著者
米ヶ田 宜久 中島 喜代彦 国中 優治
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, 2008-04-20

【目的】<BR>診療報酬管理の効率化と他部門とのデータ共有の必要性に伴うIT導入化が進み、全国的な普及と便利なソフト発売にまで至っている。そのような状況においても、コスト面や施設毎による書類管理の相違によりエクセル(以下Excelとする)を用いるのが主流のようである。理学療法士個人レベルのITに対する知識や技術の向上は認められるが、最終的には台帳への転記などの手作業(アナログ的)を要する場面も多く見受けられ、処理時間の増大や誤算などの問題が生じることも多い。そこで、Excelを用いて1度の入力により出力まで終結するプログラムを作成したので、その一例を提示する。<BR>【方法】<BR>ソフトはMicrosoft社のExcel2003の標準機能と独自のプログラムをVBA(Visual Basic for Applications)にて作成し、疾患別リハビリテーション料、疾患別リハビリテーション医学管理料を算定している施設基準IとIIを対象とした。Excelシート(以下シートとする)の縦軸に患者氏名、横軸に日付を入力し、治療施行済のチェックとして単位時間を入力し、それが別シートの日報・月報として算出できるような仕組みを組み込んだ。<BR>管理の全体像は設定シート・担当者別の疾患別患者マスタ(日次管理シート含む)・担当者別医学管理患者マスタ(日次管理シート含む)・担当者別単位および治療時間シート・日報シート(担当者別・総合計)・月報シート(担当者別・総合計)・加算(評価・指導)シート・データ保存シートとした。<BR>最大の特徴は、マスタシートに患者名・算定開始日・算定種目・点数を入力することで、すべての集計・算定結果が出力可能になるようにした点である。また、日付の管理・逓減管理等も全てモニター上に表示し誤入力の防止を容易にした。入力は治療単位を該当患者名の欄に入力し、担当者別単位および治療時間シートに患者名・治療時間をリストから選択式に入力し、業務終了時にデータシートにデータをコピーするだけで日次処理は終了する。月次処理は月報を印刷するだけとした。<BR>【結果および考察】<BR>当院では70%(月単位)の労務時間を短縮でき、集計結果の間違い等は皆無となった。また院内のファイルサーバーを活用することで、各部署からリハビリテーションの進捗状況の確認・診療報酬の確認がリアルタイムに可能となった。また、ユーザビリティが非常に高いExcelという既存ソフトの機能を最大限に活用することで、新たなコストが発生しなかったことはもちろんのこと、これといったスキルを要せず、データの整理及び活用の活性化につながった。<BR>これらのことにより、Excelの標準機能を用いても処理の流れを適切に一元化することにより、正確で効率的な管理と、データ共有を容易に実現することが可能であるといえる。また、来年度(平成20年)に予定されている診療報酬の改正にも柔軟に対応していく予定である。

2 0 0 0 OA 代数的解析論

著者
河野徳助 著
出版者
高岡書店
巻号頁・発行日
1928
著者
木本 裕司 佐々木 良一
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.329-335, 2012-08-01

内閣官房情報セキュリティセンターは,わが国の情報セキュリティ政策の中核機関である。その役割は,基本戦略の策定,政府機関や重要インフラ分野の対策,国民への普及啓発,国際連携など多岐に及ぶ。政府機関の対策の中から,統一基準群の策定,情報セキュリティ報告書の策定,SBD,送信ドメイン認証,不審メール対処訓練,ペネトレーションテスト,組織内CSIRTの整備等を紹介し,今後政府機関のセキュリティ対策の方向性を展望する。
著者
熊谷 秋三 右田 孝志 花村 茂美 日高 己喜 森山 善彦 佐々木 悠
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.415-421, 1997-08-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
34
被引用文献数
1 2

本研究は, 男子大学生の陸上長距離選手 (n=12) のHDL-cと性ホルモン, SHBG及びOBLA-SPで測定された体力との関連性を横断的に検討ことが目的である.陸上長距離選手のHDL-c水準は高水準 (平均67.8mg/dl) にあったが, 大きな個体差 (44~93mg/d1) が認められた.血中エストラディオール (E2) は, Apo AIとの間に有意な正相関を認めた.遊離テストステロンは, HDL3-c及びApo AIIとの間に有意な正相関を認めた.また, SHBGはHDL-c及びHDL2-cとの間に有意な正の相関を認めた.年令, 体脂肪率, 体脂肪分布尺度および体力と脂質代謝指標との間には, 有意な相関は認めなかった.これらの成績より, トレーニングされた陸上長距離選手においても, 男性ホルモンおよびSHBGのみでなく女性ホルモンもHDL-c代謝に深く関与しており, 有酸素トレーニング状態におけるHDL-c水準の個体間変動に性ホルモンの関与が示唆された.
著者
高谷 雄太郎 中村 謙太郎 加藤 泰浩
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.15-15, 2010

CO2帯水層貯留の貯留サイトとして,地中の玄武岩層に注目が集まっている.玄武岩は反応性が高く,またCaやMg,Feといった,炭酸塩鉱物を形成しやすいアルカリ土類元素に富んだ組成を持つことから,CO2貯留の長期安全性を規定する地化学トラッピングが速やかに進行すると期待されるためだ.本研究では,玄武岩層内におけるCO2地化学トラッピングの進行速度やその特性を明らかにするため,貯留層を模した実験条件下でCO2‐水‐岩石反応を実施した.発表では,得られた実験データをもとに長期的な炭酸塩鉱物の形成モデルを提示し,さらにCO2の固定効率の推定を行う.
著者
佐藤 康太
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = The Bulletin of National Institure of Japanese Literature Archival Studies (ISSN:18802249)
巻号頁・発行日
no.12, pp.35-56, 2016-03-14

本稿は、近年新たに「大学史料編纂室」を設置した立正大学を事例に、年史編纂事業から大学アーカイブズへの発展へ向けた動向について考察するものである。まずアーカイブズ設立前史として、これまで立正大学において行われてきた周年記念事業(大学史編纂)に係る組織の変遷と、その過程で収集された大学史資料の保存管理状況や、現在までの伝来経緯をあきらかにする。つづいて、立正大学における「文書保存要領」などの現行規程類を参考に、今後の資料収集計画(レコードマネージメント)について展望を述べるとともに、その実践へ向けた現状の課題を整理する。また、先行研究に拠りつつ、実際に立正大学史料編纂室が所蔵する資料群に対して、適用可能な編成理論について検討をおこない、その有力な選択肢の一つとして「シリーズ・システム」について触れる。最後に、その実践として、現在計画中の「シリーズ・システム」のイメージを参考とした、リレーショナル・データベースによる目録検索システムの導入についても、その概要の一部を紹介する。なお、本事例における大学史資料の来歴検証の結果として浮き彫りとなった、大学組織内におけるアーカイブズの存在意義やその在り方についても、若干の私見を述べる。The purpose of this paper considers Rissho University which established “university archives” newly in recent years about the trend for the university archives establishment in a case.First of all, it's checked about establishment commemoration business of the past and a change in its organization in Rissho University. And I make it clear about management conditions of the university record collected by the process of the university history compilation. Second, future's view for decision of a record collection plan and the practice and problem are described by making reference to a present regulation of “documentary preservation point” etc. in Rissho University. Next when classifying a university record material group of Rissho University, applicable classifying process theory is considered and “series system” is taken up as one of the strong choices. Finally, The part of the outline is also introduced about introduction of the material catalog search system by the relational database which made the image of “series system” reference that it’s being planned at present.
著者
藤村 涼子
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要. アーカイブズ研究篇 = The bulletin of the National Institute of Japanese Literature. 人間文化研究機構国文学研究資料館 編 (ISSN:18802249)
巻号頁・発行日
no.12, pp.57-73, 2016-03

近年、デジタルアーカイブ構築の動きが活発化している。背景の一つとして、東日本大震災以降、身の回りにあるものが記憶を伝える記録資料となりうることが広く認識されるようになったことが挙げられよう。また、以前より博物館・美術館、図書館、文書館等ではデジタルアーカイブ事業が個々に取り組まれていたが、今やデジタルアーカイブ同士の連携が求められる段階に入った。今後は多様な文化資産情報の集約と一元検索の実現を目指すにあたり、アーカイブズ情報共有の促進が課題になると考えられる。本稿では、デジタルアーカイブに関わる二つの潮流―オープンデータとオープンサイエンスについて概観しつつ、機関リポジトリを利用したデジタルアーカイブ構築の有用性を実際の資料を用いて検討する。一橋大学が所蔵する日本・旧満州鉄鋼業資料のメタデータ・マッピング作業を通して、アーカイブズ情報共有における利点と課題を明らかにすることが目的である。その上で今後のアーカイブズ情報共有のあり方についての展望を示したい。In recent years, the trend toward construction of digital archives has intensified. One of the reasons for this is increased awareness, following the Great East Japan Earthquake, of the fact that the things around us can serve as materials for transmitting our memories. Also, a greater number of digital archive projects have been undertaken individually at museums, libraries, and archives, and we are now at a stage where there is a need for links between digital archives.As efforts are made in the future to aggregate information on cultural heritage and allow for integrated searches, encouraging the sharing of archive information will become a pressing task.In this article, I will offer an overview of two trends in digital archives, open data and open science, and will investigate the usefulness of constructing digital archives that utilize institutional repositories by using actual materials. My purpose is to clarify the advantages and challenges of archive information sharing through metadata mapping work on Japanese/Manchurian steel industry materials held by Hitotsubashi University. Based on those considerations, I would like to discuss the future outlook for archive information sharing.