著者
林 宏樹 笹嶋 宗彦 大里 隆也
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.146-150, 2020-12-12

本論文は,全校生を対象とした兵庫県立姫路西高等学校のデータサイエンス教育の3年間のカリ キュラム開発についての概要である.教科「数学」「情報」「課題研究」「総合的な探究の時間」における 横断的なカリキュラムマネジメントにより,データサイエンスを基盤とした研究活動を実施するカリキ ュラム開発を行う.全校生対象の高等学校におけるデータサイエンス教育実践の1つの事例である。 また,「データサイエンス探究・研究」という学校設定科目の客観的な評価基準を作成する.
著者
村中 泰子 斎藤 清二
出版者
清泉女学院大学人間学部
雑誌
清泉女学院大学人間学部研究紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Studies Seisen Jogakuin College (ISSN:13491202)
巻号頁・発行日
no.11, pp.13-25, 2014-03

Bipolar disorder is one of the mood disorders and is a mental illness that alternates between depression and manic state. It is important that the patients become aware of early symptoms for effective prevention of disease recurrence. In this study, we qualitatively analyzed narratives of patients to investigate how they understand the disease of their own and what they typically experience early in the disease recurrence.Nine patients with bipolar disorders were allowed to talk freely about their disorders. In order to study the disease from the patient's point of view, we used a narrative interview method, and the data were analyzed using SCQRM. Based on our analysis, we developed 33 concepts and ten categories, which were further grouped into three core categories.Through this study, we learned that it is difficult for patients to become aware of their hypomanic state preceding the depression, and to recognize the cause that lead to a change in the disease phase. Further, our study suggests that narrative interviews help patients realize and talk about these aspects that are usually overlooked.
著者
高木 義和
出版者
新潟国際情報大学経営情報学部
雑誌
新潟国際情報大学経営情報学部紀要 = Journal of Niigata University of International and Information Studies Faculty of Business and Informatics (ISSN:24342939)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.51-75, 2019-04-01

1995年より大学2年生を対象に情報検索の授業を担当してきたが、2012年ごろから学生の情報検索行動が大きく変化したように感じていた。そこで授業で使用した2011年以降の情報利活用環境調査データを時系列で整理し、明らかになった問題点とその対応策を示した。➀高校1年でほぼ全員がスマートフォンを所有しインターネットの常時使用環境を入手している。予備知識もなく利用環境を突然入手しているためトラブルを避けるための基礎知識を自己学習できる仕組みが必要である。②学生がピンポイント情報と呼ぶ情報検索は1サイト選択が典型で、知るだけの使い捨て検索が多い。コンテンツ利活用力の向上には、生活を快適にするピンポイント情報検索と、知識取得のための情報検索を両立する力を育む必要がある。③学生は図書情報、学術文献情報を紙情報と呼びWeb情報を情報と認識している。紙情報を含めた複数の情報源から得た情報をまとめ、自己の知識構造に組み込む重要性を理解する必要がある。
著者
北條 達也 井口 順太 高橋 仁美 小川 博之 Tatsuya Hojo Junta Iguchi Hitomi Takahashi Hiroyuki Ogawa
出版者
同志社大学スポーツ健康科学会
雑誌
同志社スポーツ健康科学 = Doshisha Journal of Health and Sports Science (ISSN:18834132)
巻号頁・発行日
no.4, pp.51-55, 2012-03-01

肋骨の疲労骨折は,ゴルフなどで生じる中位から下位の肋骨骨折がよく知られているが,第一肋骨の疲労骨折の報告は比較的少ない。われわれは,大学生チアリーダーに発生した第一肋骨の疲労骨折を経験した。左肩甲部痛で発症し,さらに左上肢尺側のしびれと痛みを自覚した。安静および低出力パルス超音波治療によって加療するも骨癒合は得られなかったが,1年後には競技に復帰できた。X線検査では評価が困難な同部位の評価に3DCTは,有用であった。
著者
香西 省治 角谷 良彦 西田 知博 植原 啓介 萩谷 昌己 萩原 兼一
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2020-CE-153, no.24, pp.1-10, 2020-02-08

文部科学省の大学入学者選抜改革推進委託事業(情報分野)で研究開発した CBT (Computer Based Testing) システムを実装面から概説する.本事業の目的は,思考力・判断力・表現力を評価する「情報科」の試験問題を研究することである.この評価のためには,紙による出題よりプログラミング能力などを効果的に評価しやすい CBT による出題の方が試験問題の幅を広げることができると考えた.この CBT システムは,「CBTならでは」の試験問題を受験者に出題することを重視して,実際に作成された「CBTならでは」の模擬試験問題を一般化・仕様化し,その後発生する仕様変更にも柔軟に対応できるブラウザ型の専用システムとして開発した.この CBT システムは,出題する試験問題を確認する作問機能部,受験者が受験するための機能を持つ試験機能部,試験結果を採点・集計する採点・集計機能部の 3 論理サブシステムから構成される.CBT システムによる試験実施運用シーケンスに基づく各論理サブシステムの動作と,プログラミング問題,ゲームブック型問題等の特徴的な 5 形態の試験問題の処理を示すことを通して,開発した CBT システムがこの事業で研究した「CBTならでは」の試験問題を出題できることを示す.尚,2017 年と 2018 年に実施した実証実験では,主にサーバ負荷の面で問題は発生していない.
著者
金森 逸作 中村 宜文 似鳥 啓吾 辻 美和子 向井 優太 三吉 郁夫 松古 栄夫 石川 健一
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2020-HPC-177, no.22, pp.1-8, 2020-12-14

格子 QCD は,隣接通信を多用する典型的な HPC 計算であり,線形ソルバー内での縮約計算の頻度も高い.そのため,スーパーコンピュータ「富岳」開発において,ハードウェア・システムソフトウェア・アプリケーションソフトウェアが共同して開発にあたるコデザインの対象の一つになっている.本講演では,コデザインの成果を踏まえて実現した,富岳向けの格子 QCD 用疎行列線形ソルバーにおける通信の高速化について報告する.隣接通信には低レイテンシの uTofu インターフェースを用いており,MPI 持続通信を用いるよりも小さな通信オーバーヘッド,きめ細かな通信リソースの割り付けを実現している.また内積計算に必要な少数要素の縮約についても,Tofu バリアと呼ばる機能で高速化を実現している.
著者
田並 尚恵
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1-2, pp.353-361, 2020

「大学全入時代」を迎えた日本の大学では,リメディアル教育をはじめ,学力の質を担保する取組みが行われている.現在,ソーシャルワーカーを養成している大学で,公民科目(現代社会,倫理, 政治・経済)をリメディアル教育に採用している大学は,ほぼ皆無である.ソーシャルワーカーに求められる知識や社会の理解は,高校までの学習を基礎に専門的な知識を積み上げるものであり,基礎的な知識や理解がないままに学んでも体系的な理解にはつながらない可能性がある.このような問題意識から,X大学 A学科では,現代社会のリメディアル教育を導入した.本稿は,2017年度と2018 年度に実施したリメディアル教育の取組みを紹介し,その効果を考察したものである.いずれの年度も入学前学習の課題として社会保障制度に関するワークシートを作成し,入学予定者を対象としたスクーリングのミニ講義で課題の内容を確認した.そして初年次教育科目(基礎ゼミナールⅠ)の初回に基礎学力テストを実施した.さらに,基礎ゼミナールⅠの授業でテストの振り返りと社会保障に関するグループワークを実施した後,確認テストを行った.2回のテスト結果を統計的に分析したところ, 2018年度は,確認テストの平均が上昇し,リメディアル教育の効果が確認された.ただし,2回のテストとも成績の低い学生が全体の15%程度おり,基礎学力不足の学生には別途支援の必要があると考えられる.
著者
富田 早苗 西田 洋子 石井 陽子 波川 京子
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1-2, pp.377-384, 2020

A大学では,2015年度から新たなカリキュラムに基づいた公衆衛生看護学実習を展開している.本研究は,保健師コースを選択した学生の3年間の学習到達度と全国保健師教育機関協議会が実施した全国調査との比較から A大学の保健師教育の現状と課題を明らかにすることを目的とした.調査は2015~2017年度に公衆衛生看護学実習(以下,実習)を行った4年次生を対象に,無記名自記式質問紙調査を行った.調査項目は実習体験,保健師に求められる卒業時の学習到達度である.調査時期は,各年とも実習が終了した直後に行い,3年間の総計と全国調査との比較を記述的に行った.実習での技術体験では,本調査対象者は,家庭訪問,健康相談,健康診査において,主体的な体験割合が低く,地区活動計画立案,健康危機 / 災害と感染症の項目においても体験割合が低い傾向にあった.また,専門領域では,児童虐待防止対策,自殺対策,依存症対策,がん対策の体験割合が低い傾向にあった. 学習到達度では,「保健師としての責任を果たす」は高かったが,その他の項目は低い傾向にあった.3年間の調査結果から,A 大学対象者は,少しの助言で自立してできると判断した者が少ないことが明らかとなった.主体的な実習体験の拡充と,専門領域を意識できる学内講義・演習の充実が課題である.
著者
高田 淳
雑誌
日本文學
巻号頁・発行日
vol.23, pp.1-18, 1964-11-10
著者
人見 裕江 塚原 貴子 中西 啓子 千田 美智子 森安 孝子
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.91-98, 1996

水分摂取は簡便で身近な看護ケアの一つであるが, この飲水が健康な成人の排便習慣に及ぼす影響を, 日本語版便秘評価尺度と便形評価尺度を用いて調べた.普段より実験的に水分を多く飲むことの了解の得られた対象に, 所定の用紙に研究期間中の水分量, 排便時間と負荷前・負荷中・負荷後のCAS評価と便形評価を依頼し, その排便習慣を検討した.その結果, 成人の排便習慣に及ぼす水分の影響として, 飲水を負荷することによって便は柔らかな形となり, 便硬度の軟化傾向があることが明確になった.この飲水の効果の自覚や飲む時間帯による差は, CASおよび便形評価のいずれの場合にも認められない.しかし, 飲水の負荷は, 便秘でない者, また下剤を使わない者の便形を変化させるが, 便秘者への影響は少ない.さらに, 身体の変調を含むCASでは, 飲水の負荷により, 腹部の身体症状を来たしやすく, 飲水が便秘を改善するかどうかCAS得点上にあらわれにくい.