著者
黒田,長禮
出版者
東京動物學會
雑誌
動物学雑誌
巻号頁・発行日
vol.43(508・509・510), 1931-03-15
著者
水畑 和子 堀川 恵司 酒井 英男
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.344-347, 2016-07-20 (Released:2017-01-01)
参考文献数
4

富山県は,三方を急峻な山々に囲まれ,深い湾を抱くように平野が広がっている。豊富な水資源は,稲作等の農業を盛んにし,また急な川が多いので水力発電所が多く,大量の電力を必要とするアルミ産業を発展させた。過去には,日本の四大公害病の一つ「イタイイタイ病」が発生し,最近では,立山に日本で唯一の氷河があることが確認された。魚津では,国の特別天然記念物に指定された約2000年前の杉林の埋没樹根も発見されており,富山市を中心に半径50kmの中に高低差4,000mの時空を超えた多様な自然環境が見られる。本稿では,富山の川のカドミウム濃度の現状と立山の雪と魚津埋没林の地下水に関する研究について紹介する。

1 0 0 0 OA 漢文叢書

著者
久保天随 校
出版者
博文館
巻号頁・発行日
vol.第8冊, 1913
著者
武内 玲 川田 美和 柴田 真志
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.68-73, 2019 (Released:2019-08-28)
参考文献数
18

目的:本研究の目的は,慢性期統合失調症患者の日中の身体活動と睡眠指標の関連を明らかにすることであった.方法:対象者は慢性期統合失調症入院患者27名(男性17名,女性10名,平均年齢58.3 ± 11.6歳)であった.客観的睡眠指標として小型体動計を用いて,総睡眠時間(TST),入眠潜時(SL),中途覚醒時間(WASO)および睡眠効率(SE)を評価した.また,主観的睡眠指標としてピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)を実施した.身体活動指標は歩数を採用し,一軸加速度計を用いて客観的睡眠指標とともに1週間測定した.結果:歩数は,SE(r = .629, p < .01)およびTST(r = .406, p < .05)と有意な正の関連が,またWASO(r = –.615, p < .01)と有意な負の相関関係が認められた.一方,歩数とPSQIスコアに関連は見られなかった.考察:身体活動の多い統合失調症入院患者は客観的睡眠指標が良好であり,身体活動を高めることが睡眠の改善に結びつく可能性が示唆された.
著者
美山 透
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
巻号頁・発行日
2020-03-13

教育の中で海洋が取り扱われる意義は、生活をとりまく環境の認識、各国と共有される資源への意識(漁業、海洋汚染など)、自然災害への理解(津波、高波、エルニーニョ、地球温暖化など)などが挙げられる。ここでは、これらの話題が高校教育に取り上がられているか、適切に説明されているかについて、「地理A」(6冊)、「地理B」(3冊)、「科学と人間生活」(5冊)、「地学基礎」(5冊)、「地学」(2冊)レビューした。講演者は専門が海洋物理学であり、その視点が中心になる。同じ教科でも出版社により個性があるものの、要旨では教科毎の概観を記す。 「地理B」は上記した話題を多かれ少なかれ網羅している。全教科書に海流図とともに、海流に関する概説がされている。海流の成因についても説明が試みられているが、その説明は危うい。例えば、3冊中の2冊で「吹送流」という言葉が出てくるが、いずれも誤用である(誤例、「親潮や黒潮も吹送流の一つである」)。「吹送流」は高度な内容と考えられているのか「地学基礎」では導入されておらず、「地学」になって正しく導入されている。地理では特有の用語が使われる例があり、黒潮に「日本海流」という別名があるのはその例である(2冊で例、1冊にはないが同じ出版社の地図帳に例)。地学の教科書では「地学基礎」の1冊の例外を除けば「日本海流」は使われていない。 「地理A」は「地理B」に比べると海洋への記述が少なく、海流の紹介はほぼ西岸海洋性気候に関連づけるだけのためにある。世界の漁業に関する記述も無くなる。「地理B」では全教科書にエルニーニョが取り上げられているが、「地理A」では6冊中2冊のみである。 「科学と人間生活」は海の取り扱いは小さく、海流図が載っている教科書は5冊中で全球海流図が1冊、日本付近の海流図が1冊のみに取り上げられている。エルニーニョが取り上げられている教科書はない。地球温暖化は扱い自体が他科目に比べて比較的消極的で、1冊のみに海面上昇の可能性が触れられていた。 「地学基礎」は、海流を取り上がるだけでなく、その成因の説明が求められるが、「地学」ほど高度な概念を使えないという制約のある教科である。そのためか、説明の質が教科書ごとに大きく違う。同じ出版社でも、「地学」では「地球の自転による転向力のため海水の流れは風の向きとは一致せず」から解説を始めているにもかかわらず、「地学基礎」では(海流は「平均的に見ると風の向きとよく対応する」という解説にしている例も見られた。 「地学」の2冊は、渦度などの概念が使えない中で、海流の成因やエルニーニョの説明にベストを尽くしている。その中でも、海流図や、海流の成因の説明のアプローチ、地球温暖化の積極性に違いがあり、2冊には個性の違いがある。
著者
北村 圭吾 佐久間 博 ステイコフ アレクサンダー
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では汎密度関数計算(DFT)と分子動力学(MD)のハイブリッド計算(DFT-MD法)に基づいて高温条件下での粘土鉱物の電気伝導度を評価する手法の開発を行う.高温条件下での粘土鉱物の電気伝導度は地熱地域の熱水資源と粘土鉱物を主要構成鉱物とする帽岩層を比抵抗探査から区別する上で重要な情報になると期待されている.しかし実験的方法による高温条件下での粘土鉱物の電気伝導度の測定は多くの困難が伴い未だに成功していない.本研究のように計算科学的手法に基づくイオン伝導度評価手法の開発は地熱開発現場などの地球工学分野においても強く望まれており,開発に成功した際の波及効果は大きいと考えられる.
著者
佐久間 博
出版者
国立研究開発法人物質・材料研究機構
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2017-04-01

最近の断層掘削により、多くの断層で雲母・粘土鉱物の存在が明らかとなった。これまで雲母・粘土鉱物の摩擦物性は主としてガウジを模擬した摩擦実験で測定されてきたが、その背景にある物理に関しては理解が進んでいない。本研究では雲母・粘土鉱物の摩擦を支配する要因を明らかにするために、雲母・粘土鉱物の(001)面の性質に着目する。本年度は(1)原子スケールの摩擦力とセンチメートルスケールの摩擦力の関係を明らかにし、白雲母について巨視的な摩擦力の起源を明らかとすること、(2)低法線応力(<1 MPa)で湿度制御下における粘土鉱物の摩擦力を測定すること、を目的とした。(1)ミクロとマクロの摩擦現象を接続するためには、真実接触面積を見積もることが必要となる。過去の研究から、マイクロメートルスケールでは、物質のインデンテーション硬さの逆数が、荷重と接触面積の比例定数であることが経験的に知られている。そこでこの関係がナノメートルスケールまで外挿できると仮定し、白雲母のインデンテーション硬さを計測することとした。物質本来のインデンテーション硬さを計測するため、ナノインデンテーション試験を行い、白雲母の硬さを求めた。この硬さから、荷重に応じた真実接触面積を導出した。また白雲母表面の第一原理計算から微視的な摩擦力を求め、この力と真実接触面積から巨視的な摩擦力の理論値を導出したところ、巨視的な摩擦実験の結果と良い一致が見られた。このことは巨視的な摩擦力の起源が原子スケールの摩擦力に起因することを示唆している。本成果をScience Advances誌に報告した。(2)低法線応力下では摩擦面の粗さが摩擦力に大きく影響することがわかり、粗さが影響する法線応力の範囲今後明らかとし、その原因を探る必要がある。
著者
木村 容子 佐藤 弘 伊藤 隆
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.22-28, 2018 (Released:2018-07-04)
参考文献数
20

片頭痛の治療では発作時の痛みだけでなく,ストレス,月経,疲れなど誘発・増悪因子の治療も重要である。陰虚証で過度の疲労や寝不足,更年期症状などが重なると気血両虚を背景として月経後期に頭痛が起こるがある。全体の経血量が多くない場合でも月経2-3日目で比較的多く出血した後,月経4-5日目から起こる頭痛に補気補血作用のある十全大補湯が有効な症例を経験した。症例1から4を具体的に提示する。症例1では日々の服用を温経湯から十全大補湯に変更し,他の症例では月経期間の7日間のみ,十全大補湯を当帰四逆加呉茱萸生姜湯に追加(症例2)あるいは当帰芍薬散から十全大補湯に変更(症例3-4)した。十全大補湯で月経後期の頭痛が改善した9症例では,冷え(9/9例),易疲労感(9/9例)や乾燥症状(7/9例)を認めた。月経後期の片頭痛には十全大補湯が有効な場合があるが,投与量や服用期間は気血両虚の程度で調整する必要がある。
著者
緒方 南奈 徳田 智代 原口 雅浩
出版者
久留米大学大学院心理学研究科
雑誌
久留米大学心理学研究 = Kurume University psychological research (ISSN:13481029)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.9-16, 2016-03-31

本研究では,母親に対する甘えが大学生の精神的自立に及ぼす影響について,母親の養育態度を踏まえて検討する。研究 1 では,大学生と大学院生89名を対象に質問紙調査を行った。その結果,現在の「相互依存的甘え」は精神的自立の「適切な対人関係」にプラスの影響を及ぼし,現在の「屈折した甘え」は,精神的自立の 「価値判断・実行」にマイナスの影響を及ぼしていた。特に,母親に対して素直に甘えを表現し,うらみすねみといった気持ちを持たない人は,精神的自立ができることが分かった。また,母親の過保護な養育態度は,精神的自立にマイナスの影響を及ぼしていた。研究 2 では,大学生と大学院生108名を対象に,甘えと精神的自立について自由記述式の質問紙調査を行った。その結果,子どもの甘えに対して,母親が一貫して子どもの甘えを受け入れる態度をとることが,「 自立できる甘え」にとって重要であることが示唆された。
著者
永井 正夫
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.290-295, 1993-04-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
25
被引用文献数
1
著者
松浦 究
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学雑誌 (ISSN:00480444)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.429-437, 1980-08-15 (Released:2010-10-14)
参考文献数
27

The inferelatia of the fecal E. coli in the mother and child attracts much attention of the investigators and the importance of this interaction has been documented in the literature.However, investigated cases are rather limited and the detailed patho-physiological significance should await further elucidation in future. In this viewpoint the author has isolated the E. coli from the fecal materials of mother and newborn infant chronologically and subtyped serologically. Moreover, concerning infection with reference to the mother-child relationship, circumstantial factors and infulence of the E. coli on mother and child have been investigated in this study.The study also has attempted to elucidate the mechanism how the E. coli settle in human intestine as normal flora.(1) The E. coli in newborn infant was isolated within 24 hours as the rate of 9.2%, 40.8% within 48 hours, and 61.8% within 72 hours.(2) Related to the relationship between delivery time and detection rate of E. coli in newborn intestine, it is very interesting to note that majority of the cases of prolonged delivery time beyond 18 hours disclosed detection of the E. coli within 48 hours.Contrary, in cases which showed delivery time within 18 hours, only detection rate of 35.8% was noted.(3) No significant correlation was observed in detection rate of E. coli and time interval of rupture of membrane and delivery of the babies.(4) Of 561 strains of E. coli separated from mothers and children, 194 strains (34.1%) could be identified serologically.(5) Serological typing disclosed 14 subtypes, namely, 0-1, 2, 18, 6, 13, 4, 8, 14, 15, 25, 12, 21, 23 and 36.(6) Out of 54 cases, 8 cases disclosed identical subtyped E. coli between the mother and child.(7) Among newborns admitted at about the same time, 24 cases (44.4%) of 54 showedidenticalserum types.Based on these observations, it is concluded that the highly probable presence of horizontal dissemination of the E. coli in newborn infants in virtue of circumstantial factors, although vertical dissemination in a mode of the mother to child relation should be present to a lesser extent.
著者
佐尾 ちとせ サオ チトセ Sao Chitose
出版者
同志社大学大学院日本語学研究会
雑誌
同大語彙研究 = Dodai Goi-Kenkyu (ISSN:21850607)
巻号頁・発行日
no.2, pp.13-25, 2000-03-31

日本語学習者に母語では同じ単語で表されるような類義語の意味、用法を正しく理解させるためには、適切な用例が不可欠である。類義の形容詞「うるさい」と「やかましい」について、基本的な意味の相違を明確にした上で、現行辞書類の意味記述を分析し、用例の果たす役割について検討した。そして、その形容詞を用いる典型的な主体を挙げること、汎用性のある文構造を用いること等、望ましい用例のあり方を提言した。