著者
永崎 研宣
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.369-376, 2013-09-01 (Released:2017-04-18)
被引用文献数
1

人文学分野においてもサイバーインフラストラクチャは欠かせないものになりつつある。歴史的には1940年代から取り組みが行われ続けてきたものであり,人文学研究者自身が積極的に取り組んでいくことがこれまで以上に重要になってきている。国際的にはすでに欧米の関連学会によって設立されたADHOを中心として大きな組織的枠組みができあがっており,我国もそこに参画している。個別のテーマとしては知的所有権をはじめ様々な事項に配慮しながら進めていかなければならない。また,評価や教育の体制等については,特に米国では人文学の側で新しい枠組みの構築に向けての取り組みが進みつつある。そこでは,我国の人文学の貢献の余地も大いにあり得る。
著者
大石 雅寿
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.363-368, 2013-09-01 (Released:2017-04-18)

半導体技術やネットワーク技術の進展は,世界に分散する大規模データを活用するタイプの天文学という新しい研究パラダイムを生みつつある。ヴァーチャル天文台は,世界の関連するプロジェクトが合同で標準プロトコルを定め,大量のデータを活用する天文学研究を加速できることを示した。一方,将来の天文学において爆発するデータ生産率はテラビット毎秒を越える可能性があり,ペタフロップスクラスのスーパーコンピュータを用いた大規模データ処理が必要となると予想されている。さらには人手を介さない機械学習など情報学や統計科学との連携が非常に重要になってくると考えられる。
著者
スティーン 智子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.358-362, 2013-09-01 (Released:2017-04-18)

1999年の,英国科学技術省のJohn Taylor所長の提唱以来,e-Scienceのアプローチが,色んな科学分野で,使われているという事が確認され,科学の方向性がさらに変わって来た。情報科学分野の方でもそれに見合う対応性が望まれる様になったので,アメリカでは,政府機関,大学,民間企業それぞれに,新しい動きが出て来ている。この論文では,いろんな例を上げて,e-Science時代に情報を提供するアーカイブズや図書館,さらに情報専門家に期待される施設や知識,さらに将来の展望なども,検討してみる。e-Scienceは,国境のない科学で,求められる情報も多言語で供給しなくてはならない。
著者
重松 麦穂
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.15-20, 2023-01-01 (Released:2023-01-01)

研究成果を研究コミュニティへ迅速に共有することを目的として,査読を経ていない論文「プレプリント」をインターネット上で公開する動きが活発になっている。2010年代以降にはプレプリントを公開するウェブサイト「プレプリントサーバ」が分野ごと,国ごとに数多く立ち上がっており,日本でも科学技術振興機構が2022年3月に「Jxiv(ジェイカイブ)」の運用を開始した。プレプリントの利活用が広がる状況に,ジャーナル出版者や研究者がそれぞれ適切に対応することで,学術コミュニケーション,ひいては学術研究全体の発展につながると考える。
著者
森本 行人 池田 潤
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.21-25, 2023-01-01 (Released:2023-01-01)

本稿では,日本語で書かれた人文社会系分野の研究の見える化に向けて,筑波大学が行ってきた取り組みについて述べる。1つは,筑波大学人文社会系の独自の取組としてのiMD(index for Measuring Diversity)である。iMDは学術誌の著者所属の多様性を図る指標として私たちが提案した手法で,特許も取得した。このiMDは,筑波大学人文社会系の評価指標にも活用されている。もう1つが筑波大学ゲートウェイである。筑波大学ゲートウェイは,F1000 Researchのプラットフォーム上に開発したものであり,全学の研究成果公開を促進する。ローンチから2年を経て筑波大学ゲートウェイをリブランドし,Japan Institutional Gatewayとして世に送り出すまでの経緯ならびに将来の展望を概説する。
著者
外山操編
出版者
芙蓉書房出版
巻号頁・発行日
1994
著者
捧 富雄 Tomio SASAGE
雑誌
鈴鹿国際大学紀要Campana = Suzuka International University journal campana (ISSN:13428802)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.101-116, 2011-03-20

This paper is an examination of the most important requirements for leadership capabilities related to tourist destination development. Those requirements are "trust"and "strategy". It is not possible to inspire voluntary cooperation of members without trust. Nor can the leader lead without a strategy. Therefore, training measures to learn these requirements for a leader in tourism destination development becomes necessary. However, there are many questions and issues for future research and study.
著者
西川 輝
出版者
横浜経済学会
雑誌
エコノミア (ISSN:00129712)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1・2, pp.25-42, 2020-03-31
著者
植阪 友理 内田 奈緒 佐宗 駿 柴 里実 太田 絵梨子 劉 夢思 水野 木綿 坂口 卓也 冨田 真永
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.404-418, 2022-12-30 (Released:2022-12-30)
参考文献数
44
被引用文献数
1

自立的に深く学ぶ力の育成は,新教育課程において強調されている重要な教育目標である。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により,家庭で自ら学習する時間が増加したことから,以前にもましてこの力の重要性か゛高まっている。一方で,学習者はこうした力を十分に身につけていないという実態か゛ある。本研究て゛は,大学関係者と高校教員か゛連携し,新型コロナウイルス感染症拡大の影響をうけて休校中であった公立高校において,公立高校1年生33名を対象に,自学自習を支援する「オンライン学習法講座(全6回)」を実践した。本実践を開発するにあたり,オンラインならではの指導上の工夫を導入するとともに,オンラインを前提としない従来の指導法上の工夫をどのように統合すべきかについても検討した。講座を実施した結果,オンラインて゛の実施ではあったが,生徒に講座の趣旨か゛十分に伝わっている様子が確認されるとともに,高い満足度が得られた。また,一部の生徒ではあるものの複数の講座を統合的に利用する様子や,学校現場の指導法の変化も確認された。
著者
須田 朗
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
vol.100, pp.1-31, 2021-09-30

哲学用語としての「超越」を古代から現代まで歴史的にたどることで哲学の歴史が鮮やかに見て取れる。大きく分けて三つの超越概念がある。プラトンは感覚的な自然世界のかなたにイデアの世界があると想定した。この形而上学的世界が超越世界だ。プラトンのこのイデア説を引き継いだのがキリスト教の超越神という考えで、ここに神学的超越概念が認められる。近代ではカントが超越論的哲学を唱える。コギトや主観から出発していかにして、心を超越する客観を正確に捉えることができるかが問題になる。ここに認識論的超越概念が見られる。カントはこの問題をコペルニクス的転回で解決し、神学的超越を否定した。ハイデガーは現存在の基本的存在構造としての世界= 内= 存在のうちに超越を見る。現存在は個々の存在者にかかわる前に常にすでに世界に超越している。この世界= 内= 存在こそが超越なのである。彼はこの存在論的超越概念から認識論的超越概念を批判する。
著者
佐藤 裕 德田 慎平
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会全国大会講演概要 2019年度秋季全国大会
巻号頁・発行日
pp.86-87, 2019 (Released:2019-12-19)
参考文献数
4

FSWで得られたAl/Fe接合界面における異種金属接触型腐食を解析した.Alのみ,Feのみ,Al/Fe接合界面を用意し,0.1M NaCl溶液中で自然浸漬試験を行ったところ,Al/Fe接合界面での腐食が最も顕著だった.また,マイクロ電気化学システムを用いて,Al/Fe接合界面での腐食発生挙動のその場観察を行った結果,Alでは浸漬直後から孔食が発生し,Fe上では腐食生成物の沈殿が観察された.
著者
向本 敬洋 鈴木 立紀
出版者
一般社団法人 日本運動・スポーツ科学学会
雑誌
運動とスポーツの科学 (ISSN:13421026)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1-10, 2020-10-31 (Released:2020-12-09)
参考文献数
27
被引用文献数
1

The purpose of this study was to investigate excess post-oxygen consumption (EPOC) following three types of exercises used in resistance training. Eight healthy trained men (age=21.9±1.0 yr; height=173.4±5.8 cm; body weight=69.7±6.5 kg, body fat=23.2±1.6%) performed the following three types of resistance exercise on separate days.: 1) bench press (BP),2) dead lift (DL),3) squat (SQ),which consisted of 5 sets and 2 min interval between sets. All resistance exercises were performed to maximum repetitions with loads of 75% one-repetition maximum. Expired gas and heart rate were continuously monitored during the exercise sessions and for 120 min afterwards. The mean values for oxygen consumption and heart rate, total of energy expenditure during exercise in the DL and SQ exercises were found to be significantly greater than that in the BP exercise (P<0.05).The duration of EPOC in DL and SQ exercises were longer than that in the BP exercise, and total of EPOC in the DL and SQ exercises were found to be significantly greater than that in the BP exercise (P<0.05).However, there were no significant differences in total of EPOC between DL and SQ exercises. In the same exercise intensity, it was suggested that DL and SQ exercises increase oxygen consumption during exercise and EPOC more than the BP exercise. The results of this study suggest that resistance exercises to activate muscles of the lower extremity elicit greater energy metabolism in comparison to resistance exercises using the upper extremity.
著者
佐野 洋 藤村 知子 林 俊成 芝野 耕司
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.119-125, 2004

社会基盤として情報環境が整備され,情報ネットワークを活用した教育(e-Learning)環境が近年,急速に充実してきた。e-Learningは,教育に新しい可能性を開くものでもある。本稿では,東京外国語大学・留学生日本語教育センターと同大・情報処理センターが共同事業で開発を進めている初級学習者向け日本語e-Learning教材の開発について述べる。本学・留学生日本語教育センターは,日本語教育需要の拡大に伴う日本語学習ニーズの多様化に応じるため日本語教育プログラムの高度化を進めている。その中でe-Learning導入が発想され,本学・情報処理センターとの共同で日本語e-Learning環境の開発が行われている。新しい教育形態として加わるe-Learning用の教材開発では,現状課題の分析とe-Learning化の要件定義を行った上で,既存の日本語教科書・教材内容を整理し,電子化を実施した。既存教材のe-Learning化だけでなく,インタフェース・デザインを含むシナリオ作成を伴う自習教材の統合的な追加と,海外からの利用に対応する多言語化が本教材の特徴である。