著者
金岡 晃
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-39, no.7, pp.1-4, 2017-09-22

SOUPS (Symposium On Usable Privacy and Security) はセキュリティとプライバシのユーザビリティに特化した内容を扱う国際会議である.2017 年 7 月 12 日から 14 日に米国サンタクララで開催された SOUPS2017 (Thirteenth Symposium On Usable Privacy and Security) では,パスワード,IoT,モバイル端末での支払い,開発者向けユーザビリティ,ユーザの振る舞い,フィッシングなど多岐にわたる発表がされた.本稿では SOUPS2017 の概要や発表された論文についての概要を報告する.
著者
目時 光紀
雑誌
天使大学紀要 = Bulletin of Tenshi College
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.53-60, 2014-06-30

本稿では、T大学看護栄養学部に在籍する学生の入学形態と英語力の関係について報告する。T大学の入学者選抜方法は、指定校推薦入試、公募制推薦入試、社会人入試、一般入試、センター試験利用入試の5つである。このうち、英語科目の受験が求められるのは、一般入試とセンター試験利用入試のみである。本研究では、2012年度入学の1年生にG-TELP Level 4(300点満点)を実施し、英語科目受験群(一般入試入学者、センター試験利用入試入学者)と英語科目非受験群(指定校推薦入試入学者、公募制推薦入試入学者、社会人入試入学者)のスコアーの平均値に統計的な有意差があるかどうかを調査した。調査の結果、英語科目受験群のほうが英語科目非受験群よりも平均点が約34点高く、統計的な有意差も見られた。
著者
島岡 政基 真野 健 西垣 正勝
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-39, no.6, pp.1-5, 2017-09-22

国際会議 IFIPTM は,関連するセキュリティとプライバシーの問題を含む,トラストおよびトラストマネジメントに関する問題の研究成果を共有し,今後の研究開発の新たな課題と方向性を明らかにすることを目的としている.本稿では,2017 年 6 月 12 日から 16 日までスウェーデン Goteborg 市においてChalmers
著者
明神 聖子 馬場口 登
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-39, no.5, pp.1-6, 2017-09-22

本稿では,メディアを介した伝達情報の不定性と,それによって人が騙されるときの思考状態について考察を与える.メディアを介して人から人へ情報として伝えようとしても,別々の認知体系を持ち,それぞれの閉じた世界の中で情報の解釈を行う我々は,全く同じ意味内容を共有することはできないといわれている.そのような意味が定まらない情報を人が推定するというプロセスが,単に人と人の間で意味の齟齬を引き起こすだけでなく,人を騙すために機能するというところを数理的に表現し,自己の世界が解釈した対象の意味内容によって,信じるという状態が生じさせられていることを示す.
著者
小川 康一 吉浦 紀晃
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-39, no.1, pp.1-8, 2017-09-22

我々は,大学ネットワーク管理者が利用者のネットワーク機器の状態を把握するため,小型コンピュータと Web カメラを利用して監視装置を開発し,監視した情報を移動ロボットの遠隔操作によって収集する手法を提案している.しかし,移動ロボットの遠隔操作にはあらかじめ監視装置のある部屋の周辺環境についての前提知識が必要である.また,移動ロボットと操作端末間のネットワーク遅延を考慮することや,移動ロボットの操作経験などが要求され,操作を修得するまでに一定の時間を要する.そこで本稿では,移動ロボットに深度センサーやレーザ測距センサーを搭載し,あらかじめ環境地図を作成することによって,管理者が移動ロボットを直接操作せずに監視情報を半自動的に収集する手法を提案する.本手法を実装し,大学内にて遠隔操作による手法との比較実験により提案手法の有効性を確認した.
著者
米田 隆一 西本 卓也 嵯峨山 茂樹
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.129(2005-MUS-063), pp.31-36, 2005-12-23

本研究では、Standard MIDI File 楽譜等のシンボリックな音楽情報を入力として対旋律、和音、調等のラベルを付与する汎用的な手法を提案する。このような音楽のラベル付与問題は、音声認識における言語モデルとの類似性から、マルコフモデル、および生成モデルとしての HMM (hidden Markov models) を適用することが多かった。本研究でも確率モデルを踏襲するが、MIDI、楽譜などは、縦の和音、横の声部進行等、2次元的な情報であり、マルコフ連鎖のような一次元的なモデリングでは不十分である。このような背景のもと、より広いコンテキストを重視すべきであるという考えが生まれる。マルコフ確率場(Markov random field)モデルは、ノード間の関連をエッジであらわす一種の無向グラフモデルであり、エッジを設計することにより広いコンテキストを柔軟に設定できる。また、マルコフ確率場では我々の持つ音楽的知識を素性関数の設計(エッジの設計)という操作に還元することが可能、という利点を持つ。さらに、識別モデルであるという点でHMMとは異なり、可能なすべての出力系列を入力系列の条件付き確率として求めることができるという点で、条件付き確率場(conditional random fields)とも呼ばれる。本研究ではマルコフ確率場モデルに基いたさまざまな音楽情報処理に対するアプローチを論じる。本手法は汎用であり、応用範囲は多岐にわたるが、本稿では対旋律付け、和声付け、ドミナント定型句の同定、和声解析、調認識に対するアプローチを述べる。考えられる他の応用としては、リズム認識、楽曲のパージング、音楽情報検索など広範囲にわたる。
著者
堀田 龍也
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2017-CE-140, no.1, pp.1-6, 2017-07-01

平成 28 年 (2016 年) 12 月 12 日の中央教育審議会答申 (中教審第 197 号) を受け,文部科学省は平成 29 年 (2017 年) 3 月 31 日に次期小学校学習指導要領,中学校学習指導要領を告示した.言語能力や問題発見 ・ 解決能力と並んで,情報活用能力が 「学習の基盤となる資質 ・ 能力」 と明記されるなど,現行の学習指導要領と比較して情報教育の重要性がより高まっている.本論では,中央教育審議会答申から次期学習指導要領にかけての情報教育に関連する審議等について,その経過を踏まえて報告する.
著者
高松 節子 タカマツ セツコ Setsuko Takamatsu
雑誌
浦和論叢
巻号頁・発行日
no.35, pp.37-50, 2005-12

The Sixteen Hand Horse (Gwynne,1980) is the picture book for the youngest which depicts a little girl's visual images of her parents' talking about such things as bells that peel and a running nose. This book might be used to teach children homonyms, idioms, and also corrections and errors. At the same time, not only the youngest but also adults can enjoy its humour. At the time when this book was introduced in our Reading class of Master of Education in certain University in U.S.A. in 1982, I could not imagine that it would be a cue to the study of metanalysis. Jespersen coined the word 'metanalysis' for the phenomenon frequent in all languages that words or word-groups are by a new generation analyzed differently from the analysis of a former age. He pointed out that the child's mishearing caused metanalysis. In most cases, themselves or adults correct children's mishearings. Only a few mishearings might become general. We call this phenomenon 'diachronic metanalysis'. Gunshi's theory of metanalysis is significant because he pointed out that we intentionally do analyze the words or word-group differently. He insists that we can find metanalysis in almost every expression of humour. He is illustrating chiefly about the adult's intentional metanalysis. We call it 'synchronic metanalysis'.
著者
中野 由章
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.36(2005-CE-079), pp.17-24, 2005-04-23

2003年に三重県で行った教科「情報」に関する実態調査の対象を,近畿圏(大阪府 兵庫県 京都府 滋賀県 奈良県 三重県)の高等学校に拡張して2004年の秋に行った。質問項目についても拡張し,設定科目,必修科目設置学年,授業形式,授業時間,実習割合,代表的な実習テーマ・課題,実習で使用する主なソフトウェア,生徒の評価方法,教科「情報」の教育目標,授業で困っていること,授業実践を通して感じる問題点や改善すべき点等について調査した。新学習指導要領が施行されて2年目となり,大半の学校において本格的に授業実践が行われているため,その状況と現場の教員が抱える問題点も,より具体的かつ切実なものであった。授業形態については,約半数がTTである一方,半数は40人の生徒を1人の教員が指導している。実習テーマについては,プレゼンテーション オフィス系ソフトウェア,Webページ制作,情報検索が広く扱われている。また,殆ど全ての学校でMS Officeが使われており,PCリテラシーを教育目標にしている学校も半数近くに上った。生徒の評価については,試験の他,従来の実習系教科と同様に提出物を重視する一方,生徒による相互評価を積極的に取り入れつつある。授業においては,生徒の習熟度の差への対応に悩むなど,教員配当が不充分であることに起因する問題点が多く,改善が望まれる。さらに,教科の存在意義そのものに対する疑問の声も大きいことが明らかとなった。キーワード:教科「情報」,アンケート,近畿,高等学校
著者
後藤 真
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:21888957)
巻号頁・発行日
vol.2017-CH-115, no.13, pp.1-5, 2017-07-28

本報告では,日本史学にたいして,どのような場面で情報技術が用いられるようになったのか,それにより変わったことは何であり,変わっていないことは何なのかについて,概観を試みる.日本史学におけるデータベースの歴史は古く,1980 年代にはすでに大型計算機によるデータベース構築が行われ,その後もさまざまな場面での活用が試みられてきた.その活用のあり方は,大きくはデータベース目録検索の時代,辞書と史料集の CD-ROM の時代,データベース 「乱立」 の時代,遍在するコンピュータの時代と大きく 4 つ程度に区分することが可能であるという暫定的な見通しを持っている.このそれぞれの状況が 「デジタルアーカイブ」 などとどのように切り結ばれてきたのか,今後の未来のありようなどについて,現状での見通しを述べたい.
著者
折田 明子
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP)
巻号頁・発行日
vol.2009-EIP-44, no.4, pp.1-6, 2009-05-29

ブログや SNS、掲示板などのソーシャルメディアにおける匿名性の高いコミュニケーションにおいては、会員登録や仮名利用によって利用者の識別性が確保されている。だが、第三者が、ID そのものを乗っ取るまでにいかないものの、趣味や嗜好を真似て特定のユーザに「なりすます」という問題が発生している。長らく使っていた仮名を他者が意図的に名乗り出してコミュニケーションに混乱を招いたり、個人のブログやサイトの管理者であるかのようにふるまうといった行為だ。本稿では、ネット上の匿名性と識別性の整理を踏まえた上で、こうしたなりすまし問題についての考察を試みる。
著者
松本 華歩 村上 真菜 栗原 一貴
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2017-EC-43, no.8, pp.1-8, 2017-03-03

お酒の割り方やコーヒーの甘さなどの味の好みは,人それぞれこだわりがある.しかし,自分の好みぴったりで割合を調節したり,気分や体調によって味を変えたりして飲むことは難しい.そこで本研究では,二つの液体の混合比を任意に調整して飲める水筒である ChanJar を提案する.ChanJar とは,change と jar を組み合わせた造語である.ここで,change は「変える」,jar は「瓶」という意味で用いている.ユーザ評価の結果,システムの有効性や改善点の必要性について確認した.また味覚と感情の関係性についての調査を行い,ChanJar を遠隔地から操作することで,操作者による,使用者への味覚による感情伝達の可能性を示すことができた.さらに,既存のウェアラブルシステムやセンサーを組み合わせることによる,健康管理システムやエンタテインメントシステムとしての可能性を論ずる.