著者
羽田 久一 広石 達也 三次 仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.334, pp.69-74, 2008-11-27
参考文献数
7
被引用文献数
3

大型ディスプレイの低価格化とコンピュータの遍在に対するコストの低下に従いキオスク端末やデジタルサイネージ等といった情報提供用のコンピュータの需要が高まってきている。現在のこれらのサイネージ用ディスプレイへのインターフェースは小型のキオスク端末に関してはタッチパネルを用いるものが広く使われているがキオスク端末以外のものでは、考慮されていない事が多い。本研究では通る、立ち止まる、近づくといった公共空間でのディスプレイに対する自然な行動をトリガーとするインタラクション性を与えることを目標する。このときに利用者を認識することでその嗜好にマッチした情報を提供することを考慮にいれ、RFタグを用いた個体認識と距離計測を利用したシステムを提案する。UHF帯域のRFIDシステムを利用することで、タグからの受信電力およびタグからの受信IDを利用してこれら2つの目的を同時に満たすシステムを構築した。
著者
呉 剣明 加藤 晴久 加藤 恒夫
雑誌
研究報告システムLSI設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.2010-SLDM-144, no.69, pp.1-8, 2010-03-19

多数の携帯電話とデジタルサイネージのインタラクションを可能にするクライアントサーバー型 Bluetooth 通信方式を提案する.Bluetooth は省電力であり,携帯電話機にも普及が進んでいるが,多数の端末の同時接続と,双方向かつデータサイズを制限されないインタラクションは実現できなかった.これに対して,本論文は,ロールチェンジと複数の Bluetooth レシーバーの管理手法により,Bluetooth 仕様の制約を超える多数の携帯電話との同時接続を実現し,携帯電話とデジタルサイネージの間に大容量・双方向データ通信を可能とした.本方式に基づいて複数の携帯電話が同時接続する対戦型ゲームを試作し,レスポンス時間と通信速度の性能評価実験を通して,提案方式の有効性を検証した.
出版者
バンダイ
巻号頁・発行日
1993
著者
牧野 泰裕 西野 順二 小高 知宏 小倉 久和 MAKINO Yasuhiro NISHINO Junji ODAKA Tomohiro OGURA Hisakazu
出版者
福井大学工学部
雑誌
福井大学工学部研究報告 (ISSN:04298373)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.71-79, 1997-03

In this paper, we investigate of the repeated janken gameto estimate characteristic of game agents. In the repeated janken game, players repeat single"janken"reiteratively. The reppeated janken game has strategy. for examples, random strategy,fixed strategy, repeated strategy,history-based strategy that uses history of opponent hands. We analyze superiority of strategy by computer simulations. As a result, we show superiority of history-based strategy.
著者
山縣 宏之
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.282-297, 2007-09-30

本稿の目的は,米国シアトルにおけるソフトウェア企業の立地要因と市場地域に関する独自調査データを分析し,ソフトウェア企業集積地としての特徴の一端を浮き彫りにすることである.シアトルはマイクロソフト社の主要拠点であり,巨大企業中心の産業地域として注目されてきた.分析結果は下記の通りである.(1)重要な立地要因は創業者・CEOの個人的選好(地元志向)と技術者・エンジニアの確保であり,とくに個人的選好(地元志向)が強く影響している.なお技術者の賃金水準は日本の地方都市のように重視されてはいない.これは業種特性(パッケージソフト業種が多い)および企業の業務(自社ソフト開発企業が多い)による可能性がある.(2)多数のソフトウェア企業がビジネスを開始した1990年代,ベンチャーキャピタル・エンジェル投資などより多様な要因が立地に影響しているが,影響は限定的である.(3)サンプルの多数を占めるパッケージソフト業種は収入のほとんどを州外からえている.(4)主要顧客所在地域の80%/は米国であり,カリフォルニア,テキサス,ニューヨークが主要3州である.残りは海外であり先進国が主要市場である.(5)立地要因・取引面でマイクロソフト社と密接な関係にある企業は限られている.以上の分析を通して,シアトルには多くの独立したソフトウェア企業が存在し,米国の広域あるいはグローバルに存在する顧客にサービスを提供していることを確認した.
著者
西口 宏美 辛島 光彦 齋藤 むら子
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.137-144, 2008
参考文献数
19

本研究は,地域社会において提供される社会資源を要介護者のニーズに対応可能なものとして整備していくための指針を得るために,通所リハビリテーションで提供される介護とリハビリテーション・サービスに対する利用者の満足度と利用時のwell-being感について把握することを目的としている.介護老人保健施設で提供される通所リハビリテーションの利用者59名を対象に,提供されているサービスに対する満足度と利用時のwell-being感に関する調査を行ったところ,以下のような結果が得られた.(1)利用者は,提供されるサービスについて概ね高い満足感を抱いており,その中でも特に入浴介護に対する満足度が高かった.また,男女間で満足度の異なるサービス項目がみられ,特にコミュニケーション活動においては女性群の方が高い満足度を示した.(2)サービス利用時の well-being感においては,性差や他の利用者との人間関係により差異が見られ,女性群ならびに人間関係に満足と回答した群においてwell-being感が高かった.以上の結果より,要介護者のニーズを満たすためには,介護サービス利用者の性差や他の利用者との人間関係について十分配慮し,きめ細かいサービスの提供が必要であると考えられる.
著者
古牧 徳生
出版者
名寄市立大学
雑誌
紀要 (ISSN:18817440)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-19, 2012-03

西暦前399 年,ソクラテスは死刑を宣告された。周囲の人々は彼に脱獄を勧めたが,彼は従わなかった。なぜ彼は逃げなかったのだろうか。ギリシア思想の流れを辿ることで,この問題について考えてみたい。
著者
安藤 泰至
出版者
京都大学文学研究科宗教学専修
雑誌
宗教学研究室紀要 (ISSN:18801900)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.28-42, 2010-12-03

本稿は、ウィリアム・R.ラフルーア氏が2009年2月21日に京都大学で行った講演、‘Peripheralized in America: Hans Jonas as Philosopher and Bioethicist'「アメリカにおける周縁的地位―哲学者および生命倫理学者としてのハンス・ヨナス―」(以下「講演」と略記)において、コメンテータの一人を務めた筆者のコメントを中心に文章化したものである。本号にはラフルーア氏の講演原稿全文が掲載されているので、コメントの対象となった氏の講演内容についての記述、要約は必要最小限にとどめ、筆者が講演当日に用意したメモに基づいて、コメント内容を文章化した。したがって、本稿は当日のコメントそのものの再現ではないが、筆者の提示している論点は基本的に当日のそれと同じである。ただし、バイオエシックス(生命倫理学)の歴史やこの分野でのヨナスの論考に不慣れな読者のために、若干の補足説明を加えた。また、提示した論点の相互関係についての記述には、当日のコメントでは触れなかったが、後になって筆者が気づいた点がいくらか含まれていること、コメントの最後でラフルーア氏に問いかけた問い(現代の生命倫理の議論においてヨナスのような声がどのように生かされうるか)についての筆者自身の考えを、本稿の末尾で述べさせていただいたことをお断りしておく。
著者
Yumiko Akamine Kayoko China Tsukasa Uno
出版者
日本臨床精神神経薬理学会
雑誌
Clinical Neuropsychopharmacology and Therapeutics (ISSN:18848826)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.8-14, 2012 (Released:2012-05-11)
参考文献数
53
被引用文献数
1

At the Blood–Brain barrier (BBB), the superfamily of ATP-binding cassette (ABC) transporters includes the ABCB1 subfamily corresponding to P-glycoprotein (P-gp), the ABCC subfamilies of multidrug resistance-associated proteins (MRPs), and the ABCG2 subfamily corresponding to breast cancer resistance protein (BCRP). These efflux transporters are located mainly in the endothelial cells forming the BBB and prevent the entry of xenobiotics into the brain. Since psychotropics act on target sites of the central nervous system (CNS) in the brain, it is very important to know these transporters' roles at the BBB and to determine the brain drug concentrations at the targeted sites of the CNS. However, there is little information on human brain concentrations of psychotropics. Recent studies have demonstrated that brain concentrations of many psychotropics are significantly higher in P-gp-knockout mice than in wild-type mice. This result implies that P-gp may be a key player in the regulation of brain psychotropic pharmacokinetics and possibly causes the P-gp-mediated drug interaction at the BBB. In this review, we discuss the current findings concerning the role of drug transporters on the concentrations of psychotropics in the brain and summarize the available in vivo studies related to psychotropics.
著者
西山 富夫
出版者
九州大学
雑誌
法政研究 (ISSN:03872882)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.91-99, 1965-11-15
著者
沼田 真
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.17-32, 1976-04-25

国際生物学事業計画(IBP)のプロジェクトの一つとして草原の生産力に関する研究があったが,私どもがわが国で行った「草地生態系の解析法に関する研究」(1967-1968),「草地生態系の生産と保護に関する研究」(1969-1972)については,JIBP Synthesis(東京大学出版会,1975)のVol.13: Ecological Studies in Japanese Grasslands with Special Reference to the IBP Areaとしてまとめられた。現在国際的なまとめも進行中で,Cambridge Univ. Pressから逐次刊行されることになっている。このためにも私は温帯性草原の一章を書いたが,そのために世界の多くの国々のデータを送ってもらって検討した。以上のまとめは頁数の制限もあり,外国人の編集者の意向もあって,極めて短縮した形のものとなってしまった。ここでは,改めてそれら外国および国内のデータを検討し,世界の温帯地域の採草地草原について,1.半自然草原の構造と組成2.現存量の季節的および年間の変動2.1地上部2.2地下部2.3T/R比3.一次生産の推定と比較4.外的要因の効果4.1火4.2採草4.3冠水4.4施肥4.5食葉性昆虫4.6気侯と土壌
著者
大井 奈美
出版者
Japan Society for Information and Media Studies
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.23-34, 2011
被引用文献数
1

本稿では,明治期に近代文学として革新された俳句の成立メカニズムを,ネオ・サイバネティクスすなわち構成主義システム論にもとづいて考察する.具体的には基礎情報学の理論的枠組を用い,俳人,俳句結社,俳句マスメディアなどを「階層的自律コミュニケーション・システム(HACS)」と位置づけて分析をおこなう.この結果,19世紀末に封建的日本社会が機能的分化社会へと移行するなかで,各種のシステムが共進化をつうじて誕生する過程として俳句革新を捉えなおすことが可能になる.分析の際,システム同士の関係性についてもくわしくとりあげる.