著者
大屋 慶知 神野 正航 佐野 治彦 竹中 伊知郎
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.585-589, 2022-11-15 (Released:2022-12-23)
参考文献数
7

COVID-19患者の抜管時に発生するエアロゾル飛散問題は,未解決のままである.そこで,インターサージカル・ブロンコスコピーマスクを用いた抜管時のエアロゾル飛散防止対策法を考案した.本法は,顔に隙間なく密着させたマスクの弁付きホールから気管チューブを抜去し,対策が必要なくなるまでマスク装着状態で観察する方法である.本法には,簡便,エアロゾル飛散スペースが小さいため残留エアロゾルが少ない,抜管後の気道緊急時に遅れなく処置が行える,などの利点がある.しかし,エアロゾル飛散防止効果が未証明,抜管後の気道緊急時においてエアロゾル飛散防止対策下に気管挿管操作を行えないなどの問題に注意しなければならない.
著者
杉本 明日菜 赤澤 友基 河原林 啓太 宮嵜 彩 上田 公子 北村 尚正 岩本 勉
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.1-11, 2018-02-25 (Released:2019-02-25)
参考文献数
17
被引用文献数
6

口腔筋機機能療法(Oral Myofunctional Therapy : MFT,以下MFT)は口腔周囲筋のバランスの調和をとることで,歯列・咬合の形態を正常に維持することや,咀嚼・嚥下・構音といった小児期の口腔機能の発達支援を目的として行われる治療法の1 つである。様々な訓練方法が提案されているが,個々の訓練の効果について検討された報告は少ない。そこで,今回当科で実施したMFT について一連の訓練を行い,かつ発表に際して同意の得られた20 名(男児15 名,女児5 名,平均年齢7 歳7 か月)についてその治療効果の検討を行った。 その結果,訓練前・後で比較して口唇閉鎖不全のある児は55%から35%,嚥下時舌突出のある児は100 %から50%,構音時舌突出のある児は95%から60%に減少し,改善がみられた。とくに嚥下時舌突出と訓練法の1 つである「スラープスワロー」との間に相関を認めた。しかし,訓練が達成できていても機能の改善が十分でない児もおり,さらなる訓練法や訓練時期の検討が必要であると考えられた。 様々な分野で口腔機能が注目されているが,とりわけ小児期での口腔機能の獲得は生涯を通じての健康に非常に重要な意味をもつ。本調査では20%の児は形態的な問題を有しておらず機能面の問題のみを呈していた。こうした児についても積極的に介入し口腔機能を向上させることは将来の健康寿命延伸に有意義である。そのため,小児の発育・発達に沿った訓練を構築し,口腔機能獲得の支援法として提案することが必要である。
著者
太田 真祈
出版者
武庫川女子大学短期大学部
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1996

藍の生葉染めでは、条件によっては青く染色できない場合がある。藍の色素であるインジゴの生成過程で、その構造異性体である赤色色素のインジルビンが生成することも一因であるが、どのような条件でインジルビンが生成するのか、詳しく検討されていない。またこの赤色のインジルビンを積極的に染色に利用すれば、インジゴの青と混ざって、赤紫色の染色物を生葉染めで得ることが可能であると考えられる。インジルビンは、藍の葉に含まれるインジゴの前駆体であるインジカンの加水分解物であるインドキシルと、その酸化生成物であるイサチンとの反応で生成することがわかっている。インジカンは試薬として入手可能であるが、高価である上、酵素でしか加水分解できないので、インジカンの代わりに安価な試薬である酢酸インドキシルを用いて、どのような加水分解条件でインジルビンが多く生成するかを調べたところ、pHや温度等に依存することがわかった。また、酢酸インドキシルからアルカリ加水分解でインドキシルを生成させ、pHを中性付近に下げ絹布を染色したところ、長時間放置しておいたものが赤紫色に染色された。酢酸インドキシルのメタノール溶液を絹にしみこませて長時間放置することによっても赤紫色に染色されることがわかり、加水分解されずに残っていた酢酸インドキシルが絹布内でインジルビンに変化することがわかった。さらに、生葉染めを様々な条件で検討したところ、インドキシルが酸化される時にアルカリ性になる条件、また水への溶解性の小さいイサチンを可溶化できるような条件で赤紫色に染色することができた。

1 0 0 0 雲萍雑志

著者
柳沢淇園著 森銑三校訂
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1936
著者
澄川 靖之 上木 裕理子 三好 彰 程 雷 殷 敏 時 海波 澄川 真珠子 幸野 健 青木 敏之 片山 一朗
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.1270-1275, 2007-10-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
19
被引用文献数
2

【目的】日本,中国におけるアトピー性皮膚炎の有症率と皮膚のバリア機能について調査を行い比較検討を行った.【方法】中国チベット自治区ラサ市68名,江蘇省宜興市67名,兵庫県西宮市99名の小学1年生を対象に皮膚科検診を行い,その際に経皮水分蒸散量(TEWL : transepidermal water loss),角質水分量(capacitance)を測定した.またラサ市,宜興市,大阪府大阪市の中学1年生を対象に入浴回数についてのアンケート調査を行った.【結果】アトピー性皮膚炎の有症率は,ラサ0%,宜興2.63%,西宮4.26%であった.TEWLは西宮が宜興・ラサに比し有意に高く,capacitanceはラサが西宮・宜興に比し有意に低かった.また入浴回数はラサで月2.2回と西宮・宜興に比べ少なかった.【結論】TEWLの増加に従いアトピー有症率が増加する傾向がみられた.生活習慣・環境の変化によりアトピー性皮膚炎の有症率や皮膚のバリア機能がどう影響を受けるか今後も調査を行っていく必要があると考えられた.
著者
小田晋 作田明責任編集
出版者
新書館
巻号頁・発行日
2005

1 0 0 0 ストーカー

著者
村上千鶴子著
出版者
駿河台出版社
巻号頁・発行日
2009
著者
Shinya SAKURABA Haru-Hisa UCHIDA
出版者
Society of Advanced Science
雑誌
Journal of Advanced Science (ISSN:09155651)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.134-135, 1999-08-15 (Released:2010-02-25)
参考文献数
4

Environmental impact by recycling paper package for milk products (milk pack) was estimated using environmental I/O table in Japan. Present state of recycling technology and materials flow was also investigated. Production of 7.66×105ton toilette paper (1997 in Japan) was considered using recycled 2.001×105ton of milk pack (1997 in Japan) in function of recycle rate. In case of using PE coating film on milk packs for thermal energy in recycle process the impact becomes reduced with increasing recycle rate of milk packages.
著者
小熊 尚太 大松 繁 大野 修一 岩崎 和宏
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会論文誌 (ISSN:13425668)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.84-92, 2022-04-15 (Released:2022-07-15)
参考文献数
12

Since unexpected machine failures are huge losses for users, maintenance activities are essential. If the failures can be predicted in advance using a supervised learning, the machines can be maintained before they break down and some failures can be prevented. However, although a large number of failure data are required to predict failures using a supervised learning, failures rarely occur in the actual field. In this study, we propose to detect the failure of a hydraulic excavator using an autoencoder, which is an unsupervised learning. By using the autoencoder to model normal state data, the failure can be predicted in advance. This paper shows the results of evaluating failure predictions using the LSTM (Long Short-Term Memory) autoencoder model for actual failure of hydraulic excavators.
著者
池澤 秀起 高木 綾一 鈴木 俊明
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.261-264, 2015 (Released:2015-06-24)
参考文献数
7
被引用文献数
1

〔目的〕腹臥位での下肢空間保持課題において,肩関節外転角度の変化が下肢空間保持側と反対側の僧帽筋下部線維の筋活動に与える影響を検討した.〔対象〕健常男性16名とした.〔方法〕課題は腹臥位での下肢空間保持とし,肩関節の外転角度を変化させ,各々の肢位での筋活動を比較した.測定筋は下肢空間保持側と反対側の僧帽筋下部線維とした.〔結果〕下肢空間保持側と反対側の僧帽筋下部線維の筋活動は,肩関節外転角度が0度・30度・60度に対して90度・120度において有意に増大した.〔結語〕僧帽筋下部線維は脊柱の固定に加え,上肢を重さとして利用するために肩甲骨の上方回旋作用にも関与したのではないかと考えられた.
著者
胡 帥文 永井 俊一 富田 剛 馬場 英治 横塚 勉
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.114, no.11, pp.1162-1168, 1994-10-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
7

One of the most important design problem of the permanent magnet (PM) motor is the reverse rotation. The conditions for the reverse rotation with a square-wave drive are investigated experimentally. Relations between the applied voltage and the pulse rate fp at which the probability Pb of the reverse rotation takes a maximum are discussed. Effects of the initial rotor position δ and the delay-time td of the first pulse on the value of Pb are discussed. Calculations of reverse rotating performance are made with various conditions, and clarified the mechanism of the reverse rotation.

1 0 0 0 OA 食物の配色

著者
高宮 和彦
出版者
日本食生活学会
雑誌
食生活総合研究会誌 (ISSN:0917303X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.52-56, 1991-05-15 (Released:2011-01-31)
参考文献数
18
被引用文献数
1
著者
Sungyoung Kim
出版者
ACOUSTICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
Acoustical Science and Technology (ISSN:13463969)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.129-133, 2020-01-01 (Released:2020-01-06)
参考文献数
20
被引用文献数
1

This paper reviews previous experimental studies on the relationship between a listener's cultural framework and auditory perception of an enclosed space. Cultural influence on auditory perception of noise and music has been assessed through a range of studies. Is it same for spatial hearing? When we enter to a space, would a particular cultural framework influence on understanding of the corresponding auditory environment? As physical buildings and enclosures reflect architectural and visual heritage, the auditory environment of an enclosed space also represents a unique and distinct heritage where people have interacted with and shaped their culture. When two listener groups (East-Asian and North-American) compared a reproduced field, previous findings show that (1) the semantic value of a same descriptor was distinctly different for two groups, and (2) there was an inverse relationship between the area of a personal space and size of a desired (preferred) auditory environment. With the advance of virtual reality (VR) technology, listeners can enter any auditory environment ubiquitously. Therefore, researchers and developers in the field should consider multiple user groups and the role of cultural framework in virtual environments.