著者
岸川 禮子 長野 準 勝田 満江 宗 信夫
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.355-363, 1988
被引用文献数
18

福岡市において1972年より現在までDurhamの標準花粉検索器を用いて空中花粉調査を行っている.スギ・ヒノキ科の飛散花粉が最も多く, スギはおおよそ2月-3月, ヒノキ科は3月-4月に飛散している.花粉飛散量と飛散開始時期が毎年著しく変化する.気象条件との関係を検討した結果, 飛散量は前年度7月の月平均気温(r=0.878, p<0.001), 飛散開始日はその年度1月の月平均気温(r=-0.765, p<0.001)と最も高い相関を示した.一方, スギ・ヒノキ科花粉によるスギ花粉症新患者数(九大耳鼻科外来)とスギ・ヒノキ科花粉飛散量の年次変動はほぼ平行している(r=0.906, p<0.01).スギ・ヒノキ科花粉を一括した飛散花粉の予報はある程度可能で, 臨床家や患者にとって重要な情報となると考えられる.
著者
森 信介 長尾 眞
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.69, pp.7-12, 1995-07-20
被引用文献数
14

自然言語処理において、辞書は単語の文法的機能や意味の情報源として必要不可欠であり、辞書に登録されていない単語を減少させるため、辞書の語彙を増強する努力がなされている。新語や専門用語は絶えず増え続けているため、辞書作成の作業は多大な労力を要するのみならず、各解析段階での未知語との遭遇は避けらず、大きな問題の一つとなっている。この問題を解決するため、本論文では、nグラム統計を用いて、コーパスからの単語の抽出とその単語が属する品詞の推定を同時に行なう方法を提案する。この方法は、同一品詞に属する単語の前後に位置する文字列の分布は類似するという仮定に基づく。実験の結果、本手法が未知語の品詞推定や辞書構築に有効であることが確認された。Dictionaries are indispensable for NLP as a source of information of grammatical functions or meanings of words. Much endeavor is being made to reinforce their vocabulary. Given continuous increase of new words or technical terms, building a dictionary takes vast effort and unknown words are inevitable at any step of analysis and this causes a grand problem. To solve this problem, we propose a method to extract words from a corpus and estimate part-of-speeches (POSs) which they belong to simultaneously using n-gram statistics, based on the supposition that distributions of strings preceding or following words belonging to the same POS are similar. Experiments have shown that this method is effective to infer the POS of unknown words and build a dictionary.
著者
小林 隆夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.261, pp.33-40, 1998-09-10
被引用文献数
4

音声分析の代表的な手法の一つであるケプストラム分析法について概説する.まず, オリジナルのケプストラム法について, ケプストラムや複素ケプストラムの定義とその性質, 準同形逆たたみ込みの概念を簡単に述べた後, 実際の音声分析への適用例を示す.次に, スペクトル推定の観点から, より良い対数スペクトルの推定値を求めるための手法として, 対数スペクトルの不偏推定と一般化ケプストラムモデルに基づいた音声分析法を述べる.さらに, 聴覚周波数スケールを導入した指数形モデルに基づくメルケプストラム分析について述べる.また, 他のスペクトル分析パラメータとケプストラムとの関係やケプストラムパラメータへの変換式, 各手法による音声スペクトルの推定例もあわせて紹介する.
著者
長谷川 洋三
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田社会科学総合研究 (ISSN:13457640)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.A37-A58, 2003-11-25

論文
著者
川口 雅昭
出版者
人間環境大学
雑誌
(ISSN:1348124X)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-9, 2003-03-20

安政元年三月、吉田松陰はペリー刺殺を目的とした下田事件をおこし失敗する。しかし、その松陰が五年後には、「通信通市は天地の常道に候」と、一八〇度ともいうべき変容を見せるのである。その主因の一つは、和親条約締結以来、我国の属国化という危機状態は進捗しているという焦燥感であり、他は「西洋各国にては世界中一族に相成り度き由」とか、「遮て外と交を結ばざる国は取除かる由。取除きには干戈に非ざれば得ざるは固よりなり。(中略)二百年前葡萄牙・西斯班人御放逐なされたる頃と只今とは外国の風習大いに異なり」などという、国際社会の的確な認識による、国際感覚の成長であった。その間、彼は対話による日米間の懸案解決策さえ提案している。吉田松陰は、現在においても、幕末期における日本型原理主義の代表の一人のような先入観で語られることが多い。しかし、彼は上述したような柔軟な国際感覚を持ち合わせていたのである。今後、このような観点も念頭において松陰研究を進める必要があると考える。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.393, pp.32-33, 2006-02-10

佐賀県内の道路工事で,施工者が発注者に提出したデジタル写真の中に改ざんの跡があるものが交ざっていた。国土交通省は同様の不正がほかにもあることを懸念し,全国の工事現場約100カ所の写真を集中的に調査した。明らかな改ざん写真は見つからなかったが,国交省は新たな不正予防策の導入を検討するなど,対応に追われている。
著者
秀島 眞佐子 岩元 澄子 原口 雅浩
出版者
久留米大学
雑誌
久留米大学心理学研究 (ISSN:13481029)
巻号頁・発行日
no.5, pp.149-156, 2006

本研究では,Grunwaldの「空間図式」について統計的に再検討し,空間象徴図式の展開を試みた。研究1では,青年群86名,中高年群83名を対象に,Grunwaldの「空間図式」の16語の言葉のイメージを,SD法を用いて測定した。主成分分析の結果,「生存の資源」と「生存の促進」の2つの主成分を採用した。各言葉のイメージ得点を両群で比較したところ,「生存の促進」において,違いが見られた。すなわち,青年群では,すべてプラス得点であったのに対し,中高年群では,プラスとマイナス得点に2分された。これを「空間図式」と参照したところ,中高年群でのプラス得点の言葉は「空間図式」の下側に,マイナス得点の言葉は上側に位置して一致した。このことから,「空間図式」は,中年期以降におけるSD法で得られるような抽象的なイメージを反映したものであると考えられた。研究2では,青年期以降の110名を対象に,研究1で用いた「空間図式」の16語の言葉の,コラージュ法による配置を行った。クラスター分析およびχ2検定の結果,用紙上の,(1)中央に「心」・「身体」,中央から上方にかけて「母性」・「父性」・「誕生」,(2)上下に「希望」・「失望」,「空気」・「大地」,(3)左右に「過去」・「未来」が有意に位置した。このことから,用紙上の空間に対する言葉の具体的なイメージによる象徴性は(1)中央を自己スペースとして,(2)上下に感情と生活,(3)左右に時間で構成される世界と考えられた。以上の結果から空間象徴図式は言葉の抽象的なイメージによるものと具体的なイメージによるものとでは異なるものであることが示唆された。