著者
小林 優子
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.281-297, 2022-11-30 (Released:2022-11-30)
参考文献数
30

本研究は,日本の高等学校で行われている探究活動においてNOSが言及される場面を明らかにした。そのために,自然科学の探究を行う生徒2名と人文社会科学の探究を行う生徒2名を対象に,1年間の探究活動中の発話を記録し,質的データ分析ソフトウェアを用いて質的に分析した。NOSの要素のうち「主観性」,「科学と社会」,「科学の中の社会・文化」に着目して分析したところ,いずれの生徒においても「目的に合わせた方法」や「研究の蓄積」などのサブカテゴリーにおいて発言に深まりが見られた。このことから,NOSの指導を意識していない日本の探究活動においてもNOSについて学ばれる可能性を指摘することができる。一方で,「科学内部の社会的プロセス」や「科学者間のコミュニケーション」についてはほとんど言及されておらず,言及されるNOSには偏りがあることが明らかになった。また,これ以外のNOSについても探究活動の進捗に合わせて質的な深まりが見られた。こうした質的な深まりは,探究する領域の違いや指導形態の違い,生徒の個人的な経験や関心に影響を受けることが明らかになった。

10 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1937年10月30日, 1937-10-30

10 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1910年08月29日, 1910-08-29

10 0 0 0 山形市史

著者
山形市市史編さん委員会, 山形市市史編集委員会 編
出版者
山形市
巻号頁・発行日
vol.上巻 (原始・古代・中世編), 1973
著者
刑部 敦 大久保 憲
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.127-134, 2015 (Released:2015-06-05)
参考文献数
80
被引用文献数
8 4

わが国におけるクロルヘキシジングルコン酸塩によるアナフィラキシー発生について文献調査を行い,1974年以降84例の報告を検出し,その症例について集計・検討を行った.   このうち使用部位及び使用濃度が明らかな77症例において,現在のわが国で承認されている適応範囲外の使用方法による発生が57例(74.0%)であり,適応範囲内の症例は10例にとどまった.また,発生症例の男女比は2.2:1 (男性55例,女性25例)で男性が多く,発生年齢層では小児及び高齢者よりも成年層が多かった(15歳未満が7例,16~64歳が62例,65歳以上が11例).   今回の集計・検討により,クロルヘキシジングルコン酸塩の使用にあたっては,使用部位,使用濃度の適応を遵守することが,アナフィラキシー発生の頻度を低下させるために重要な因子であることが示唆された.
著者
小池 誠
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2018-MUS-119, no.35, pp.1-8, 2018-06-09

マイクロ波聴覚効果とは矩形波のマイクロ波が聴覚を刺激する現象である.そこで,マイクロ波聴覚効果を応用したマイクロ波通信,即ち,テレパシー通信では,音声信号でパルス変調されたマイクロ波を搬送波として,受信者の頭部にビーム照射することにより,マイクロ波聴覚効果により頭部が音声信号を復調する.テレパシー通信では,ビーム幅が小さく,かつ,ビーム径が小さなマイクロ波ビームを形成することが求められる.そこで,マイクロ波のみを頭部に照射するのでなく,別途,レーザービームを頭部に照射して,大気中の気体分子をイオン化して,微量のプラズマをらせん状のビーム経路に生成する.すると,プラズマが導波管として作用して,マイクロ波がプラズマ導波管の内部をビームとなって直進し,特定の受信者のみが声を聴くことができる.
著者
湯村 翼
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.99-101, 2022-08-25

サッカーの作戦会議では,ある局面における戦術を指示するために,書き込みとマグネット配置が可能な作戦盤を用いる.しかし,作戦盤は平面であるため,その局面における視覚的状況を想像しにくい.そこで,視覚的状況を容易に想像できるよう,一人称視点映像を提示するVRサッカー作戦盤システムTacticBoardVRを開発した.選手の配置を指定する指示ボードとしてタブレット端末を,ビューワとしてヘッドマウントディスプレイを用いてシステムのインタフェースを構築した.
著者
内海 美保 佐藤 雄一郎 山岡 由美子
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.9-17, 2012-01-10 (Released:2013-01-10)
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

Pharmacists who will graduate from the 6-year program are expected to have more clinical ability than those who graduate from the 4-year program. In 2008, the Japanese Society of Hospital Pharmacists designed a plan, “New development of the expanded pharmacist's practices”. In some medical facilities and educational facilities some pharmacists and pharmacy students are performing new clinical practices even though the practices are not clarified in existing medical law.So far, medical law has indicated the roles of pharmacists as only “dispensing drugs”. We should reconsider whether the concept of “dispensing drugs” includes some part of medical practices and how pharmacists should develop their expanded roles practically. We must discuss them concretely including the revision and the interpretation of the existing medical law.
著者
チョウ ピンピン
出版者
北九州市立大学
巻号頁・発行日
2021-03-23

本論文では、チベットにおける広域にわたるフィールド調査のデータをもとに、ヤクの糞(牛糞)に注目し、その燃料資源としての有用性から文化的な象徴性までを論じている。それによって人類史における乾燥高冷地への適応プロセスを明らかにし、こうした資源としての重要性を背景に、富と豊穣の象徴としての牛糞という、ひとつのチベット文化論を展開している。

10 0 0 0 OA 魔都

著者
村松梢風 著
出版者
小西書店
巻号頁・発行日
1924
著者
神田 浩里 岡田 薫 川喜田 健司
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.802-810, 2010 (Released:2011-05-25)
参考文献数
21

【目的】鍼や灸刺激の反応のひとつとして、 求心性の無髄C線維の軸索反射によるフレア反応が観察される。 カプサイシン溶液を皮膚に貼付するとフレア反応を誘発し、 繰り返し貼付するとカプサイシン感受性C線維を脱感作させる。 本研究では、 鍼灸刺激で誘発されるフレア反応に関与する受容体を調べることを目的に、 フレア反応への脱感作の影響を検討した。 【方法】同意の得られた健康成人13名 (男性6名、 女性7名;26.0±5.6才) を対象とした。 カプサイシン溶液 (0.1%) を濾紙 (20×20mm) に含ませ、 左前腕内側部に3日間貼付 (6時間/1日) し脱感作させ、 その対側をコントロール部位とした。 両部位の熱・機械的痛覚閾値、 鍼や灸刺激による皮下血流量の変化を測定した。 【結果】脱感作部位ではコントロール部位に比べ、 熱痛覚閾値は有意に上昇したが、 機械的痛覚閾値変わらなかった。 また脱感作により、 灸刺激によるフレア反応は減少し、 鍼刺激によるフレア反応は消失した。 【考察】鍼や灸刺激は主にカプサイシン感受性C線維よってフレア反応を生じることが明らかとなった。 熱刺激に応じる熱受容チャネルはTRPV1以外にもいくつか報告されているが、 今回灸刺激によって起こったフレア反応はカプサイシン脱感作により大きく減少したことから、 主にTRPV1を持つカプサイシン感受性C線維を介して起こったことが考えられた。 また、 脱感作後に灸刺激によって起こったわずかな反応は、 他の温度受容体も関与するかもしれないことを示唆している。 一方、 鍼刺激によるフレア反応は脱感作によって完全に消失した。 機械的痛覚閾値が脱感作によって影響を受けなかったことや、 TRPV1は機械刺激では興奮しないため、 鍼刺激によるフレア反応は機械刺激ではなく組織損傷で産生される化学物質によって引き起こされた可能性が考えられた。