著者
Seiya MIZUNO Saori IIJIMA Tomoko OKANO Noriko KAJIWARA Satoshi KUNITA Fumihiro SUGIYAMA Ken-ichi YAGAMI
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
Experimental Animals (ISSN:13411357)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.161-167, 2011 (Released:2011-04-21)
参考文献数
14
被引用文献数
5 18

We found 6 spontaneous mutant mice with long pelage hair in our ICR breeding colony. The abnormal trait was restricted to long hair in these mice, which we named moja. They were fertile and showed the same growth and behavior as wild-type mice. To investigate the manner of the genetic inheritance of the moja allele, offspring were bred by mating the moja mice; all offspring had long pelage hair. Furthermore, we performed a reciprocal cross between moja mice and wild-type ICR mice with normal hair. All offspring exhibited normal hair suggesting an autosomal recessive inheritance of the trait. The moja/moja hair phenotype was maintained in skin grafted onto nude mice, suggesting that circulating or diffusible humoral factors regulating the hair cycle are not involved in the abnormal trait. The phenotype of moja/moja mice is similar to that of Fgf5-deficient mice. Therefore, we examined the expression of Fgf5 by RT-PCR in moja/moja mice. As expected, no Fgf5 expression was found in moja/moja mouse skin. PCR and DNA sequence analyses were performed to investigate the structure of the Fgf5 gene. We found a deletion of a 9.3-kb region in the Fgf5 gene including exon 3 and its 5’ and 3’ flanking sequences. Interestingly, the genomic deletion site showed insertion of a 498-bp early transposon element long terminal repeat. Taken together, these results suggest that the long hair mutation of moja/moja mice is caused by disruption of Fgf5 mediated by insertion of a retrotransposon.
著者
村岡 正明
出版者
文星芸術大学
雑誌
文星紀要
巻号頁・発行日
vol.7, pp.89-108, 1995
著者
榊裕亮 井上亮文 星徹
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.199-200, 2013-03-06

近年,就寝時に利用されることを想定したデジタルコンテンツ市場が注目を集めている.本研究では,没入感の高い仮想添い寝を体験可能なデジタルコンテンツ鑑賞システムを提案する.本システムでは,寝床に設置されたかまぼこ形のスクリーンの上に仮想的な添い寝者を投映する.ユーザの上方にあるスクリーンには,仮想的な添い寝者が朗読する絵本に関連した映像が投映される.ユーザはジェスチャと赤外線ポインタを用いることで,仮想的な添い寝者や絵本の世界とインタラクションが可能である.本稿ではプロトタイプと評価用コンテンツについて述べる.
著者
磯山直也 寺田努 塚本昌彦
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013-HCI-153, no.6, pp.1-8, 2013-05-17

近年,インタラクティブシステムのためのユーザ行動認識手法が多数提案されている.情報提示システムがインタラクティブになることで,観客はシステムを自らの体で経験して楽しむことができ,システム提供者もより豊かな表現をすることができる.ユーザ行動には様々なものがあるが,システム設置の制限などの理由により,既存のシステムは特定のアクションの認識に特化しているものがほとんどである.本稿では,平面に複数の加速度センサを装着することで,行われたアクションの位置や強さを認識する手法を提案する.小型の加速度センサのみでシステムを構成することにより,デバイスが目立たずに,汎用的に設置することが可能である.これまでに2度の長期的なメディアアートでの使用を通じて,提案手法の有用性を確認した.
著者
川上 梅
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.397-408, 2007

身体プロポーションの年代差は従来から指摘されてきたことではあるが, 近年の若年女子は中高年女子よりも著しく高身長である.このため, 身長に対するプロポーションの年代差には, (1) 同一身長で比較したプロポーションの年代差だけではなく, (2) 身長の差異による影響が含まれていると考えられる.そこで, 20代から90代までの成人女子の身体計測データ (人間生活工学研究センター, 1992-1994年計測<SUP>1) </SUP> ) を使用して, 前面からみたプロポーションを表す身長に対する各身体計測値の割合を算出し, 身長一括グループの場合の年代変化, および同年代を身長グループで分類した場合, つまり年代別身長グループ別のこれらの割合の変化を検討した.年代区分は20代から60代までは10歳毎, 70-90歳は一括とし, 身長グループ区分は5cm毎とした.この結果, 多くのプロポーションが身長と密接に関係することが確認できた.また, 身長一括の年代別平均値の比較では, 隣接する多くの年代間で有意差が認められ, 年齢が若くなる程高身長に伴うプロポーションになると解釈される結果が得られたが, 身長グループ別の年代別平均値の比較では, 隣接する年代間の有意差は減少し, 同一身長であれば年代差が認められないプロポーションも多いことが明らかになった.<BR>同一身長で比較しても隣接する年代間で有意差が認められ, プロポーション自体の年代差が存在すると考えられたものとしては, 20代は30代よりも, 比股下高および比前ウエスト高が大きく, 比ヒップ幅が小さいことから, 長脚でウエストが高いとともに下半身がほっそりとしていることなどが明らかになった.ただし, 20代の身長160cm以上では比股下高は横ばいとなったことから, 長脚化に歯止めがかかるものと考えられる.また, 同一身長で比較すると, 小顔化は徐々に生じている年代変化ではなく, 比全頭高は身長145-150cmでは50代以下で, 155-160cmでは60代以下で小さいというステップ状の年代変化を示すことが確認できた.また頭部の幅である比耳珠間幅の平均値は, 年齢に関係なく身長に対してほぼ線形に変化し, 隣接する年代間では差が認められなかった.一方, 顔面の幅である比下顎角幅は身長145-160cmの広範囲において50代以下では顕著に小さいことが明らかになった.
著者
堀合 啓一
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.644-647, 2016-06-15

航空交通管制システムの無線機器の多くは,半世紀前の技術に支えられていて,セキュリティは考慮されていない.一方,GPSやADS-Bなどの比較的新しい技術を利用したシステムについても,急速に進化したソフトウェア無線技術を利用することで,低コストで攻撃が可能な状態であることが判明している.航空交通管制システムの仕様の変更は,世界的な合意が必要で長期間を要するため,場合によっては独自の対応が必要となる.実際に遭遇した事例等を契機に代替機能の確保や非常時を想定した訓練を実施している国も存在している.重大なインシデントの発生を待つことなく,適切なリスク分析に基づく計画的な対応が求められている時代となっている.
著者
松村 真宏 山根 承子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.112, no.455, pp.39-40, 2013-02-25

仕掛学では巷にあふれる人の意識や行動を変える「仕掛け」の原理を理解し、それを体系的に整理することを試みている。その仕掛けの方法論を利用することによって、誰でも仕掛けの設計ができるようになることを目指している。ゆくゆくは、老若男女、子供から大人までを巻き込んで、仕掛けによって社会を良くする草の根イノベーションを起こすことを考えている。
著者
三田 一郎
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.84-88, 2009-02-05

この度,南部陽一郎氏,小林誠氏,益川敏英氏がノーベル物理学賞を受賞されたことは日本物理学会にとって大変おめでたいことである.この約半世紀の歴史を振り返れば,日本人が素粒子論における自発的対称性の破れ,およびCPの破れの理論を提唱し,日本国民の血税で世界に類のない加速器が建設され,そして日本でその正しさが証明されたという偉大な歩みが見えてくる.まさに我が国が誇るべき研究成果であろう.この機会に私が見てきたCPの破れの歴史を綴って見たい.
著者
沖 嘉訓 前川 眞一
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.117-128, 2015 (Released:2016-07-01)
参考文献数
37
被引用文献数
1

Multidimensional item response theory model (MIRT) is a sub-model of Item Response Theory (IRT). It assumes that multidimensional latent traits influence test item responses. Equating or linking, which calibrate the parameters of two or more tests, are critical to the application of IRT, because they allow for comparisons between test scores. However, little research has been conducted for MIRT equating, especially on the common examinee design. The present study describes three equating methods for MIRT, which utilizes rotation methods in factor analysis focusing on factor scores, by employing the common examinee design, and analyzes the characteristics of each method through computer simulations. The results of the simulations reveal that the Weighted Procrustes method is effective when correlations between equated scores of each dimension are expected to approximate the target ones.
著者
金久保 紀子
出版者
筑波大学留学生センター
雑誌
筑波大学留学生センタ-日本語教育論集 (ISSN:13481363)
巻号頁・発行日
no.16, pp.105-119, 2001

筑波大学留学生センターで開発中の中級前半者向け教材の会話クラス該当部分を紹介する。それを使って学習した学習者の自己紹介の録音資料を使って、日本人への聞こえ方の調査を実施した。その結果、中級前半の学習者の日本語は日本人にはあまりきちんと伝わっていないことが明らかになった。日本人は学習者の名前や国などの基本的な情報を必ずしも正確に聞き取れていないこと、文型や表現などの情報が聞き取りメモにはあまり現れてこないことがわかった。文型や表現などの情報は必須の情報を聞き取るための環境として必要であることが予想される。また学習者が能動的に行えるような話題も日本人の聞き取りに関係がある。今後、会話クラスでは音声・音韻的な練習を重視すること、学習者の話したい内容を重視した練習を行うことが必要である。
著者
山本美佳 中井寿一 河合由起子 川崎洋 赤木康宏 若宮翔子
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.165-166, 2014-03-11

四輪車より歩道側を走ることが多い二輪車は四輪車と比べ,歩行者との接触等の危険性が高い.そこで本研究では,twitterから歩行者が密集した場所を推測しルート上に提示する,二輪車の安全を考慮したナビゲーションを開発する.具体的には,まずGoogleカレンダーから経由地や目的地を抽出し,これまで我々が開発した通常のルート推薦を行う.次に,GPS情報をtwitterで収集・分析しルート上に提示する.そして,ルート上の交差点付近のツイート同士の畳込み積分値を算出し,交差点上に密集度を大小の円で示す.本提案システムにより,二輪車と歩行者との接触事故等を抑制できるナビゲーションが実現できる.