著者
井上 宗一郎
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.165, pp.225-249, 2011-03

昨今、日本の相撲、特に大相撲やアマチュア相撲の動態は、相撲に付与された「国技」という呼称、およびそれに付随して共有されているイメージを揺るがしつつある。大相撲における外国人力士の台頭、アマチュア相撲によるオリンピック正式種目登録への動きなど、選手構成、組織の運営方針や競技の形態などの多様な展開がその大きな要因のひとつである。その一方、力士の人間性や所作などについては、宗教的な言説を基盤とした一種の様式美とされ、「品格」、「品位」といった言説と絡み合いながら、「日本の伝統的競技」の代表的なもの、つまり「国技」として位置付けられる要因となっている。これまでの民俗学における相撲研究では、相撲の「国技」たる「品格」を保証するような、相撲の宗教儀礼としての側面のみを照射し、それ以外の側面についてあまり語られてきていない。そこには、民俗学固有ともいえる事例の選別や、言及の指向が存在しており、さらに言うならば、民俗学は相撲のみならず、競技を競技として対象化してこなかったのではないかと考える。本稿ではまず、民俗学における競技についての言及を振り返り、その固有ともいえる指向を検討する。次いで北陸地方で行なわれている神事相撲の事例を通して、対象とする事例を拡大して検討することで、民俗学での競技に対する、より開かれたアプローチの構築に寄与したい。一部非公開情報あり
著者
渡部 宏幸 橋本 衛
出版者
日本神経心理学会
雑誌
神経心理学 (ISSN:09111085)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.197-207, 2020-12-25 (Released:2021-01-09)
参考文献数
16

抽象的態度とは,脳損傷患者における失語症をはじめとする様々な症候を理解するために,Kurt Goldsteinによって提唱された概念である.現在では意味記憶に関する先駆的概念として認識されている.本論文では,Goldsteinの抽象的態度に関する知見を外観する.次に筆者がこれまで経験した症例を提示し,抽象的態度の障害を鍵概念として,症候の理解を試みる.
著者
積山 幸祐 黒野 祐一
出版者
日本鼻科学会
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.566-571, 2014 (Released:2014-12-26)
参考文献数
21
被引用文献数
3 2

放線菌は嫌気性・非抗酸性のグラム陽性桿菌で口腔内常在菌であり,しばしば気管支,消化管,女性性器から分離される。特に齲歯,歯垢,扁桃陰窩などに無害性に存在し,組織の損傷や他の感染によって宿主の抵抗が失われてはじめて病原性を発揮する内因性感染として放線菌症を起こす。放線菌症の好発部位は,顔面・頸部40~60%,腹部20~30%,胸部10~20%であり,鼻副鼻腔は非常にまれである。今回我々は,鼻腔放線菌症の一症例を経験したので,報告する。症例は19歳の女性で頭痛,左鼻閉を訴えて当院を受診した。左下鼻道に肉芽と黒褐色塊を認め,CTでは下鼻甲介と接する石灰化陰影とその周囲に軟部組織陰影を認めた。同部位の生検による病理組織学的検査で鼻腔放線菌症と診断とされた。放線菌症に対しアモキシシリン(AMPC)1500mg/日を投与し,約2か月間保存的治療を施行したのちに局所麻酔下に摘出術を施行し,術後約1か月AMPC 1500mg/日を投与した。その後約3か月間は慢性副鼻腔炎(右前頭洞,左蝶形骨洞)に対しマクロライド少量投与を施行したが改善はなく,全身麻酔下で内視鏡下鼻内副鼻腔手術(ESS)を施行した。ESS後約1年が経過したが放線菌症の再発は認めていない。治療に関してはペニシリンの大量長期投与が推奨されているが,早期に治癒せしめるために内視鏡下鼻内手術による病変の完全切除と鼻副鼻腔の好気的な環境作成が肝要と考えられた。
著者
福井孝治 [著]
出版者
理想社
巻号頁・発行日
1936
著者
滋賀医科大学IR室運営会議 滋賀医科大学総務企画課広報係
出版者
滋賀医科大学IR室運営会議
巻号頁・発行日
pp.1-80, 2022-12

特集記事 湖国とともに世界に羽ばたく【報告対象範囲等】対象組織:国立大学法人滋賀医科大学対象期間:2021年4月1日-2022年3月31日(一部に上記期間前後の活動内容等を含みます)
著者
米川正夫訳
出版者
福武書店
巻号頁・発行日
1987
著者
駒尺 喜美
雑誌
日本文學誌要 (ISSN:02877872)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.34-42, 1967-12-25