著者
上野 優 新居 雅行
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:21888825)
巻号頁・発行日
vol.2021-SE-207, no.37, pp.1-8, 2021-02-22

計算機科学の実験環境として Jupyter Notebook が広く使われているが,その計算機クラスタの管理は一般的に容易ではない.一方,クラスタ管理不要で需要に応じた計算資源の利用を可能にするクラウドサービスの一つとして FaaS がある.しかし Jupyter Notebook で書かれた手続き型プログラムを FaaS で実行しようとすると,FaaS のリソース割り当てが他のサービスに比べて小さいため,多くの場合実行できない.本稿ではこの問題に対して,一連の手続き型プログラムを細かく分割することにより,リソース割り当て制限内に収める手法を提案する.さらに提案手法に基づいて既存のノートブックの分割を行い,その機能性と効率性を評価した.
著者
佐々木 裕介 関口 敦二
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:21888825)
巻号頁・発行日
vol.2021-SE-207, no.31, pp.1-8, 2021-02-22

ラピッドリリースを前提として Microservice Architecture (MSA) で構築したシステムを複数の組織で運用する場合,複数の組織が様々な設定変更を MSA システム上で同時に実施する.しかし,複数の同時変更に起因するテストの失敗,すなわち障害を解決することは困難である.本論文では,サービスメッシュの構成変更時,特に性能にかかわる障害に関して,障害原因の切り分け作業を網羅的かつ効率的に行う手法を提示する.本手法は,複数の設定変更を組み合わせた場合にのみ再現する障害について,効率的に原因箇所を特定できる.
著者
赤澤 紀子
出版者
電気通信大学
雑誌
電気通信大学紀要 (ISSN:09150935)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.42-47, 2021-02-01

We have prepared the course that provides the contents of the first-year information basics course by e-learning. We provided this to high school students. In this paper, we will consider the background, embodiments of this course, the state of implementation, and the results of the students' questionnaire.
著者
西 和弥 佐久間 拓人 梅津 佑太 梶岡 慎輔 竹内 一郎
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO) (ISSN:21888590)
巻号頁・発行日
vol.2018-BIO-54, no.4, pp.1-7, 2018-06-06

センサーデバイスの発展により,GPS による移動データなどの系列データが容易に取得できるようになった.そういったデータから重要な系列パターンを抽出する手法の一つとして,予測系列マイニングと呼ばれるデータマイニング手法がある.膨大な候補の中から抽出された系列パターンの信頼性をなんらかの指標を用いて定量的に評価することは意思決定を行う際にとても重要である.本稿では L1 正則化つき線形モデルを用いた予測系列マイニングと,選択バイアスを考慮した統計的仮説検定を組み合わせた手法を提案する.
著者
斎藤 奨悟 追川 修一
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2012-OS-120, no.1, pp.1-8, 2012-02-21

近年,アプリケーションの動作を高速化するため,プロセッサが SIMD(Single Instruction Multiple Data) ユニットを搭載することが一般的となっている.SIMD ユニットは,動画像など,大きなデータ処理の高速化に用いられるが,システムソフトウェアで利用されることは想定されていない.しかし,OS(Operating System) カーネルは多くのデータを扱う特徴を持つため,SIMD ユニットを活用することで高速化を図る事が出来る箇所があると考えられる.本研究では、システムソフトウェアにおける SIMD ユニットを活用するための考察および,検証を行った.また,実際の適用例として,OS カーネルにおけるデータコピーにまつわる処理の高速化を確認した.
著者
阿部 直美 アベ ナオミ Naomi ABE
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.5, pp.89-94, 2006-01-31

子ども達が主体性を失いつつあるといわれる昨今、日々の保育の中での保育者の言葉がけひとつひとつが大きな役割を担っていると考えられる。本論文では様々な場面での保育者の言葉がけを四段階に仮定した。事例を挙げ、具体的な言葉を取り上げながら、各段階における保育者の言葉がけによって変化する「保育者の思い」と「子どもの思い」を比較検討した。結果、子どもの主体性を育むための保育者の言葉がけのあり方について一考察を得た。
著者
向井嘉之 ムカイ ヨシユキ Yoshiyuki Mukai
雑誌
聖泉論叢
巻号頁・発行日
no.17, pp.137-156, 2010

日本の戦後報道は筆者の調査では平成17(2005)年のいわゆる戦後還暦報道がターニングポイントであった。また,日本の戦後報道の特徴は国内での記憶のみに拘る内向き志向であり,その記憶は被害国・日本に大きく傾斜した報道であった。これに対し,第二次世界大戦に参戦した主要国の戦後60年余りを経た戦後報道は基本的人権,民主主義,諸民族の共存といった価値観を否定するファシズムとの戦いの記憶として,今も明確に記憶する義務を認識している。特にドイツ国民は今も痛みを抱え,過去に向き合っている。平成21(2009)年,核廃絶への志が世界で具現化しつつある今こそ,日本のメディアは原点に戻り,第二次世界大戦の記憶をあらためて若い人たちに伝える新・戦後報道に取り組むべきである。
著者
片山 太一 芳中 隆幸 宇津呂 武仁 河田 容英 福原 知宏
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2009-DBS-149, no.19, pp.1-8, 2009-11-13

本研究では,ブログにおいてアフィリエイト収入を得ることを目的とするスパム (スパムブログ,スプログ) のうち,特に,同一のスパムブログ作成者が自動的に大量生成したと推測されるスプログの検出において,HTML 構造の類似性が効果的であることを示す.具体的には,ブログの HTML ファイルにおける DOM ツリーから,コンテンツの最小単位に相当するブロックを抽出し,複数のスプログの間でブロック構造の類似性を測定する.その結果,同一ブログホストにおけるスプログのうち,同一のスパムブログ作成者が自動的に大量生成したと推測されるスプログ同士では,ブロック構造が類似する傾向があることを示す.また,ブロック構造の類似性を素性として用いることにより,SVM によるスプログ検出の性能が向上する場合があることを示す.
著者
長嶋 洋一 赤松 正行 照岡 正樹
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.40(2002-MUS-045), pp.27-32, 2002-05-18

8チャンネル電気刺激方式生体フィードバック装置"PiriPiri-3"および"PiriPiri-4"をSUAC/IAMAS/VPPの共同研究により開発した。 リアルタイムMIDI情報を受けて、生体に張り付けた電極により、 多種の電気刺激をシステムからのフィードバックとして与えることが可能である。本発表では、そのコンセプトとシステムデザイン、多数の被験者を使っての評価実験、 音楽パフォーマンスへの応用などに関する研究報告の第一弾を行う。
著者
荒井 真太郎 アライ シンタロウ Shintaro ARAI
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.6, pp.111-122, 2005-03-31

本研究は,自己投入尺度を作成し,自尊感情との関連からその構成概念について検討を行うこと,さらに,青年期から成人期の発達的特徴を捉えることを目的とする。自己投入尺度,自尊感情尺度,家族をめぐる葛藤の認知に関する質問紙を青年110名と成人71名に実施した。主な結果は次の通りである。(1)自己投入と自尊感情の関連の仕方における男女の特徴が明らかとなった。(2)青年期において自尊感情と家族をめぐる葛藤の認知との関連が明らかになったが,成人期には,有意な関連が認められなかった。
著者
田中 弘毅 Hiroki Tanaka
出版者
同志社大学
巻号頁・発行日
2017-03-22

電気鉄道の安全安定輸送を確保するため,雷害防止が求められている。本論文では,電気鉄道設備の雷サージ特性実測を行い,接地インピーダンス特性を雷サージの視点から検討した。さらに,電力系統解析技術を応用して鉄道特有機器の回路解析モデルを開発し,その精度を実測で確認し,鉄道設備雷電流侵入時の応答を実測および計算結果より明らかにした。これらの成果は,電気鉄道の設計・保守・解析に十分に生かすことが可能である。