著者
秦 正樹
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.45-55, 2016

本稿は,18・19歳の新有権者における政治関心の形成メカニズムについて,サーベイ実験を通じて明らかにした。若者の政治行動に関する先行研究では,主として政治的社会化理論を背景に議論される。しかし先行研究では,初期社会化と後期社会化の効果を独立に検証するがゆえに,各社会化の相互の影響については明らかにされていない。そこで本稿では,初期社会化が含意する政治規範の伝播と,後期社会化における政治利益の追及に関するシナリオを用意し,それぞれの情報が,新有権者(若年層)と既存有権者(年長層)に与える影響を明らかにすべくサーベイ実験を行った。実験結果より,新有権者は政治規範にのみ,逆に既存有権者は政治利益にのみ反応して政治関心を高める傾向が示された。以上の分析結果より,新有権者は利害に関わらず,政治システムそのものの在り方に関心を向ける傾向にあることが示唆された。
著者
竹内 晴彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.1125-1126, 1988-09-12

我々は、感覚器官を通して得た情報を、適切な言葉で表現することができる。例えば、洗いたての柔道着に触れた感触を「ごわごわした」と表現し、選挙カーから流れてくるウグイス嬢の声を「かん高い」と表現する。このプロセスは、一見、非常に単純に見えるが、実際には、感覚情報と言語的知識とを結び付ける、極めて高度な情報変換プロセスであるといえる。エキスパートシステムの設計においては、専門家からの知識抽出を行う。これに対し、筆者は、普通の人が、特定の文化のもとで常識として持っている言語的知識を抽出し、自然言語処理システムの知識ベースとして利用することに関心がある。本稿では、人が共感覚表現に対してどのような認知構造を持っているかを調べ、その知識を利用した共感覚表現の理解・生成モデルについて検討する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.501, pp.16-19, 2006-03-13

すべてのマックにインテル製CPUを搭載する」——米アップルコンピュータのスティーブ・ジョブズCEOがこう宣言したのは、今から9カ月前の2005年6月のことだ。それからわずか半年後の今年1月には、インテルの最新CPU「Intel Core Duo」を搭載した「iMac」とノート型の「MacBook Pro」を発表。
著者
小澤 昌之
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.17, pp.197-214, 2019-03

本稿では、日本と韓国の子どもの教育格差の拡大が起こる背景に関して、学校外教育投資と社会階層との関係をもとに、貧困層─富裕層間の教育格差の有する特徴を精査する。分析する際のキーワードとして、「家庭の経済力や親の教育意識(意欲や選好)によって、子どもの教育達成に格差や不平等が生まれる」ペアレントクラシー概念を用いて分析を行う。 分析結果によれば、第1 に日韓中高生の基本的な学習傾向は、日本より韓国の方が学校外教育機関を多く利用しているうえ、高校受験の有無と各生徒における受験競争へのコミットメントの程度が、学校外教育利用を左右するとみられる。第2 に学校外教育利用を絡む教育格差が存在することは確認できたものの、日本の場合は教育アスピレーション、韓国の場合は成績というように、日韓における教育システムの違いを背景にペアレントクラシーの進行が日韓で異なったと考えられる。|This article investigates the parentocracy hypothesis, which is related to socio-economic status and educational expectation from their parents, and shows its validity for Japanese and South Korean students. Although Japanese and South Korean students commonly tend to expand their use of shadow education (eg. cram school and private tutors etc.), there are differences in various of their lives, such as child-rearing costs' parental educational consciousness, the institution of admission exam to higher education and so on. Therefore, I attempt to analyze the use of shadow education and regulated factors inroled with parentocracy effect on their respective students. According to the results of analysis, Japanese students tend to make the most use of cram schools in the 9th grade, because of their preparation for high school admission exams. South Korean students tend to make greater use of cram schools after graduating from high school. With regard to the parentocracy effect, it was shown that both students in both countries have a common tendency to be significantly influenced by their parents' of guardians, socio-economic status and educational expectation Specifically, it turns at that the factors influenced by the parentocracy effect were different between the two countries(Japanese students: school grades, Korean students: educational aspiration).
著者
富岡 修
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.7, no.24, pp.104-108, 2008-11-18

10月初旬の最終発表会。午後7時20分、総勢約30人が集まった大会議室には、ただならぬ緊張感が漂っていた。 それもそのはず。最終発表会を迎えるに当たり、前回の自主練習での受講生の緊張感のなさに危機感を抱いた小室さんは、急遽、知人の経営者などに特別審査員を依頼し、聴衆として約20人の学生も集めた。受講生には、最終発表会の前週、そのことを伝えた…。
著者
田中 綾乃 TANAKA Ayano
出版者
三重大学人文学部文化学科
雑誌
人文論叢 = Bulletin of the Faculty of Humanities and Social Sciences,Department of Humanities (ISSN:02897253)
巻号頁・発行日
no.34, pp.49-57, 2017

「アートの公共性」とはどのようなことを意味するのであろうか。一般的にアートとは、アーティストが自由に表現した個人的な産物であり、それが公共性を持ちうるかどうかは無縁である、と考えることができる。いわゆる「芸術のための芸術(Artforart・ssake)」という考え方は、現代の私たちには根強く支持されている。しかし、現在、私たちが考える「芸術」という概念そのものは、18世紀半ばのヨーロッパの思想において確立した概念である。そして、それとともに、アーティストと呼ばれる「芸術家」も登場することになる。もっとも、近代以前から古今東西、様々な芸術作品が存在し、その作品の作者がいることは自明のことであるように思える。だが、もしかしたら、そのような見方は、近代ヨーロッパで確立された芸術観を私たちが過去に投げ入れているのかもしれない。芸術の自律性を説く「芸術のための芸術」とは、芸術が宗教のため、あるいは一部の貴族や権力のためだけにあるのではなく、まさに芸術の自己目的を主張するものである。そして、そのことによって、アートは誰にでも等しく開かれた存在となるのである。本稿では、この近代的な芸術観によってこそ、アートは公共性を持ちうることになるという点をヨーロッパの近代思想、特に18世紀のドイツの哲学者イマヌエル・カントの美学理論を概観しながら論じていく。また、「アートの公共性」について具体的に考えるために、20世紀後半に登場した「アートマネージメント」という概念に着目する。本稿では、現在、様々な芸術作品や表現方法がある中で、「アートマネージメント」の必要性を考え、さらにはこの「アートマネージメント」という概念がアートと社会とを媒介する機能を果たすことを論証しながら、「アートの公共性」について一考察を行うものである。
著者
鈴木 慶一
出版者
國學院大學伝承文化学会
雑誌
伝承文化研究 (ISSN:13487825)
巻号頁・発行日
no.18, pp.81-97, 2021-06
著者
佐藤 常雄 溝井 理子 木村 凡 藤井 建夫
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.490-494, 1995-08-05
参考文献数
8
被引用文献数
2 3

新島, 大島及び父島のくさや汁を用い, これらくさや汁中のヒスタミン (Hm) 量, Hm生成菌及びHm分解菌の存在並びにその菌種を調べた. その結果, 各くさや汁ともHm生成菌はほとんど検出されなかったこと, Hm分解菌が10<sup>4</sup>~10<sup>6</sup>cells/ml程度存在したこと, 更にpHがHm分解活性至適域であったことから, くさや汁中ではHmが蓄積されにくい環境であることが分かった. 各くさや汁のHm分解菌として <i>Alcaligenes</i> がいずれの試料からも多数認められた. しかし, くさや汁中のHm分解菌のほとんどは, くさや汁の優勢菌種ではなかった.
著者
内田 宏美
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.89-94, 1997
参考文献数
7
被引用文献数
1

1994〜1996年度の国立K医療短大看護学科2回生延べ233名の、「あなたの声が聞きたいpartll」と「尊厳死を求めた家族の記録」のVTR鑑賞後のレポートから、対象の人間観・生命観と生命倫理上の問題を分析した。遷延性意識障害者へのケア選択の姿勢から、対象群には命のかけがえのなさや生存の権利を主張する生命尊重派に対して、自己決定の優先性を主張する意志尊重派がやや優勢な傾向がみられた。さらに、自分と家族の場合でのケア選択を比較すると、両派とも同レベルで自分には尊厳死を求める傾向を示し、意志尊重派では家族にも尊厳死を求める傾向がみられた。このことから、生命観の如何に関わらず、意志の捉え方に多様性がなく、無意識に、人間性をもつ人格だけを尊重するパーソン論の立場をとっている可能性が示唆された。以上より、医療者として自己の生命観・人間観を意識化することが重要だと考える。
著者
梅津 実
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法学 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.830-860, 1998-03

論説