討した. 細骨材としての品質を評価すると, 規定値をすべて満足するのは絶乾密度, 粘土塊量, 有機不純物量, 吸水率および塩化物に対する安定性は強熱減量Li≦2.5%の場合, 洗い試験はすべてのまさ土で満足しないことがわかった. まさ土を骨材としたときの圧縮強度はセメントの物理試験による強さ試験で行い, 粒度分布を自然粒度と細骨材として規定されている粒度範囲の中央粒度の2種類, 水セメント比は3種類で行つた. その結果, 圧縮強度は粒度分布より水セメント比の影響を強く受けることが明らかになつた. また, 配合設計により強度試験を実施した結果, 設定した圧縮強度の60~110%程度の強度発現が得られ, 圧縮強度はLiに強い影響を受けることがわかった.
著者
臼木 恒雄 寺野 隆雄 中村 秀治 栗原 千鶴子
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.416, pp.295-302, 1990-04-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
12

Characteristic equations, such as stability equation and frequency equation in structural mechanics, are often reduced to transcendental equations, and the practically usable solver of the equations is anticipated.Although the DKA (Durand-Kerner-Aberth)-scheme is already established as a solution method of high order algebraic equations and appraised high in the field of numerical analyses, the scheme has been considered not to be applicable to transcendental equations. However, further improving a solver which one of the authors discussed and expanded the DKA-scheme earlier, the authors succeeded to obtain good solutions of transcendental equations in specified domain with sufficient accuracy.In this paper, the authors wish to describe the algorithm and the numerical examples of the proposed transcendental equation solver.
著者
柳澤 則文 大山 理 栗田 章光
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.255-266, 2015

近年,不審火,放火,沿線火災あるいは車両事故による炎上により,一般橋梁や高架橋の火災事例が国内外を問わず数多く報告されている.しかしながら,橋梁では,トンネルのような大規模な火災事例は少なく,火災時における性能照査手法は必ずしも明確に示されていない.一方,性能照査を行う場合,高温状態での終局耐力をより正確に評価するため,2種類以上の外力が同時に作用する場合の相関関係を把握することが重要となる.そこで,鋼合成桁を対象に高温時の相関関係について検討を行った.<br> 本文では,その検討結果を踏まえ,火災時における橋梁の性能照査において必要とされる終局耐力相関曲線を提示する.
著者
泉 岳樹 岡部 篤行 貞広 幸雄 花木 啓祐 一ノ瀬 俊明
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境システム研究 (ISSN:09150390)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.171-178, 1999-10-15 (Released:2010-06-04)
参考文献数
15
被引用文献数
1

This paper predicts the effects of the capital relocation on a thermal environment using a meso-scale meteorological model. Five candidate cities, Tomakomai, Nasu, Hamamatsu, Toki and Ueno, are chosen for study areas.The simulation results show that temperature will rise in all the candidate cities after the relocation. The temperature rise averaged over a day is from 0.5 to 1.0 degree centigrade in each candidate city. In the coastal candidate cities, Tomakomai and Hamamatsu, the temperature will rise not only in new capital regions but also in the leeward regions because of the sea breeze.Relative contribution of land cover changes and anthropogenic heat to the temperature rise are also compared. The temperature rise in the daytime is brought mostly by land cover changes. At night the influence of anthropogenic heat becomes large, and in some candidate cities it becomes greater than that of land cover changes. These results imply the energy-saving at night is effective for controllingthe temperature rise in a new capital.
著者
島田 玄太 関 克己 野原 威一郎 小栗 保二 関本 恒浩 水口 優
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.586-590, 2002

本研究では (1) 汀線近傍の砂面高及び遡上波の水面変動を連続して捉えることが可能な観測システムを開発設置し,(2) それにより得られた台風接近に伴う大規模侵食のデータを基に, 地形変化の実態を報告し, その生じる原因を考察する.その解析から以下のことが分かった.(1) 大規模侵食が1時間強で生じること,(2) 侵食は満潮になる直前に生じていること,(3) 遡上波1波ごとに見た結果, 遡上域岸側では数波の遡上波によってのみ急激な砂面低下が生じていた.侵食の要因としては潮位を含む平均水位の上昇, 正の大きな水位変動を持つ長周期波と風波の3者のタイミングの良い合成によって, 遡上波がバーム頂を大きく超えることが引金となることが確認された.
著者
鶴谷 広一 中川 雅夫 木曽 英滋 古川 恵太
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.986-990, 2005

鉄鋼スラグと浚渫土砂の干潟材料への適用性を調べるため, 水槽を用いて実験を行った. 水槽に鉄鋼スラグと底泥を適当な割合で混合して敷き詰め, ポンプで海水をくみ上げて, 底質の上に常時かけ流した. 底質の状況を調べるため, 表層の強度を貫入式強度計で測定し, 底質の間隙水を採取してそのpH, 全窒素, 全りん, 全鉄, COD, TOCについて測定を行った. 底質中の生物の生息状況を把握するため, メイオベントスとマクロベントスの分析を行った. 製鋼スラグを用いた底質では, 間隙水のpHが海水より若干高めであったが, 生息するベントスは自然材料と比べて特に大きな差は見られず, 干潟への適用に可能性が開けた.
著者
コット ミッシェル 小林 一郎
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.363-374, 1995-06-09 (Released:2010-09-28)
参考文献数
44

フランスの産業革命は1820年代に始まったとされる。本論文は、マルク・スガンのフランスにおける技術革新と技術移転についてまとめたものである。この時期の彼の功績の主なものは、1. 鉄線によるケーブルの発明、2.水中コンクリート及び鉄筋コンクリートの先駆的な使用、3. 円筒ボイラーの使用、4.フランスにおける最初の貨車及び機関車の製作等である。本論文では、これらについて詳述し、これまであまり評価されることのなかった土木人としてのスガンの全体像と土木史上の功績についてまとめる。なお、本研究は新しい試みとして、フランスの科学史研究者と日本の土木構造の研究者とのマルク・スガン及びフランス吊橋史に関する一連の共同研究の序論として位置づけられるものである。
著者
馬場崎 正博 宗 琢万 河口 洋一 朴 埼燦 島谷 幸宏
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境システム研究論文集 (ISSN:13459597)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.97-103, 2006-10-10 (Released:2010-06-04)
参考文献数
31

干潟の保全再生の取り組みが全国で始まっている.その際, 環境目標の設定が重要であるが過去の再現は困難なことが多い.福岡都市圏の今津干潟は古代から栄え, 貝塚を始め多くの歴史的資料が蓄積されている.本研究ではこれらの資料を分析し, 古代から昭和50年代までは干潟と人の係わりが密接であったこと, 地域では干潟環境の悪化は砂質干潟の泥質化が原因だとされていたが, 出土貝類の状況から泥干潟が古代から存在していたことなどを明らかにした.本研究のアプローチは各地の干潟再生に貴重な情報を提供すると考えられる.
著者
芝 定孝 平田 雄志 八木 俊策
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
水工学論文集 (ISSN:09167374)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.245-250, 1999-02-10 (Released:2010-08-25)
参考文献数
10

Cloud droplet formation is an important process in water cycle between the earth and the atmosphere. In order to investigate the nonsteady growth of cloud droplets due to the condensation of the atmopheric water vapor on (NH4) 2 SO4 particles, a mathematical model has been constructed and the nonsteady growth has been simulated numerically with use of the mathematical model. The mathematical model is constituted by the conservation laws of water mass and heat energy and the state equation of ideal gas. As the speed of time variation of droplet heat QW is very fast compared with that of droplet mass mw, droplet temperature Ta can be treated as in steady state. The equilibrium droplet size ae is dependent on the 3/2 power of the initial radius aso of cloud condensation nucleus (NH4) 2SO4. The larger as0 is, the more the droplet grows in its equilibrium size ae. It takes much time for large condensation nucleus to attain the equilibrium size ae. It also has been cleared that Kelvin's equation is not always applicable to estimate the cloud droplet siz
著者
吉田 樹 竹内 伝史 秋山 哲男
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.581-588, 2003

モータリゼーションの進展にあわせて整備されてきた市街地の駐車場はもはや供給過剰な状態にあり, このことが民間駐車場の自律的な供給を阻害している要因になっている.従って, 今後の駐車場政策は既存の駐車場の有効活用や適正な配置に留意して進めるべきである.本研究では駐車場利用者が目的地まで徒歩でアクセスしていることに着目し, ナゴヤドーム周辺をフィールドにして, 街路環境の影響を考慮した駐車場選択モデルを構築する.構築されたモデルによって, 駐車料金や目的地までの歩行距離といった第一義的な要因に加えて, 駐車場選択に街路環境の諸特性がどう補完しているのかを検討し, 駐車場の有効活用や適正配置の指針を得る.