著者
大森 翔太朗 金子 知適
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2015-GI-34, no.6, pp.1-7, 2015-06-27

近年プレイヤの個性に関する研究が人工知能の分野で取り組まれ始めている.本研究では,将棋の指し手の選択に注目し,コンピュータプログラムで棋風を実現する方法について提案する.棋風としては,プレイヤが攻めや受けなど特徴を持つ指し手を選ぶ傾向についてに着目する.棋風を統計的に分析した過去の研究を参考に攻めの特徴と受けの特徴を決め,攻めと受けの棋風について,それぞれの特徴の現れているプレイヤの棋譜を選別する.そしてそれらの棋譜を教師に評価関数の機械学習を行う.提案手法で学習したプログラムと,一般の棋譜で学習したプログラムの差を,攻めと受けに関する次の一手問題を題材に評価する予定である.
著者
中野 由章
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.108(2006-CE-086), pp.33-40, 2006-10-21

全国の各都道府県の教育委員会を対象に行ったアンケート調査で,教育行政側が教科「情報」を現在どのように捉え,将来的にどのように位置づけたいと考えているのかを調べた。その結果,教育行政側は,教科「情報」には教育内容の精選と「情報社会に参画する態度」の指導強化を,また「情報」という-教科にとどまらない「教育の情報化」を望んでいることが判明した。そして几教科「情報」の教員が他教科を兼任して指導することや,陳腐化した実習設備等の現場の問題点を認識しており,将来的に教科「情報」のセンター試験実施,教科研究会等での教員間の情報共有,そして国の予算措置等の必要性を訴えていた。また,教育行政側の教科「情報」に対する考え方が反映すると思われる教員採用試験での現状を整理した。結果として,教科「情報」の採用試験を行っているのは特定の都府県市に限られており,その内容にも問題点が多いことが明らかになった。,iこれらの結果からゴ教育行政側は教科「情報jの将来を疑問視しており,それ故に問題点を認識しながらそれを積極的に改善することに鰭膳しているのではないかと感じられる。との疑念を払拭しなければ,教育環境の改善は望めない。これを解決するためには,教科「情報」の教育目標や具体的な教育内容を体系的に示し,学校教育の中における意味と位置づけを明確にする必要があると考える。
著者
本多 展幸
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.904-906, 2017-09-15

近年,世界中でプログラミング教育が注目されているが,多くの取り組みは都市部を中心に行われており,地方都市に住む子供たちにプログラミング教育の機会が十分に提供されているとは言えない.NPO法人Rubyプログラミング少年団は,地方都市の地元の住民による継続的なプログラミング教育の実施を支援することを目的とした団体である.本稿では,当法人で実施している,初心者向けの家族参加型のワークショップと中級者以上向けの継続参加型のワークショップを紹介する.また,それらの紹介を通して,地方都市でプログラミング教育を実施する上での課題とその解決策,および,今後の展望について述べる.
著者
松山 泰男
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.914-918, 2017-09-15

学部生にとってスーパーコンピュータ(スパコン)は身近なものとはいえないが,今日のスマホはかつてのスパコンを凌ぐ能力を有している.従って,スパコン実技を有する学部生の育成は将来に向けて重要である.中国では,ASC17として参加学生数1000名を超える世界最大級の競技会を世界最高速のTaihuLightを用いる形で開いている.その競技内容はクラスター機の組み立てや深層学習を含むレベルの高いものであり,ワークショップではエクサスケール化やスパコン評価規範の変更に関する展望も示された.一方,その直後のドイツでのISC17では11チームという少数の院生を含むコンペが開かれており,好対照となっている.
著者
奈良 成泰 天田 拓磨 西出 隆志 土井 洋 吉浦 裕
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.1464-1482, 2017-09-15

個人や組織の活動にともなって時系列的に発生する情報をサーバで安全に集計することは実世界で大きなニーズがある.この集計において,サーバは受け取る時系列情報の範囲をあらかじめ予想できないため,情報の受取りにともなって集計表の値の加算だけではなく,集計表の拡張を行う必要がある.本論文では,時系列情報の安全な集計問題を新たに定義したうえで,秘密分散によって時系列情報を秘匿しながらマルチパーティ計算によって集計する方式を検討する.まず,秘密分散とマルチパーティ計算によって個々の値を秘匿しても,アクセスパターンを通じて集計表の推定が可能になることを示す.表の全探索によって値の加算と表の拡張を行う方法を提案し,アクセスパターンは秘匿できるが通信量が大きいという問題点を明らかにする.この分析に基づいて,全探索を避けながらアクセスパターンを秘匿するために,再帰的Path ORAMを用いる手法を提案し,通信量のオーダーレベルの削減効果を明らかにする.
著者
寺田 雅之 山口 高康 本郷 節之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.1483-1500, 2017-09-15

個人に関わるデータの公開・提供にあたっては,開示されたデータから個人のプライバシが漏洩することを防ぐ必要がある.本稿では,それらのデータを匿名化された個票データ(microdata)である匿名化個票として開示する際において,強い数学的な安全性が示されている差分プライバシ基準を充足しつつ,データの有用性を高く保つ方式を提案する.提案方式は,属性空間を完全に分割した分割表と個票データは多重集合の意味で等価であることに着目し,完全分割表に対するLaplaceメカニズムの適用と,ベクトル空間における最近傍探索に基づく非負制約,整数制約,総数制約の充足により匿名化個票を得る.また,提案方式の有用性を評価するために,売上履歴を模したロングテイル性を持つ擬似的な個票データを用い,L2距離,KS-距離を指標として従来方式と定量的に比較評価し,従来方式と比べて元データの性質をより強く保持する匿名化個票が得られることを示す.

1 0 0 0 OA 目次・表紙

雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, 2017-09-15
著者
前田 哲汰 パナヒプル テヘラニ メヒルダド 高橋 桂太 藤井 俊彰
雑誌
研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:21888582)
巻号頁・発行日
vol.2017-AVM-96, no.3, pp.1-6, 2017-02-17

我々は,サッカーなどの広大な空間を用いて行うスポーツを対象として,疎に配置した多数のカメラでシーンを撮影し,visual hull 法を用いてその 3D モデルを生成し,可視化する研究を行っている.Visual hull 法では微小なボクセルの集合によって 3D モデルを表す.扱う空間が広大かつ多数の選手が存在する場合,処理時間の削減やボクセル同士のオクルージョンの効率的な扱いが課題となる.そこで本稿では,処理時間を削減するために,8 分木構造を用いてボクセル群を多重解像度化し,内部を削りながらモデルを生成した.また,オクルージョンを明示的に扱わずに各ボクセルに対して矛盾のない色付けを可能にするために,仮想視点の角度に応じて表示色の変化をフーリエ級数で近似した.この表示色の推定において,周辺のカメラから得た色の中央値を用いることで比較的正しい色付けを行うことができた.
著者
泉 潤慈
出版者
福山大学経済学研究会
雑誌
福山大学経済学論集 (ISSN:02884542)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.131-144, 2016-03
著者
金澤 和美
出版者
昭和女子大学
雑誌
日本文学紀要 (ISSN:09171037)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.3-14, 2016